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星田三平 作品 |
Since: 2021.12.05 Last Update: 2021.12.05 |
略年譜 - 小説 - 著書 |
1913.02.02(大正2年) 愛媛県松山市にて生まれる。本名飯尾傳
1930.08. 「せんとらる地球市建設記録」が懸賞募集三等入選、新青年増刊に掲載
1963.05.31(昭和38年) 死去
筆名は、星田三平
( 新青年増刊 1930.08. ) ( SFマガジン 1968.09. ) 『新青年傑作選 第二巻 怪奇・幻想小説編』中島河太郎編 立風書房 1970.03.25/新装版 1974.12.30/新々装版 1991.07.01 (国DC※) ( 『日本のSF(短篇集)古典篇』 早川書房・世界SF全集34 1971.04.30 ) 『新青年ミステリ倶楽部』中島河太郎編 青樹社BigBooks 1986.07.10 (国DC※) 『戦前探偵小説四人集』 論創社・論創ミステリ叢書50 2011.06.30 |
私星田、幼女ムラヤマ・ナン子、佐山は漂流していた。十日後、ボートは砂浜に着く。千葉県の洲崎だった。町には誰一人生きている者はいなかった。車を調達して東京へ向かう。途中の町にも死体しかなかった。間、上陸。。軽気球、鳥が東から西へ。東京でも同様だったが、新しい焼跡、警笛の音、人影がありまだ生きている人がいるらしい。殺人鬼を追って山中にいた四人の巡査と合流。他にもいるようだ……。 |
終末SF。ミステリー的展開で読ませる。戦前で日本をこれほどまでリルに壊滅させた設定は思い当たらない。続編の構想もあったようだが、少なくとも掲載はされなかったようだ。発表された時代が早すぎた作品。 |
( 新青年 1931.02. ) 『鮎川哲也と13の殺人列車 鉄道推理アンソロジー』鮎川哲也編 立風書房・立風ノベルス 1989.07.30 『戦前探偵小説四人集』 論創社・論創ミステリ叢書50 2011.06.30 |
M高校文科生で探偵屋の涼と僕は嵐の夜、四国T市に向かう夜行列車に乗っていた。銃声、一等室から飛んだ男。涼と僕が一等室に行くと床に男が死んでいて、乗客はほか四人だった。列車は次の駅に停車し捜査が始まる。女性が現れ被害者は岩崎探偵と判明、飛んだ男も見つかるが死亡する。涼と僕は……。 |
本格風作品。設定、列車という舞台が生かされている。当時としては普通であるが、後出しになっている部分は残念。 |
( 新青年 1931.12. ) 『恐怖の大空 航空ミステリー傑作集』中島河太郎編 KKワールドフォトプレス・WILD BOOKS 1976.04.30 『戦前探偵小説四人集』 論創社・論創ミステリ叢書50 2011.06.30 |
パラシュートガール中条道代はパラシュートが開かず墜落死した。開傘索が刃物で切られていたのだ。同じ落下傘嬢の衣笠将子と便所に入っていたわずかの間になされたようだ。飛行士岡田長治、助手中村信太郎、婚約者永井らへの聴取。やがて、落下傘は道代の物と将子の物が入れ替わっていた事がわかり……。 |
本格風作品。手懸りの提出は上手い。設定も上手く生かされている。後半、最後はどうとれば良いか、少し釈然としない部分もあるが。 |
( 新青年 1932.09. ) 『ひとりで夜読むな 新青年傑作集4怪奇編』中島河太郎編 角川文庫(緑434-04) 1977.10.15 (国DC※) ( 『ひとりで夜読むな 新青年傑作選怪奇編』中島河太郎編 角川ホラー文庫(H800-01) 2001.01.10 ) 『戦前探偵小説四人集』 論創社・論創ミステリ叢書50 2011.06.30 |
竜さんこと新進評論家の伊藤竜介は海岸へ転地にきていた。夕方七時、浜への近道で絵沢伝右衛門のきみょう屋敷の前を通ると少女が指輪を投げてきて、返そうとすると伝右衛門に殺されかける。再度訪問するとおユキからは手紙が渡された。カンカン帽の方へ、父はヱル・ベチヨオ、フレボートムスとかつぶやき狂気のように蚊を恐れています、と。博学の友人に問い合わせる。そして……。 |
語り手の明示がないが友人なのか。伝染病の高熱期間はどれくらいだろうか。偶然か計画かもよくわからない。それが怪奇味を増しているとは思うが。考えれば考えるほど伏線かそうでないかがわからなくなってくる作品。ヱとエ、ヨとョ表示の混在も気になってしまう。 |
( ギャング 1933.01. ) 『戦前探偵小説四人集』 論創社・論創ミステリ叢書50 2011.06.30 |
アル・カポネをシカゴで見た。偽者だろう。いや、クリーブランドの刑務所にいるのが偽者だ。シカゴ警視庁はフィロ・バンスに依頼、バンスはヴァン・ダインとクリーブランドへ。シカゴのロシア人経営のナイトクラブにヘレン・マーシュを送り込む。マーシュからの手紙でバンスは……。 |
トンデモ作品。当時でもさすがに導入部の実話読物調から最後まで実話だと思う人はいないだろう。 |
( 新青年 1933.03. ) 『戦前探偵小説四人集』 論創社・論創ミステリ叢書50 2011.06.30 |
小心でお人好しで恥ずかしがり屋の帝国拳闘クラブの尾谷十郎は宿敵岡澤に敗れた。原因は四日前、ファンだという緒形ユリが口で言えないからとジェスチャー、「もだん・しんごう」として彼に伝える。翌朝八時に改札口で待ち合わせて……。 |
第三者からみればユーモア味のある作品。もだん・しんごうの解釈は難しい。 |
( ぷろふいる 1934.10. ) 『戦前探偵小説四人集』 論創社・論創ミステリ叢書50 2011.06.30 |
新進理学者峯川は踊子だった洛子の視神経に電流の刺激を与える実験をしていた。私に試すと女の顏が写り私は恋するようになる。やがて日米ダンスホールの草子のようだと思われてきた。峯川が見たのも同じ顔のようだった。洛子が恋人をとったと草子に言い、そして……。 |
SFミステリー風な作品。氏の作品全体にいえるが実際には迂遠すぎて、意図して可能性の提示としているのかもしれない、今視点では。当時の受け止め方はわからないが。 |
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