Shift_JIS Page
著者別リストへ

岡田鯱彦 作品

Since: 2026.04.05
Last Update: 2026.04.05
略年譜 - 探偵小説 - 随筆 - 著書

      岡田鯱彦(おかだしゃちひこ)略年譜

    1907.12.28  東京浅草で生まれる。本名は岡田籐吉
    19xx.xx.  東京物理学校入学、のち一高に入学
    1938.xx.  東京帝国大学文学部国文科卒業(卒論は古今和歌集研究)
    1940.03.〜1945.08.  名古屋陸軍幼年学校教官
    1944.12.  (講談倶楽部の懸賞小説の最終選考に名がある→中村美与子参照)
    1949.xx.〜  東京学芸大学教授
    1949.04. 「天の邪鬼」が日本ユーモアの大衆文芸の次席で掲載
    1949.08. 「噴火口上の殺人」がロック懸賞の一席に入選し掲載
    1950.04. 「薫大将と匂の宮」を宝石に掲載
    1993.08.04  死去

    筆名は、岡田鯱彦

      (国DC※)は国立国会図書館デジタルコレクション個人送信(ログイン必要)で公開されています(今後非公開になる可能性もあります)



      探偵小説など

  1. 「天の邪鬼」
    ( 日本ユーモア 1949.04. )
    『岡田鯱彦探偵小説選1』 論創社・論創ミステリ叢書78 2014.07.30
     小学校の先生俊介には妻とし子と文彦、冨士子、桜子、昭子、和子、まりと六人の子がある。教育の理想、文部省の仮名遣改革案、家庭での教育。外出先での玩具の競馬の遊戯、勝ち続ける冨士子……。
     大衆文芸次席当選三編の中の一編。首席は「郷愁」村田幸。ユーモア風小説。戦後の状況の一端がよく出ている。
  2. 「妖鬼の呪言」 (「妖鬼の咒言」)[緒方龍彦]([尾形幸彦])
    ( 別冊宝石 1949.05. )
    ( 探偵実話増刊 1954.04. )
    『犯罪ショーへの招待 日本代表ミステリー選集4』 角川文庫(緑410-04) 1975.10.30
    『岡田鯱彦名作選 噴火口上の殺人 本格ミステリコレクション2』 河出文庫(ん-04-02) 2001.11.20
    《改稿後》[尾形幸彦]
    ( 『予告殺人』 同光社 1958.08.05 )(国DC※)
    『薫大将と匂の宮』 国書刊行会・探偵クラブ 1993.06.10
     私岡田鯱彦がT大心理学科教授得能巌博士と京子夫人の家へ友人の妹植森茉莉を石廊崎から連れて来た。お告げがあり未来を予言するという。得能博士は講演の後、私と従兄緒方龍彦検事(G大の尾形幸彦教授)と茉莉の実験に合流、お告げは夫人が殺されているというものだった。死んでいた京子夫人。夫人に呼ばれて来たという花村清学士。小瓶、ジャックナイフ、アリバイ。お告げ、文箱、死。お告げ、緒方検事(尾形教授)は……。
     少しアンフェアとも思える部分もあるが、どんでん返しの効いた作品。有名作品に触発されたようにも思える。
  3. 「噴火口上の殺人」
    ( ロツク別冊 1949.08. )
    ( 探偵クラブ 1952.06. )
    ( 『噴火口上の殺人』 東方社 1955.11.01 )
    ( 『短篇集 探偵小説名作全集11』 河出書房 1956.10.25 )(国DC※)
    『現代の推理小説1 本格派の系譜1』松本清張、平野謙、中島河太郎編 立風書房 1970.11.15
    『死の懸垂下降 山岳推理ベスト集成』中島河太郎編 徳間書店トクマノベルス 1977.12.10 (国DC※)
    『日本ミステリーベスト集成3 山岳編』中島河太郎編 徳間文庫(144-03) 1984.12.15 (国DC※)
    幻影城 1975.12.
    『薫大将と匂の宮』 国書刊行会・探偵クラブ 1993.06.10
    『岡田鯱彦名作選 噴火口上の殺人 本格ミステリコレクション2』 河出文庫(ん-04-02) 2001.11.20
    『「ロック」傑作選 甦る推理雑誌1』ミステリー文学資料館編 光文社文庫(み-19-11) 2002.10.20
     完全犯罪の話。I高の五人組の私岡田、柿沼達也、香取馨、影山太郎こと阿武、荒牧健はA山麓の柿沼の家で最後の冬休みを過ごすことになった。柿沼の妹美代子と登志子。香取の小説が発表された。美代子を思わせる女性との同棲、彼女は捨てられ自殺する。四人は柿沼の決闘を思わせる手紙で再び柿沼の家へ行く。登志子にプロポーズする香取。噴火口上での決闘……。
     途中まではサスペンス豊かな展開だが、終盤一転して真相が明らかになる。完全犯罪は告白によらないと明確にならないのは当然といえば当然か。代表作の一つ。
  4. 「四月馬鹿の悲劇」
    ( 別冊宝石 1949.08. )
    ( 推理増刊 1972.12. )
    ( 『短編で読む推理傑作選50上』佐野洋、五木寛之編 光文社 1995.11.30 )
    『岡田鯱彦名作選 噴火口上の殺人 本格ミステリコレクション2』 河出文庫(ん-04-02) 2001.11.20
     私達I高時代の同僚五人組はR温泉に来た。見た事のあるような羽左衛門そっくりの老人と美人の令嬢。私は浴室で獺そっくりの老人に驚かされる。三人を招いて鶏と葱を賞品とした四月馬鹿の話。老人はI高で幽霊を見た寮生と退治に行ったHと幽霊に扮したSの悲劇を語る。獺老人はKの懺悔話として関係する話をする。老人の更なる話。獺老人の正体。令嬢美千枝は……。
     嘘と真が入り混じりさらに展開していく。結末に意外性のあるサスペンスある作品。
  5. 「地獄の一瞥」
    宝石 1950.02.
    『岡田鯱彦探偵小説選1』 論創社・論創ミステリ叢書78 2014.07.30
     文科の私岡田の恋した御社富士子は富士山麓鳴沢村の中学同窓川島儀介と付き合っていた。友人花山実は富士子を一途に恋していて何か起こりそうであった。三人が風穴に入る。気付くと縦穴の底から儀介の助けを求める声、ザイルを取りに行って戻ると花山が墜落死していた。死際の言葉。儀介を助け戻る。富士子は……。
     完全犯罪を試みる話。その状況と手法は良く考えられている。綱渡り的で未遂の危険性もありそうだが。
  6. 「真実追求家」
    ( 別冊宝石 1950.02. )
    ( 『宝石推理小説傑作選1』 いんなあとりっぷ社 1974.06.15 )(国DC※)
    『岡田鯱彦名作選 噴火口上の殺人 本格ミステリコレクション2』 河出文庫(ん-04-02) 2001.11.20
     真実追求家と綽名される私芙木狷介の友人宛の手記。子供の頃、中学の頃、I高の頃の崇拝する人物に対する失望と君との出会いと離反、大学時代の森山啓司との知遇。森山は人に知られた悪人で真実がわかる見え透いた嘘をつくので腹は立たなかった。戦後駒形の紙問屋を継いで父の後妻の連れ子美代子と結婚。森山が頼ってきて同居する。完全犯罪……。
     ある意味大がかりな完全犯罪。個人的には追求=明確化のイメージがあり嘘や隠れた行為を嫌悪するという性格を表すのには違和感がある。
  7. 『薫大将と匂の宮』 (『源氏物語殺人事件』)
    ( 宝石 1950.04. )
    ( 『薫大将と匂の宮』 東方社 1955.06.10 )
    ( 『日本推理小説大系9 昭和後期集』 東都書房 1961.03.20 )(国DC※)
    ( 『現代推理小説大系5 角田喜久雄・坂口安吾・岡田鯱彦』 講談社 1972.08.08 )(国DC※)
    『源氏物語殺人事件』 春陽文庫(1191) 1957.08.01 (国DC※)
    ( 『源氏物語殺人事件』 春陽堂書店・探偵双書 1958.04.01 )(国DC※)
    ( 『源氏物語殺人事件』 春陽堂書店・探偵双書(新書版) 不明 )
    ( 『源氏物語殺人事件』 新典社 1972.04.20 )
    ( 『角田喜久雄・坂口安吾・岡田鯨彦』 講談社・現代推理小説大系5 1972.08.08 )(国DC※)
    別冊幻影城15 1978.01.
    『源氏物語殺人事件 他一編』 旺文社文庫(130-01) 1980.07.20 (国DC※)
    『薫大将と匂の宮』 国書刊行会・探偵クラブ 1993.06.10
    『薫大将と匂の宮 昭和ミステリ秘宝』 扶桑社文庫(S-11-01) 2001.10.30
    ( 『薫大将と匂の宮』 創元推理文庫(Mお-12-01) 2020.03.19 )
     私は源氏物語宇治十帖の探偵小説ともいうべき続編を入手した。私紫式部は忠実にモデルを描写する事に失敗して筆を絶って半年。薫大将の宇治の妻浮舟の死体が川で見つかった。橋に残されたはき物、だが額はざくろのようになっていた。浮舟は匂の宮と文を交わしていて自殺とも他殺ともいえなかった。薫大将は京の情人小宰相の君といたという。一月後、匂の宮の妻中君が同じ場所、同じ状態で見つかった。 匂の宮の情人たちが薫大将と交情し、中君もだったらしい。匂いに長けた匂の宮は香りを出す薫大将の匂いで確信していたが中君は否定していた。中宮が浮舟と中君の霊を呼ぶ魂寄せを行う。凶器の発見。そして第三の事件。清少納言の推理。薫大将への嫌疑。私紫式部は……。
     特異な時代と舞台、特異な体質による謎、紫式部と清少納言の対立など、後にも先にも他者にもないオリジナリティある代表作。清少納言は少々気の毒な気もするが。
  8. 『紅い頸巻』 (『黒い疑惑』『恐怖の影』)
    ( 別冊宝石 1950.04. )
    ( 『紅い頸巻』 東方社 1955.08.01 )
    ( 『黒い疑惑』 同光社 1959.10.10 )(国DC※)
    ( 『恐怖の影』 青樹社・青樹ミステリー 1963.11.30 )(国DC※)
    『岡田鯱彦探偵小説選1』 論創社・論創ミステリ叢書78 2014.07.30
     私宛に中御門紅子からの手紙。従兄妹の大隈武夫と嘉子。武夫の恋人百合江。弟公臣。許婚阿部知彦。逗子。紅子の予感。老女中お兼、小間使お雪とお鈴。養子の兄中御門茂樹。溺れかけた紅子。公臣の溺死。紅子の父公友。私は住み込み紅子を守ることに。公友の弟公武と同居三人のこと、運転手山下。お兼の話。 紅子の結婚前最後の冬、スキーで狼峠を下る。武夫、山下、茂樹、嘉子、紅子、私、お雪さんの順で。赤い頸巻を嘉子と交換した紅子。私は緑色の頸巻の紅子と狐の湯に着く。遅れて着いた茂樹、着かない嘉子。墜落死体と木の幹の針金の痕。翌朝扼殺死体が見つかる。墜落死。遺書……。
     サスペンスに近い。事故か、いつ殺されそうになるか。地形や天候、順序や間隔など偶然の積み重ねとその結末が作者の設定といえそうなのだが少し安易な気もする。
  9. 「獺峠の殺人」 [尾形幸彦]
    ( 怪奇探偵クラブ 1950.05. )
    『岡田鯱彦探偵小説選1』 論創社・論創ミステリ叢書78 2014.07.30
     探偵小説家の卵尾形幸彦、肉体文学者花口三吾、役人木村鉄造、洋画家の卵高沢啓介はM村の鯨井虎男の家へ行く。鯨井の妹桜子を含めスキーで獺峠から獺温泉へ行く。吹雪の中、私の後で高沢の前の花口がいなくなった。宿での探偵談義。尾形幸彦の告白と失踪、木村鉄造の告白、高沢啓介の告白。鯨井の……。
     殺意と犯行と結果が錯綜する完全犯罪の話。問題作といえるが、他の作品に尾形幸彦の名の登場人物がいるだけに困惑する。
  10. 「親切な男」
    ( 読物キング 1950.06. )
  11. 「クレオパトラの眼」 (「クレオパトラの目」)[鯱先生]
    ( 怪奇探偵クラブ 1950.06. )
    ( 『地獄の追跡』 和同出版社 1958.06.10 )(国DC※)
    『岡田鯱彦探偵小説選1』 論創社・論創ミステリ叢書78 2014.07.30
     飲み屋ゆで蛸で神山鉄蔵代議士と甥の石塚秀夫が話していると私立探偵金丸一平が名刺を出す。入手が正当でないクレオパトラの眼というダイヤを頂戴するという鯱先生からの予告状があり警備することになった金丸探偵。警視庁神垣警部が鯱先生の係だという。隠し場所は神山しか知らない。アドバイスする金丸探偵。三人の用心棒と犬。予告時間に……。
     鯱先生の初登場作品。隠し場所の謎と既存のトリックの組み合わせであるが、騙し合いが楽しい。
  12. 「不可能犯罪」 [鯱先生]
    ( 怪奇探偵クラブ 1950.09. )
    ( 『地獄の追跡』 和同出版社 1958.06.10 )(国DC※)
    『岡田鯱彦探偵小説選1』 論創社・論創ミステリ叢書78 2014.07.30
     大沼電機社長大沼英之輔工学博士は中岡巡査と碁をうっていた。離れにいる萩原三蔵の娘百合子を残して隣の書斎に行く。銃声。三蔵が射殺されていた。中岡は玄関にいた百合子の恋人香山茂夫を捕らえる。鯱先生は子分の山猫こと山下実は、百合子の鯱先生なら真相を見抜いてくれると言ったのを知る。写真と実地を見て警視庁堀垣課長に真犯人を指摘すると……。
     鯱先生の活躍譚。トリックはすぐわかるが、気付いた点はなるほどと思わせられる。瑣末だが紐育は米軍ではないだろうか。
  13. 「密室の殺人」 [鯱先生]
    ( 怪奇探偵クラブ 1950.10. )
    ( 『地獄の追跡』 和同出版社 1958.06.10 )(国DC※)
    『「探偵倶楽部」傑作選 甦る推理雑誌7』ミステリー文学資料館編 光文社文庫(み-19-17) 2003.07.20
    『岡田鯱彦探偵小説選1』 論創社・論創ミステリ叢書78 2014.07.30
     金貸河田隆之介が密室で殺された。秘書岸本竹蔵とその娘明子が同居、弟房之介の娘真佐子が来ていた。三人が物音を聞いて居間兼寝間の扉を壊して入ると頭を割られ、金庫が開けられていた。堀垣捜査一課長と羆山刑事。握っていた鯱先生の名刺。東都新聞花田記者。名刺作成の依頼者。殺人の嫌疑をかけられている鯱先生は……。
     鯱先生の活躍譚。あっけない真相ではあるが、細かな伏線と密室の必然性と除外の論理が面白い。
  14. 「拳銃射手試験」
    ( 探偵実話 1950.10. )
  15. 「光頭連盟」 [鯱先生]
    ( 探偵クラブ 1950.11. )
    ( 『地獄の追跡』 和同出版社 1958.06.10 )(国DC※)
    『岡田鯱彦探偵小説選1』 論創社・論創ミステリ叢書78 2014.07.30
     スリルを求めていると鯱先生の乾分山猫が光頭連盟書記募集の採用試験の行列を見る。禿頭の鬘で採用される山猫。薄毛の委員長、長髪と髭の男、髪油をつけた若い男に連れられ自動車で会長に会いに。途中途中で人に見られるようにされながら、大涌谷へ……。
