神津恭介少年もの感想 

ここに出てくる話ではほとんどのルビが「こうずきょうすけ」になっているんですが、「かみつきょうすけ」「かみずきょうすけ」いったいどれが正しいのでしょうか?


人形館の殺人     譚海文庫 昭和26年 第5号

ものすごく簡潔なお話。無駄(本当は無駄なわけではないと思うけど)な文章が一切ない。
雪女にさらわれた少女が、人形館で死体になって発見される。さらわれたときの足跡が一人分しかないところから、雪女にさらわれたという話になるのだが…。
神津恭介が出てきて、話を聞くだけであっさり事件の謎を解くのであった。

(古沢三千夫)  

迷路の少女     少女クラブ 昭和34年 夏の臨時増刊号

美しい少女の万引きを発見する三千夫。見つかった少女を三千夫はとっさに庇うのだが、返ってきたのは「馬鹿」という言葉であった。

おばけ屋敷大人20円、小人10円だそうだ。 なにがすごいって、犯人がピストルを出すより早く、相手の胸の中に飛び込む神津恭介である。普段のシリーズでは、こんな神津恭介を私はしらない。
さらわれた妹を探す兄という、いかにも昭和30年代という設定のうえに、挿絵もいかにもなので笑ってしまった。

(古沢三千夫 ・ 古沢三和子)

幽霊犯人     冒険王 昭和32年1月15日発行 お正月増刊号

降霊術師が降霊中に殺される。

少年ものらしい話。三千夫の冒険といった感じ。
それにしても、近藤勇の幽霊が「勤皇志士を殺したぞ!」と叫ぶあたり、やはり笑ってしまいました。

(古沢三千夫)

ミイラの怪     おもしろブック 昭和27年 夏休み漫画読物号

ミイラが3000年の時を越えて生きかえった。そのミイラに誘拐された少女。少女の小学6年生の兄は妹救出のため奮闘するのであった。

えっと、この羽柴というのは何者なのだろうか。はじめて見たぞ。おお!神津恭介 が変装して犯人を逮捕するのだ。犯人相手とはいえ、ピストルなんてつきつけていいのか?

(羽柴武夫)

ポプラ屋敷の秘密     少女ブック 昭和29年 夏の増刊号

読み始めてすぐ『ヴィナスの棺』を思い出した。『ヴィナスの棺』の少年版というところか。ポプラ屋敷に入り込んだ人が、続けて狂ってしまう。その謎を解こうとするところに、その家に3日住まわせて欲しいという人物が現れる。

それにしても、ここの横に載っていた「少女ブック」9月号の付録の「少女三つの歌のアルバム」ってなんだろう…。

(野口三千子 ・ 野口昇二)

カフスボタンの秘密     たのしい五年生 昭和34年 7月号〜9月号

クリーニングのズボンの折り返しから出てきた、奇妙に壊れ血のついたカフスボタン。三千夫はその客の尾行をはじめる。

この作品では、ルビが「かみずきょうすけ」になっていました。高川警部が登場。
それにしても、 挿絵の神津恭介 が両手に拳銃持っている…。まさに日活映画のような挿絵であった。

(古沢三千夫 ・ 古沢三和子)

きょうふの森     たのしい五年生 昭和34年 10月号〜12月号

その森には奇妙な噂があった。そこから、犬を連れた男が、毒蛇に噛まれ倒れ込んできた。村上家に助けられたその男は、実は指名手配中の強盗犯人であった。深夜目を覚ました三千夫は不審な影を目撃する。そして男も犬も姿を消した。

いきなり三千夫が小学五年生である。まぁ読者向けに、三千夫を若返らせたってことなのでしょうね。
これはよくできた話だなぁ。犬の最後が、とても悲しい。

(古沢三千夫 ・ 古沢三和子 ・ 村上新一)

夜の皇帝     冒険王 昭和31年 9月号〜昭和32年 6月号

奇怪な人形を古川博士が友人の野中博士から預かったことから、三千夫たちは事件に巻き込まれることに。人形の為に古沢博士は夜の皇帝、皇后に捕まり、人形との交換に出向いた神津恭介 は相手の罠にかかり重症を負う。古沢博士の監禁場所らしきところには、謎の白髪老人が現れ、三千夫の友人の少年たちもまかれてしまう。藤島と名乗る探偵が凶弾に倒れた神津恭介 のかわりに古沢博士救出に成功するが、今度は三和子がさらわれて…。

なにに驚いたって、「原子炉の廃品のごくわずかに放射能を発する粉」を道標に使うところだ。ごくわずかとあるが、原子炉の廃品だぞ?放射能の半減期がどれほどのものか、神津恭介 が知らぬわけでもあるまいに…。
(少年探偵団もどきの1人が松本くん。いやー、頑張ってました松本少年。間違っても、この松本くんはピ○○オとは呼ばれなかったであろうな。ふひゃひゃ。どうせここは見ているまい。ひゃひゃ。)

