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守友恒 作品

Since: 2022.05.30
Last Update: 2024.10.13
略年譜 - 探偵小説 - 随筆 - 著書

      守友恒(もりともひさし)略年譜

    1903.11.14(明治36年)  東京にて生まれる。本名は順造
    1920.頃  父が倒れ歯科医師免許を取得、日本橋のち(?)神田にて開業
    1939.10.  「青い服の男」が名作に掲載
    1939.11.  「死線の花」が新青年に掲載、以降新青年に諸作品が掲載
    1947.06.  『幻想殺人事件』を自由出版から刊行
    1953.08.  「靄の中」が宝石に掲載されたのが最後の掲載作と思われる
    1984.05.(昭和59年)  死去

    筆名は、守友恒

      (国DC※)は国立国会図書館デジタルコレクション個人送信(ログイン必要)で公開されています(今後非公開になる可能性もあります)



      探偵小説

  1. 「青い服の男」 [黄木陽平]
    ( 名作 1939.10. )
    『守友恒探偵小説選』 論創社・論創ミステリ叢書51 2012.05.10
    ( 『幻の名探偵』ミステリー文学資料館編 光文社文庫(み-19-41) 2013.05.20 )
     黄木陽平が僕に話す。毛塚暁助が貿易商土井晋策の住居で惨殺されていた。発見者は家僕角田八十吉。朝沼検事、帆足捜査課長らが捜査する。薬局での青い服の男、窓から逃げた男。遺留品は外科医紺野晃の写真器のケース、残された指紋。事務所での土井晋策の銃殺死体。発見者は三谷千鶴子。兄の文彦と宝石。黄木が呼び出されて推理する……。
     細かく考えられているが唐突だったりゴタゴタしている。編集削除が入っているのだろうか。トリックと解明は納得できるが血の痕などは不自然すぎる。
  2. 「死線の花」 [黄木陽平]
    ( 新青年 1939.11. )
    『新青年傑作選 第一巻 推理小説編』中島河太郎編 立風書房 1970.02.25/新装版 1974.12.xx/新々装版 1991.06.10 (国DC※)
    ( 『大衆文学大系30 短篇(下)』 講談社 1973.10.20 )(国DC※)
    『守友恒探偵小説選』 論創社・論創ミステリ叢書51 2012.05.10
     変種朝顔を作っていた生物学者丘田精吉は応召の前夜、私と犯罪鑑定家黄木陽平に尺八を奏でてくれた。弟の農学士憲二は小杉良子と結婚するということだが崖下の未亡人一瀬京子と会っているらしい。一瀬京子が殺され部屋は荒されていた。ホープの吸い殻、消灯された部屋、面をかぶった男。大阪から戻った黄木は……。
     トリック自体は単純だが、面に関しては興味深い。伏線描写と共に心情と最後が印象的な作品。
  3. 「第三の眼」 [黄木陽平]
    ( 新青年 1939.12. )
    『守友恒探偵小説選』 論創社・論創ミステリ叢書51 2012.05.10
     S町灰野庄三郎の次男で私Mと碧雲荘で隣だった秀輔が山南氏後妻ちょう子を山南果樹園内の用水池で殺害したとして取り調べられていた。夫人は真子と秀輔の結婚に反対していた。秀輔は果樹園で黄色の服を着た男を見たという。黄木と私は途中下車して調べる。灰野氏の話、署長の話、山南氏の話、真子の話、星野一枝の話……。
     謎自体は単純で錯覚はあり得ると思わせられる。条件を満たす設定描写は上手い。
  4. 「最後の烙印」 [黄木陽平]
    ( 新青年 1940.01. )
    『守友恒探偵小説選』 論創社・論創ミステリ叢書51 2012.05.10