     鯱先生と山猫の偶然遭遇するスリル。募集は赤毛連盟を思わせるが当然意図は異なる。指紋の事と情報網はさすがという感じ。
  16. 「絵具の謎」 [紅子・鯨井警部]
    ( 少女の友 1950.11. )
     紅子と母美沙子が留守の時、父鷲山虎治画伯が画室で花瓶で殴られて死んだのを内弟子島崎春夫が見付ける。S警察署鯨井警部、辻元巡査、隣家の画商志村辰三。一人で酒を飲んでいたという島崎が連行される。紅子は絵の具の跡を見て……。
     少女の活躍譚。真相は安易であるが不審に思うところが良い感じ。
  17. 「妖奇の鯉魚」
    宝石 1950.12.
    ( 探偵実話 1952.11. )
    ( 『薫大将と匂の宮』 東方社 1955.06.10 )
    幻影城 1975.05.
    『源氏物語殺人事件 他一編』 旺文社文庫(130-01) 1980.07.20 (国DC※)
    『薫大将と匂の宮 昭和ミステリ秘宝』 扶桑社文庫(S-11-01) 2001.10.30
    『「宝石」一九五○ 牟家殺人事件 探偵小説傑作集』ミステリー文学資料館編 光文社文庫(み19-39) 2012.05.20
     戦後、何もかも厭になった私は死ぬ気で南アルプスの湖畔に行く。荒れ寺の老僧は鯉の絵屏風を見せて語る。荒れ寺にいた老婆に殺されかけて逃げる拍子に入った屏風の中で鯉になっていた。描かれていた鯉との戯れ、漁師の網にかかり逃げ出す。屏風の外へ出てしまう。鯉のいなくなった屏風。老僧はその後……。
     新釈雨月物語。ロマンスある怪異譚。原典の設定や筋を利用した、条件などを明確にした別作品といえそう。
  18. 「生不動ズボン」 [鯱先生]
    ( 探偵クラブ 1950.12. )
    ( 探偵実話 1954.09. )
    ( 『地獄の追跡』 和同出版社 1958.06.10 )(国DC※)
    『岡田鯱彦探偵小説選1』 論創社・論創ミステリ叢書78 2014.07.30
     南伊豆の温泉旅館で鯱先生に会いたがっている女がいると山猫は告げる。桐沢翠は新進洋画家村松一男と江崎浩と三角関係になっていた。村松と婚約、江崎が煙草を吸った時に灰が村松のズボンにかかり生不動のように燃えて転落死した。殺人か殺人でないか分らないという事で鯱先生は当時と同じように三人で現場へ……。
     鯱先生が罠を用いて真相を突き止める話。着想は面白いがかなり限定されそう。
  19. 「羅生門の鬼」 [鯱先生]
    ( 探偵クラブ 1951.01. )
    ( 『地獄の追跡』 和同出版社 1958.06.10 )(国DC※)
    『岡田鯱彦探偵小説選1』 論創社・論創ミステリ叢書78 2014.07.30
     鯱先生に山猫が話す。新宿の鞍馬親分が女房のとんぼ夫人と色男の河原崎との仲を疑い短刀で決闘することになった。立会人になった山猫、二人の付添い人、とんぼ夫人、河原崎の前で鞍馬が渡辺綱の羅生門の鬼に空中に吊り上げられようになり墜落死した。夜明けに再検分に行くという。鯱先生は……。
     鯱先生の活躍譚。実際に見ればすぐ判りそうで鯱先生の行動が主ともいえそう。
  20. 「殺人と雪だるま」 (「雪達磨と殺人」)[鯱先生]
    ( オール読切? 1951.xx.? )
    ( 『地獄の追跡』 和同出版社 1958.06.10 )(国DC※)
    『岡田鯱彦探偵小説選1』 論創社・論創ミステリ叢書78 2014.07.30
     北アルプスにスキー休暇で来た鯱先生と山猫。Sホテル前にある大きな雪だるま。山猫は女客が入浴中にこけしに隠したダイヤの指輪を盗んむ。鯱先生が隠すが無くなる。女客が行方不明、鯱先生は殺されたと言い犯人を見付けようと……。
     鯱先生の罠はたまたま判っただけのような。宝石と殺人の関係は面白いが。
  21. 「魔洞の暗号」 [尾形文彦]
    ( 譚海 1951.01.調整号 )
     尾形文彦と妹桜子と大瀬村村長南海の息子富士夫のHHS探検隊の目的地は悪魔島。豊臣の財宝のありかを示すらしい歌。断崖下のほらあなから入ると二人組銀行強盗の一人が撃ち殺されていた。もう一人の犯人に閉じ込められた三人。三つ眼の怪神像を見て……。
     冒険小説。偶然すぎるのと歌の強引な解釈と物理的な事が気になる。
  22. 「死の湖畔」 [尾形]
    ( 探偵実話 1951.01. )
    ( 『噴火口上の殺人』 東方社 1955.11.01 )
    ( 別冊宝石 1958.10. )
    ( 『探偵くらぶ  探偵小説傑作選1946-1958(下)浪漫編』日本推理作家協会編 カッパ・ノベルス(18-54) 1997.11.25 )
    『岡田鯱彦名作選 噴火口上の殺人 本格ミステリコレクション2』 河出文庫(ん-04-02) 2001.11.20
     湖畔の宿、女中が勘に関する話を先生にする。尾形と渡辺美千枝が旅館で昼食後話合っていた。尾形がボートを浮かべているとO大の寮にいた美千枝の兄が競争だといって泳いで来た。危険な水域で尾形はふざけていると思ってやや離れる。結果兄を見殺しにしてしまったと告白した。女中は裏の真相として……。
     意外な展開といえるかもしれない。
  23. 「闇の殺人魔」 [鯨井警部]
    ( 探偵実話 1951.03. )
     木賀春夫は女給奈々子をアベック殺しの殺人魔が出そうな森へ連れ出して別れを迫る。結婚話を妨害するという女。春夫は女を殺し、襲われて逃げ出したようにして交番へ届け出る。鯨井警部の聴取。協力的な春夫……。
     倒叙。過去にありそうだが、意外な詭計という感じがする。
  24. 「幽霊館の謎」 [尾形文彦]
    ( 譚海 1951.03. )
    ( 児童文芸 1961.08. )
     尾形文彦は青山友敬から手紙をもらって見舞いに行く。ゆれいを見たという。母もとり殺されたという。番町の幽霊館には友敬、父青山元敬、秘書倉沢、女中、下男のじいやがいる。皿屋敷の怪談。夜中の十二時に出る幽霊。まり子は一週間泊まるがゆうれいは出ない。その後文彦は……。
     サスペンスはあるが幽霊の出る条件や理由など疑問が多い。特定も偶然に近い。※後の少女向けの「わたしは夜がこわい」と同内容。
  25. 「死の脅迫状」 [鯱先生]
    ( 探偵クラブ 1951.04. )
    ( 『地獄の追跡』 和同出版社 1958.06.10 )(国DC※)
    『岡田鯱彦探偵小説選1』 論創社・論創ミステリ叢書78 2014.07.30
     鯱先生と山猫は飯島博士夫人のもつダイヤ楊貴妃の眼を盗もうとする。私立探偵尾形幸彦として面会。鯱先生の脅迫状。シェパード、夫人の甥飯島猛、二人の用心棒。鯱先生は護衛として依頼を受ける。夜、夫人の寝室に忍び入った鯱先生は……。
     鯱先生の仕事ぶりと言うような話。偶然が多いが脅迫状と宝石の真相はやや意外性がある。
  26. 「妖怪雪だるま」
    ( 譚海文庫 1951.04. )
     ※掲載確認できず
  27. 「菊花の約」 [(緒方教授)]
    ( 探偵実話 1951.05. )
    『薫大将と匂の宮 昭和ミステリ秘宝』 扶桑社文庫(S-11-01) 2001.10.30
     緒方教授は雨月物語を女生徒に朗読させ、女生徒の感想を聞く。赤穴宗右衛門の行動はナンセンスだという。緒方にはI高の学生だった頃の伊豆半島K村の村長の娘桐沢翠との思い出があった。消息不明になっていた翠。翌日、駅のフォームで……。
     新釈雨月物語。情趣ある不思議な話。原典とは異なったIFの世界ともいえそう。
  28. 「犯罪の足跡」 [鯱先生]
    ( 富士 1951.06. )(国DC※)
    探偵実話 1955.06.
    ( 『地獄の追跡』 和同出版社 1958.06.10 )(国DC※)
    『岡田鯱彦探偵小説選1』 論創社・論創ミステリ叢書78 2014.07.30
     S高原。猪狩青年がスキーで桜山健蔵の別荘へ来てその娘で作家の美耶が来るはずだが来ないと下男小林正吉に言う。部屋を調べると居なかった。別荘には健造、美耶、妹茉莉、G大教授尾形先生、私春夫、下男、女中雪江と芳枝がいた。雪が止んでからいなくなったようだが猪狩のスキー跡しかなかった。別荘へと鯱先生は……。
     鯱先生の探偵譚。メイントリック自体はありがちではあるが手懸りのところなど細かく考えられている。
  29. 「ヴィナスの眼」 [尾形文彦・鯱先生]
    ( 探偵王 1951.06. )
     少年名探偵尾形文彦は人を殺さないはずの怪盗鯱先生が子供を誘拐し身代金を払わないと殺してしまうということを聞く。級友今村一郎の妹みどりが誘拐される。一郎にヴィナスの眼というダイヤモンドを持ってくるようにという脅迫状が届く。文彦は一郎の身代わりになって行くが子分の山猫に自動車で連れ去られる。目印を残して行く文彦。みどりと文彦は逃げ出そうと……。
     怪盗鯱先生シリーズの少年向け番外編。
  30. 「吉備津の釜」
    ( 探偵実話 1951.07. )
    『薫大将と匂の宮 昭和ミステリ秘宝』 扶桑社文庫(S-11-01) 2001.10.30
     吉備津の宮の神主香造酒が御釜祓をすると娘磯良の結婚は凶と出たが磯良は嫁入りする。正太郎は妓女の袖となじみななり父に座敷牢に押し籠められる。磯良は二人の世話もやくが出奔する。袖の従弟彦六のところで袖が死ぬ。袖の瓏の並びの瓏を詣でる女についていくと……。
     雨月物語の現代語自由訳とのこと。
  31. 「浅茅が宿」
    宝石 1951.09.,10.
    『薫大将と匂の宮 昭和ミステリ秘宝』 扶桑社文庫(S-11-01) 2001.10.30
     下総国葛飾郡真間に住む勝四郎と新妻の宮木。勝四郎は一年後には帰ると約束し雀部と京へ絹を売りに行く。戦争があり帰郷しようとするが木曽真坂で山賊に会う。関所が出来て往来できないとも。熱病にもなり近江武佐の児玉嘉兵衛の所に過ごす。七年後、京も騒がしくなり宮木は死んだものだと思いながら帰郷すると……。
     雨月物語の不用部削除、構成変更、視点変更作品とのこと。
  32. 「謎のラジオ(犯人は誰だ?)」
    宝石 1951.11.
     ラジオ探偵局長美波菊太郎と大沼電機電気通信会社社長、船田虎之助の娘百合子、書生の春山、春山の友人の片山。局長と百合子が銃声を聞いて離家へ行くと銃殺されていた。書斎にいた大沼、友人の見舞いから帰った春山。動機。局長は……。
     NHK用の脚本。「不可能犯罪」の簡易流用。
  33. 「死者は語るか」 (「姉の手は語る」))[在原龍之介]([尾形幸彦])
    宝石 1951.12.
    『岡田鯱彦名作選 噴火口上の殺人 本格ミステリコレクション2』 河出文庫(ん-04-02) 2001.11.20
    《改稿後》[尾形幸彦]
    ( 『予告殺人』 同光社 1958.08.05 )(国DC※)
     在原龍之介(尾形幸彦)教授の研究室に学生樋口哲夫が姉あや子の死の疑問を解決して欲しいと来る。あや子は歯医者小澤乙彦との新婚旅行中に体調が悪くなり実家に帰って間もなく死んだ。あや子を好いていた英文学助教授花田實、小澤の友人の雑文家飯島春治と雑誌記者佐久良雪子。通夜の時、あや子の手は組み合わされていたが拇指だけは円になっていて寝巻の花模様が中心になっていた。崩された手の形。解剖結果は異常がなかった。在原龍之介(尾形幸彦)と哲夫はそれぞれの話を聞き、湯の湖畔の宿で……。
     意外な殺人方法といえそう。ダイイングメッセージ物といえるかどうかは微妙。
  34. 『幽溟荘の殺人』 (『黒い断崖』)[在原竜之介]([尾形幸彦])
    ( 別冊宝石 1952.02. )
    ( 『幽溟荘の殺人』 東方社 1955.09.20 )
    『岡田鯱彦探偵小説選2』 論創社・論創ミステリ叢書79 2014.08.30
    《改稿後》[尾形幸彦]
    ( 『黒い断崖』 同光社 1958.12.28 )(国DC※)
     尾形春夫(谷川春夫)は叔父北田正平の住む伊豆の幽溟荘(ミモザ荘)へ正平の妻阿佐緒から相談があるとの手紙を受け取り出掛ける。幽溟荘には北田商事を往復している橋爪隆蔵、書生高岡実、下男小林正、女中篠崎たま、鈴木みね、シェパードのアルがいた。相談とは正平宛に八巻羊一からの脅迫状で金を獅子の眼に置くようにとのことであったが正平は無視したが再度脅迫状が来ていた。翌日、正平と春夫は獅子の頭へ行きお金を置こうとしたところ正平は岩が崩れ転落しそうになる。 春夫はG大国文科教授在原竜之介(尾形幸彦)に調査を依頼する。春夫の阿佐緒の部屋での見聞。翌日、正平と春夫と在原はモーターボートから橋爪が獅子の頭から転落したのを見る。半開きの裏木戸。第三の脅迫状。各人のアリバイ。高岡の話と死。脅迫状の主。毒珈琲事件。読者への挑戦……。
     読者への挑戦付の伏線などしっかりとした本格推理作品。手掛かりを偶然として確実でない手法であれば他にも考えられそう。名探偵への不満部分の対処は納得。
  35. 「遠隔窃聴狂」 [尾形幸彦]
    ( 探偵実話 1952.08. )
    ( 『裸女観音』 東方社・東方新書 1955.12.01 )(国DC※)
     大学工学部助教授尾形幸彦はX1を完成させた。妻星子は鳥潟博士の令嬢で子はいない。土曜日は寝室を共にする日と決っていた。日曜日、藤井健一助教授と元歌手のひろ子夫人のアパートへ行きX1を仕掛ける。藤井の後輩のアイスホッケー選手杉田則夫。三十の短波発信機。杉田と奥さん。藤井と奥さん。幸彦は……。
     受信側は真空管のようで。当時は空想的だったのかもしれない。
  36. 「変身術」
    ( 面白倶楽部 1952.08. )
    ( 『薫大将と匂の宮』 東方社 1955.06.10 )
    探偵倶楽部増刊 1957.11.
    ( 小説の泉増刊 1962.05. )
    ( 『異次元の花園』山村正夫編 カイガイ出版カイガイ・ノベルス 1976.12. )
    『薫大将と匂の宮 昭和ミステリ秘宝』 扶桑社文庫(S-11-01) 2001.10.30
    ( 『剣が謎を斬る 時代ミステリー傑作選』ミステリー文学資料館編 光文社文庫(み-19-21) 2005.04.20 )
     鼠小僧次郎吉が獄門の刑に処せられた。だが脱獄していて牢屋奉行は身代わりを処刑、同心片桐三右衛門を通じ岡っ引清吉に密令が下っていた。尾行される次郎吉、蜆売りの少年、鼠に変身し逃れる次郎吉。越後屋平左衛門の持つ千鳥の香炉を盗むが香炉が音を出す。逃げ込んだお侠な娘藤江の寝間。助けられる形になるが忌々しく思い……。