(古沢三千夫 ・ 古沢三和子 ・ 松本少年他)

深夜の魔王     中学1年コース 昭和34年 4月号〜昭和35年 3月号

月の明るい春の夜。中学1年生の西田敏郎は、父といっしょの帰り道に殺人を目撃する。虫の息の被害者から託された1枚の羊皮紙。それが敏郎が「深夜の魔王事件」に巻き込まれるきっかけであった。「深夜の魔王」が執拗に狙う、謎多きダイヤモンド「ガンジスの光」と羊皮紙。戦前の日本とインドになにがあったのか。

なんと 神津恭介邸に、ばあやがいるぞ!
さすがに中学生向けの1年連載分だけあって、読み応えはそれなりにある。しかし、武器の有無を調べるために身体中を検査して、防弾チョッキに気がつかないなんてことがあるのか?しかも、「深夜の魔王」…。たとえ女子供でも誰彼なく殺す悪人のようだが、物語のとっかかりで殺されたの男以外、殺人は成功していないぞ…。小沼警部が登場。

( 西田敏郎 ・ 島村かおる)

探偵学校     冒険王 昭和34年 8月号〜昭和35年 8月号(昭和34年夏休み特別号を含む)

『宝石どろぼう』 S34、8月号
宝石店でダイヤの指輪が盗まれた。犯人は客として店にいた3人のうちの1人に違いないのだが、3人からはダイヤは発見されず…。
『社長室のどろぼう』 S34、夏休み特別号
丸山商事の社長室に泥棒が入り、現金20万円が盗まれた。疑いがかかった社員には、その時間にはしっかりしたアリバイがあり、社内に残っていた3人の社員のうちの1人が、その疑われた男に容疑をきせようとして変装をしたものらしいのだが…。
『深夜の銃声』 S34、9月号
青山の屋敷町でピストルの撃ち合いをする音がすると、警視庁に連絡がはいった。秋山警部と神津恭介が現場に到着すると、屋敷内の階段下に1人の男が銃で撃たれて死んでいた。
『ていでん中のどろぼう』 S34、10月号
神津恭介と秋山警部が町を歩いているとき突如停電となり、そのとき「どろぼう!どろぼう!」と叫ぶ声が聞こえた。2人が駆けつけてみると、荒された金庫と倒れた男、その両脇に立つ2人の男の姿があった。犯人は?
『雨の夜のできごと』 S34、11月号
夜の町を歩いていた秋山警部は、ひどく慌てた様子の男から、知人の家の様子がおかしいのでいっしょに来て欲しいと頼まれる。その家に行ってみると、家の主がピストルで額を撃ち抜かれて死んでいた。そこには、机を掻き回している女が1人おり…。
『けちんぼじいさんの死』 S34、12月号
けちんぼで有名な金貸しのじいさんが殺された。容疑者は3人。神津恭介は、嘘をついている者が犯人だと指摘をするが。
『雪の上の足あと』 S35、1月号
ある冬の朝、小学校5・6年生の少女が、神津恭介のもとにやってきた。殺人犯として捕まった兄を助けて欲しいという少女といっしょに現場に駆けつけた。雪の上には、被害者と少女の兄の足跡しかなく…。
『どく入りのミルク』 S35、2月号
神津恭介のもとに「ミルクに毒が入れられ、猫が自分のかわりに死んでしまった。犯人を見つけて欲しい。」という電話が入る。容疑者は3人。神津恭介は犯人を指摘するが…。
*第8回は、3つの推理クイズ。 S35、3月号
『たからはどこへ』 S35、4月号
秋田警部は日本中を荒しまわった怪盗・黒いハゲタカを逮捕したものの、盗んだたからは家の中からは見つからず、暗号らしきものを書いた紙片が見つかった。暗号を解こう。
『夜光時計のひみつ』 S35、5月号
光ホテルで1人の宿泊客が夜中にピストルで殺された。隣室の宿泊客が銃声を聞いた時刻には、犯人と思われる男にはアリバイがあり、その証人は嘘をいうような人物ではなく、時計が狂っていたわけでもないのだが…。
『五千万円のダイヤ』 S35、6月号
神津恭介のもとに、「アフリカの星」というダイヤが盗まれたとの連絡が入り、現場に駆けつける。「アフリカの星」はその日たまたまその金庫に入っていたもので、家の事情に詳しいものが犯人に違いない。怪しいのは解雇された元秘書なのだが、神津恭介は…。
『メガネのなぞ』 S35、7月号
愚連隊の親分が殺された。現場に駆けつけてみると、被害者はガラスが飛び散ってフチだけになったメガネを握りしめて死んでいた。
『大あばれブル公』 S35、8月号
町のボスで弱いものいじめばかりしていた男が殺された。しかし神津恭介が駆けつけたとき、大きなブルドックが暴れまわっており、現場はめちゃくちゃな状態になっていた。

