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葛山二郎 作品

Since: 2022.05.15
Last Update: 2022.10.02
略年譜 - 小説 - 随筆 - 著書

      葛山二郎(くずやまじろう)略年譜

    1902.03.28(明治35年)  大阪府にて生まれる。本名は同じ。
    1910.頃  旅順滞在、中学卒業後帰国。
    1923.09.  「噂と真相」が「新趣味」に掲載
          撫順へ、間もなく再上京。
          県立病理研究所勤務。
    1927.10.  「股から覗く」が新青年の創作探偵小説第一等になり掲載。
          (7月の発表時の住所は撫順)
    1929.11.  「杭を打つ音」を新青年に掲載。
    1929.12.  「赤いペンキを買つた女」を新青年に掲載。
    1947.xx.  引き揚げ帰国
    1948.11.〜12.  「後家横丁の事件」をロックに掲載、最後の作品となる。
    1994.05.16(平成6年)  死去。

    筆名は、葛山二郎

      (国DC※)は国立国会図書館デジタルコレクション個人送信(ログイン必要)で公開されています(今後非公開になる可能性もあります)



      探偵小説

  1. 「噂と真相」
    ( 新趣味 1923.09. )
    幻影城 1976.07.
    『「新趣味」傑作選 幻の探偵雑誌7』ミステリー文学資料館編 光文社文庫(み-19-07) 2001.11.20
    『葛山二郎探偵小説選』 論創社・論創ミステリ叢書58 2012.12.10
     学校寄宿舎、小川圭二と山根が喧嘩して山根が短刀を抜き圭二が危篤との噂がたったが実際は元気であった。小川は呼ばれて生徒監室に入ると井上先生、森脇先生、山根がいた。圭二に中村の五十銭の窃盗容疑がかかる。身体検査の結果……。
     小細工的な話と共に真相と異なる噂、人が人を裁くこと、神が見ていたということなど思想的なことも垣間見える作品。
  2. 「利己主義」
    ( 新趣味 1923.10. )
    ( 朝鮮地方行政 1925.11. )
    『葛山二郎探偵小説選』 論創社・論創ミステリ叢書58 2012.12.10
     北京の呉君の家、電燈が消え呉均君が私の短刀で殺された。いたのは呉君の兄、金君、洋君、私。山川刑事と私は嚇して真相を得ようと……。
     利己主義を利用してという事ではあるのだろうが、脅迫された証言であり嘘か真実か。今の感覚では無謀な行為と共によくわからない結論とも思える。
  3. 「股から覗く」
    ( 新青年 1927.10. )
    『創作探偵小説選集 一九二七年版』探偵趣味の会編 春陽堂書店 1928.01.01/復刻版 1994.04.10
    ( 『鉄道推理ベスト集成1』鮎川哲也編 徳間書店トクマノベルス 1976.11. )
    『シグナルは消えた トラベル・ミステリー1』鮎川哲也編 徳間文庫(134-03) 1983.02.15
    幻影城 1975.05.
    『股から覗く』 国書刊行会・探偵クラブ 1992.07.25
    『葛山二郎探偵小説選』 論創社・論創ミステリ叢書58 2012.12.10
     加宮真棹君は世の中を逆さに見ると真実が見えるという。マラソン大会で私の勤めている病院の研究所から6番の藤直先生、9番の浦地君、32番の守屋君が参加。浦地君が守屋君を轢死させるような光景を、加宮君が股覗きで汽車の車輪超しに見たという。下水道工事中の溝、タオル、19番……。
     事件そのものよりも目撃者の行為と設定が面白い作品。条件が整わなければ見送りではあろうが、目撃者を想定してなのかよくわからない。汽車の運転手は見ていなかったのだろうか。
  4. 「赤光寺」
    ( 新青年 1928.11. )
    『葛山二郎探偵小説選』 論創社・論創ミステリ叢書58 2012.12.10
     土肥一也は赤光寺を見て育ち、ある秋の朝に気を失っていたのが見つかり、その一年後に綺水ホテルで盲人住職常永佳世師、婚約者折田綾子、片足の南実、医者藪邦雄、鷲尾正一、中川信治、弟の耕二との会食中に短剣で殺された。手袋、テーブルの上の跡、電燈のスイッチ、捨てられた靴下、杖、そして赤光寺の調査……。
     電燈に関する部分は印象に残るが全体的に盛り込みすぎで今ひとつ状況がわかり難い。
  5. 「偽の記憶」
    ( 新青年 1929.07. )
    『股から覗く』 国書刊行会・探偵クラブ 1992.07.25