     奇談。忍術を伝授されたことになっている。制約は予想外でした。
  37. 「言葉の殺人」
    ( 面白倶楽部 1952.10. )
    ( 探偵実話増刊 1956.02. )
    ( 『犯罪の足音』 光風社 1958.09.25 )(国DC※)
    ( 『犯罪の足音』 青樹社・青樹ミステリー 1963.12.30 )(国DC※)
     KM商事庶務課長深沢は準ミス銀座笹川茂子に新社長守山哲彦の結婚の人物調査として呼び出される。社長同席で話はミス銀座阿部芙美子の事になる。彼女は会社の金の盗難事件で辞めていて、親友からそのような事をする性格でない事を調べて判断してほしいと言っていたという。繁子は芙美子のことを……。
     ひねりを効かせた作品。どちらへ転ぶか、運命的とでもいえそう。
  38. 「悪魔の影」 [在原龍之介・文彦]
    ( 少年 1952.12. )
     マリは文彦に洋画家の父宮本知晴が悪魔の影に脅迫されていると相談する。ダイヤモンドを客間のだんろの上に置いておけという。客間に忍び込んだ文彦とマリは見つかり縛られる。じいや小林、書生篠崎、ねえや花子、ばあやたま。ない足跡。文彦は私立探偵在原龍之介に頼む。ダイヤのしかけ……。
     ありがちな計略だが、その有効条件を作るのに活躍するというのは珍しいかもしれない。
  39. 「愛の殺人」
    宝石 1953.01.
    ( 『噴火口上の殺人』 東方社 1955.11.01 )
    『岡田鯱彦探偵小説選2』 論創社・論創ミステリ叢書79 2014.08.30
     検事安川治之は南紀白浜の探偵作家灰田雪彦に招かれ蒼竜荘へ来た。隣の別荘の住友紀美と弟馨。蒼竜荘の客は新劇俳優石山寛、洋画家佐世好一、モデル淡路千景、新進作家本郷聡、女優西村みどりと瀬田タカ子。女中ミネ。怪人荘の土沼秀造。紀美とのボート、石山の溺死。佐世の溺死。淡路の血塗れの顔での墜落。安川は……。
     告白部分に面白みのある所もあるが意外性はあまり感じない。女性視点の描写の違和感と女性に魅力を感じなかった為かもしれないが。
  40. 「悪い癖」
    ( 報知新聞 1953.01.13 )
     課長は探偵小説好きで実行に移すという。紳士の札入れ。パンパンだという女。私は課長と女のあとをつけて行くと……。
     コント。やはり犠牲は必要なようで。※のち「秘術」で短編化、「課長の特技」で一部流用。
  41. 「艶説清少納言」
    ( 面白倶楽部 1953.03. )
    ( 『裸女観音』 東方社・東方新書 1955.12.01 )(国DC※)
    『薫大将と匂の宮 昭和ミステリ秘宝』 扶桑社文庫(S-11-01) 2001.10.30
    ( 『薫大将と匂の宮』 創元推理文庫(Mお-12-01) 2020.03.19 )
     清少納言は宰相中将藤原斉信の邸で盗賊を捕らえた左衛門尉橘則光を紹介してもらい妹兄と噂されるようになっていた。無骨で歌を解しない則光は一途に清少納言を思っていた。加茂の祭に車の同乗を誘う頭弁藤原行成。先約があると則光。清少納言の思いと当日聞いた斉信と行成の会話。清少納言は則光を呼び……。
     清少納言と橘則光との間を主とした物語。史実では子もあるらしいが逢坂の関越えをしていない関係での物語。
  42. 「妻の恋人」
    ( 探偵実話 1953.04. )
     高橋周平は会社帰りに懐かしい人形焼きを買って帰る。妻淑子は外出して遅く帰ってきた。周平は疑惑を抱き、変装して尾行し、男と洋館に入る妻を見てついには男を。その男というのは……。
     オチとしては残念。雰囲気は良いのだが。
  43. 「鯨3解決篇 血ぬられたる血潮」
    ( 探偵実話 1953.07. )
    ( 傑作クラブ 1956.07. )
    ( 『狂人館』 東方社 1956.10.01 )(国DC※)
    『悪魔の賭/京都旅行殺人事件 合作探偵小説コレクション8』日下三蔵編 春陽堂書店 2024.10.29
    ・「1発端篇 血染の漂流船」島田一男:坂田為造は木更津の焼玉エンジン船第三半七丸の乗組員で船長津上専吉の女房お新とできていた。専吉の弟啓次も関係していた。二人はそれぞれ一緒に逃げようとお新に言う。四人が乗った船は魚河岸で魚を降ろし冷凍鯨を購入。その後大森海水浴場に突進、誰もいなくて船内は血塗れだった。
    ・「2捜査篇 血しぶく女臭」鷲尾三郎:越智警部と捜査一課長は血塗れの船とその足取りを調べる。木更津での調査、大森海岸の男女。
    ・「3解決篇 血ぬられたる血潮」岡田鯱彦:越智警部は……。
     死体の隠し場所は意表をついている。細かく考えられている部分と雑な部分とが混在している感じ。リレー小説の難点かもしれない。
  44. 「石を投げる男」 (「石を投げる怪人」))[在原竜之介]([尾形幸彦])
    宝石増刊 1953.07.
    『岡田鯱彦名作選 噴火口上の殺人 本格ミステリコレクション2』 河出文庫(ん-04-02) 2001.11.20
    《改稿後》[尾形幸彦]
    ( 『予告殺人』 同光社 1958.08.05 )(国DC※)
     B半島N海岸、G大教授在原龍之介(尾形幸彦)は旧友の沢田熊雄と会う。初恋の木寺ひとみと一緒になると思われた。石鍋貞親と婚約し、出兵時に解消、戻った時には手足を一本失っていた。女中鈴木みね、婚約者早乙女滋と黒沼君子と丸山麗子、弟W大生文彦、書生畑中進。文彦と畑中の相談。手帳。早乙女の額が割られた死体が崖下で見つかる。多々羅警部。疑われるひとみと文彦。目撃談。畑中が同じ様に殺される。第三の死体、在原は……。
     読者への挑戦入り作品。絞れはするが限定するには難しい部分がある。良くも悪くも知っていたかどうかが問題な作品といえそう。
  45. 「52番目の密室 情痴の殺人」 [(尾形)]
    ( 面白倶楽部 1953.10. )
    ( 探偵実話増刊 1955.03. )
    ( 『裸女観音』 東方社・東方新書 1955.12.01 )(国DC※)
    ( オール読切 1958.06. )
    『岡田鯱彦探偵小説選2』 論創社・論創ミステリ叢書79 2014.08.30
     漢文学のT大教授飯島泰明の妻久美子は寝室の扉に錠と掛金をつけていた。女中お雪、のぶ江、猫のミー、書生尾形俊介。尾形を誘う久美子。女中たちの会話と告げ口。密室になった寝室での久美子青酸加里死。欄間の隙間。鍵を持ち出し寝室に入る尾形。自殺……。
     殺人の方法が考えられた作品。良くも悪くも確実性に欠けそう。「五十一番目の密室」ロバート・アーサーの応えて書かれたとのこと。
  46. 「嘱託恋愛」
    ( 探偵クラブ 1954.01. )
  47. 「情炎」 [千葉警部補]
    宝石 1954.02.
    『岡田鯱彦名作選 噴火口上の殺人 本格ミステリコレクション2』 河出文庫(ん-04-02) 2001.11.20
     漢学者平沼博士には娘美智子、後妻百合江がいた。元書生斎藤隆は百合江と会っていた。斎藤のアパートを突き止めた美智子は管理人の細君に留守の部屋に通されるがあきらめて帰る。美智子と戻った斎藤は水瓶の水を飲むと毒死、美智子は逃げ帰る。書生山中清作、女中鈴木なみ江。相川刑事、千葉警部補。アリバイ調査。美智子毒殺未遂事件。アリバイ検討。第三の事件、遺書。博士は、千葉警部補は……。
     ある意味盲点となったアリバイに関する作品。動機も特異かもしれない。※のち『殺意の渦』として構成変更し加筆
  48. 「十三の階段3輪廻篇」
    ( 探偵クラブ 1954.02. )
    ( 『畸形の天女・十三の階段』 春陽堂探偵双書13 1955.12.30 )
    ( 『畸形の天女』 春陽堂書店(星文館発売) 不明(記載なし)
    『十三の階段 山田風太郎コレクション3』 出版芸術社 2003.02.20
    『十三の階段/悪霊物語 合作探偵小説コレクション4』日下三蔵編 春陽堂書店 2023.06.27
    ・「地獄篇」山田風太郎:シンガポール、チャンギー刑務所。戦犯として収容された元軍医中尉泉暁太郎、加賀万熊上等兵と兄大熊一等兵。万熊は御子神曹長と刈谷大尉と宝石商淡路可奈子と大日向軍司令官を呪い発狂、絞首刑になったとも脱走したともいわれていた。神津恭介は招待状を受取った泉に誘われ外房K町へ。首吊り供養に招待されたのは参議院議員大日向右京、東平産業専務刈谷慶蔵、町長御子神善助、医師泉暁太郎、七宝堂経営者淡路可奈子、旅館業加賀大熊と志保夫人。大日向の秘書で志保の弟天草兵馬。櫓に首を吊られた御子神。階段は十三。
    ・「無明篇」島田一男:辰巳警部と大熊との話。可奈子と刈谷の話。兵馬が大日向の使いで刈谷を通夜へ行って大日向に会うようにいう。わらべ歌のレコード。湯場の庇に吊り下げられた可奈子。十三段の縄梯子。
    ・「輪廻篇」岡田鯱彦:刈谷と大日向の話。御子神の手記と予告。刈谷宛の手紙。兵馬から大日向への可奈子の死の電話で戻る大日向。首吊りの影。鍵のかかった地下室での刈谷の絞殺死体と唯一の鍵。十三段の鐵梯子。辰巳警部、神津恭介、泉暁太郎の調査。いなくなった大日向。
    ・「煉獄篇・審判篇」高木彬光:神津恭介と兵馬、泉、志保。大熊か万熊か。泉の話。土谷部長に頼んだ資料を真鍋雄吉が届けに来るはず。別荘風の建物。大日向の死体。遺書、神津恭介は……。
     かなりまとまった連作小説。どこまで打ち合わされていたのかは不明だが、謎と思われる部分の説明が放置されているところもある。それなりに各人の特色が出ていると感じるところもある。
  49. 「夢魔」 [(尾形)]
    宝石 1954.03.
    『岡田鯱彦探偵小説選2』 論創社・論創ミステリ叢書79 2014.08.30
     私尾形は会社の慰安旅行でK川寮に泊まったときに矢野浩が短刀を胸に寝かされるのを見た。階段を挟んで金子玉江と山本ミツ、一つ隔てて私と村上貞夫、隣に課長田辺万平、向かいに黒田光一郎と別室で見た矢野浩という部屋割り。部屋を通過する足音。私と村上で現場を見る。死體の向き、玉江のナイフとハンカチ。各人の動静。玉江の話。課長の話。村上は……。
     土曜会の朗読作品。犯人、動機、方法などを当てる。良くできた作品ではあるが、時間の限定は少し気になる。
  50. 「魔法と聖書3後篇 三つ巴の闘い」
    ( 探偵実話 1954.03. )
    ( 『狂人館』 東方社 1956.10.01 )(国DC※)
    『悪魔の賭/京都旅行殺人事件 合作探偵小説コレクション8』日下三蔵編 春陽堂書店 2024.10.29
    ・「前篇 小心な悪漢」大下宇陀児:浅井新吉は南條市子にパチンコで魔法使いの男を見かけると必ず負けると話す。また使い込みをしているという。市子は新吉にエレベーターでのバイブル支配人のことを話す。新橋駅付近で社長と会計課長を見かけると話しをしに行く新吉。銃声、支配人の死体。
    ・「中篇 五階の人々」島田一男:エレベーターガール市子。五階で降りる課長、倉橋社長、パチンコ屋の男、男二人と女。六階の上の屋上で見た雪にうずくまる課長。新吉に報告する市子。男達は刑事、女は支配人の二号で聖書が欲しいと言ったという。女の匂い。新吉は夜、屋上に行く。
    ・「後篇 三つ巴の闘い」岡田鯱彦:屋上での新吉と魔法使いの男と誰かわからない男との争い。帳簿。女と課長。女と新吉。新吉と市子と魔法使いの男……。
     ピカレスク風リレー小説。安易な部分が目立つ。パチンコの謎は不明のまま。
  51. 「なぞの怪老人」 [尾形文彦]
    ( おもしろブック 1954.04. )
     怪老人が尾形文彦の妹富士子をさらい、父尾形虎彦博士に怪人Zからロケットの設計図の要求があった。母年子。設計図のことを知っていたのは湯川博士、陳、ジェームス。父の代わりに文彦が受け渡しに行く。塩豆の痕跡をたどり……。
     変装した真犯人当て懸賞。二ヶ月連続(別の問題?)解答が条件。解答未見。
  52. 「三味線殺人事件」 [(尾形)]
    宝石 1954.05.
    ( 『紅い頸巻』 東方社 1955.08.01 )
    ( 『殺意の渦』 昭和書館 1961.06.20 )(国DC※)
    『岡田鯱彦探偵小説選2』 論創社・論創ミステリ叢書79 2014.08.30
     私探偵小説家の尾形は菱山健画伯から自殺したと思われている妻伊都子の死が殺人である話を聞かされる。妻の嫉妬、愛妻画の噂の出所、女中美智江の発見で未遂に終った伊都子の自殺。夫婦で文字辰から習う三味線。癖。嫉妬。夫から習う三味線。伊都子の死。各人のアリバイ。完全犯罪……。
     殺害方法に特徴のある作品。嘘か本当か、伝染するものかどうかはよくわからないが。
  53. 「裸女観音」
    ( 宝石増刊 1954.08. )
    ( 探偵実話増刊 1955.10. )
    ( 『裸女観音』 東方社・東方新書 1955.12.01 )(国DC※)
    ( 耽奇小説増刊 1958.12. )
     高等学校三年頃の夏休み、私は宮城山形国境の尿前に泊まった。隣の部屋から聞こえる睦言。宿では隣はお坊さん一人だという。私はお坊さんの話を聞く。弁信の師匠宛の遺書では、女人の誘惑から逃れ観音像の画像に恋して一夜を過ごしたために自殺するという。お蝶の遺書。玄信の遺書。そして裸女観音像の巻物……。
     奇譚。老師もなのか違うのか気になるところ。原典の有無は不明。
  54. 「謎の無頭怪人」
    ( 太陽少年 1954.09.〜11. )
  55. 「昭和改版西鶴浮世草子 秘密の灸穴」
    ( 別冊宝石 1954.09. )
    『駒形堂の藤吉親分捕物話』 捕物出版 2021.05.10
     武烈天皇は后の暁の少納言が亡くなると木眼居士に人形を作らせた。帝と后しか知らない灸穴がある。少納言の妹夕日の大夫は姉の無実を思い……。
     ストーリーに変更を加えず構成順序を変更し探偵趣味物語としたものとのこと。原典は「新可笑記」の「官女に人のしらぬ灸穴」。
  56. 「昭和改版西鶴浮世草子 夢の媾合」
    ( 別冊宝石 1954.09. )
    『駒形堂の藤吉親分捕物話』 捕物出版 2021.05.10
     勘助は女房お菊を残して行商に出る。帰ると媾合しないと落ちないというまじないが落ちていた。お菊は半次郎と夢で媾合い、半次郎も同じ夢を見て言いふらしていたという。甚助は御前へ訴え……。
     ストーリーに変更を加えず構成順序を変更し探偵趣味物語としたものとのこと。原典は「本朝桜陰比事」の「見て気遣は夢の契」。
  57. 「昭和改版西鶴浮世草子 不動の火焔」
    ( 別冊宝石 1954.09. )
    『駒形堂の藤吉親分捕物話』 捕物出版 2021.05.10