1月号から解答編の掲載場所がかわったらしく、それ以降の解答はないのが残念だけれど、まぁ問題はありませんね。ただし、見開きで判読できない部分が多少あるので…。感想を書こうにもこれは難しいな。なかなか良くできたものあり、なんだこれ?(暗号とか)もあり。

エジプトの星     たのしい五年生 昭和34年 4月号〜6月号

横山家に伝わるダイヤ「エジプトの星」を狙うまぼろしの男。「エジプトの星」をよこさなければ、横山家の娘・敬子の命を奪うとの脅迫もあり、横山家では私立探偵西村省一郎の薦めもあり、罠をしかけることに。だが、そこで敬子は気絶し、隠れていた三千夫は眠らされ、「エジプトの星」は消えうせてしまった。そんな中、警視庁の大島警部といっしょに神津恭介が現れ事件の謎を解く。

まず、この話では、三千夫の姉が美和子になっているんですが、三和子ではなかったのだろうか?ダイヤ「エジプトの星」の隠し場所について、読むことができた後半3分の2を見ただけでは、アンフェアなように思えるのだが、なにせ最初の3分の1にそのあたり書かれていたのかも知れないのでなんとも言えない。少年ものではよくあるパターンの犯人であるな。

(古沢美和子 ・ 古沢三千夫)

紅色ダイヤ     少女クラブ 昭和29年 ?(前編)・9月号(後編)
              偕成社 昭和29年12月刊(テキスト)

村田家の紅色ダイヤを狙うインドの魔術師ラバータ。「紅色ダイヤはインドの秘宝であるので取り返しにきたのだ。」との挑戦状を残してラバータが姿を消したその夜、1人の怪人がえり子の部屋に忍び込み紅色ダイヤを盗もうとするが、私立探偵・鯉沼雄作と激しく争っているうちに、怪人は死んでしまう。そして、ダイヤせり売りの日。突然電灯が消え、密室の中からは煙のように紅色ダイヤが消えていた。

犯人などはめずらしくもなんともないパターンだけれど、ダイヤの隠し場所をめぐる犯人と神津恭介の騙し会いはなかなかのものかも。この話は単行本にならなかったのでしょうか。もう少し長く書いて欲しい作品なんですが。

(村田えり子)

湖の悪魔     冒険王 昭和33年9月号 

神津恭介が避暑地に遊びにきていた三千夫は、その青木湖で幽霊船のように不気味な誰も乗っていないモーターボートを見かける。中を覗き込んでみると、きちんと片付いてはいるものの、荷物もそのままで、たった今まで人が乗っていたように見える。警官もよんで調べてみたが、乗っていたはずの親子3人は見つからなかった。次の日、木島親子がモーターボートで出かけていった。東京の用事を片付けて戻ってきた神津恭介は、話を聞いて驚き、すぐさま木島親子のあとを追う。追いついた三千夫たちが見たものは、モーターボートの上から気が狂ったような状態で飛び込む木島親子の姿だった。次の日、事件の真相を探るべく神津恭介はモーターボートで、その地点へ向かうのだが…。

この話…。そっくり話をしっているぞ。なんだったかなぁ。えっと、えっと。モーターボートではなくて、クルーザーかヨットで、湖じゃなくて、確か湾だったとは思うんだけど…。うーん、気になるけど思い出せない…。気になる…。確か海外ものだった。短編だったような…。???
お答えを黒白さんからいただきました「『チャールズ・デイリー・キングの『第四の拷問』 (新樹社、「タラント氏の事件簿」収録」。あー、すっきりした。

犯人はどこに?     中学時代一年生 昭和32年4月号(クイズのため解決編はなし) 

丸山博士が10年の歳月をかけて完成したジェット機の設計図が盗まれた。残された指紋から犯人はすぐに特定され、最近出所したばかりのその男は麻薬中毒で、その薬を唯一扱っている売人を張っていれば、かならずこの売人のもとへたずねてくるに違いないと、高川警部は犯人はすでに捕らえたも同然だと胸を叩いた。だが薬が切れた頃になっても、犯人は姿をあらわさない。高川警部は神津恭介に助けを求めた。

うーん。刑務所からでたばかりなんだよね。この犯人。ですでにそこまで、また中毒がひどくなっているんでしょうか?どういう刑務所だったのだろう…。

盗まれた宝石     中学時代一年生 昭和32年5月号(クイズのため解決編はなし) 

ブルーグリーンという世界でも有名なダイヤが盗まれた。ダイヤは小指の先ほどの大きさで、人々が見つめているときに、突然電灯が消え、ダイヤの持ち主である水谷良平があわてて、パイプの火をつけようとしていたライターの火でかざしたときには、すでにダイヤは消えていた。窓も閉まり、ドアも閉まっており、停電の間に部屋に出入りしたものは誰もいない。ダイヤはどこへ消えたのか?電話のそばに落ちていたものを聞いた神津恭介は、犯人とその隠し場所を指摘する。

これ…。紅色ダイヤ?(笑)紅色ダイヤのあらすじのような話でしたな。

黒十字の秘密     少年少女友達 昭和25年12月号・昭和26年2月・4月号〜?