     サロン白夜のボックスでレオン・ステヴノウィッチが毒殺され、文字がタイプされたスペードの2が残されていた。同席していた男は出口で山浦弁護士に暴力を振るって去っていた。女給幸子の話では新宿のバー紅蘭のマダム相川郁代に紹介されたという。朝沼検事、帆足捜査課長。立野警部の調べで男は南洋生まれで逃走中の殺人犯猪狩鉄也だった。被害者の従妹小野倉夫人アンナ、博士の助手保宮理学士、そして博士の過去を黄木らに語り、第二のカードが……。
     小さなトリックの合わせ技でまとまっている。最初の事件はさすがに無謀かと思うが面白い。
  5. 「燻製シラノ」 [黄木陽平]
    ( 新青年 1940.05. )
    『「新青年」傑作選 幻の探偵雑誌(10)』 光文社文庫(み-19-10) 2002.02.20
    『守友恒探偵小説選』 論創社・論創ミステリ叢書51 2012.05.10
     西銀座SYビル黄木調査事務所に江北診療所を経営している河村策太郎が来ていた。異母妹の河村暁子が左眼の縁を薄く焼かれたという。医長の野溝は看護婦戸枝里美らしいと退職を勧めたが冤罪だと外科主任下条三吉に訴えた。黄木が九州へ行くので私Mがロールシャッハ・テストを試すことになった。燻製居士下条の話では河村暁子が佐野恭一を、佐野は戸枝を、野溝は暁子を思っているらしい。高倉ハツ子、小川せい子、戸枝里美、堀のぶ子、テストの結果……。
     傷害事件の犯人捜しだがロールシャッハ・テストを用いているのは面白い。シリーズ的には私が活動しているというのも。
  6. 「燃える氷河」 [押川隆介]
    ( 新青年 1941.05. )
  7. 「南極海流」
    ( 新青年 1941.09. )
  8. 「楯と投槍」
    ( 新青年 1942.03. )
  9. 「砲声」
    ( 新青年 1942.06. )
  10. 「熱砂圏」
    ( 新青年 1942.09. )
  11. 「海魂」
    ( 新青年 1943.01. )
  12. 「怒涛」
    ( 戦線文庫銃後読物版 1943.01. )※5
     友人の幻想家曽木恭介から聞いた話をさらにボカす。春、曽木は三宅島への途中の神津島で立馬林平老人と出会う。息子の名は保勢といい、やはり普通の名に限るという。夏、三宅島で潜り釣りをする保勢と見守る林平老人に出会う。保勢は船乗りだった父は母の事を語らないという。嵐に飛び出す保勢。立派な日本人だと林平老人は言って……。
     海洋小説の角書。名前の謎に関する少しひねった話。告白によって明かされる。
  13. 「戦国の鬼」
    ( 新青年 1943.02. )
  14. 「地球の毒」
    ( 新青年 1943.04. )
  15. 「敵前築城」
    ( 新青年 1943.07. )
  16. 「島影」
    ( 戦線文庫58号銃後読物版 1943.08. )
     竹下甲吉は汽船で向かう。〇〇丸の二等運転士の甲吉が尺八を吹く小宮長一から写真を取った時に取り返そうとして甲板に落ちて死んだ。高安船長は立派な海員を失うことを怖れ、甲吉に忘れるように言う。苦しんだ甲吉は長一の母に会うために噴火のあった三宅島に向かう……。
     海洋小説の角書。応召兵の事など戦時色が強い。気休めだが当時としては良い話。
  17. 「黄虎」 [押川隆介]
    ( 新青年 1943.10. )
  18. 「夢幻城」 [押川隆介]
    ( 新青年 1944.02. )
  19. 「二つの陰謀密議」
    ( 新青年 1944.04. )
  20. 「無限爆弾」
    ( 新青年 1944.09. )
  21. 「孤島綺談」 [黄木陽平]
    宝石 1946.10.
    『守友恒探偵小説選』 論創社・論創ミステリ叢書51 2012.05.10
     昭和十六年、御蔵島への海鳥見物へ。高柳藤吉の依頼で甥の布川正一と夏目一郎、高柳の忰の唖の洋太郎の監視目的だった。鳥類研究家の中原は海鳥に詳しくない。洋太郎の恐怖での失神、中原の容態悪化。黄木は布川と賭将棋をして……。