     下屋敷を預けられた手代は人と交わるのが嫌いだった。手文庫の中の蔵の鎰がなくなり品物が盗まれる。天狗坊は煙を名書きの上に動かすと火焔が燃え移るという。手代の名が燃え親許に盗まれた品があった。手代は天狗坊を訴え……。
     ストーリーに変更を加えず構成順序を変更し探偵趣味物語としたものとのこと。原典は「本朝桜陰比事」の「煙に移り気の人」。
  58. 「病院横町の首縊りの家 解答編」 [金田一耕助]
    ( 宝石 1954.11. )
    『鯉沼家の悲劇 本格推理マガジン』鮎川哲也編 光文社文庫(あ-02-25) 1998.03.20
    『諏訪未亡人/猪狩殺人事件 合作探偵小説コレクション6』日下三蔵編 春陽堂書店 2024.03.26
    ・「前篇」横溝正史:金田一耕助は私に病院横町の首縊りの家と新婦は死んでいたという結婚紀念の写真を見せる。熊谷写真館に男が現れ婚礼写真を依頼する。熊谷写真師は新郎の女形中村梅女の迎えで新婦お雪との写真を撮る。
    ・「第一コース 前篇(承前)/後篇」岡田鯱彦:鰹節問屋村瀬嘉一郎と静江の娘お雪は家に帰らず捜索願が出された。友人沢田絹代。熊谷写真師は新聞を見て梅女に届けに行くが行方不明、警察に写真を届ける。高杉刑事と撮影した荒れた家へ行く。血染めの部屋。磯川警部。役者春山甲子呂の目撃談では写真を撮った時には死んでいたことになる。死人の澄んだ眼。金田一耕助は……。
    ・「第二コース」岡村雄輔:病院横町の家で見つかった花嫁姿で絞殺後首つりされた家主の薬屋荻野の姪夏絵。女の声。姉秋絵の衣裳。熊座警部補。梅女の行方不明。弟子梅枝。呼び出しの手紙。梅女の保護者土屋夫人。梅女の話。死体、生体、死体。扇風機。三つの歌。熊座は金田一耕助に会う。金田一耕助は撮影時の再演を……。
     横溝正史の中絶となった作品の続編競作。生者か死者か二通りの展開と解決が楽しめる。前者は設定を良く生かしていると感じる。後者は名前違いは別としても無理や飛躍が感じられる。
  59. 「毒唇」 [鯨井刑事]
    ( 面白倶楽部 1954.12. )
    ( 『噴火口上の殺人』 東方社 1955.11.01 )
    ( 『あやかしの夜』 あまとりあ社 1958.10.30 )(国DC※)
    ( 探偵倶楽部 1958.12. )
     阿佐緒夫人は須貝春夫と密会していた。遅く帰る夫人。年の離れた夫の夏目茂助は寝る時間が決っていて人形をかわいがっていた。茂助の毒死。女中細川絹枝、じいや黒田清作、友人遠藤洋子。鯨井刑事が調べるが夫人は春夫と温泉ホテルにいた。自殺か。鯨井刑事は何気なく……。
     倒叙風作品。実際の捜査ではありそうだが、偶然でしかない。
  60. 「雪の夜語り」 [尾形]
    ( 探偵実話 1955.01. )
    ( 『紅い頸巻』 東方社 1955.08.01 )
    探偵倶楽部増刊 1958.03.
    ( 『犯罪の足音』 光風社 1958.09.25 )(国DC※)
    ( 『犯罪の足音』 青樹社・青樹ミステリー 1963.12.30 )(国DC※)
    『岡田鯱彦探偵小説選2』 論創社・論創ミステリ叢書79 2014.08.30
     数学の尾形教授は幼馴染の雪江夫人と商事会社社長西村八郎と瀬戸内の故郷H市で会い各自の話をすることになった。雪江夫人の初恋の出奔した男の話。尾形教授の少女への恋と出奔に際しての合図の話。西村社長の恋の話……。
     少年少女のの恋物語。ふとした事で変わるその後ということで。
  61. 「笑う雪ダルマ」 [在原龍之介・文彦]
    ( 少年増刊 1955.01. )
     文彦は薄闇の中、笑う雪ダルマを見る。よく見ると右目のタドンがずれているだけだった。直そうとすると穴がありZ文書の受け渡しが書かれた文書があった。文彦は名探偵在原龍之助に電話をする。見張っていると男が文書を取り出す。文彦は後を追って……。
     冒頭は不気味な感じがあるが後半は追うだけのような。
  62. 「地獄から来た女」
    宝石 1955.03.
    ( 『噴火口上の殺人』 東方社 1955.11.01 )
    オール読切 1958.03.
    ( 『犯罪の足音』 光風社 1958.09.25 )(国DC※)
    ( 『犯罪の足音』 青樹社・青樹ミステリー 1963.12.30 )(国DC※)
    『岡田鯱彦名作選 噴火口上の殺人 本格ミステリコレクション2』 河出文庫(ん-04-02) 2001.11.20
     夏川秀彦は殺したと思った木下道子を見かけ尾行する。秀彦は東北N市の技師に勤めていて工場主の娘道子を誘惑し、踊り手の原緋紗子を社長とドラ息子との争いで得る為の資金源としていた。黒羽山へ行き道子を突き落とし金を奪った秀彦。救われたが記憶喪失だという。秀彦は記憶が恢復する前に再度殺そうと道子を同じ場所に誘い……。
     サスペンスとどんでん返し風な作品。口は禍の元ということで。※のち『断崖殺人事件』として長編化
  63. 「異説浅草寺縁起」
    宝石増刊 1955.03.
    ( 『裸女観音』 東方社・東方新書 1955.12.01 )(国DC※)
    『薫大将と匂の宮 昭和ミステリ秘宝』 扶桑社文庫(S-11-01) 2001.10.30
     美少年若衆は茅原で家が旅宿という美少女に出会い一緒に行く。一軒家、娘は浅茅といい老婆と住んでいた。夜、寝間で浅茅は若衆の相手をし、明かりが消えたのを合図に老婆が大石を天井から落す綱を引く手はずだった。老婆が見た観音像……。
     ロマンスに浅草寺の観音像のことをからめて探偵小説味を加えた作品。
  64. 「相似人間」
    ( キング増刊 1955.04. )
    ( 『裸女観音』 東方社・東方新書 1955.12.01 )(国DC※)
    宝石増刊 1956.09.
    ( 『あやかしの夜』 あまとりあ社 1958.10.30 )(国DC※)
     小林晋作はN市でもう一人の小林晋作を見かける。晋作は食料品店で使い込み、大金を奪って逃亡中だった。二人は喫茶店で話す。癖などそっくりだが黒子が違う。恋人緋紗子の見送りで大阪へ行くと言う。晋作は馬鹿にされ復讐を考える。相似人間花田春夫になりすまし……。
     コント風な作品。似ているにしても違うということで。
  65. 「偽装強盗殺人事件」
    宝石 1955.05.
    ( 『噴火口上の殺人』 東方社 1955.11.01 )
     溝口清作は二号の百合江の家に泊まる。妻市子を殺そうとしている清作は離れに入り絞殺し強盗に見せかける。清作は完全犯罪だと思い……。
     倒叙。ありがちな皮肉な結末。あまり完全犯罪とも思えない。
  66. 「巧弁」
    ( 宝石 1955.06. )
    ( 『噴火口上の殺人』 東方社 1955.11.01 )
    『岡田鯱彦名作選 噴火口上の殺人 本格ミステリコレクション2』 河出文庫(ん-04-02) 2001.11.20
     社長剛田俊介はふらふらと近づいた湖のボートに乗り込んでしまった。漕ぐ爺さんは小林正作と名乗り怨み言を聞いて欲しいという。小林は十年前に突然馘首され、妻は気が変になり、金が無く子も病気で死んだという。剛田は金で解決しようとする。さらに値切ろうと考えていた。小林は脅迫でなく馘首前に手柄を立てた褒美としてという。剛田は手柄の内容を聞いて……。
     皮肉な結末となる話。価値観の違いは大きい。
  67. 「目撃者」 (「私は殺される」)
    宝石増刊 1955.06.
    ( 『噴火口上の殺人』 東方社 1955.11.01 )
    ( オール読切増刊 1958.06. )
    ( 別冊小説の泉 1959.08. )
     八百辰は銀子から旅館の座敷に呼ばれる。ここから向かいのみどりの部屋が見える。みどりが前沢猛から最後の一晩を会うが殺されるかもしれないから見張りを頼まれていた。五年前に絞殺された川部いそ。拳銃を出す八百辰。一つの林檎とナイフ。二人で食べる林檎。前沢の毒死。毒は見つからず……。
     毒殺トリック作品。かなり危険だが考えられてはいる。
  68. 「青春の断崖」
    ( 小説の泉増刊 1955.07. )
  69. 「死の断崖」 [尾形幸彦]
    初出、題、探偵役不明(推測「青春の断崖」)
    ( 『予告殺人』 同光社 1958.08.05 )(国DC※)
     G大国文科教授尾形幸彦は杉浦緋紗子から許婚永田健一が賭博にはまっている事を聞く。半月後、二人が失踪し両家の両親に調査を依頼される。信州S温泉。会社の金を使い込み崖から自殺しようとしている健一。二人の話を聞いた大隈利春は健一に賭けを提案する。飛行機の回転が偶数か奇数か……。
     賭け部分にはサスペンスがある。勝負師の名に於いてというのが良い感じ。金の出所は明示されていないが想像は出来そう。
  70. 「かわうそ」 (「獺」)
    宝石増刊 1955.08.
    ( 『あやかしの夜』 あまとりあ社 1958.10.30 )(国DC※)
     上越国境の獺谷温泉に泊まった客。獺太郎を知らない女中。主人が話す伝説。客は信じないといい体験を話す。深夜に川湯に入ると女に抱きすくめられた。月の光がさした時に女は悲鳴をあげる。飛び出してきた男。青年は……。
     女を抱く人間に化けた獺にまつわる話。※のちの「獺」は抜粋版。
  71. 「獺の女」 [鯱先生]
    ( 探偵倶楽部 1955.10. )
    ( 『地獄の追跡』 和同出版社 1958.06.10 )(国DC※)
    『岡田鯱彦探偵小説選1』 論創社・論創ミステリ叢書78 2014.07.30
     温泉宿の本館に泊まりルビー獺の眼を眺める鯱先生と山猫。山猫は別館に泊まるダイヤを持つ美智代に惚れる。二人は美智代と冬樹の密会で大神田が冬樹を殺しに来るので山猫を身代わりにしようとしているという事を聞く。鯱先生は山猫に指示し、そして……。
     鯱先生の計略譚。怪盗ぶりはさすがといったところ。
  72. 「白い断崖」 (「愛欲の断崖」)[松村一郎]([尾形幸彦])
    宝石 1955.11.
    《改稿後》[尾形幸彦]
    ( 『黒い断崖』 同光社 1958.12.28 )(国DC※)
     S高校国語教官松村一郎(G大国文学教授尾形幸彦)は帰途四階の隣の三浦君江がベランダから落ちるのを見た。弟健治はアルバイトで留守、自殺ということになった。遺書と日記。君江の相手は松村(尾形)の同僚の英語教官木村芳夫であった。法律では罪にならない恋愛だと嘯く。松村(尾形)は健治と部屋で木村が屋上から落ちるのを目撃し……。
     完全犯罪もの。残る痕跡のところが印象に残る。
  73. 「原子力カメラ」 [尾形助教授]
    ( 笑の泉 1955.11. )
     尾形助教授はT大工学部教授猪狩辰之助博士の阿佐緒夫人と大学職員同好会の写真展を見る。香取助教授の首のないヌード写真。着物を透して裸を写す原子力カメラがあるという。わたしの写真、と夫人は……。
     艶笑コントだがどこが真でどこが偽かよくわからない。
  74. 「テレビ塔の殺人」
    ( 探偵実話 1956.01. )
    ( 『あやかしの夜』 あまとりあ社 1958.10.30 )(国DC※)
     探偵作家梶幸彦はテレビ塔の空中さじきに登る。絵葉書売りの若い女がいるだけだった。望遠鏡でうちを覗くと妻与志子は見えなかった。寝室のカーテンの隙間から見えたのは与志子とNテレビ局演芸部の栗原。家に帰り与志子に、そして栗原を家に誘い、与志子の友人江川芙紗枝が……。
     偶然が過ぎる気もする。印象的な最後ではあるが唐突な感じがしないでもない。
  75. 「蓮華往生」 [(鯨屋藤吉)]
    ( 別冊読切傑作集 1956.01. )
     導師日昭は駒形河岸の米問屋鯨屋平左衛門の極楽往生の為に読経をする。五千両出したという。娘の年江、手代藤吉、大番頭卯兵衛、手代清三郎。平左衛門は蓮華に入り閉じられる。蓮華の下にいる日信。往生を遂げる平左衛門。年江は父から寺へ行くように言われていた。藤吉は主人の供をしたいと……。
     倒叙。見かけ上は密閉された空間での死。捕物名人鯨屋藤吉の序篇というべき物語とあるが続編はなさそう(未見にあるかも)。駒形堂の藤吉親分のシリーズに引き継がれたといえないこともなさそう。
  76. 「がい骨団と少年」 [尾形文彦]
    ( 少年増刊 1956.01. )
     尾形文彦と阿部幹夫と大熊司郎が涵徳苑の奥庭で試験が終わった話をしていると、三人の男が来て少女をおとうさんに渡して紙包みを受取って欲しいという。少女は口をきかない。少女を連れ去ろうとすると隠れていた男たちがピストルで脅す。文彦らは……。
     がい骨団があまりにも安易すぎる。文彦のいくつかの活躍は良いのだが。
  77. 「青頭巾」
    探偵倶楽部 1956.03.
    『薫大将と匂の宮 昭和ミステリ秘宝』 扶桑社文庫(S-11-01) 2001.10.30
     快庵禅師が下野国富田で宿を求めようとすると山の鬼に間違えられる。山の寺に高徳の僧がいたが、越中から美少年を連れて戻り愛するようになる。少年が死ぬと食ってしまい、人肉を食すようになった。禅師は寺に泊まる。夜、あるじの僧が禅師を食らおうとするが見えない。夜があけて禅師は僧にもとの心に返ることわりを教え紺の頭布をかぶせる。一年後に立ち寄ると……。
     雨月物語の現代語要約か。原典との比較はしておらず、独自解釈が含まれているのかは未確認。
  78. 「偶然のかたき」
    ( 宝石 1956.06. )
     安達照彦は恋人伊沢幸子の呼び出しでいつもの公園へ行く。ベンチに現れた男は二年前のデパートで照彦が見て捨てたいう広告裏の文字を尋ねる。小畠孝と名乗る男は上原チイ子との通信文だったという。チイ子が見ることがなかった為に二人は破局、照彦をかたきとして探し出したという。同じく呼び出された幸子……。
     偶然が偶然に偶然となる話。何が起こるかわからない。
  79. 「秘術」
    探偵倶楽部 1956.10.
    ( 『あやかしの夜』 あまとりあ社 1958.10.30 )(国DC※)
     青木俊介は倉橋課長に掏摸学を語られ実践を見せられる。紳士の札入れを掏り再び返す。電車を下車、次の秘術はサラリーマンの家で迎えに出た奥さんにいきなり……。
     やはり犠牲は必要なようで。※「悪い癖」の短編化、「課長の特技」で一部流用。
  80. 「竹取物語(新お伽草子)」
    ( 読切特撰集 1956.11. )
    『薫大将と匂の宮 昭和ミステリ秘宝』 扶桑社文庫(S-11-01) 2001.10.30