水野一郎・由美子の兄妹は、母親の静養先の海岸沿いの町にきていた。死人島と呼ばれる島が見えるその三濱の海岸線を歩いていると、あるバラックの一軒の表戸に白紙に墨でかかれた黒十字を見つける。その黒十字を見て顔色を変えるその住人である老人。その夜、坂下の方角がら銃声が聞こえ、駆けつけた一郎が見たものは、無残に殺された先ほどの老人とその胸にピンで留められた黒十字の印であった。そして一郎は、黒い鐵の十字架をもった黒づくめの男に出くわす。他言しないことを約束し、その場は無事に済んだ一郎だが、散歩させていた犬の指し示す場所から掘り出した黒い鐵の十字架を手にしたことから、事件に巻き込まれてしまう。妹の由美子が誘拐され、東京から神津恭介がやってくるのだが、またひとり黒十字を胸に殺されて…。

この当時は鉄を焼ききれるほど高濃度の塩酸を、薬局では子どもに売っていたのか?ちょっと驚いてしまいましたわ。多分犯人はこの人ね。という少年ものならではのお話ですが、なんせ完結編がない。(完結までの数編になるのかな?)シャーロック・ホームズのオレンジの種がどうこうの話を思い出しました。

(水野一郎 ・ 水野由美子)

ライターの秘密     女学生の友 昭和27年6月号

ある朝2時頃、突然乱入してきた強盗は、おとうさんのジッポーのライターだけを盗って行った。他にはどこにも被害はない。不思議に思いながら、おとうさんと麗子は会社と学校へ行くために、揃って駅に向かった。その駅で、家が近くの神津恭介に会ったことから、今朝の出来事を語ると、神津恭介は忘れ物をしたと言い残し、来た方角へ引き返して行った。学校の昼休み、お父さんが脳溢血で倒れたとの連絡を持って来た女の人と共に、車に乗り込んだのだが、それは真っ赤な嘘で、麗子はそのままさらわれてしまう。麗子危うし。そこに神津恭介が現れ事件の謎を解き明かす。

これは、なんか他の少年ものとまったく雰囲気が違うんですけど…。文章も目だって違いますな。

(?麗子)

巨人の復讐     少年クラブ 昭和30年3月号

古沢三千夫は、近所の変わり者でとおている老人から声をかけられた。「ゴーレムがわしを殺しにやってくる。」なんとかして神津恭介先生においで願えないだろうか。と老人は訴えた。はじめはまともに受け取らなかった三千夫だが、夜再びやってきた老人の訴えを聞き、また油紙に包んだ品物を預かったことから心配になり神津恭介に連絡を取る。その晩、その老人の家の前で三千夫は身長が3メールはあるかという巨人を見かける。そこにやってきた神津恭介と老人の家を訪ねてみたが応答はなく、警察が扉をこじ開けてみたところ、寝室には寝間着のまま絞め殺された老人の姿が。4日後、三千夫は学校の帰りに古道具屋の店先で、老人から預かったのと同じゴーレムの泥人形を発見する。それを買って行ったこどものような身長の男。あとをつけた三千夫だったが、その姿を見失う。神津恭介と三千夫は男が消えた屋敷を発見するのだが、ちょっとした油断から落とし穴にに落とされてしまう。

神津恭介は落とし穴になんかはまっちゃいけないと思うわ。それにしても、最後はいけないこととは思いながらも笑ってしまいましたね。そんなに深い穴だったんですねぇ。

(古沢三千夫)

悪魔の山     少年朝日 昭和24年別冊冬の読物特集号

永島敏夫の父・永島博士は、戦後4年たった今も帰ってこない。生死さえも不明である。そんな中、終戦4年目の冬にある青年が永島家を訪れる。その青年は永島博士が生きていることを告げ、詳しいことを語ろうとした矢先に、窓の外から何者かに射殺されてしまう。その青年のポケットからは、多くの紫ダイヤが出てきたのだが、現金はそう持ってはいなかった。そして神津恭介が、松下捜査一課長とともに現場にやってきた。 ある日学校へ、母親が怪我をしたので至急病院へ来るようにと、女が車で迎えにやってくる。敏夫は、そこに来ていた神津恭介のアドバイスで難を逃れるのだが、一瞬の隙に妹・花子がさらわれてしまう。その車を追う、神津恭介と敏夫の二人だが、すんでのところでヘリコプターで逃げられてしまう。 神津恭介は、殺された青年の残した高山植物の押し花と数字を手がかりに、青森・恐山に隠れ家があると推理し、敏夫や松下研三とともに悪魔の山を目指す…。