    『葛山二郎探偵小説選』 論創社・論創ミステリ叢書58 2012.12.10
     汽車で同乗した青年の話。東京へ行った時、兄と歩いていると街並みや通りの人など以前の反復と思われました。電車が非常停止をした時もまた。私と兄は早々に田舎に帰る事になりました。私は婿養子としてお絹さんとでしたが指の事故で兄の婚約者になっていました。お絹さんと兄、私の記憶では……。
     奇妙な雰囲気と展開から一転してオチが見事にきまった作品。
  6. 「赧顔の商人」
    ( 新青年 1929.09. )
    『股から覗く』 国書刊行会・探偵クラブ 1992.07.25
    『葛山二郎探偵小説選』 論創社・論創ミステリ叢書58 2012.12.10
     汽車で茶の瓶を離さなければ手を窓から引っ込められなくなった商人の話。間借りしている家の片手のない婆さんは金貨を信用していて手提金庫に入れていた。商人が戻った時には留守で、按摩が来た時も息子が戻った時も帰ってこなかった。隣の巡査も探す。下駄、汚れ、無くなった金庫、追う婆さん……。
     冒頭部分や部分的には面白いが、オチの部分は飛躍しすぎているような。
  7. 「杭を打つ音」
    ( 新青年 1929.11. )
    幻影城 1975.05.
    ( 『一等車の女 鉄道推理ベスト集成4』鮎川哲也編 徳間書店トクマノベルス 1978.06. )
    『レールは囁く トラベル・ミステリー5』鮎川哲也編 徳間文庫(134-07) 1983.06.15 )
    『股から覗く』 国書刊行会・探偵クラブ 1992.07.25
    ( 『江戸川乱歩と13人の新青年 文学派編』ミステリー文学資料館編 光文社文庫(み-19-30) 2008.05.20 )
    『葛山二郎探偵小説選』 論創社・論創ミステリ叢書58 2012.12.10
     汽車で私が新聞で見た梅原龍三氏が自殺した話をすると向かい側の男が話す。山本から寝返って梅原と結婚した妖魔のような梅原夫人。夫妻と執事森川と山本と私が猟に出かけ夫人が撃たれる。夫人の愛犬、二発の銃声、有煙火薬と無煙火薬、雁弾と雉弾……。
     錯誤の部分は面白い。作為の意図が今ひとつわからない。結末から事件を利用した別の作為があるという事だろうか、自殺理由も含めて。
  8. 「赤いペンキを買つた女」 [花堂琢磨]
    ( 新青年 1929.12. )
    ( 『日本探偵小説傑作集』江戸川乱歩選 春秋社・傑作探偵叢書 1935.09.22 )
    宝石 1956.07.
    ( 『短篇集 探偵小説名作全集11』 河出書房 1956.10.25 )(国DC※)
    ( 『昭和前期集 日本推理小説大系6』 東都書房 1961.05.20 )(国DC※)
    『新青年傑作選 第一巻 推理小説編』中島河太郎編 立風書房 1970.02.25/新装版 1974.12.xx/新々装版 1991.06.10
    ( 『現代推理小説大系8 短編名作集』 講談社 1973.07.08 )
    ( 『大衆文学大系30 短篇(下)』 講談社 1973.10.20 )
    ( 『処刑者消失』日影丈吉編 KKベストブック社ビッグバードノベルス 1976.07. )
    『骨まで凍る殺人事件 新青年傑作集3推理編3』中島河太郎編 角川文庫(緑434-03) 1977.08.30
    『日本探偵小説全集12 名作集2』中島河太郎監修 創元推理文庫(400-12/Mん-01-12) 1989.02.03 )
    『股から覗く』 国書刊行会・探偵クラブ 1992.07.25
    『葛山二郎探偵小説選』 論創社・論創ミステリ叢書58 2012.12.10
     主として裁判官、検事岩城剛一郎、弁護士花堂琢磨、陪審員、被告、証人の傍聴速記により構成。銀行から給料を受け取った会計係員吉屋文男は栗林辰二の運転する車に乗り、途中で男が飛び乗り吉屋を絞殺、栗林は車外に突き落とされ逃亡。小田三蔵は吉屋と知り合いであり栗林の証言により被告として裁判にかけられていた。弁護士花堂琢磨はあやふやな証言を突いて……。
     錯覚や思い込みを逆手にとった作品。緻密な計画なのか杜撰な計画なのか、見送っても良さそうな計画ではあるが。やはり代表作か。
  9. 「霧の夜道」 [花堂琢磨]
    ( 新青年 1930.04. )
    『あやつり裁判 幻の探偵小説コレクション』鮎川哲也編 晶文社 1988.03.25
    『股から覗く』 国書刊行会・探偵クラブ 1992.07.25
    『葛山二郎探偵小説選』 論創社・論創ミステリ叢書58 2012.12.10
