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文庫あれこれ

アカギ叢書リスト

1st Ed.: 2023.02.07

 現時点でわかっている、廉価A6版(やや幅が狭い)かつ分野横断的という現代文庫の原型ともいえるアカギ叢書のリストです。
 1914年(大正3年)3月〜1915年(大正4年)6月まで第108編までのうち103点か104点刊行されたようです。
 『レデイースマン(一名ベラ、ミー)』が巻末で「絶版発売禁止」とあり発行されたか事前中止かは不明です。同番号で別のものが刊行されています。
 全て十銭とのことで巻末リストには価格表示なし、発行済か予定か不明なものもあります。予告のみと思われるものは未刊行?としています。第6編は巻末リストから差し替えられたようで重複記載しています。
 表記はできるだけ著者名と題名は旧字を使用しています。小文字と思われる文字は補っています。
 分類は巻末リストによります。

 閲覧欄は以下の通り(ほとんど表紙も白黒)
・国DC 国立国会図書デジタルコレクション(インターネット公開で閲覧可能)
・国DC※ 国立国会図書デジタルコレクション(個人送信(ログイン必要)で閲覧可能)
・その他、早稲田大学、神奈川近代文学館、日本近代文学館などのデータ、古書関係の写真などを用いています。
・元データは2000年頃のもので、大阪国際児童文学館など今は見られないところからのデータも含んでいます。
・その他、『文庫博覧会』奥村敏明(青弓社)なども参照しています。

 特徴
・約100ページに(ほとんど)ダイジェストし10銭均一。序文には「大胆」「無謀」などと書かれたものもあります。
・表紙は色紙に題名と著者名を貼り付けてあり、和書の趣もあります。色は3種類か4種類で分野によるようですがはっきりしません。
・前小口はアンカット、天地はカットされています。
・1914年3月に1点、4月3点、5月4点、6月7点、7月6点、8月20点、9月14点、10月15点、11月18点、12月6点、翌1月4点、2月1点、3月に赤城正蔵氏死去、4月1点、6月1点(第十編)、不明2または3点となります。重版も多く売れたようです。
・目録、専用ラックもあったようです。Twitterより。