話としては、かなり面白いぞ、これ。もちろん少年ものだから、おんやぁ?と思うとこもないわけではないけれど。神津恭介がヘリの操縦までできるってことに驚きましたが、なにより学生時代にグライダーや軽飛行機の操縦を練習してたのだそうで…。神津恭介にできないことはないに違いない。小型船舶だってなんだって、ヨットさえ乗りこなすに違いないな。うん。不満は表紙絵の神津恭介ですな。天パも気に入りませんが、ゲートルはやめてください…。いくら冬山でもさ。高山植物の押し花って、復刊しようとしたらここ変えなくちゃいけないだろうねぇ。

(永島敏夫 ・ 永島花子)

魔の小犬     六年の学習 昭和34年4月増刊号

江美子の一家、上村一家は有名な画家が以前住んでいたという家に引っ越した。その家はいわくつきの家で、以前住んでいた画家は、「赤が青になったら死ぬ」と言い続け、最後には赤い薔薇の絵を青く塗りつぶし自殺したのであった。2年間は何事もなく過ぎたが、ある日、江美子が庭の片隅で、すっかり汚れ修復のきかなくなった状態のぬいぐるみを拾ったことから事件が起こる。江美子はその小犬のぬいぐるみを庭の隅に埋葬した。次の日の朝、江美子の部屋からすべてのぬいぐるみが消えていた。また、壁の赤いチューリップの絵が青く変わっていたのである。2日目の夜、秋夫の部屋に侵入した怪物の面をかぶった賊は、壁の赤いりんごを青く変え、犬を出せと脅して立ち去って行った。翌朝、家の外で怪物の面をつけた男の死体が発見されるが、その死体は死後3日はたっていた。

はじめアガサ・クリスティかい?と思ったんだけど、あちらは青から赤でしたな(苦笑)。だから物騒だったんだもの。六年の学習としては、ぴったりの話なんではないでしょうか。この時代に読みたかったな。さすがにまだ生まれてないもんなぁ…。

(上村江美子 ・ 上村秋夫)

道化仮面     読売新聞北海道版少年少女欄 昭和27年10月1日〜11月1日(20回連載)

東京では、だんだらの服を着て、トンガリ帽子をかぶり、顔をおしろいと紅で塗ったくった道化仮面という怪盗の噂がある。中学1年生の原田三雄は、ある晩コウモリのような姿を窓から目撃する。お父さんと駆けつけてみると、重傷を負った刑事が倒れており、刑事が指した教会の中には、銀の燭台を手にした道化仮面が。翌日、三雄の家にその教会の牧師がやってきて、昨晩盗まれた銀の燭台の対のひとつを預かって欲しいと頼むのだった。その日、三雄の妹の花子が誘拐され、花子を探す三雄も人相の悪い男たちに襲われる。それを救ってくれたのは、北村一郎という探偵だった。そして道化仮面からの脅迫状が届き、燭台を預けにきた牧師が殺されるが、この牧師の前身は「黒面賊」という強盗団の一味であった。そんな中、三雄の前に、女のように優しい顔をした青年が現れる。

まずはおげまるさま。ありがとうございます。おかげで読むことができました。あとはC恵ちゃん…。お願いします。犯人といい他の謎といい、少年ものではお約束のパターンです。おげまるさまの言う通り、新聞連載のためなんでしょう。毎回山場らしきシーンがあります。それにしても、今回の神津恭介…。うーん(苦笑)。ちょっとラストが情けなくないですか?

(原田三雄)

ぬげない仮面     少年少女王冠 昭和25年5月号(第1回)、7・8合併号(第3回)のみ

実業家・南徳次郎に届けられた脅迫状は、「アマゾンの涙」というダイヤをよこせというものだった。南徳次郎は、神津恭介に電話をかけ協力を頼む。実は、徳次郎の娘の花子が、昨日学校帰りに行方不明になっており、人質となってつかまっているらしいのだ。花子の弟の正夫は、犬を連れて姉を探すうちに怪しい男に会いあとをつけ、洋館になどりついたものの、結局はつかまってしまう。そして、南家の物置が放火され、みにくい老婆の仮面をつけられた花子の姿が…。

この話も使いまわしかなー?ただ、何回連載かも不明で、読んだのは1回と3回のものだけ。これは未完なのか、まだあるのか…。

がいこつ島     「小学校六年生」 昭和25年4月号〜「中学生の友」 昭和26年5月号(増刊号を含む)