     夜、花堂琢磨弁護士は岩城剛一郎検事宅を訪れる。霧の夜、医者の中野が花堂の家に逃げてきた。近所の押田は男を突き落とした女を追ってきたという。崖下には女の死体が。あっという声に人殺しという男の声、女が男を突き落としたという。中野の弁護士でもある花堂は暗闇の帰りに見つけたものから……。
     「赤いペンキを買つた女」の続編ともいえる、同様に錯覚や予断を逆手にとった作品。気になるところはあるが、トリックや結末が主でそれに合わせた舞台設定というところか。
  10. 「骨」 [花堂琢磨]
    ( 新青年 1931.01. )
    『葛山二郎探偵小説選』 論創社・論創ミステリ叢書58 2012.12.10
     密室殺人事件。坂の上の三階建て洋館で一家六人が斬殺されていた。玄関や裏口には内側から閂、窓には鉄格子、犯行推定時には雨は上っていたがその翌日には晴天で足跡も梯子の跡もなかったが犯人がいた痕跡はあった。四日間籠城し発見時に逃げたとの噂も。私南山は花堂弁護士の後を追い……。
     怪人対探偵、しかも愉しみながら対決しているような話。読者には花堂弁護士が解決の手懸りを得ていたことは伏せられていて行動から推測する形。足跡は解決されているが閂は解決されていないような。
  11. 「影に聴く瞳」
    ( 新青年増刊 1931.08. )
    『新青年傑作選 第三巻 恐怖・ユーモア小説編』 立風書房 1969.12.25/新装版 1975.01.xx/新々装版 1991.08.01
    ( 小説推理増刊 1974.08. )
    『股から覗く』 国書刊行会・探偵クラブ 1992.07.25
    『葛山二郎探偵小説選』 論創社・論創ミステリ叢書58 2012.12.10
     東京駅で妹静の友人であった藤堂冬子に一目ぼれした落合哲一郎。父藤堂画伯が逃げた母を連れ帰ってから冬子の様子がおかしくなった。母を殺したとの報道、父の自首と死で証拠不十分に。哲一郎は冬子と手紙のやりとりをする。赤いカーテン、黒い眼鏡の玉とセレニューム、黒眼鏡の男、冬子の兄……。
     探偵小説だが事件より性格とSF的装置が印象的な作品。30画素の白黒デジタルビデオカメラの原型に近い。30和音で聞き視覚の代りにするのだろうか。縮刷印刷で画素の大きさを揃えるなどの工夫やカラー化構想や暗視化構想も。左右の立体感構想までは無いが。
  12. 「暗視野」
    ( 新青年 1932.05. )
    『葛山二郎探偵小説選』 論創社・論創ミステリ叢書58 2012.12.10
     支払う金がない、女が私をなじる。私は病院の所長が下野木製薬から表に出せない金を受け取ったのを知った。女が勧める。私はクロロホルム、インシュリン注射器を用意して夜忍び込む。燃えている瓦斯ストーブと死んだような所長。翌日、同僚の守屋は……。
     皮肉な結末の話。金の場所は知らないはずだが簡単に見つけたのだろうか。
  13. 「染められた男」 [花堂琢磨]
    ( 新青年 1932.10. )
    『股から覗く』 国書刊行会・探偵クラブ 1992.07.25
    『葛山二郎探偵小説選』 論創社・論創ミステリ叢書58 2012.12.10
     法廷での証言問答のみで構成。運転手久間新市は男が女を銃殺するのを目撃して事故、俄雨の中撮影所へ連絡に行くと犯人らしき男が。事務員佐原秋子は被告のアリバイを証言。小道具係は失われた拳銃を。会計主任中井澄男は被告の様子を。男優添田八郎は夫婦喧嘩を。被告黒瀬建造は妻ゆり女殺害を否認。花堂弁護士は……。
     トリックは良いとしても偶然要素が多すぎる。目撃状況、事故の有無、雨、アパートなどなど。
  14. 「女と群衆」
    ( 探偵クラブ 1932.11. )
    『「探偵クラブ」傑作選 幻の探偵雑誌8』ミステリー文学資料館編 光文社文庫(み-19-08) 2001.12.20
    『葛山二郎探偵小説選』 論創社・論創ミステリ叢書58 2012.12.10
     女が蟇口を掏られたという。群衆の中、若い男は否定し交番で裸になり……。
     コント風作品。準備が良いようで。
  15. 「古銭鑑賞家の死」
    ( 新青年 1933.01. )
    『新青年ミステリ倶楽部 幻の探偵小説』中島河太郎編 青樹社ビッグブックス 1986.07.10
    『股から覗く』 国書刊行会・探偵クラブ 1992.07.25
    『葛山二郎探偵小説選』 論創社・論創ミステリ叢書58 2012.12.10
    ( 『幻の名探偵』 光文社文庫(み-19-41) 2013.05.20 )