    アカギ叢書リスト
通番 分類 書名 著者 、 編訳者 発行  閲覧 
001 欧洲文芸 『人形の家(一名ノラ)』 ヘンリック・イブセン 、 村上静人編 1914.03.30 国DC
002 哲学叢話 『プラグマチズム』 中島萬次郎 1914.08.13
003 欧洲文芸 『廢都』 ダヌンチオ 、 日野月明紀編 1914.07.20 国DC
004 社会學叢 『群衆心理(上)』 ルボン 、 葛西又次郎訳 1914.04.25 国DC
005 欧洲文芸 『痴人(上)』 ドスエフスキー 、 栗原古城編 1914.11.
006 欧洲文芸 『痴人(下)』 ドスエフスキー 、 栗原古城編 1914.12.
006 欧洲文芸 『ウエデキントと其著作』 村上静人 未刊行?
007 哲学叢話 『ベルグソンの哲學』 三浦哲郎 述 1914.04.28 国DC※
008 欧洲文芸 『サロメ』 オスカア・ウワイルド 、 村上静人編 1914.07.10 国DC
009 哲学叢話 『オイケンの哲學』 中島萬次郎 1914.06.08
010 博物叢話 『ダーヰンの進化論』 寺尾新 編 1915.06.06 国DC
011 日本史談 『文化文政 江戸の世態』 龍居松之助 述 1914.04.
012 欧洲文芸 『喜劇 新聞記者』 フライタッハ 、 齋藤茂編 1914.06.15
013 欧洲文芸 『壺の鬼』 スチヴンソン 、 齋藤茂訳 1914.05.05 国DC※
014 欧洲文芸 『復活』 レオ・トルストイ 、 村上静人編 1914.05.14 国DC
015 欧洲文芸 『レデイースマン(一名ベラ、ミー)』 モーパッサン 、 板垣文学士編 ※絶版発売禁止
015 国文叢話 『平家物語の女物語』 内海月杖 編 1914.11.16 国DC
016 美術叢話 『奈良の美術』 佐々木青葉村 1914.06.03 国DC
017 欧洲文芸 『女の一生』 ギイ・ド・モウパッサン 、 村上静人編 1914.05.18 国DC
018 欧洲文芸 『モンナ・ワ゛ンナ』 モオリス・メヱテルリンク 、 村上静人編 1914.06.05 国DC
019 日本史談 『日本建築史要』 龍居松之助 述 1914.05.28 国DC
020 社会叢話 『群集心理(下)』 ルボン 、 葛西又次郎訳 1914.06.18 国DC
021 美術叢話 『支那の美術』 桑山益二 編 1914.06.13 国DC
022 欧洲文芸 『ワンダーブック』 ナザニール・ホーソン 、 板垣邦器訳 1914.06.28
023 欧洲文芸 『父』 アウグスト・ストリンドベルヒ 、 村上静人編 1914.08.13 国DC
024 欧洲文芸 『ハムレット』 ウイリアム・シェクスピア 、 村上静人編 1914.07.01 国DC
025 欧洲文芸 『全譯ジョバンニ(上)』 ダヌンチヨ 、 日野月明紀訳 1914.07.19 国DC
026 欧洲文芸 『全譯ジョバンニ(下)』 ダヌンチヨ 、 日野月明紀編 1914.08.06
027 欧洲文芸 『神曲』 ダンテ・アリギエリ 、 村上静人編 1914.10.17 国DC
028 日本史談 『鎌倉の史話』 龍居松之助 述 1914.07.15
029 欧洲文芸 『ユーデット』 フリードリッヒ・ヘツベル 、 板垣邦器訳 1914.07.26 国DC
030 欧洲文芸 『皇帝ネロ』 ピエトロ・コツサ 、 黒田幹一編 1914.08.
031 礼節叢話 『歐洲禮節』 前田不二三 1914.08.05 国DC
032 欧洲文芸 『海の夫人』 ヘンリック・イブセン 、 村上静人編 1914.08.
033 宗教叢話 『オイケンの宗教思想』 佐藤正 1914.08.12 国DC
034 地理叢話 『東方見聞録』 マルコポーロ 、 佐野保太郎編 1914.08.26 国DC
035 欧洲文芸 『ドストイエフスキイ論 附モウパツサン論』 葛西又次郎 編 1914.09.08 国DC
036 欧洲文芸 『絆』 ストリンドベルヒ 、 島田青峰訳 1914.08.10 国DC
037 評伝叢話 『エマーソン』 エマーソン 、 栗原古城編 1915.01.
038 欧洲文芸 『武器と人(一名チョコレート兵隊)』 バーナード・シヨウ 、 島田青峰編 1914.08.12
039 欧洲文芸 『鴨』 ヘンリック・イブセン 、 村上静人編 1914.09.15 国DC
040 歴史叢話 『神話と傳説』 小林愛雄 1914.08.14
041 欧洲文芸 『マグダ』 ズーデルマン 、 葛西又次郎編 1914.08.13
042 欧洲文芸 『虐げられし人々(上)』 ドストイエフスキー 、 加藤朝鳥編 1914.08.15 国DC
043 欧洲文芸 『初戀』 ツルゲニエフ 、 栗原古城編 1914.08.23
044 演芸叢話 『西洋演劇史』 小林愛雄 1914.08.20 国DC
045 欧洲文芸 『サラムボオ』 フロオベエル 、 畑一枝編 1914.08.20 国DC
046 演芸叢話 『日本浄瑠璃史』 小山龍之輔 編 1914.08.20 国DC
047 欧洲文芸 『ピエルとヂャン』 モオパッサン 、 半田良平編 1914.09.01 国DC※
048 欧洲文芸 『死の勝利』 ダヌンチオ 、 日野月明紀編 1914.10.13
049 欧洲文芸 『何處へ行く』 シェンキウイッチ 、 桑山菁々述 1914.08.28 国DC
050 欧洲文芸 『罪と罰(上)』 ドスエフスキー 、 京極逸蔵編 1915.02.
051 欧洲文芸 『サフオ』 ドオデエ 、 黒田幹一編 1914.08.25