羽田飛行場からアメリカに向けて飛び立った、大型旅客機のニュー・パシフィック号が、太平洋上でエンジントラブルから着水着陸、全員無事に救命ボートに乗り移ったという連絡を最後に、生き残った乗客たちは姿を消した。その乗客の中には、世界的な大科学者である高柳英治博士がいた。高柳博士は出国前に、研究の秘密をすっかりよこせという内容の脅迫状を受け取っていた。その手紙には、サインはなかったが、小さなどくろのスタンプが押されていた。共同研究者の柴田博士は、救命ボートに乗り移った高柳博士からの連絡に、白い骸骨が浮かんでいるという言葉があったのだ。その連絡を最後に、高柳博士からの連絡は途絶えたのである。
高柳博士と柴田博士は、水素原子力の研究をしていたのだが、それを狙うがいこつ団という正体不明の組織が、高柳博士を誘拐したのである。そして、共同研究者である柴田博士までもが狙われ、高柳博士の娘の笛子、息子の光夫までもが敵の手に落ちる。しかし、敵がナチスの残党であることを知った高柳博士は協力を拒み、ついには3人処刑されることに…。
柴田博士に変装した神津恭介は、白い骸骨の中に潜入するのだが…。

ああ、すごい話だなぁ。ナチスの残党はともかく、空飛ぶ円盤に、どんな外からの爆撃にもびくともしないがいこつの潜水艇。内部から爆発させられたあたり、装甲車みたいだよな…。それに、ウラニウム235。これ自体はよくわからないけど、水素爆弾の元の放射性物質でしょ。素手で掴んだ人間が死ぬのはわかるけど、すぐ近くに長時間いた君たち!なぜ無事なんだ?とにもかくにもすごいったらすごい。でもって、それが面白い。小学生・中学生向きのSFだと思えば面白い話だと思います。
それにしても、少年ものの神津恭介は、本当に敏捷だわ。相手を投げ飛ばすほど柔道も上手らしいいし(笑)。

幽霊少女     「少年クラブ」 昭和25年4月8月増刊号

松下研三が子どもたちに語って聞かせたかっぱのおとぎ話そのままに、ある夜、岡本道夫は少女から白紙の手紙をことづかった。たまたまそこに通りかかった松下研三といっしょに、次の日に手紙を届けてみると、その相手はどうも様子がおかしい。不思議に思った松下研三は、友人の神津恭介に相談をもちかける。神津恭介ら3人は、少女が立っていたあたりから掘りおこしたものは、血染めのセーラー服だった。あの少女は幽霊だったのか?神津恭介は調査を進め、なにか事件があったことを悟る。

「ヴィナスの棺」その3ですね。まさにそのまんまに近い。戦中をからめるからこその話です。戦中戦後のどさくさあってこそですねぇ。松下研三はやはり酔っているし(笑)。でも、ま、面白いですわ。だからこその使いまわしかな?

呪いのホテル     「少年少女譚海」 昭和26年1月号(3巻1号)別冊付録「冒険ブック」

箱根芦ノ湖のホテルでは不気味なものが届けられていた。荒縄で縛り付けられたトランクの中に、心臓に短刀を刺されて血を流す西條火夜子という美しい女優そっくりの蝋人形である。しかも、その火夜子に自殺に追いやられた近衛伯爵の弟も宿泊に現れた。その火夜子は密室の中で死体となって発見され、火夜子一行に同行していた神津恭介は犯人を指摘するのだが?

 犯人探し探偵絵物語だそうだ。本当にこれは『妖婦の宿』ですな。まぁやっぱりこのページ数では納得しきれない部分も多数。

 

黒衣の魔女     少女サロン 昭和26年〜昭和27年あたり
            偕成社ジュニア探偵小説6 昭和43年(テキスト) 

古沢博士のもとに1通の封書が届く。それは、かつての親友木原博士からの7年ぶりの消息であった。三和子とともに箱根へ来て欲しいという手紙であったが、古沢博士は出張中でもあり三和子が一人で出かけることに。列車での不思議な出会い、「暁の星」という謎の言葉、そして箱根のホテルには黒衣の女が現れ、彼女の出没したあとには蛇のうろこが残されているのだった。木原博士の娘千鶴子はなにかにひどくおびえており、なにも語らない。黒衣の魔女を追いかけた医者が倒されたことから、三和子は神津恭介に助けを求めた。木原博士、千鶴子にそっくりな2人も現れる。千鶴子を案じて面会を求めてきた木原博士の助手が、その帰途に黒衣の魔女に噛みつかれ、その蛇毒で殺された。

神津恭介邸の電話番号が、「荻窪5430」番であることが判明。
『蛇性の女』にかなり共通する場面が。とくに蛇の毒うんぬんは、そのまんまかも…。 いろいろなピースがなんかハマリきっていない感じもあるけれど、少女向けの話だとすれば、こんなものなのかも。とにかく読めただけで嬉しい。松下捜査一課長が登場。突如、三和子は18歳。主人公である。少女サロンという雑誌は高校生向け雑誌だったのか?