     古銭蒐集家でもあった板東閣下が中村古折画伯の集会帰りに馬諸共墜死した。久保総一郎は花堂弁護士に他殺ではないかと調査を依頼する。後妻の妙子、養子の順三も疑っているという。無くなった古銭。古銭を入手したがっていた骨董屋黒木、中村画伯。黒板塀に軒灯の坪田博士邸、電線、犬の足跡、一時いなくなった馬、古銭……。
     トリックは面白くもあるが犯行意図はよくわからない。何をしたかったのだろうか。
  16. 「蝕春鬼」 [花堂琢磨]
    ( 新青年 1933.08. )
    『股から覗く』 国書刊行会・探偵クラブ 1992.07.25
    『葛山二郎探偵小説選』 論創社・論創ミステリ叢書58 2012.12.10
     日本海側の温泉町、医学士石原田章三は一軒家を見つけた。人がいるのかいないのか、謎の男は神戸へ。探検すると床下に女性がいた。残されていた神戸の医学博士中野因の名刺。車中での中野因の名刺を持った男の毒殺死。発生している老衰死。室山博士と中野博士。有馬警部との共同調査。謎の女……。
     老衰病とSF要素はあるものの、特に後半からは探偵冒険物語。登場人物像に一貫性が感じられず意図もよくわからない。小さなトリックはいくつかあり見るべきところがないわけではないが。
  17. 「慈善家名簿」 [花堂琢磨]
    ( 新青年 1935.06. )
    『股から覗く』 国書刊行会・探偵クラブ 1992.07.25
    『葛山二郎探偵小説選』 論創社・論創ミステリ叢書58 2012.12.10
     弁護士花堂琢磨は昔の腕白仲間小鹿明に出会った。彼は乞食をしていた。彼の母は英国人、比叡山坊主、西陣織商、元大臣、蒟蒻問屋若主人、奇術師らとつきあった。彼は母の死後に乞食を観察。残された芳名録から……。
     コント風作品。確かに腕次第舌次第。
  18. 「情熱の殺人」
    ( 新青年 1935.11. )
    『葛山二郎探偵小説選』 論創社・論創ミステリ叢書58 2012.12.10
     汽車の中で会った男女と大柄の男。再開した時の物語。綾子を守るようにとの父の遺言。私は自動車練習時に出会った女性、化粧品売り場で再開した財界人中条得三の一人娘と恋愛関係になった。財産を抵当に入れ、賭博、詐欺。紳士の吉、よし町の亀からの借金。お嬢さんの別れと母の話、よし町の亀の他殺死体、綾子の失踪……。
     事件至る顛末の物語。微妙に勘違いなどして混乱してしまった。再会した私達、逝った綾子の父、其奴の殺害の話。オルツィの「情熱の殺人」の本歌取りとのことだが、未読。構成は似ているが違いは多そう。
  19. 「花堂氏の再起」 [花堂琢磨]
    ( 新青年 1948.01. )
    『葛山二郎探偵小説選』 論創社・論創ミステリ叢書58 2012.12.10
     壺蘆島を出帆した引き揚げ船、私は花堂琢磨と会い話を聞く。地下室の寝台、朝枕を北側に置いたのに花堂が夕方に帰ると南側に移動していた。次第に物が増えていく。怪盗団の出没。花堂は左頭頂葉に貫通銃創を受けていた……。
     頭を撃たれた為か有意識と無意識と妄想とが混在するような話。結末以外は予測がつく内容。
  20. 「紅鬼」
    ( 別冊富士 1948.04. )(国DC※)
    『葛山二郎探偵小説選』 論創社・論創ミステリ叢書58 2012.12.10
     撫順近郊、王志遠の嫁取り。憑爾仲から奪った郭玉鳳。紅い服に紅い頭巾で駿馬に乗って花嫁を強奪する紅鬼が現れ……。
     舞台は中国だがコント風作品。
  21. 「雨雲」 [花堂琢磨]
    ( 東京 1948.08. )
    『葛山二郎探偵小説選』 論創社・論創ミステリ叢書58 2012.12.10
     湯浅義が雨中に出かけた須田家で死んだ。湯浅孝は寄合会場入口を指して死んだ。須田は義の死んだ時に入口を指して「から」といったらしい。義の姉麗子の婿の唐津雄一郎、犬の死骸、従兄の画家紅木夫婦。小間使いお秋一家。紅木夫人の死。花堂は分析整理し……。
     トリックは良いとしても内容の割に短い為かあらすじのような感じもしてしまう。
  22. 「後家横丁の事件」
    ( ロック 1948.11.〜12. )
    『葛山二郎探偵小説選』 論創社・論創ミステリ叢書58 2012.12.10
     雪が止んだ朝の後家横町、角の喫茶三鳩、蕎麦屋東庵、古本屋藤原好古堂、新庄刑事夫妻の家。裏の離れで教師下村ツヤ子が殺されていた。食事を呼びに行った大学生大沢が発見、雪に彼以外の足跡はなかった。無くなっていた物干し棹、嫌いだという二椀の蕎麦。軽い音と金属の音。花堂は……。
     雪密室ではあるが蕎麦の部分以外、今一つわからない。雪の跡はならしたのだろうか。何で絞殺したか。結末部の騒動とは。読み込みが浅いのだろうか。



