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快楽亭ブラック(初代) 作品 |
Since: 2021.10.03 Last Update: 2023.09.24 |
略年譜 - 講談・落語など - 著書 - おまけ |
1858.12.22(安政5年12月22日) オーストラリア、アデレードに生まれる。本名、ヘンリー・ジェイムズ・ブラック。
1865.xx. 両親と共に横浜に住む
1872.xx. 東京に移る
1876.xx. 浅草の寄席に出演(手品など)
1876.xx. 一時帰国
1878.xx. 再来日
1879.12.(春から?) 口演を始める
1886.xx. 英語学校を始める
1886.12. 「草葉の露」を刊行
1891.03. 芸名を快楽亭ブラックとする
1892.07. 「血汐の手形」(「幻燈」)を刊行、指紋を扱った世界初の犯罪小説
1892.08. 演劇で幡隋院長兵衛を演じる
1893.04. 帰化して石井貌剌屈となる
1903.xx. レコードに録音(日本初)
1908.09. 自殺未遂
1923.09.19(大正12年) 死去
筆名(芸名)は、快楽亭ブラック、ヘンリー・ゼエムス(ゼームス)・ブラック、英(国)人ブラック、石井ブラック、(舞楽、貌剌屈)
(国DC)は国立国会図書館デジタルコレクションでインターネット公開されています
(国DC※)は国立国会図書館デジタルコレクション個人送信(ログイン必要)で公開されています(今後非公開になる可能性もあります)
(青空)は青空文庫でインターネット公開されています
(法政)は法政大学学術機関リポジトリでインターネット公開されています
(夢現)は「おまけ」で公開しています
原作:「花と雑草」 ブレドン女史(メアリー・ブラドン) ( 『小説 草葉の露』ブラック口述、市東謙吉記 日就社 1886.12. )(国DC) ( 『小説 草葉の露』ブラック口述、市東謙吉記 金港堂 1886.12. (販売か版移行か?) ) |
原作:「二人孤児」 ( やまと新聞 (今村次郎速記) 1891.02.01〜03.27 ) ( 『流の暁』(快楽亭ブラック講演、今村次郎速記) 三友舎 1891.09.18 )(国DC) ( 『倫敦の双児』 三友舎 1892.01. ) ( 『双子の犯罪』 鐘美堂 1896.05. ) 『快楽亭ブラック集 明治探偵冒険小説集2』伊藤秀雄編 ちくま文庫(め-02-02) 2005.05.10 |
仏国貴族の沢辺保はフランス革命の騒動のために英国へと遁れます。やがて農民のおせんと結婚します。ナポレオンの時代になり沢辺は一人帰国、残されたおせんは双児を生みますが育てられず母は一人をテムズ川に投げてしまいます。拾った浦五郎夫婦は丈治と名付け育て、金貸の文兵衛の番頭にまでなります。丈治は祖母と母と双児の兄弟次郎吉に出会い悪の道。次郎吉を身代りにパリに逃げます。俳優栄三郎とおるいの密会をネタに強請ろうとしますが……。 |
双児ネタや強請の算段など面白い。不整合部分や思わせぶりでそのままの部分などあるが続き口演であれば気にならないかも。元ネタはありそう。 |
( 百花園 1891.03. ) ( 文藝倶楽部 1904.11. ) |
※名作落語「試し酒」の原話ともいわれる作品、「ビールの賭飲み」は改訂版との事 |
( やまと新聞 (今村次郎速記) 1891.05.08〜06.21 ) ( 『切なる罪』(快楽亭ブラック講演、今村次郎速記) 銀花堂 1891.10.21 )(国DC) ( 『探偵文庫』(快楽亭ブラック講演、今村次郎速記) 銀花堂 1893.11.18 )(国DC) |
英国ベドフード村に化学士の高山祐吉老人が娘おきくと暮しております。十一年前には胃病と思われたが成分調査依頼で硝子粉が原因と突き止めた事もあります。村では天国先生の人体エレキの興業が行われ、助手のお花が金満家齋藤幸造を見て栄三郎さん、と舞台で声をかけてしまいます。幸造は女房お松が硝子粉でお花に殺されたが逃げてしまったと高山老に相談します。土屋金三郎の密告により捕らえられ、廣川元吉の弁護活動、増田探偵のリバプールでのお花探査、裁判が始まり……。 |