(古沢三千夫 ・ 古沢三和子)

覆面紳士     
           偕成社 昭和28年(テキスト) 

ある夜のこと、三和子と三千夫は家の中で愛猫の鳴き声を聞く。だが姿はどこにもない。しかし、インクがこぼれたことから猫の姿が浮き出された。猫は透明になっていたのである。その不思議な話を知らせに、母が研究棟に行ってみると、博士はどこへ行ったのか姿を消していた。そこで、松下のお兄ちゃんこと松下研三が古沢家に呼ばれ、調べた研究棟では姿の見えなくなった動物達が発見される。その夜、町には覆面をかぶった透明人間が現れ、宝石の盗難がおこり、通行人や警官が襲われる。次の日、研三から連絡をうけた神津恭介は、2つの事件の関連性を悟っていた。そして、古沢博士の自筆の手紙を持って来た男を尾行していた三千夫が拉致されてしまい…。

どこかで似た話を読んだ記憶があるんですが、いったいなんだったでしょうか。透明になった動物…。うーん、思い出せません。この話では、神津恭介の家に、ばあやはいませんが女中がいるそうです。神津恭介は軍隊時代には並ぶものがいないといわれた拳銃の名手だったそうです。お馴染みの面子が揃っているのが嬉しい作品。
話としては、まあ少年ものですからこんなものでしょう。しかし、三和子はすごい美少女なそうだし、三千夫は頭がよいそうなんだけれど、その三千夫くん。君はどうして徒歩の男相手に、自転車で尾行なんかしているのだ?罠でなくたってバレてしまうのではないだろうか。

(古沢三千夫 ・ 古沢三和子)

白蝋の鬼     探偵王 昭和26年 7月〜昭和27年 6月
           ソノラマ文庫 昭和51年(テキスト) 

療養中の神津恭介に会うために、島崎秀夫と古沢三千夫は江ノ島の松風閣に向かう。行きの電車の中で不審な行動をとる男を見かけるが、それは秀夫の父、島崎博文であった。なぜ島崎博士はそんな行動をとったのか、疑問に思う2人は島崎博士の後を追う。姿を見失った場所には鏡屋敷とよばれる古い洋館があった。秀夫を見張りに残し三千夫は神津恭介のもとへ急いだのだが、神津恭介のもとに駆けつけるとそこにはすでに白蝋の鬼からの手紙が投函されていた。洋館へと急ぐ2人だったが、すでに秀夫の姿はなく、洋館の鏡の間には、秀夫の血のついた帽子が残されていた。
そのとき秀夫は四方を鏡で囲まれた部屋におり、無数の自分の姿と、それとは別のまったく別の自分の姿を鏡の向こうに見るのだった。なんとかその鏡地獄からは脱出したのだが、白蝋の鬼との闘いはこれがはじまりで…。

お馴染みの面子が揃う作品。この作品に使われるトリックは『鏡のへや』といっしょですな。それにしても三千夫は本当に頭がいいのだろうか?勇敢という言葉を勘違いしていないか?なんでもかんでも突っ込んでいけばいいというものではないと思うのだが…。「また、神津恭介のお荷物かい…。」と思うことしばしば。まあ子供の頃に読んでいれば、こんな感想を持つことはなかったのだろうけれど。
神津恭介は体調を崩して療養中である。32歳と書かれているのだが、その年の夏はアメリカに留学しているはずである。はて?

(古沢三千夫 ・ 古沢三和子 ・島崎秀夫)

悪魔の口笛     少女世界 昭和27年 〜昭和28年頃
             ポプラ社少年探偵小説全集4 昭和35年(テキスト) 

ある夏の日、終電車から降りた神津恭介は、中年の男に道をたずねられる。途中まで案内し別れた直後、男は突然倒れ、駆け寄った神津恭介は、背中に短剣が刺さった男の「島、青い鳥、鎌倉の薔薇屋敷、園真理子」という最後の言葉を聞く。あたりには人影はまったくないと思われたが、ヒューヒューという悪魔の口笛とともに現れたのは、とても人間とは思われない怪人だった。あくる日、男の言葉が気になり鎌倉を訪ねた神津恭介は、犬を連れた園真理子に会う。両親を亡くしたために叔母夫婦に引き取られていた真理子が、現在住んでいる屋敷が薔薇屋敷であり、真理子や叔母の出身が「死人島」と呼ばれる島なのであった。叔母夫婦、そして真理子も以前島に来て知り合った学生と共に拉致され、Xは執拗に「青い鳥」の要求を繰り返すのだった。

のっけから差別用語が出てくるし、再刊はされないんだろうなぁ。これも。この作品には三千夫は登場しないが、三和子だけは登場する。どうも、少女雑誌連載の神津恭介ものでは、三和子は欠かせないらしいな。なんたって、最後がびっくりだ。―そこでは神津恭介と三和子が〜中略〜もうこのふたりの眼中にはないのでしょう。〜中略〜平和な若いふたりのうえに、真夏の夕日は、わらってさいごのほほえみを投げかけているのでした。―ちゃんちゃん。話は楽しく読めましたけどね、ついついこういうところが気になって。

(古沢三和子)

オペラの怪人     少女サロン 昭和29年8月号?〜12月号
              偕成社 昭和29年12月(テキスト) 

