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羽志主水 作品

Since: 2021.10.31
Last Update: 2021.10.31
略年譜 - 小説 - 随筆 - 著書

      羽志主水(はしもんど)略年譜

    1884.06.03(明治17年)  長野県長野市にて生まれる。本名松橋紋三
    19xx.xx  四高(金沢)卒
    1908.xx.  東京帝国大学医学部卒業、山形の病院勤務
    1916or17.xx.  東京日本橋にて開業(外科)
    1925.03.  「蠅の肢」が新青年に掲載
    1926.03.  「監獄部屋」が新青年に掲載
    1957.02.26(昭和32年)  死去

    筆名は、羽志主水、松橋紋三、(羽志主人※誤植)

      (青空)は青空文庫でインターネット公開されています



      探偵小説

  1. 「蠅の肢」
    ( 新青年 1925.08. )
    『戦前探偵小説四人集』 論創社・論創ミステリ叢書50 2011.06.30
     独逸のソーンダイク博士、法医学者エルンスト博士に陸軍省機密部から殺人未遂事件の依頼があった。私と博士は現場に出張し凶器と折れた紙片を見付け顕微鏡で調べると……。
     パロディ。風刺だが現代においては当てはまらなくなっているので「処女作について」を併読しないとわかり難いかも。
  2. 「監獄部屋」
    ( 新青年 1926.03. )
    ( 別冊宝石 1956.06. )
    推理界 1967.07.
    『新青年傑作選 第三巻 恐怖・ユーモア小説編』 立風書房 1969.12.25/新装版 1975.01.xx/新々装版 1991.08.01
    ( 『現代推理小説大系8 短編名作集』 講談社 1973.07.08 )
    ( 『大衆文学大系30 短篇(下)』 講談社 1973.10.20 )
    幻影城 1976.12.
    『骨まで凍る殺人事件 新青年傑作集3推理編3』中島河太郎編 角川文庫(緑434-03) 1977.08.30
    EQ 1989.07.
    『こんな探偵小説が読みたい』鮎川哲也 晶文社 1992.09.15
    『日本探偵小説全集11 名作集1』中島河太郎監修 創元推理文庫(400-12/Mん-01-12) 1996.06.21 (青空)
    『江戸川乱歩と13人の新青年 論理派編』ミステリー文学資料館編 光文社文庫(み-19-29) 2008.01.20
    『戦前探偵小説四人集』 論創社・論創ミステリ叢書50 2011.06.30
     北見のダム建設現場。荒仕事、反抗や逃亡は死、探偵小説も生じない殺人公認の世界。内務省から視察に来ることになったが……。
     「探偵小説が発達するためには、一定の社会的条件が必要」1925.04.平林初之輔 などに対する逆説ででもあろうか。知識階級への逆転、皮肉とも受け止められる。
  3. 「越後獅子」
    ( 新青年 1939.12. )
    『「新青年」傑作選 幻の探偵雑誌(10)』 光文社文庫(み-19-10) 2002.02.20 (青空)
    『戦前探偵小説四人集』 論創社・論創ミステリ叢書50 2011.06.30
     辰公は寒い中、ラジオ屋で放送を聞いていると長屋が火事に。焼跡から首に手拭が巻きついていたお時の死体が。夫の勝次郎は越後獅子の時にラジオを聴きにきたというが……。
     ほとんどの時計は正確に合っていないという事でラジオという事らしい。デジタルで放送聴取時刻が厳密ともいえなくなってきた昨今。
  4. 「天佑(セミナンセンス)」 (「天祐」)
    ( 猟奇 1940.01. )
    『戦前探偵小説四人集』 論創社・論創ミステリ叢書50 2011.06.30
     日本と〇国は断交、そして開戦。鉄不足が深刻になってきた。万事を尽くしての神頼み。そこへ神風ならぬ地震が発生して……。
     日米戦争の予知とも、国力差は神風頼りになるという予知ともとれる。最後はナンセンスだが、セミがつくところは意味ありげ。



      随筆など

  1. 「処女作について」
    ( 探偵趣味 1926.05. )
    『戦前探偵小説四人集』 論創社・論創ミステリ叢書50 2011.06.30
     処女作の意図。小酒井不木氏から新青年へ。ペンネームの由来。無名作家の正体の記事に関して
  2. 「雁釣り」
    ( 新青年 1926.06. )
    『戦前探偵小説四人集』 論創社・論創ミステリ叢書50 2011.06.30
     高い所から落ちたと駆け付けると階段を上って……。落語「雁釣り」。
  3. 「唯灸」
    ( 探偵趣味 1926.11. )
    『戦前探偵小説四人集』 論創社・論創ミステリ叢書50 2011.06.30
     人を轢いて……。小さん「行き倒れ覚え帳」。
  4. 「涙香の思出」
    ( 探偵趣味 1926.11. )
    『戦前探偵小説四人集』 論創社・論創ミステリ叢書50 2011.06.30
     「捨小舟」と弦斎「桜の御所」から小説好きへ。涙香の翻訳は白眉。
  5. 「(マイクロフォン)」
    ( 新青年 1927.03. )
    『戦前探偵小説四人集』 論創社・論創ミステリ叢書50 2011.06.30
     「越後獅子」の失敗と訂正。


  6. 「学説 虫様突起炎早期手術発祥昔譚」松橋紋三
    ( 日本医事新報 1936.05. )
  7. 「時事小咄 十一月六日」松橋紋三
    ( 小はなし研究 1937.11. )
  8. 「(弔文)」松橋紋三
    ( 『泉のほと里 附・丹羽正伯老の研究』奥山市松編 文明社(非売品) 1938.10.13 )
  9. 「「金明竹」考」松橋紋三
    ( 不明 1947.12.(文末記載) )
    ( 『円生全集 別巻(下)』解題に全文引用 青蛙房 1968.07. )
    ( 『円生全集 別巻(下)』解題に全文引用 青蛙房 1981.10.15 )
  10. 『江戸市民』
    ( 不明 ※鮎川哲也インタビューによる )



      著書

  1. 『江戸市民』 不明
     ※鮎川哲也インタビューによる
  2. 『戦前探偵小説四人集』 論創社・論創ミステリー叢書50 2011.06.30
    羽志主水「蠅の肢」/「監獄部屋」/「越後獅子」/「天佑」/△「処女作について」/△「雁釣り」/△「唯灸」/△「涙香の思出」/△「(マイクロフォン)」 /(水上呂理「精神分析」/「踵の衝動」/「犬の芸当」/「麻酔性痴呆患者の犯罪工作」/「驚き盤」/「石は語らず」/△「処女作の思ひ出」/△「お問合せ」/△「燃えない焔」)/(星田三平「せんとらる地球市建設記録」/「探偵殺害事件」/「落下傘嬢殺害事件」/「ヱル・ベチヨオ」/「米国の戦慄」/「もだん・しんごう」/「偽視界」)/(米田三星「生きてゐる皮膚」/「蜘蛛」/「告げ口心臓」/「血劇」/△「児を生む死人」/△「森下雨村さんと私」)/△「解題」横井司



      参考文献
  1. 「今様赤ひげ先生・羽志主水」鮎川哲也
    EQ 1989.07.
    『こんな探偵小説が読みたい』鮎川哲也 晶文社 1992.09.15
    『幻の探偵作家を求めて 完全版(下)』鮎川哲也、日下三蔵編 論創社 2020.05.10
  2. 「解題」横井司
    『戦前探偵小説四人集』 論創社・論創ミステリ叢書50 2011.06.30
  3. ほか



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