     翁は竹藪の中で女を介抱し高取りになって交渉を持つ。女は湊の遊女白女と名乗り翁の子だと赤児を預ける。上品な婦人は白女が翁に子を押し付けると崖から突き落とす。媼には竹の中から生まれたと言い二人で育てる。遊女に売るつもりが可愛くなり、成人するとより良い男へと難題を出していく。幼馴染の杵搗の菟彦。帝の来訪……。
     竹取物語を現実に即した解釈をした作品。素性については少し無理があるような。ダジャレなど大人向けでもある。
  81. 「恐怖の一夜」
    ( 探偵倶楽部 1957.01. )
    ( 『断崖殺人事件』 小説刊行社 1960.05.08 )(国DC※)
     実業家平岡敏明には妻久喜枝、むすめちどりがいた。はなれの窓から犬丸敬介が入ってくる。二人は強盗に入り犬丸が捕まるが単独犯として服役、出所。平岡は感謝しつつ分け前を与える。ちどりは吉川友也との婚約していた。令嬢を望むということで要求額を上げる犬丸。疑心暗鬼になる二人……。
     サスペンス作品。緩急が効いている。
  82. 『樹海の殺人』 (『樹海殺人事件』)[尾形幸彦]
    ( 『樹海の殺人』 春陽堂書店・長篇探偵小説全集14 1957.05.10 )
    ( 『樹海殺人事件』 小説刊行社 1960.03.12 )(国DC※)
    ( 『樹海の殺人』 青樹社・青樹ミステリー 1963.11.05 )(国DC※)
    別冊幻影城15 1978.01.
     T大物理学教授田島亮は、旧友坂巻久の招待で娘久美子の出迎えを受けて富士研究所へ行く。田島亮の日記。田島と坂巻と坂巻の妻になった亡き小林千鶴の思い出。研究所の助手の須藤洋と玉川一豊、書生渋谷光夫、下男小平田永次、シェパードのジロー。田島の息子峻と久美子の結婚話。木造の塔。浅間神社当主神官杉田忠之と夫人宏子、千崎政美元神官と芙美江夫人。運転手柴田五郎、富士五湖めぐり。須藤と玉川の会話。精進湖ホテルにて週一回坂巻が参加する碁の会、清水哲朗、細君藤子、巡査只腰雄一。留守の実験室での田島と久美子の測定準備。 坂巻から田島への電話。爆発、田島の死。須藤と玉川と脅迫状。田島峻の到着、迎えに行った須藤が戻らない。風穴で見つかった須藤の刺殺死体。桜井研二警部と土谷刑事、聴取。ふう公探訪。風穴での久美子。樹海の中で宏子夫人の全裸死体が見つかる。玉川の溺死体。只腰の推測。土谷刑事とナイフの発見。峻はG大国文科教授尾形幸彦に……。
     本格といって良い作品。手掛かりも散りばめられていて推測はし易い。トリックは誤差考慮なしに精密すぎるという気がしないでもない。また、少しずるいと感じるところもある。
  83. 「空間に舞う」
    ( 探偵倶楽部 1957.06. )
    『岡田鯱彦探偵小説選2』 論創社・論創ミステリ叢書79 2014.08.30
     山奥の宿に一人泊まっていた学生の今村一郎。宿泊に来た大学の先生黒田竜久に恋の話をすることになった。胸の病気の療養で麻生先生の紹介で伊豆O瀬の山本嘉右衛門宅に行く。老人の若い妻藤枝、養子になる子六平衛、ゴロツキ鹿倉、紳士。今村は藤枝のあとをつけて迫ると逃げて崖上の一本松の棚から飛び降りたようだった。見つからない死体、鹿倉の目撃談。今村の話を聞いた黒田は……。
     推測できる真相といえるが心理的に意表をつかれる部分もある。※のち『犯罪の足音』の設定に流用
  84. 「びょうぶ絵のひごい」
    ( 朝の笛 1957.09. )
     俊彦はひとりでおじさんの家へいきました。ひとりでさびしくねていると、まくらもとのびょうぶのひごいがさそいます。絵の中へはいった俊彦はまごいとなってひごいのまり子を泳ぎまわります。やがてりょうしのとあみにかかり……。
     子供向け怪異譚。※「妖奇の鯉魚」の児童向けリライト作品
  85. 『黒い太陽の秘密』 [谷川俊彦:阿部まり子・尾形幸彦・千葉警部]
    ( 中学時代一年生 1957.09.〜1958.03. )
    ( 『黒い太陽の秘密』 東光出版社・少年少女最新探偵小説集3 1958.07.31 )(国DC※)
     谷川俊彦と阿部まり子が双子の丘昭子と和子に会いに行くと旅行、丘博士はどこでも映し出せるというテレビジョンで見せるという。年子夫人、小平助手、女中菊、大山巌博士と一緒に見る。昭子と和子が悪魔姿の男たちにさらわれるところだった。黒い悪魔から設計図と交換との手紙を受取る。俊彦とまり子はG大教授尾形幸彦に相談する。設計図を持って俊彦とまり子は神社に行くと黒い悪魔が現れ交換が済むと消える。千葉警部らは逃してしまう。 二子多摩川の河原へ俊彦とまり子と昭子と和子とスピッツのジローが行く。ジローの奇妙な行動。学校へ通うのを許された昭子と和子。バスに乗るところで消えた昭子と和子。黒い悪魔からの脅迫で不忍の池に行く俊彦とまり子。再び消えた黒い悪魔。捕らえられた俊彦。黒い悪魔は再度黒い太陽の日に決行するという。密室状態の部屋でさらわれた昭子と和子。尾形幸彦と谷川俊彦は……。
     正体を当てる推理冒険小説。
  86. 「獺(かわうそ)」
    ( 笑の泉 1957.10. )
     上越国境の獺谷温泉に獺太郎伝説があり、獺となったという青年から聞いた話。深夜に川湯に入ると女に抱きすくめられた。月の光がさした時に女は悲鳴をあげる。飛び出してきた男。青年は……。
     艶笑譚。狸とは違う伝説のようで。※「かわうそ」の抜粋版。
  87. 『犯罪の足音』
    ( 若人 1957.12.〜1958.09. )
    ( 『犯罪の足音』 光風社 1958.09.25 )(国DC※)
    ( 『犯罪の足音』 青樹社・青樹ミステリー 1963.12.30 )(国DC※)
     阿部文夫は伊豆O瀬へ療養に行く。片桐熊之助と若い千鶴子夫人、養子片桐鹿之助。夜、母屋を出て断崖に向かう千鶴子を追う。夢遊病。岬の医者早川哲治に話を聞く。息子猪之助の死のこと、兄の飲んだくれの源太のこと。お六婆さんの話。小学校の先生原六郎の話。蝋燭岩の近くで鹿之助の死体が見つかる。原六郎は蝋燭岩で女物のハンカチを見つけたという。 原六郎の溺死体。お六婆さんの親戚の娘山本ふみ江が見たという六郎と千鶴子。千鶴子の話では熊之助が原六郎を追っていったという。熊之助の話。早川の話。狙われる文夫。たばこ入れ。千鶴子に東京行きを誘う文夫、現れた熊之助、崖からの転落。ふみ江の使いで犯人を知っているという兄山本竜之助に会いに行くと刺殺されていた。源太と千鶴子、ふみ江の話。文夫は……。
     「空間に舞う」の設定を利用した長編。高校教授の尾形先生の紹介でとのこと。意外な真相と言えなくもないが唐突な告白のような印象を受ける。
  88. 「海辺の殺人」
    ( 探偵倶楽部 1957.12. )
     清作は社長令嬢との結婚話を逃したくなく女給の芙美江をA海岸で殺そうと計画した。別々に宿に入りの部屋をとる。起きた時に飲むであろうコップに青酸カリ。翌朝の芙美江。ボートでの二回目の殺人。三回目、四回目、最後の殺人……。
     倒叙。あまり上手い方法でもない積み重ねのような。
  89. 「からだに弱点を持った男」
    ( 耽奇小説増刊 1958.02. )
    ( 『あやかしの夜』 あまとりあ社 1958.10.30 )(国DC※)
     彼は使用人になって半年、お嬢さんの肌で暖まっていた。お直婆さんの声。お嬢さんとお直婆さんと女中の桂は伏見稲荷へお詣りに行く。待ち受けていた男。お直婆さんはお嬢さんと男二人きりにする。仁王のような男が現れ男は一人逃げる。襲われるお嬢さん、彼は恐竜のようなものに対し……。
     お伽噺を実録化に脚色した話。それでもやはりお伽噺。
  90. 「秘中の秘 解答編3 麻耶子の秘密」 [尾形幸彦]
    ( 面白倶楽部増刊 1958.03. )
    『合作探偵小説 屍を 他6編』 春陽文庫(C01-39) 1994.05.10
    『香山滋全集 別巻』 三一書房 1997.09.30
    ( 『ふしぎな人 江戸川乱歩全集21』 光文社文庫 2005.03.20 )
    『畸形の天女/女妖 合作探偵小説コレクション2』日下三蔵編 春陽堂書店 2022.12.27
    ・「出題篇 消えた花嫁」江戸川乱歩:岡本文一はバー・ヒサマツの女給マヤ芦田麻耶子と結婚式をあげた。披露宴の前、媒酌人福永社長の夫人とマヤの姉曾与子が控室を出て曾与子が戻るとマヤはいなかった。
    ・「回答篇1 振袖マネキン」香山滋:曾与子が失踪の理由を言い会わせる……。
    ・「回答篇2 後をつける」鷲尾三郎:文一はヒサマツで曾与子からの連絡を待つがない。アパートへ行くとマヤと曾与子は前日に引越していた。家財売却、銀行の受け取り人、後をつけていくと……。
    ・「回答篇3 麻耶子の秘密」岡田鯱彦:文一は母房子と曾与子の話を聞く。三年前に死んでいて結婚式までと神様にお願いしていたという。曾与子との結婚。私立探偵尾形幸彦の言葉。告白……。
     各人それぞれの解釈に特色が感じられる。香山滋は怪奇的、鷲尾三郎は探偵小説的、岡田鯱彦は動機重視的。
  91. 「G大生の女給殺し事件」 (「青春の断崖」)[尾形幸彦]
    ( 探偵実話 1958.03. )
    ( 『黒い断崖』 同光社 1958.12.28 )(国DC※)
    『岡田鯱彦探偵小説選2』 論創社・論創ミステリ叢書79 2014.08.30
     G大尾形幸彦教授はG大生の女給殺しで逮捕された雨宮一男のことで小田教授、杉沢教授、粟津先生、水江先生と話す。音楽喫茶で見かけたことのあった雨宮と松浦茂。松浦の話。雨宮は女給久坂芙美子を送るが母親すみがいて追い出され、二人で砂利置場へ行くと眠ったらしく気付くと女が死んでいたという。煙草ケース、女給桃子の話やあさん。尾形は……。
     不自然な点などから調査し解明していく。手掛かりとしての詳しい状況や描写がやや気になる。
  92. 「茶色の小瓶」
    ( 探偵倶楽部 1958.04. )
    ( 『断崖殺人事件』 小説刊行社 1960.05.08 )(国DC※)
     青木は小川から毒液を頼まれ渡す。書生小川は主人松永喜八を殺そうとしていた。喜八は令嬢加奈子と森山春夫を婚約させていた。静子夫人、老女中きん、女中房江、運転手加波山。九時に決まってかかってくる電話。小川は受話器に毒液をなすりつける。十日後、喜八は肝臓病として死亡。その後毒液が残っている小瓶がなくなった。脅迫、加奈子のこと、小川は……。
     結末はあっけないが細かな伏線は良い感じ。
  93. 「覗き」
    ( 耽奇小説 1958.04. )
    ( 『あやかしの夜』 あまとりあ社 1958.10.30 )(国DC※)
     私はアパートの尾木光江を恋して四六時中ガラスを透して観察していた。恋人春夫が来ると自分のことのように覗いていた。春夫の下宿している家の娘蝶子が乗り込んで来て連れ帰る。夜に来る春夫。蝶子は光江に、私は……。
     幻想味があるわけではないが、助けられもしたということで。
  94. 「女にたかる」
    ( 耽奇小説 1958.05. )
    ( 『あやかしの夜』 あまとりあ社 1958.10.30 )(国DC※)
     香代子は森下公平の二号だった。私は香代子に食わせてもらっていた。香代子には同性の愛人怜子と圭子がいた。私は怜子に河岸を代える。怜子と変性男子の河野高広。河野から圭子。そして香代子……。
     何なのかは明示されていない。こするとかひねるとかするのだろうか。
  95. 「春色鼠小僧」
    ( 別冊読切特撰集 1958.06. )
  96. 「ただいま情事中」
    ( 夫婦生活 1958.07. )
  97. 「白狐の湯」 (「白狐の宿」)
    ( 耽奇小説 1958.07. )
    ( 『あやかしの夜』 あまとりあ社 1958.10.30 )(国DC※)
     文夫は中学の頃、母に連れられ上州の温泉に行った。隣室の若い女性。狐が化けているのではないか。夜、襖の隙間から覗く寝顔と白い肌。夢。隣室に来た男。翌朝いなくなった女。赤城山に誘われる文夫だが断る。翌日、いなくなった男。大学生になって文夫は……。
     不確実な状況から夢想を起こさせる作品。もしあの時こうしていたら。
  98. 「いで湯の肌」
    ( 耽奇小説 1958.09. )
     篠原はマダム怜子と関係をもち、細君時子の名を言ってしまった事があった。怜子と修善寺行を計画、友達が重態との口実を用意する。時子の方から友達が重態で行きたいといってきた。不審に思い後をつけて……。
     コント風作品。細君の方が上手のようで。
  99. 「なぞの無人島」 (「ナゾの無人島」)[谷川俊彦・阿部まり子]
    ( 中学時代一年生 1958.09. )
     谷川俊彦、阿部まり子、山川すみえが砂浜で拾った二枚の紙。すみえの兄文夫は、一枚は盗まれた仏像の隠し場所らしいという。もう一枚にはあぶり出しでかぶと島らしかった。テングの面の男に一枚は取られる。四人は舟に乗せてもらいかぶと島へ。しかし既に掘り出されていた……。
     四択懸賞付推理小説。さすがにテングは素早い。
  100. 「羽田発一時○分」
    ( 探偵実話 1958.10. )
    ( 『黒い疑惑』 同光社 1959.10.10 )(国DC※)
    ( 『恐怖の影』 青樹社・青樹ミステリー 1963.11.30 )(国DC※)
     W大学長高山俊明に小坂進から電話がかかってくる。一時の羽田発福岡行の飛行機の音が受話器から聞こえる。学長の家の沼袋から三つ先の鷺ノ宮の若葉荘。男が管理人中村敬三と妻かよ子に時間を聞いて入る。銃声。桐島時彦と訪問していた佐野ルリ子が銃殺されていた。鯨岡刑事、渡会警部。三人の容疑者、高柳郁夫、宇田秋子、小坂進。それぞれのアリバイ。鯨岡刑事は……。
     今となっては簡単すぎるアリバイトリック。もう一つのトリックが主眼かも。
  101. 「黒衣夫人の秘密」
    ( 読切特撰集増刊 1958.10. )
  102. 「悶える肌は誰のもの」
    ( 耽奇小説 1958.10. )
  103. 「もののまぎれ(源氏物語)」
    ( オール読切 1958.10. )
     女三の宮が寝ていると柏木が来た。彼が猫の夢を見ている間に。
     愛情読本、名作名場面としての紹介文。
  104. 「河太郎の恋」
    ( 耽奇小説 1958.11.〜1959.02. )
     ※「その二 さだんま・ぷんだりいか」のみ:かっぱの河太郎一家、妻河代、子の河一郎と河次郎と河代。河太郎は倒れるほど考えていた、人間になりたいと。河代は河助から明神沼のなまずの権兵衛に相談すれば何とかなるかもしれないと聞いて教える。権兵衛は呪文をとなえればと……。