ひとりの若い男が線路上で酔ったように倒れ込んだのをみた警官は、その若い男を助け起こし交番へ連れて戻る。倒れ込むほどふらついているのに、酒の匂いはまったくせず、これはおかしいと感じた警官が医者を呼ぼうとしたところに来合せた男は、真っ赤な偽医者で、毒を注射された若い男は、交番の中で殺されてしまう。部下を殺された私立探偵の篠原は、弔い合戦に乗り出すことを誓う。そして、香山百合枝ことリリー・香山のステージもはじまるころ、帝都劇場に聞きにきていた少女・山田梨枝子がさらわれてしまい、百合枝の養父・香山剣次が刺されて重症を負う。それらの事件の現場に姿が見え隠れするせむしの男・オペラの怪人。オペラの怪人は百合枝にとっては味方のはずであったのだが?父の無実を信じるオペラの怪人の娘・愛子は、神津恭介の家を訪れ、事件の解決を依頼するのであった。そして「黒百合団」の総裁とは?黒百合姫とは?そんな中、篠原探偵が殺され、百合枝までがさらわれてしまう。

まずですね、この本誤植っていうんですか?多いんですよ。「ねむを…。」?と思ったら「むね」だったり…。数ヶ所?でした。少年ものにしては、登場人物が多いですね。カーチェイスのシーンがあるんですが、リンカーン、クライスラー、フォードってアメ車ばかりじゃん。話としては面白いと思います。しかし、ここまで少年ものを読んでいて三和子が高校時代に、高飛び込みをやっていたとは、まったく気がつきませんでしたわ。家でくつろいでピアノを弾いていた神津恭介なのだけど、スーツ着てますか…。そうですか。(挿絵がそうなっている。)ええ、オペラの怪人を読んで、神津恭介の嫁は三和子じゃないかっていうのを納得しましたことよ、黒白さん。

(古沢三千夫 ・ 古沢三和子)


猫目石の謎     
             偕成社 昭和29年12月(テキスト) 

ある日古沢三千夫は、父の古沢博士の友人だという洋装の美人に声をかけられる。青山竜子と名乗るその女に、ご馳走してもらって家に帰った三千夫のかばんの中からは、七色に輝く猫目石がころがり落ちた。三千夫は、兄のように慕う神津恭介に相談する。その2・3日後、学校帰りにその女を見かけた三千夫は、女の跡をつける。その女が入った洋館は、現在は空家となっており、もとは青山竜子という宝石商が住んでいたことがわかったが、その宝石商は3年ほども前に殺されていた。三千夫の前に現れた女は幽霊なのか?三千夫は神津恭介 とともに、その幽霊屋敷に乗り込んだ。

ハルピン〜っていう名前よく出てくるな(笑)。やはり時代なのでしょうかね。ここでは三千夫は新生中学2年生。石川刑事が登場しています。この挿絵のちょっとだけ出ている神津恭介は50’Sだわ。

(古沢三千夫)

吸血魔 (『消えた魔人』)    
         ポプラ社 昭和29年6月(テキスト) 

ある春の夜。高校生の斎藤玲子は、駅から家への帰り道で乞食のような身なりの男に、蝙蝠館の場所を尋ねられたが、その男と別れたあとに、黒マント、黒い帽子、黒めがねの男に、乞食のような身なりの男を見なかったかと尋ねられる。玲子は家まで走って帰り、元警部である父親に、今あった出来事を語る。その夜、無人のはずの蝙蝠館の2階に明かりが見えた。好奇心にかられた玲子の弟の敏夫は、家をそっと抜け出し、蝙蝠館に向かう。そこでは、男女の会話が聞こえ、鋭い悲鳴と人間の倒れるような物音が。家に戻った敏夫は、父と共に再び蝙蝠館に向かうが、そこには乞食のような身なりの男が瀕死の状態で、その首筋の何か知れない傷跡が。まるで吸血蝙蝠にでも吸われたような跡があるのだった。その2・3日後、玲子がさらわれた。なぜ玲子がさらわれねばならないのか。姉の身を案じた敏夫は、神津恭介の家を訪れた。そうして動き始めた神津恭介は、街で玲子そっくりな花売り娘に会う。かつて大陸で暗躍していた蝙蝠団に関係があるようなのだが…。この娘は?吸血魔の正体とは?

この話に使われた凶器ですが、神津恭介もので見かけるのは3回目です(笑)。小学生のポケットにたまたまマッチが入っているものなのかなと思ったり、敏夫の助かり方が神業だったり…。あと少年ものの疑問といえば、あのですね銃刀法がこの頃にはすでに施行されていたと思うのですけど、なぜに一般人や退職した刑事が堂々と持っているのでしょうか?やはり、少年ものだということでドンパチ入れたかったんでしょうか。一般の神津恭介ものには、そういうことありませんからねぇ。松下捜査一課長が登場。

(斎藤玲子 ・ 斎藤敏夫)