      随筆など

  1. 「推薦の書と三面記事(ハガキ回答)」
    ( ぷろふいる 1935.12. )
    『葛山二郎探偵小説選』 論創社・論創ミステリ叢書58 2012.12.10
     読み飽きないのは「犯罪心理学」等。三面記事では東京原宿の殺人事件。



      著書

  1. 『股から覗く』 国書刊行会・探偵クラブ 1992.07.25
    「股から覗く」/「偽の記憶」/「赧顔の商人」/「杭を打つ音」/「赤いペンキを買った女」/「霧の夜道」/「影に聴く瞳」/「染められた男」/「古銭鑑賞家の死」/「蝕春鬼」/「慈善家名簿」/△「日常からの発想とどんでん返しの妙」山前譲
  2. 『葛山二郎探偵小説選』 論創社・論創ミステリ叢書58 2012.12.10
    「噂と真相」/「利己主義」/「股から覗く」/「赤光寺」/「偽の記憶」/「赧顔の商人」/「杭を打つ音」/「赤いペンキを買つた女」/「霧の夜道」/「骨」/「影に聴く瞳」/「暗視野」/「染められた男」/「女と群衆」/「古銭鑑賞家の死」/「蝕春鬼」/「慈善家名簿」/「情熱の殺人」/「花堂氏の再起」/「紅鬼」/「雨雲」/「後家横丁の事件」/△「推薦の書と三面記事(ハガキ回答)」/△「解題」横井司



      参考文献

  1. 「錯覚のペインター・葛山二郎」鮎川哲也
    幻影城 1976.07.
    『幻の探偵作家を求めて』鮎川哲也 晶文社 1985.10.10
    『幻の探偵作家を求めて 完全版(上)』鮎川哲也、日下三蔵編 論創社 2019.06.20
  2. 「日常からの発想とどんでん返しの妙」山前譲
    『股から覗く』 国書刊行会・探偵クラブ 1992.07.25
  3. 「解題」横井司
    『葛山二郎探偵小説選』 論創社・論創ミステリ叢書58 2012.12.10
  4. ほか



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