     連載ファンタジー。顏色の表現など面白いが、話の内容は不明。
  105. 「あくまのアーチ」 [文夫・まり子]
    ( 少女クラブ 1959.01. )
     まり子はが黒マントの般若の面にそっくりな博士とよばれる男にさらわれる。五人の少女を人形のようにしてコンクリートのアーチを作るという。友だちの京子もいた。山道で自動車からの脱出し場所を推理、文夫にいさんと山荘へ……。
     背景が不明ながら少女のアーチなどオカルト的。安易なところも多いが場所がミソか。
  106. 「ヒット・アンド・ラン」
    ( 探偵倶楽部 1959.02. )
     谷川俊介と京子夫人の間には子供が出来なかった。俊介は京子に浮気をして子供を作り、その相手を教えないでいて欲しいと頼む。京子は互いに一度の浮気という条件を言う。雪子が生まれ、親友月村一郎の忘れ形見浩との縁談ということになった。京子は反対、未亡人ひろ子は……。
     少し捻りを効かせたコント風作品。知らぬは亭主ばかりなり。
  107. 「雪女の体温」
    ( 小説の泉 1959.03. )
     春夫はスキー帰りの汽車の中で女に恋人の高夫と間違われ、誘われて甲ノ山温泉に行く。加納つぎ子の贋の恋人になり一夜を過ごす。翌朝、春夫は女を追って駅へ、汽車の中で……。
     青春のはかない思い出話。徹底的に調査すればわかりそうだが。
  108. 「花の足跡」 [一郎]
    ( 中学時代二年生 1959.04. )
     谷博士は百済観音像を宝物として棚に置いていた。庭掃除をしていた一郎とまり子。のぞきに来たペンキ屋。女中お静、年子夫人、友人黒川の来室。無くなった観音像。書生の五郎は足跡を見て、そして一郎は……。
     懸賞付推理コント。限定しすぎで条件がなくても特定できそう。
  109. 「なそのプリズム 赤の秘密」 [大川太郎・まり子]
    ( 中学二年コース 1959.04.〜07. )
     大川太郎とまり子は池田実と京子から解決できない不思議なことが起きたので来て欲しいという電報を受け取り湯河原に行く。夜、書斎の灯りで見に行くと父池田武久が縛られているのを鍵穴から見る。母春子とドアを開けると父は夢でも見たのではないかといった。次の晩、太郎とまり子は窓から出た男を追う。暗殺計画。似た男。怪しい男を追い地下室へ。赤外線写真。誘拐。父大川健太郎老刑事と下宿人高田雪夫刑事。ガラヤ殿下暗殺……。
     後を追うだけのような。しいていえば追ったと思った男が写真に写っていなかったということか。赤外線は赤ではないのだが。
  110. 「額の裏の設計図」 [一郎]
    ( 中学時代二年生 1959.05. )
     谷博士は金庫の錠前が壊れたので錠前屋を呼んだが直せないという。博士は宇宙探検用ロケットの設計図を額の裏に隠す。友人青田剛蔵の来訪、年子夫人から電話というので書斎を出る。赤池博士の来訪、トイレへ行く谷博士。無くなっていた設計図。書生の五郎、そして一郎は……。
     懸賞付推理コント。比較的単純。余談だが書類の量が膨大になるような。
  111. 「死人は円を描く」 [一郎]
    ( 中学時代二年生 1959.06. )
     河野三郎は谷博士に頼み素人画家のルーズベルト会に入会していた。三郎は殺されてキャンバスには大きな赤い円が描かれていた。アパート管理人加藤平太郎と房江夫婦、小説家舟橋栄一、元工場経営者岡本良太、役者志望の尾上幸助。谷博士は一郎まり子と書生五郎に犯人を当ててみるようにと話す。一郎は……。
     懸賞付推理コント。クイズとしては良いが少し無理があるような。
  112. 「深夜の殺人者」
    ( 週刊スリラー 1959.11.27 )
    『江戸川乱歩の推理試験』ミステリー文学資料館編 光文社文庫(み-19-32) 2009.01.20
     堤弘男社長は須藤誠一に十一時半に来るようにいう。宴会場から充枝夫人に帰れないという。書生栗原忠義は夫人に怒られる。夫人外出。十一時に変更して欲しいとの電話。夫人と情人黒沢卓。絞殺される社長。発見した須藤。アリバイ……。
     クイズ。犯人候補の四択など。四人以外の可能性や偽証の可能性などが残る。
  113. 「わたしは夜がこわい」 [谷川俊彦・まり子]
    ( 少女クラブ 1960.01. )
     谷川まり子はお友だちの柿沼和江から手紙をもらって行くと病気で寝ていた。ゆれいを見たという。母もとり殺されたという。父柿沼大蔵、家政婦岸田、秘書須崎、女中花子、下男の六さん。むかしの怪談。夜中の十二時に出るゆうれい。まり子は一週間泊まるがゆうれいは出ない。その後兄俊彦と……。
     ※少年向け「幽霊館の謎」の少女向け改稿作品。
  114. 「雪の夜の殺人」
    ( 週刊スリラー 1960.02.05 )
     犯人は杉山真平を扼殺し腕時計のガラスを割り針を止めた。部屋を貸している小島みつが見つけて鯨岡警部が来る。雪の夜の三人の訪問客。田中貞司、平井源八、田中の娘喜美江。アリバイ……。
     懸賞クイズ。除外が論理的とは言い難い。
  115. 「毒コーヒーの謎」
    ( 週刊スリラー 1960.04.01 )
    『江戸川乱歩の推理教室』ミステリー文学資料館編 光文社文庫(み-19-31) 2008.09.20
     公一少年は家庭教師小林広に勉強を休みたいという。母久江夫人は小林と関係を持ち強請られていた。夫川上俊正はその事を知り小林に殺意を抱き勉強部屋へ入る。コーヒーを持ってきた夫人、機会、カップの交換、死……。
     クイズ。犯人の三択と計画か過失か。手がかりもそれなりにあり出來が良いように思う。
  116. 『断崖殺人事件』
    ( 『断崖殺人事件』 小説刊行社 1960.05.08 )(国DC※)
     夏川秀彦は殺したと思った木下道子を見かけ尾行する。二年前、秀彦は東北S市の技師に勤めていた。工場主木下剛造の娘道子は秀彦との駈け落ちの約束で金を持ち出す。東京に向かう汽車で二人は合流、黒羽で下車する。秀彦は黒羽山の崖から道子を突き落とし金を得る。剛造は秀彦へ相談するがやがて病死する。道子は炭焼きの与平じいさんに助けられたが記憶喪失、黒羽みそらと名づけられる。 道子を見かけた秀彦は早瀬和彦と名乗り女のアパートへ行く。いつ記憶を回復するかわからないと殺そうとする秀彦。ついに秀彦は黒羽山へ道子を誘う。S市のダンサー原緋紗子の思い出、松本邦子との婚約。秀彦は黒羽山の崖で……。
     「地獄から来た女」の長編化作品。倒叙風サスペンス。殺そうとして失敗するところはやや面白みがある。
  117. 「あざ笑う密室」 [鯨井警部]
    ( ヒッチコック・マガジン 1960.06. )
    『岡田鯱彦探偵小説選2』 論創社・論創ミステリ叢書79 2014.08.30
     G大工学部教授北島進が離れのドアに内側から鍵のかかった書斎で頭を銃で撃たれて死んでいた。姪の明子、工学部助手近藤健一。鯨井警部。鍵のかかっていなかた窓があるが雪の足跡はなかった。明子が銃声と唸り声を聞いた時には雪は止んでいた。工学部谷口博士の刺殺事件とドアや窓は同じ状態だった。明子と健一は起訴されるが……。
     雪の密室事件。他に説明できないとしても状況に少し無理があるような。
  118. 「課長の特技」
    ( 中部日本新聞 1960.07.24 )
    ( 北海道新聞 1960.08.07 )
     石田課長は新入社員の細井俊介君にスリの話をすると細井君は理論と実践は違うと言う。実演してみせる石田課長。青くなって返そうとする細井君。石田課長は……。
     「悪い癖」のサスペンスに富んだ部分流用作品。
  119. 「女難」
    ( りべらる 1960.10. )
  120. 『殺意の渦』 [千葉警部補]
    ( 『殺意の渦』 昭和書館 1961.06.20 )(国DC※)
     百合江夫人と元書生の斉藤隆がアパートで会っていた時に斉藤が毒死し百合江は逃げ出す。管理人の妻細野ゆきが見た女。平沼博士と百合江と娘の美智子は新聞記事を見て事件のことを話し合う。十二年前の平沼と百合江の出会い、妻美沙緒の死、百合江との結婚。百合江は美智子を思っていた書生斉藤と関係をもっていて、平沼は斉藤を追い出していた。 百合江はその後に植木屋の頼みで置くことになった書生山中清作とも関係してしまう。百合江は千葉警部補にアパートでの事を話す。平沼のアリバイ。相川刑事の調査。斉藤と百合江の前にアパートを訪れていた美智子。女中鈴木なみよ。毒入り牛乳を美智子が飲む。山中のアリバイ。百合江の毒死と遺書。博士は、千葉警部補は……。
     「情炎」の構成順序を変更し加筆した作品。ある意味盲点となったアリバイに関する作品。
  121. 「ネコには犬を」 [尾形俊彦]
    ( 中学時代一年生付録 1962.01. )
     尾形俊彦はスキーで少女を追い抜く。愛犬タロがぶつかり張られた綱での転落を免れる。便利屋の小林啓三がタロに追われる。黒い服の男を見たという。少女日野原ゆり子はばあやと別荘に来ているという。化けネコやしきとよばれる別荘。駐在さんは後藤老夫婦が強盗に入られ殺された事件で忙しいらしい。ゆり子は寝ているとネコの鳴き声を聞く。落石からタロに助けられる二人。日記帳。洞穴の中で……。
     動物推理小説とのことだが、犬の活躍話だけのような。安易すぎる大人ばかりのようにも思える。
  122. 「乾杯!」
    ( みわく 1962.02. )
     スキーで一人になった佐藤ゆり江は雑木林で男女の殺人計画を聞いてしまう。ウイスキーに青酸カリ。酒井教授に相談するゆり江。敬子夫人が酒井教授にウイスキーを勧める。まさか……。
     疑心暗鬼となるサスペンス風作品。結末は偶然が強いような。
  123. 「吹雪の中の殺人」
    ( 推理ストーリー 1962.05. )
     吹雪の中、伊藤輝夫は荒武弘と美代をめぐる決闘の場の一本松の崖上へ。荒武が吹き飛ばされ墜落。伊藤は密かに山荘に戻る。山荘には伊藤、荒武、山荘の持主倉持洋一、杉本三郎、福村美代、倉持の叔父大山検事、小高じいやが来ていた。丸木橋が流され孤立した山荘。荒武の死体発見。伊藤は出る所を見られていたと知り目撃した事を告白する。自殺、事故、殺人……。
     題から殺人と思えてしまうのがサスペンス味としては難点か。行為は綱渡り的。
  124. 「「六条の御息所」誕生」
    ( 小説推理 1973.05. )
    『薫大将と匂の宮 昭和ミステリ秘宝』 扶桑社文庫(S-11-01) 2001.10.30
    ( 『薫大将と匂の宮』 創元推理文庫(Mお-12-01) 2020.03.19 )
     紫式部が源氏物語を書いたのは中宮彰子の勧めであった。写実性を目指し、箒木、空蝉と書いていった。夕顔の途中で筆が止ったとき、中宮から河原の院の霊の話を聞く。夢も含めてもののけが出るのは三か所。中宮らは書かれていないのにもののけは六条わたりの女にきまっているという。紫式部はそれを聞いて……。
     夕顔に記されたもののけが荒れた院に住んでいた変化のものか後に出てくる生霊・死霊の六条の御息所と同じなのか、紫式部の意図を推測して描く作品。今となっては一つの可能性ではあるが。
  125. 「コイの味」
    ( 小説推理 1973.11. )
    『薫大将と匂の宮 昭和ミステリ秘宝』 扶桑社文庫(S-11-01) 2001.10.30
    ( 『薫大将と匂の宮』 創元推理文庫(Mお-12-01) 2020.03.19 )
     光源氏は鯉の膾が好物であったが食べなくなった。最後に食べたのは五条の院の出来事のあとの病床を離れられるようになったときで、舌ざわりが一度きりの四条の女を思い出させた。嵯峨野の奥に住む下人が届けに来たという。その下人は光源氏に語る……。
     光源氏が鯉を食したかどうかは未確認で不明。題がカタカナなので鯉と恋を掛けての創作とは思われるが。
  126. 「崩壊」
    ( 幻影城 1975.11. )
     観光バス運転手今村富蔵は女学生を乗せて去年山崩れでバスの惨事があった大木川を走行していた。今村は若い先生に来年の話という言葉を取り消して欲しいと言い、惨事で死んだ秋山喜代子にも話していた話をバスガイド川口郁子に頼む。お志津は母の病気の為に禁制の明神池の鯉を捕まえる。庄屋の嘉兵衛は庭番から逃す。大木川に橋をかけることになり人柱が必要でお志津と嘉兵衛の娘お玉が条件に該当、承諾するお志津。母の病気で金が必要になり嘉兵衛は代官に頼むが金は出ずお志津に言い訳をする。幼なじみの清次。悲劇。郁子が語り終わった時……。
     伝説と事故とを結びつけた話。忌み言葉の持つ力なのだろうか。
  127. 「帯解け地蔵」 [藤吉]
    ( 小説ロマン 1976.07. )
    『駒形堂の藤吉親分捕物話』 捕物出版 2021.05.10
     藤吉親分と女房お敏の家に駒形河岸の米屋越後屋清左衛門の手代佐助が来て清左衛門が寝床で絞殺され二百両盗まれたという。若旦那清太郎、お嬢さんお静。子分辰五郎と寅之助。石地蔵に巻かれた緋縮緬のしょい揚げ。女のものを巻くと恋が成就するという。大番頭嘉兵衛、中番頭茂右衛門、若番頭七之助。清太郎は小春と会っていた。お静は佐助を好いていた。小春に会って藤吉が戻ると……。
     手懸りとしては面白いが危険すぎるような。人の表情などで見当をつけるのは捕物帳らしくもある。
  128. 「人間消失」 [藤吉]
    ( 小説ロマン 1976.08. )
    『駒形堂の藤吉親分捕物話』 捕物出版 2021.05.10
     藤吉親分のところに子分辰五郎が人間消失を見たという花川戸の花緒問屋阿波屋平右衛門の手代清七を連れてくる。平右衛門の娘お雪が清七と小僧嘉一と不動の滝に行き、茶店で浴衣姿になって出ていったきりだという。滝壺の縁に残されていた浴衣、不動洞。阿波屋へ行く藤吉。平右衛門、内儀おさき、番頭庄平衛、清七の話。御家人桐島剛之進の三男三之助の縁談話。藤吉は事件時の再現をさせ……。
     後出しだが細かなところも考えられている。人の表情などで見当をつけるのは捕物帳らしくもある。
  129. 「白い小犬の幽霊」 [藤吉]
    ( 小説ロマン 1976.10. )
    『駒形堂の藤吉親分捕物話』 捕物出版 2021.05.10
     浅草諏訪町の扇屋泉屋庄太郎の内儀お雪は丁稚定七を連れ母の見舞いに行く途中、女とじゃれていた二匹の小犬のうちの白がお雪の方へ歩き出し轢かれて死ぬ。白いかたまり、鳴き声、駆け回る姿、小犬の死骸。弟庄次郎、母さねとと連れ子娘おけい、女中お春とお秋。辰五郎の話で藤吉は定七に会い、扇屋でそれぞれ話を聞く。辰五郎は、そして藤吉は……。
     口は禍の元。別口だけでも解決できたような。