殺害方法として当時新味があったかどうかは不明。人体エレキは催眠術か心霊術か。宗教的要素も強く、少なくとも元ネタはあったと思われる。 |
( 『活耶死耶』悽動小史(「序」ヘンリー・ゼームス・ブラック、今村次郎速記) 上田屋 1891.07.14 )(国DC) |
※『涙香外伝』伊藤秀雄 に部分引用あり |
( 『英国龍動 劇場土産』(快楽亭ブラック口演、福島昇六速記) 銀花堂 1891.08.01 )(国DC) ( 『探偵談 パースの犯罪』福島昇六速記 野村銀次郎(銀花堂) 1895.10.28 )(国DC) |
龍動(ロンドン)より十七八里、ルイスという田舎町にベニュウェルという百姓がおりました。一人娘のガーツルドを溺愛しております。初めてロンドンへ参ったガーツルド、叔母のもとで着物を整えアデルフィ座へ行きます。スメルリーを見て良い男、親に内緒で結婚し、帰りますが勘当と相なります。ペイペイ役者のスメルリーは呑むに打つ。お金も尽きてガーツルドは役者になる決心をします。評判になったガーツルドをジョン・ブラウン男爵が見染めますが結婚しているのを知り変装してスメルリーを殺害する事になります。利益を得る者は……。 |
犯罪心理でもあるが探偵味は薄い。英国と日本との違いの部分は面白い。 |
( 『探偵小説 薔薇娘』(快楽亭ブラック訳述、今村次郎速記) 三友舎 1891.09.29 )(国DC) |
探偵大村馨は暗号文により独逸人化学士西野武の皇太子暗殺計画の一端をつかむ。花売り娘で西野の妹お梅は迷蔵遊戯(かくれんぼ?)で皇太子に隠れ場所を教えている。川路清警視総監から手配された松本探偵らと計り首尾よくお梅と花屋の雲井と懇意になる。暗号文など証拠を探す大村探偵。仮面力士と雲井との角力(レスリング)対決。皇太子暗殺を防ぐ為に……。 |
暗号文の争奪、炭酸ガスによる皇太子暗殺計画の阻止など探偵活躍譚ではあるが、文武地位容貌に優れた探偵だけに私的には魅力に欠ける。また変な形容描写が多く展開の妨げになっている。ナポレオン3世の治世であろうか、中途半端な思想も邪魔。部分的には面白くもあるが。元ネタがあっての口演ではなく、口述翻訳そのままとも思えるが。 |
( 『探偵小説 車中の毒針』(快楽亭ブラック演述、今村次郎速記) 鈴木金輔(三友舎) 1891.10.19 )(国DC) ( 『車中の毒針』 聚栄堂、大川屋書店 1891.10.19 (重版) ) 『快楽亭ブラック集 明治探偵冒険小説集2』伊藤秀雄編 ちくま文庫(め-02-02) 2005.05.10 |
巴里(パリ)、最終馬車に譲ってもらい乗車した婦人が終点に着いた時には死んでいました。画家加納元吉は車中にて着物を留める針を拾います。翌日訪ねてきた伊藤次郎吉は針で猫を引っかくと死んでしまいました。加納は山田金三郎先生、娘お高と会った帰りでした。伊藤は代言人土屋弥平の助力で下宿先を突き止め、お千代がモルグで鈴木おかつと確認し弔います。加納のモデルをしていた鈴木おのぶは姉だと知って卒倒します。山田先生は兄の番頭井上から遺言状の内容を聞いて……。 |
計画は緻密なのか杜撰なのか、断続情報にも時代を感じる。そこが次の展開がどうなるかわからないという面白さではあるが。 |
( 演藝腕競東錦第3號 (快楽亭ブラック演述、今村次郎速記、石原朋倫速記) 三友舎 1892.07. ) ( 『探偵小説 幻燈』ブラック口演、今村次郎速記 三友舎 1892.12.08 ) ( 『幽霊』黒岩涙香ほか(「血汐の手形」ブラック講演、今村次郎速記) 弘文館 1902.07.18 ) ( 『幽霊』黒岩涙香ほか(「血汐の手形」ブラック講演、今村次郎速記) 大川屋書店 1912.08.08 (再版) ) 『快楽亭ブラック集 明治探偵冒険小説集2』伊藤秀雄編 ちくま文庫(め-02-02) 2005.05.10 『落語推理迷宮亭 ミステリー名演集』山前譲編 光文社文庫(や-22-06) 2017.01.20 |
倫敦の銀行家岩出義雄、紙入れを盗んだが自首した山田又七を哀れに思い、引き取って教育を与えます。長じて又七は岩出の娘のおまさと相思相愛、恩を忘れたとして二百円の餞別を与えられ免職となります。その夜岩出は殺され又七は捕らえられます。おまさは叔父の代言人岩出竹次郎に相談します。警察の探偵永井宗三郎、現場に血の手形があったと言います。竹次郎は日本には拇印なるものがあり証拠になると銀行員皆の手印を順に幻燈機にて比較、映させます。すると……。 |
