『随筆 探偵小説』
 話に聞いた通りネタばれのオンパレード(笑)。でもあたしには、ありがたかったです。昔読んで、すっかり忘れてた話を思い出しました。ああ、そうだったこういう話だったって。これを読んでいて気がついたけど、あたしってルブランをほとんどまったくと言っていいほど読んでいません。読んだのは多分1冊こっきりのはずです。なんででしょうかねぇ…。高木彬光が書いただけあって、自分の著作についての記述が多かったのは、ファンとしては楽しく読めた部分かな。しかし、探偵小説研究家のH氏って誰だろう?どこかで、ここに書かれてた内容通りにひっかかったという人の名前は見た気がするんだけどな。

『邪馬壹国の陰謀』
 高木先生、マジでキレまくっておりました。段落ごと削除しても、まったく問題がないというところがいたるところに…。その段落は、罵詈雑言のみというわけで。引用されていた文でみると、相手も相手だけれどねぇ。にもかかわらず、楽しく読みました。野次馬根性とでも申しましょうか。メインはもちろん第1部なのでしょうが、第3部が一番良かったですね。客(この客って誰?っていうか何?)との会話形式で、いかにして邪馬台国=宇佐にいたったかがおさらいでき、ついでに論争部分もおさらいできます。

『占い人生論』
 ええと、これは高木彬光の自伝のようなものでしょうか。まぁ、そこまでいくとこじつけにしか思えないぞ。ってなところも多少はありましたが、面白かったです。それにしても驚きだったのは、占いで息子さんの急死の卦が出ていたんですね。46〜50歳のところで、子どもの1人に厄介なことが起こるかもしれない。っていうのを見たときはぞぞっとしたかも。でも、数年ずれてはいるかな。

『金色の猫』
 悦子一家が都営アパートに移り、金色の猫を拾った頃から、怪異な出来事が続く。金色の猫がいけないのだといわれ、悦子は泣く泣く猫を捨てることに。そこにある女性が現れて、その猫を譲ってくれないかと声をかけてくるのだが…。

  という話です。まぁ、ミステリーではあるんでしょうが、最初は怪奇小説なのかと思ったぞ。違ったけど。

『悪魔の護符』 (X探偵怪奇 昭和24年4月号)
 ある夜、銀座の酒場で「悪魔の護符を買いなさらぬか」と声をかけられた一人の青年は、自分の妻を手にかけようとしていた。その声をかけた老人の姿は、その青年以外の人には見えていない。青年はどんな悪事も発覚しないという悪魔の護符と決して証拠にならないという拳銃をその老人から手に入れるのだった。

 で、結末は結局どうなんだい…。