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地味井平造 作品 |
Since: 2021.09.23 Last Update: 2024.05.19 |
略年譜 - 小説 - 随筆 - 潾二郎著書 |
1904.01.07(明治37年) 函館市で生まれる、本名は長谷川潾二郎。
長谷川海太郎(牧逸馬)、長谷川濬、長谷川四郎、4兄弟の次男
1923.xx. 函館中学卒業、友人に水谷準
1924年頃 谷戸の松本泰の借家に長谷川海太郎と共に住む
1926.06. 「煙突奇談」を探偵趣味に発表
1927.04. 「魔」を新青年に発表
1931年頃 パリに遊学、翌年帰国
1932.xx. 二科展入選
1936.xx. 個展を開催
1976.01. 「人攫い」を幻影城に発表
1988.01.28(昭和63年) 死去
1990.03. 画集刊行
2010.04.17~ 「長谷川潾二郎展」開催
筆名は、地味井平造、谷川潾二郎(りんじろう)
(国DC※)は国立国会図書館デジタルコレクション個人送信(ログイン必要)で公開されています(今後非公開になる可能性もあります)
( 探偵趣味 1926.06. ) 『創作探偵小説選集 一九二六年版』探偵趣味の会編 春陽堂書店 1927.02.10/復刻版 1994.04.10 (国DC※) ( 『大衆文学大系30 短篇(下)』 講談社 1973.10.20 )(国DC※) ( 小説推理増刊 1974.08. ) ( 『日本探偵小説ベスト集成 戦前篇』中島河太郎編 徳間書店トクマノベルス 1976.07.10 ) 幻影城 1976.10. ( 『幻想飛行記 イメージの文学誌』堀切直人編、埴谷雄高監修 北栄社 1979.09.01 ) 『日本ミステリーベスト集成1 戦前編』中島河太郎編 徳間文庫(144-01) 1984.09.15 (国DC※) 『「探偵趣味」傑作選 幻の探偵雑誌2』ミステリー文学資料館編 光文社文庫(み-19-02) 2000.04.20 《決定稿1987年》 『あやつり裁判 幻の探偵小説コレクション』鮎川哲也編 晶文社 1988.03.25 『奇想の森 ミステリーの愉しみ1』鮎川哲也編、島田荘司編 立風書房 1991.12.20 『塔の物語 異形アンソロジー タロット・ボックス1』井上雅彦編 角川ホラー文庫(H032-06) 2000.09.10 |
煙突に押し込まれたのか足だけ出ているのが見えた。人相はわからなかったが外国人であった。事件の真相を知っているのは私だけだと思われる。八階のカフェで知り合った西洋人は空中浮遊ができるようになったという……。 |
決定稿は文章の省略削除や言い回し、言葉使いの変更が主。幻想と現実的解釈の曖昧さが印象的な作品。 |
( 探偵趣味 1926.08. ) |
散歩帰りの草丘での二人の会話。ユダヤ人Rの植民地風の家、避暑に出かけて留守らしい。名前と顔くらいしか誰も知らない。カーテンが揺れたようだ。ニ三日前に見かけた男。先代の男、甥、息子…。 |
見聞から空想を紡ぎ出す話。最後の文は今一つ効果的でないような。 |
( 探偵趣味 1926.11. ) |
X氏が夜道で語る。泥棒団に復讐のため追われていて時々姿をくらますという。秋、ある医者NがX氏は死んだという。脅迫観念をもった精神病患者だったという。動物標本商会。猩々の標本……。 |
疑問が残るばかりの作品。筆者、K博士、某氏、A氏、或る紳士、N、X氏が錯綜して感じられてしまう。 |
( 探偵趣味 1926.12. ) |
煙草に関する掌編三話。シガレットを盗んだ蝙蝠を追って港の小さな橋を渡ると汽船が……。煙草の広告にいわく……。煙草の誘惑力の論文を置いてパイプを覗き火をつけ気付くと……。 |