創作と思われる。当時の最先端の科学が解決手段となる探偵小説。 |
( やまと新聞 (今村次郎速記) 1892.12.04〜1893.01.25 ) ( 『剣の刃渡』(快楽亭ブラック講演、今村次郎速記) 文錦堂 1895.07.01 )(国DC) ( 『探偵実話 神田武太郎』(快楽亭ブラック口演、今村次郎速記) 菅谷与吉 1900.09.20 (国09.30) )(国DC) ( 『かる業武太郎』 金槇堂 1901.07.xx ) ( 講談倶楽部 (抄録) 1920.05.〜07. ) 『快楽亭ブラック集 明治探偵冒険小説集2』伊藤秀雄編 ちくま文庫(め-02-02) 2005.05.10 |
倫敦北部、発明家松本儀兵と娘おしず。賊に入られ追うお静、軽業小屋へと入っていきます。おしずは太夫世界亭東一を見て泥棒と叫びます。とりなす共同事業者の息子島田市太郎と片野芳造、戻りますと儀兵は死んでおりました。東一は捕まりますが証拠不十分で釈放。仇を討とうとおしずは軽業小屋で出会った東一に妻おみねを奪われた山中清兵衛と鶴松親子。東一の飼い犬赤が隠れ家を見付けます。捕らえられる親子、おしずは神田武太郎に助けられます。おみねは田中おはるとして片野芳造と、武太郎はおしずと懇意になっていきますが市太郎は……。 |
話の展開がどうなるか、刃渡りのような作品。犯人/探偵共に計略、計画性には乏しい。犬に追わせるところは面白い。 |
( やまと新聞 (快楽亭ブラック口演、快楽亭コミク筆記) 1893.12.20〜1894.01.03 ) |
※Web Site「はなしの名どころ」参照 |
贋株券、隠し文字、悪女要素などが盛り込まれているもよう。 |
原作:「オリヴァー・ツイスト」 ディケンズ ( やまと新聞付録 1894.05.28、06.21.、07.23 ) ( 『英国実話 孤児』(快楽亭ブラック口演、今村次郎速記) 金桜堂 1896.07.19 )(国DC) ( 『講談実話 高橋清吉』 日吉堂 1900.10.10 )(国DC) |
( やまと新聞 (快楽亭ブラック口演、快楽亭コミク筆記) 1894.08.03〜09.16 ) |
※Web Site「はなしの名どころ」参照 |
同名異地、顏なし死体などが盛り込まれているもよう。 |
( 讀賣新聞 (関如来) 1896.04.30〜05.04 ) ( 『当世名家蓄音機』関如来編 文禄堂 1900.10.07 )(国DC) ( 文藝倶楽部増刊 (二洲橋生) 1905.10. ) ( 『ポケット名家一夕話』鹿島生編 日吉堂 1911.05. )(国DC※) ( 『落語三百年 明治・大正の巻』小島貞二編 毎日新聞社 1966.xx. ) |
父は横浜で新聞エラルド、東京でガゼット、明治五年に日新眞事誌を発行。左院御用掛となるが明治九年一時帰国。明治十一年母と東京へ。明治八年頃一時横浜滞在。祖先はスコットランドのダンツハームリン。軍人家系。伯圓と演説。間もなくやめて英語学校開設。明治二十四年落語家に。演劇にも出演。落語改良論。 |
※2種類混在の可能性あり |
( 旅 1903.09. )(夢現) |
明治初期に父の依頼で東京から横浜へ馬で一人行った時の話。 |
ホラーのようでもあるが、さすが時代を感じる。 |
( 文藝倶楽部増刊 1905.10. ) ( 『落語名作全集5』小島貞二編 立風書房 1968.02.10 )(国DC※) ( 『名人名演落語全集3』斎藤忠市郎ほか編 立風書房 1982.08. ) |
ペストについて、タバコについて。ロンドンの豪商井上初三郎が病気の友人伊藤の依頼で遺言状をしたために行く。帰りにパイプを吸いながら医者に聞くとペストだという。パイプをチョッキのポケットに入れて……。 |
( 講談倶楽部 (石井ブラック演) 1912.09. ) |
※Web Site「はなしの名どころ」参照 |
盗難騒動はあるようだが探偵味はなさそう。落し噺でもなさそう。 |
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