052 欧洲文芸 『虐げられし人々(下)』 ドストイエフスキー 、 加藤朝鳥編 1914.09.
053 欧洲文芸 『日の出前』 ゲルハルト・ハウプトマン 、 山本有三編 1914.08.28 国DC※
054 欧洲文芸 『エレクトラ』 フゥゴオ・フォン・ホフマンスタール 、 村上静人編 1914.09.05 国DC
055 欧洲文芸 『ヘルマンとドロテア』 ゲーテ 、 佐々木青葉村編 1914.09.18 国DC
056 欧洲文芸 『幽靈』 イブセン 、 香西敏編 1914.09.10
057 欧洲文芸 『女優生活』 ゾラ 、 村上静人編 1914.10.
058 欧洲文芸 『マリア・マグダレーネ』 ヘッベル 、 黒田幹一編 1914.09.18 国DC
059 欧洲文芸 『ウォーレン夫人の職業』 バーナードシヨウ 、 島田青峰編 1914.09.21
060 欧洲文芸 『沈鐘』 ゲルハルト・ハウプトマン 、 村上静人編 1914.12.
061 日本史談 『新文明の源流』 魚澄総五郎 1914.09.21 国DC
062 美術叢話 『日本の彫刻』 佐々木青葉村 1914.09.21 国DC
063 西洋史話 『シーザー傳』 齋藤茂 1914.09.
064 欧洲文芸 『幻の海 附イェーツ評傳』 ウヰリアム・バツトラア・イエーツ 、 栗原古城訳 1914.10.13 国DC
065 欧洲文芸 『名譽』 ヘルマン・ズーダーマン 、 山本有三編 1914.09.23 国DC※
066 社会叢話 『近世社會運動』 佐藤正 1914.10.01 国DC
067 国文叢話 『源氏物語(上)』 (紫式部) 、 小山龍之輔編 1914.10.01 国DC
068 欧洲文芸 『アンナ・カレニナ』 トルストイ 、 板垣邦器編 1914.11.15
069 国文叢話 『源氏物語(下)』 (紫式部) 、 小山龍之輔編 1914.10.24 国DC
070 欧洲文芸 『春の目ざめ』 ウエデキント 、 筑紫三郎編 .
071 社会学叢 『コムトの社會學』 内田旭 編 1914.11.
072 現代史話 『バルカンの風雲』 時野谷常三郎 1914.10.01 国DC
073 科学叢話 『飛行機講話』 倉富砂邱 述 1914.10.01 国DC
074 日本史話 『金閣と銀閣』 藤田福太郎 1914.10.17 国DC
075 現代史話 『最近の歐州』 葛西又次郎 1914.09.28
076 欧洲文芸 『ウヰルヘルム・テル』 シルレル 、 村上静人編 1915.01.15
077 欧洲文芸 『ロミオとジュリエット』 沙翁 、 黒田幹一編 1914.11.
078 欧洲文芸 『フランツヱスカ物語』 ダヌンチオ 、 日野月明紀編 1914.12.08
079 欧洲文芸 『マキシム・ゴオリキイ』 オストワルド 、 島田青峰訳 1914.10.23 国DC※
080 欧洲文芸 『活けるむくろ』 レオ・トルストイ 、 寺田春助訳 1914.10.18(国21) 国DC
081 欧洲文芸 『第二のタンカレイ夫人』 ピネロ 、 村上静人編 1915.01.
082 西洋史話 『ヴェニスとフロレンス』 大類伸 1914.10.xx(国21) 国DC
083 社会学叢 『スペンサーの社會學』 相原熊太郎 編 1914.11.13 国DC
084 政治叢話 『マキアヴエリ主義』 マキアヴエリ 、 葛西又次郎編 1914.11.
085 演芸叢話 『女歌舞伎』 龍居松之助 述 1914.11.
086 欧洲文芸 『ブランド』 ヘンリック・イブセン 、 半田良平編 1914.11.16 国DC※
087 評伝叢話 『シルレル』 畑一枝 1914.11.11 国DC
088 欧洲文芸 『俄分限』 モリエール 、 小堀龍二編 1914.10.22 国DC
089 社会叢話 『マルクスとエンゲルス』 佐藤正 編 1914.11.
090 欧洲文芸 『犠牲』 ダヌンチオ 、 日野月明紀編 1915.01.15
091 欧洲文芸 『結婚生活』 ストリンドベルヒ 、 井出説太郎編 1914.11.
092 教育叢話 『エミール』 ルッソー 、 大川周明編 1914.11.15
093 欧洲文芸 『ヴェニスの商人』 沙翁 、 百橋遊芳編 1914.11.
094 美術叢話 『西人の見たる日本浮世繪』 平田禿木 編 1914.11.28
095 欧洲文芸 『ハーディの小説』 牛原冬至生 1914.10.
096 国文叢話 『古事記』 佐野保太郎 編 1914.11.01 国DC
097 欧洲文芸 『イリアッド』 ホオマア 、 村上静人編 1914.11.
098 経済叢話 『富國論』 アダムスミス 、 永雄策郎編 1914.12.
099 社会叢話 『都市改良問題』 中川政次郎 編 1914.11.
100 西洋史話 『フレデリック大王』 野山忠幹 編 1914.xx.
101 外交叢話 『最近外交時情』 佐藤正 未刊行?
102 漢文叢話 『漢文學史』 笹川臨風 未刊行?
103 日本史話 『日本の女』 〓[石殷]稲綺道秀 編 未刊行?
104 未刊行?
105 『膠州灣(獨逸の東洋經營)』 栗田元次 1914.12.01(国03) 国DC
106 『モンテッソリーの教育』 吉田圭 1915.04.16(国18) 国DC
107 未刊行?
108 『最近獨逸の發展』 金子光介 1914.12.10 国DC

    表紙例


第十二編『喜劇 新聞記者』

第二十八編『鎌倉の史話』

第三十四編『東方見聞録』


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