ファンタジー、ジョーク、ファンタジーの三篇。輕い煙草の話で雰囲気は良い。今では童話という題名は使えなさそう。 |
( 新青年 1927.04. ) 『創作探偵小説選集 一九二七年版』探偵趣味の会編 春陽堂書店 1928.01.01/復刻版 1994.04.10 (国DC※) 幻影城 1975.05. 『おお、痛快無比!! 新青年傑作集5ユーモア・幻想・冒険編』中島河太郎編 角川文庫(緑434-05) 1977.12.25 (国DC※) ( 『恐怖小説コレクション1 魔』 新芸術社 1989.09.20 ) 『日本探偵小説全集11 名作集1』中島河太郎監修 創元推理文庫(400-11/Mん-01-11) 1996.06.21 『変格ミステリ傑作選 戦前篇』竹本健治選 行舟文庫(GSた1-1) 2021.08.28 |
一昔前のZ島。果物屋で夏蜜柑が足りない、亭主は子供を追いかける。人々も追いかける。子供は別の子供を追いかける。曲馬団から猿がいなくなった。人々は走り回る。物がなくなった。魔物が通た。私が今の島に訪れ……。 |
現実的解釈もあるが昔の魔物への郷愁を感じさせる作品。 |
( 新青年 1939.03. ) |
船はコロンボに着いた。上陸し群衆について行く。会ったことがあるような西洋人と並ぶ。何時、何処で。互いに言い合う。再び鐘楼が、そして彼は……。 |
ありそうでなさそうな不思議な話。 |
( 新青年 1939.10. ) |
友人達と京都の庭園の話をしているとS君は不思議な庭に出会ったという。一乗寺村から小道を行くと笹原に子供の兄妹、竹林、少女、千変万化する景色。忘れられない風景を絵にした個展。Sの話、K君の話……。 |
幻想的な絵と風景に関する話。結末はつくのか新たな謎となるのかは不明。 |
( 新青年 1940.06. ) 《新稿》 幻影城 1975.09. 『新青年ミステリ倶楽部 幻の探偵小説』中島河太郎編 青樹社ビッグブックス 1986.07.10 (国DC※) 『爬虫館事件 新青年傑作選』 角川ホラー文庫(H800-06) 1998.08.10 |
岡田孝夫はナポリのヴィーナス像の前でイレーヌと出会った。告白するも彼女は結婚できないという。結婚当日の夫の事故死、再び夫の心臓麻痺、そして奇禍にあう男たち。旅立ったイレーヌ、追ってきたポール。その後岡田は……。 |
ヴィーナスと共に現れたという意味では幻想味もある。現代に蘇ったヴィーナスの話でもあるし見方によって性格も変わるという話ともとれる。捉え方は読者次第。 |
幻影城 1976.01. 『甦る「幻影城」2 探偵小説誌 幻の名作』 角川書店カドカワ・エンタテインメント 1987.11.25 |
小学二年生の陽子たちの流行は人攫いだった、彼女はオゾと名付け、父親にこわいわよ、と囁く。ラッシュアワーでの視線、学校帰りで見かけた背の高い男。陽子はその夜、夢を見た。攫われる夢。そして四五日後には……。 |
ファンタジーと現実の交錯、流れからは意外なオチへと繋がる、小品ながら良作。 |
幻影城 1975.09. |
小遣い不足で執筆。戦後雑誌切り抜きは紛失、病み上がりの時に好きな作品さので書き直した。定稿としたい。 |
『日本探偵小説全集11 名作集1』中島河太郎監修 創元推理文庫(400-11/Mん-01-11) 1996.06.21 |
「魔」の収録を希望された。「煙突奇談」の二番煎じ。書き直したいと思っている。ドタバタ喜劇が好きだった。地味井平造は水谷隼により誕生。筆名は兄のつけたジミー・ヘーズから。 |
未発表? 部分引用「海太郎と潾二郎」江口雄輔『谷譲次 めりけんじゃっぷ一代記』川崎賢子監修、江口雄輔監修 博文館新社・叢書新青年 1995.04.20 |
谷戸での同居生活時のようすなど。 |
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