  130. 「結核菌とのたたかい」
    ( 『少年少女・世界のノン・フィクション5世界を驚かした10の発見』日本児童文芸家協会編 金の星社 1968.01.25 )(国DC※)



      随筆など

  1. 「探偵小説の「益」に就いて」
    ( 探偵作家クラブ会報 1949.09. )
    『岡田鯱彦探偵小説選2』 論創社・論創ミステリ叢書79 2014.08.30
     探偵作家の顔と声。酔った時の軽犯罪をした時の顔見知りの警官。握手。特典。
  2. 「恋人探偵小説」
    ( 宝石 1949.09. )
    『岡田鯱彦探偵小説選2』 論創社・論創ミステリ叢書79 2014.08.30
    ( 『薫大将と匂の宮』 創元推理文庫(Mお-12-01) 2020.03.19 )
     探偵小説は恋人、読めれば良い。足の裏でも奇麗にしたい。一千年前の探偵小説を書きたい。
  3. 「探偵作家抜打座談会(抜き打ち座談会)」 木々高太郎、大坪砂男、永瀬三吾、宮野叢子、岡田鯱彦、氷川瓏、本間田麻誉
    新青年 1950.04.
    抜粋(恣意的につなげて(略)がない) 探偵作家クラブ会報 1950.03.
     日本の探偵小説の歴史。本格と変格。推理小説とは何か。探偵小説芸術論。人生と社会。探偵小説最高論。トリックと子供だまし。純文学くずれ。
  4. 「(近況)」
    ( 探偵クラブ 1950.08. )
  5. 「(無題)(グラビア)」 (「履歴詩(1)」)
    ( 探偵クラブ 1950.09. )
    『岡田鯱彦探偵小説選2』 論創社・論創ミステリ叢書79 2014.08.30
     浅草駒形生まれ。教壇、現代の白浪の夢。
  6. 「(五十一年度の計画と希望)」
    ( 探偵作家クラブ会報 1951.01. )
     「薫大将と匂の宮」――「真実追求家」――「紅い頸巻」の本線を高速度でばく進。年間一二長編。「鯱先生物盗り帳」簡潔。少年少女物の研究と発表。女賊物語「〇〇〇〇物盗り帳」。物捕作家クラブ結成。意欲のみ。
  7. 「古典文学の現実的刺戟――雨月物語に関して――」
    ( 黄色の部屋 1951.08. )
    『薫大将と匂の宮 昭和ミステリ秘宝』 扶桑社文庫(S-11-01) 2001.10.30
     江戸時代までの怪談・怪奇小説では「雨月物語」が一番面白い。関連しての自作四編について。
  8. 「怪談が怪談でなくなった怪談」
    宝石 1951.10.
     「浅茅が宿」の最後の部分が欠落していたので補遺として掲載。怪談が怪談でなくなってしまう。※『薫大将と匂の宮 昭和ミステリ秘宝』では追加分含め掲載。
  9. 「ラジオ放送探偵劇について/愛読する海外探偵小説(アンケート)」
    宝石増刊 1951.10.
    『岡田鯱彦探偵小説選2』 論創社・論創ミステリ叢書79 2014.08.30
     「灰色の部屋」はきき損うことが多い、乱歩、城昌幸、武田武彦。「犯人は誰だ」はよく聞く、黒井蘭の山荘殺人事件、稽古見学。欧米作家に関しては長くなるから遠慮。
  10. 「暉峻康隆氏の西鶴についてのお話(第六十二回土曜会記録)」
    ( 探偵作家クラブ会報 1951.10. )
  11. 「吉例「犯人当て」への註文」
    ( 探偵作家クラブ会報 1951.11. )
    『岡田鯱彦探偵小説選2』 論創社・論創ミステリ叢書79 2014.08.30
     容疑者は少ない方がいい。スッキリしているのが理想。ゴテゴテと肩すかし。探偵小説、自身の問題。
  12. 「予選委員の感想」
    ( 探偵作家クラブ会報 1952.02. )
     クラブ賞の下読み会は委員長や代表を置かない全くの平等。定見がないので規約を設けられないか。
  13. 「印刷の話」
    ( 『国語』中V 1952.04. )
  14. 「探偵作家熱海に遊ぶ」
    宝石 1952.05.
     撮影・文。昭和27年3月1日2日、熱海双柿舎、錦浦。参加者、写真説明。
  15. 「履歴詩(グラビア)」 (「履歴詩(2)」)
    ( 探偵クラブ 1952.05. )
    『岡田鯱彦探偵小説選2』 論創社・論創ミステリ叢書79 2014.08.30
     履歴、作品、理智の文学。
  16. 「自己批判座談会」 水谷準、永瀬三吾、岡田鯱彦、椿八郎、宮野叢子
    宝石 1952.06.
     ファンとしては古いが戦後に幼年学校が無くなって書く気になった。江戸川乱歩。
  17. 「清少納言と兄人の則光」
    ( 鬼 1953.01. )
    『薫大将と匂の宮 昭和ミステリ秘宝』 扶桑社文庫(S-11-01) 2001.10.30
    ( 『薫大将と匂の宮』 創元推理文庫(Mお-12-01) 2020.03.19 )
     後の「艶説清少納言」の構想など。
  18. 「探偵小説に対するアンケート」
    探偵倶楽部 1953.02.
    『岡田鯱彦探偵小説選2』 論創社・論創ミステリ叢書79 2014.08.30
     印象に残った戦後作品は「本陣殺人事件」横溝正史、「刺青殺人事件」高木彬光、「断崖」江戸川乱歩。滋味ある作品、気魄ある作品を期待。理智的に面白い探偵小説を書きたい。探偵雑誌に実録記事ものは御免。
  19. 「一つの刺戟」
    ( 探偵作家クラブ会報 1953.04. )
    『岡田鯱彦探偵小説選2』 論創社・論創ミステリ叢書79 2014.08.30
     探偵作家クラブ賞受賞作なし。受賞対象にならない候補作とは。受賞がないのも刺戟。
  20. 「お祝いの言葉」
    ( 密室 1953.08. )
  21. 「(お好み年頭所感)」
    ( 探偵作家クラブ会報 1954.01. )
     昨年度も作品は少ない。今年はモリモリ書く。
  22. 「筆者より……(昭和改版西鶴浮世草子)」
    ( 別冊宝石 1954.09. )
    『駒形堂の藤吉親分捕物話』 捕物出版 2021.05.10
     「昭和改版西鶴浮世草子」の原点と創作意図。
  23. 「“江戸川乱歩”の若々しさ」
    黄色の部屋『江戸川乱歩先生 華甲記念文集』 1954.10.
    『岡田鯱彦探偵小説選2』 論創社・論創ミステリ叢書79 2014.08.30
     名前の活字を見ると感じる。声、講演の元気さ。作品群の若々しさ。エドガー・アラン・ポーとの血脈。
  24. 「心ばかりの花束」
    別冊宝石 1954.11.
    『岡田鯱彦探偵小説選2』 論創社・論創ミステリ叢書79 2014.08.30
     江戸川乱歩還暦記念号。「二廃人」「パノラマ島」「屋根裏の散歩者」「芋虫」「何者」「陰獣」。「トリック分類」、一人の芭蕉。乱歩の新生。
  25. 「レンズ趣味」
    ( 『江戸川乱歩全集10』付録・探偵通信5 春陽堂書店 1955.03.05 )
     「化人幻戯」の登場人物。乱歩のレンズ趣味は根深い。
  26. 「新年初頭の感想」
    宝石 1956.01.
    『岡田鯱彦探偵小説選2』 論創社・論創ミステリ叢書79 2014.08.30
     昨年は短編十二篇、単行本六点。七年間で長編三篇、少年もの・コント含め七十数篇。少ない。座談会、評論、月評を読んで。
  27. 「「樹海の殺人」を書き終えて」
    ( 『樹海の殺人』付録・探偵通信12 春陽堂書店・長篇探偵小説全集14 1957.05.10 )
    引用「「樹海の殺人」その他」幻影城 1978.02.
    引用「「樹海の殺人」その他」『岡田鯱彦探偵小説選2』 論創社・論創ミステリ叢書79 2014.08.30
     長編第四作。半年専念。一高時代友人の山中湖での死、東大時代友人の樹海での死。西湖畔の宿。富士五湖、樹海。
  28. 「(宝石誌新編集に就て)」
    ( 探偵作家クラブ会報 1957.08. )
     乱歩の息吹。乱歩曰くについて。
  29. 「探偵作家になるまで、なってから(アンケート)」
    宝石 1957.10.
    『岡田鯱彦探偵小説選2』 論創社・論創ミステリ叢書79 2014.08.30
     中学時代のルパン、乱歩、ポー、戦後新進作家に刺戟され探偵作家に仲間入り。なってからは先輩作家の話を聞けて面白い。
  30. 「犯罪の足音――作者の言葉」
    ( 若人 1957.11. )
     殺人を犯した夢、ならないと保証できるだろうか。横丁に目をむけたばかりに。身近にきく犯罪の足音。
  31. 「探偵小説とトリック」
    ( 若人の友 1958.11. )
    『岡田鯱彦探偵小説選2』 論創社・論創ミステリ叢書79 2014.08.30
     殺人のスリル、発覚の恐怖。目的はいかにあばき出すか。読者でも真相をつかみ得ると思わせる作者が読者にしあけるトリック。現実への持ち込みは面白くなくなる。勤評問題。
  32. 「長篇を」
    ( 探偵作家クラブ会報 1958.11.,12.合併号 )
    『岡田鯱彦探偵小説選2』 論創社・論創ミステリ叢書79 2014.08.30
     昨年一篇、今年は少年物含め二篇。毎年一二篇長篇を書いていきたい。
  33. 「感銘をうけた推理小説は?(アンケート)」
    『推理小説への招待』荒正人、中島河太郎編 南北社 1959.09.20 (国DC※)
    『岡田鯱彦探偵小説選2』 論創社・論創ミステリ叢書79 2014.08.30
     江戸川乱歩「二廃人」ルブラン「真紅の肩掛」。近頃は感銘とはいかないので年少に読んだ作品に。
  34. 「ブームにのった探偵小説」
    ( 東京学芸大学新聞 1959.09.25 )
  35. 「「六条の御息所」誕生――について」
    ( 小説推理 1973.05. )
    『薫大将と匂の宮 昭和ミステリ秘宝』 扶桑社文庫(S-11-01) 2001.10.30
    ( 『薫大将と匂の宮』 創元推理文庫(Mお-12-01) 2020.03.19 )
     「夕顔」の「六条わたりの女」を「葵」の「六条の御息所」とするのが通説だった。萩原広道の主張。「夕顔」で御息所が出てこない謎。
  36. 「ああ、香山さん!」
    幻影城 1975.05.
    『岡田鯱彦探偵小説選2』 論創社・論創ミステリ叢書79 2014.08.30
     美しい不思議な物語。現実世界から幻想の世界への巧みな導入。筆力。初山滋の挿絵。「ゴジラ」。宴会の余興。あたり前の姿、愛妻家。訃報にびっくり。
  37. 「二つの作品の思い出」
    幻影城増刊 1975.07.
    『岡田鯱彦探偵小説選2』 論創社・論創ミステリ叢書79 2014.08.30
     江戸川乱歩「何者」は新聞連載で間をおいて読む。「パノラマ島奇譚」は連載途中一回分の幻想部分。
  38. 「「噴火口上の殺人」前後」
    幻影城 1975.12.
    『岡田鯱彦名作選 噴火口上の殺人 本格ミステリコレクション2』 河出文庫(ん-04-02) 2001.11.20
    『岡田鯱彦探偵小説選2』 論創社・論創ミステリ叢書79 2014.08.30
     処女作は「妖鬼の呪言」、執筆はその後「四月馬鹿の悲劇」「噴火口上の殺人」。ワセダ・ミステリ・クラブ。「薫大将と匂宮」「赤い頸巻」「真実追求家」。註文でなく進んで書いた作品。「崩壊」。
  39. 「「浅草」―幼時の幻想的回想」
    ( 浅草 1975.12. )
  40. 「横溝先生と私」
    幻影城増刊 1976.06.
    『岡田鯱彦探偵小説選2』 論創社・論創ミステリ叢書79 2014.08.30
     「本陣殺人事件」導入部のうまさ。会合にはあまり出られないず見かけない。逞しさ。ブーム映画化。歩き回る。ロック懸賞の選者、「病院横町の首縊りの家」解決篇。
  41. 「「樹海の殺人」その他」
    幻影城 1978.02.
    『岡田鯱彦探偵小説選2』 論創社・論創ミステリ叢書79 2014.08.30
     創作ノート、「天の邪鬼」「妖鬼の呪言」「噴火口上の殺人」。「樹海の殺人」執筆。松本清張の樹海より先。「「樹海の殺人」を書き終えて」引用。
  42. 「あとがき(『薫大将と匂の宮』)」
    『薫大将と匂の宮』 国書刊行会・探偵クラブ 1993.06.10
     処女作というべき三編収録。「妖鬼の咒言」についての思いつきの思い出。



      著書

  1. 『薫大将と匂の宮』 東方社 1955.06.10
    『薫大将と匂の宮』/「変身術」/「妖奇の鯉魚」
  2. 『紅い頸巻』 東方社 1955.08.01
    『紅い頸巻』/「三味線殺人事件」/「雪の夜語り」
  3. 『幽溟荘の殺人』 東方社 1955.09.20
    『幽溟荘の殺人』/「死者は語るか」
  4. 『噴火口上の殺人』 東方社 1955.11.01
    「噴火口上の殺人」/「地獄から来た女」/「毒唇」/「死の湖畔」/「偽装強盗殺人事件」/「巧弁」/「目撃者」/「愛の殺人」
  5. 『裸女観音』 東方社・東方新書 1955.12.01 (国DC※)
    「裸女観音」/「遠隔窃聴狂」/「相似人間」/「52番目の密室」/「艶説清少納言」/「異説浅草寺縁起」
  6. 『樹海の殺人』 春陽堂書店・長篇探偵小説全集14 1957.05.10
    『樹海の殺人』/△「岡田鯱彦氏の業績」中島河太郎/付録・探偵通信12(△「岡田氏の印象」中島河太郎/△「「樹海の殺人」を書き終えて」)
  7. 『源氏物語殺人事件』 春陽文庫 1957.08.01
    『源氏物語殺人事件』
  8. 『源氏物語殺人事件』 春陽堂書店・探偵双書 1958.04.01
    『源氏物語殺人事件』
  9. 『地獄の追跡』 和同出版社 1958.06.10 (国DC※)
    「クレオパトラの目」/「密室の殺人」/「不可能犯罪」/「獺の女」/「光頭連盟」/「生き不動ズボン」/「羅生門の鬼」/「死の脅追状」/「殺人と雪だるま」/「犯罪の足跡」
  10. 『黒い太陽の秘密』 東光出版社・少年少女最新探偵小説集3 1958.07.31 (国DC※)
    『黒い太陽の秘密』
  11. 『予告殺人』 同光社 1958.08.05 (国DC※)
    「妖鬼の呪言」/「石を投げる怪人」/「姉の手は語る」/「死の断崖」
  12. 『犯罪の足音』 光風社 1958.09.25 (国DC※)
    「犯罪の足音」/「地獄から来た女」/「言葉の殺人」/「雪の夜語り」
  13. 『あやかしの夜』 あまとりあ社 1958.10.30 (国DC※)
    「女にたかる」/「テレビ塔の殺人」/「白狐の宿」/「毒唇」/「からだに弱点を持った男」/「覗き」/「獺」/「相似人間」/「秘術」
  14. 『黒い断崖』 同光社 1958.12.28 (国DC※)
    『黒い断崖』/「愛欲の断崖」/「青春の断崖」
  15. 『黒い疑惑』 同光社 1959.10.10 (国DC※)
    『黒い疑惑』/「羽田発十三時○分」
  16. 『樹海殺人事件』 小説刊行社 1960.03.12 (国DC※)
    『樹海殺人事件』
  17. 『断崖殺人事件』 小説刊行社 1960.05.08 (国DC※)
    『断崖殺人事件』/「恐怖の一夜」/「茶色の小瓶」
  18. 『殺意の渦』 昭和書館 1961.06.20 (国DC※)
    『殺意の渦』/「三味線殺人事件」
  19. 『樹海の殺人』 青樹社・青樹ミステリー 1963.11.05 (国DC※)
    『樹海の殺人』
  20. 『恐怖の影』 青樹社・青樹ミステリー 1963.11.30 (国DC※)
    『恐怖の影』/「羽田発十三時○分
  21. 『犯罪の足音』 青樹社・青樹ミステリー 1963.12.30 (国DC※)
    『犯罪の足音』/「地獄から来た女」/「言葉の殺人」/「雪の夜語り」
  22. 『児童文学』 聖徳学園出版部 1972.04.01
  23. 『源氏物語殺人事件』 新典社 1972.04.20
    『源氏物語殺人事件』
  24. 『角田喜久雄・坂口安吾・岡田鯨彦』 講談社・現代推理小説大系5 1972.08.08
    『薫大将と匂の宮』/△「解題・年譜」中島河太郎
  25. 『源氏物語殺人事件 他一編』 旺文社文庫(130-01) 1980.07.20 (国DC※)
    『源氏物語殺人事件』/「妖奇の鯉魚」/△「解説」山村正夫
  26. 『薫大将と匂の宮』 国書刊行会・探偵クラブ 1993.06.10
    『薫大将と匂の宮』/「妖鬼の咒言」/「噴火口上の殺人」/△「あとがき」/△「源氏物語とロマンと」仁賀克雄
  27. 『薫大将と匂の宮 昭和ミステリ秘宝』 扶桑社文庫(S-11-01) 2001.10.30
    『薫大将と匂の宮』/「妖奇の鯉魚」/「菊花の約」/「吉備津の釜」/「浅茅が宿」/「青頭巾」/「竹取物語」/「変身術」/「異説浅草寺縁起」/「艶説清少納言」/「コイの味」/「「六条の御息所」誕生」/△「「六条の御息所」誕生――について」/△「古典文学の現実的刺戟――雨月物語に関して――」/△「清少納言と兄人の則光」/△「解説」杉江松恋
  28. 『岡田鯱彦名作選 噴火口上の殺人 本格ミステリコレクション2』 河出文庫(ん-04-02) 2001.11.20
    「噴火口上の殺人」/「妖鬼の呪言」/「四月馬鹿の悲劇」/「真実追求家」/「死の湖畔」/「巧弁」/「地獄から来た女」/「死者は語るか」/「石を投げる男」/「情炎」/△「「噴火口上の殺人」前後」/△「解説」日下三蔵
  29. 『岡田鯱彦探偵小説選1』 論創社・論創ミステリ叢書78 2014.07.30
    『紅い頸巻』/「クレオパトラの眼」/「不可能犯罪」/「密室の殺人」/「光頭連盟」/「生不動ズボン」/「羅生門の鬼」/「雪達磨と殺人」/「死の脅迫状」/「犯罪の足跡」/「獺の女」/「天の邪鬼」/「地獄の一瞥」/「獺峠の殺人」/△「解題」横井司
  30. 『岡田鯱彦探偵小説選2』 論創社・論創ミステリ叢書79 2014.08.30
    『幽溟荘の殺人』/「愛の殺人」/「52番目の密室――情痴の殺人」/「夢魔」/「三味線殺人事件」/「雪の夜語り」/「G大生の女給殺し事件」/「あざ笑う密室」/△「探偵小説の「益」に就いて」/△「恋人探偵小説」/△「履歴詩(1)」/△「吉例「犯人当て」への註文」/△「履歴詩(2)」/△「一つの刺戟」/△「“江戸川乱歩”の若々しさ」/△「心ばかりの花束」/△「新年初頭の感想」/△「探偵小説とトリック」/△「長篇を」/ △「ああ、香山さん!」/△「二つの作品の思い出」/△「二つの作品の思い出」/△「「噴火口上の殺人」前後」/アンケート(△「(ラジオ放送探偵劇について/愛読する海外探偵小説)」/△「探偵小説に対するアンケート」/△「探偵作家になるまで、なってから」/△「感銘をうけた推理小説は?」)/△「解題」横井司
  31. 『薫大将と匂の宮』 創元推理文庫(Mお-12-01) 2020.03.19
    『薫大将と匂の宮』/「艶説清少納言」/「「六条の御息所」誕生」/「コイの味」/△「恋人探偵小説」/△「清少納言と兄人の則光」/△「「六条の御息所」誕生――について」/△「時空の歪――その魅力的なあわいに――」森谷明子
  32. 『駒形堂の藤吉親分捕物話』 捕物出版 2021.05.10
    「帯解け地蔵」/「人間消失」/「白い小犬の幽霊」/昭和改版西鶴浮世草子(「秘密の灸穴」/「夢の媾合」/「不動の火焔」/△「筆者より……」)

  33. 『岡田鯱彦 薫大将と匂の宮・樹海の殺人』 別冊幻影城15 1978.01.
    ◇「王朝ミステリーの異才(アルバム)」/『薫大将と匂の宮』/『樹海の殺人』/△「岡田鯱彦氏の業績」中島河太郎/☆「岡田鯱彦書誌」島崎博



      参考文献

  1. 「岡田鯱彦書誌」島崎博
    別冊幻影城15 1978.01.
  2. 「解題」横井司
    『岡田鯱彦探偵小説選1』 論創社・論創ミステリ叢書78 2014.07.30
    『岡田鯱彦探偵小説選2』 論創社・論創ミステリ叢書79 2014.08.30
  3. ほか



入口へ  ←  著者別リストへ  ←  先頭へ
夢現半球