     偶然によって事件を未然に防ぐことができた話。ただその偶然の内容は考えられている。
  22. 「蜘蛛」 [黄木陽平]
    ( 新青年 1946.11. )
    『守友恒探偵小説選』 論創社・論創ミステリ叢書51 2012.05.10
     新聞記者時代から犯罪事件に興味を持ち秘密探偵事務所を開いた黄木陽平、探偵小説家の私M。北島医師が友人八代が心臓麻痺で亡くなった時に「くも」と呟いた謎解きの依頼にきた。八代の亡くなった妻敏子は兄の妻であったが兄の死後に結婚していた。兄との子達也は復員後離れにいた。八代との間には博雄がいた。八代の死の時に達也は田川勝子を離れに入れていた。八代の日記には蜘蛛が嫌いになった理由が……。
     謎自体は、少なくとも現代では単純。処置の仕方は良い感じ。
  23. 『幻想殺人事件』 [黄木陽平]
    ( 『幻想殺人事件』 自由出版 1947.06. )
    『守友恒探偵小説選』 論創社・論創ミステリ叢書51 2012.05.10
     完全犯罪談義から黄木陽平が秘密にしていた昭和十五年の銀杏屋敷の蔵人事件のことを私Mは知った。冷酷無惨に育てられた蔵人琢磨は妻の変死で家を出、先代蔵人三省の死で戻ってきていた。知恵遅れの子八知がいる。愛撫と放任で育てられた弟潜介には許婚光瀬ユキがいたが琢磨と同居、潜介は家を出ていた。銀杏屋敷で先代秘書の十村周吉が階段で刺されて死亡した。石狩検事と帆足課長や密輸団の内偵をしていた戸来刑事の調査が始まる。その場にいたのは家僕三森竹蔵と八知で秘密の通路がなければ逃げ出せない状況だった。 琢磨の帰宅、鋳物場から無くなった短剣とその発見、竹蔵の拘束、上海から付き合いのある市原源太郎の訪問、琢磨の里見弁護士訪問と旅行、尾行する戸来刑事、潜介を一時雇っていた黄木陽平が銀杏屋敷を訪れ調べ始めるが……。
     完全犯罪を描いている良作。殺害方法や有無不明の抜け穴など正当な本格物としては難があるが、鋳物芸術というのは面白い着想。最後の殺人や時間指定など納得できない部分もあるが細かな部分もよく考えられている作品。
  24. 「誰が殺したか」 [唐津・高沼]
    宝石 1948.05.〜06.
     唐津千吉刑事は野戦病院で出会った高沼哲医学士と再会した。高沼はリミイにより堕落生活から立ち直ったという。リミイにはパトロンがいて黙って別れていった。赤塚伝二郎の運転手鶴川幸助が古河敏行に会って戻らないという。洋館に同居していた矢堀長三らと赤塚が繃帯姿で殺されていたのを発見した。窓からの逃亡者、残されていた写真器のケース、矢堀への二度の電話、赤塚家に来て直に帰った中島という男、薬局に来た男西脇譲二、古河の事務所での銃殺死体、無い指紋、階下の戸枝里美、赤塚の内縁の妻北條りき。古河の家で……。
     「青い服の男」のリメイク。不自然な点や説明描写不足が解消されている。また人物関係、背景動機、結末も変更されている。より合理的で戦後の状況に合わせているのだろうが、妙に犯罪物語っぽくなってしまっている。
  25. 「焔のごとく」
    ( 別冊犯罪読物 1948.09. )
    ( 探偵クラブ増刊 1951.08. )
     近藤が焼けたクリーニング工場の再建で疎開先から戻ると井戸に菰包みがあった。焼け残った隣家矢崎夫婦の弟で軍隊で記憶喪失となった康治の助けを借りて引き揚げると妊娠した女性だった。十四から十六ヶ月前の死体の死蝋の様子がおかしい。歯から鮎川暁子という男を焼き尽くすような焔のような女だとわかる。中桐の子をパトロン矢崎寅雄の子と主張していたらしい。寅雄のアリバイ。そして高津警部、二宮検事の実験……。
     死体の特徴から真相にせまっていく話。戦災、被害者の性格、死体の特徴と実験、そして題名のつながりが良い感じ。
  26. 「神響」 [唐津・高沼]
    ( X 1949.01. )
  27. 「第三の林檎(中絶)」 [黄木陽平]
    ( トップ 1949.03.,06. )
  28. 「灰色の犯罪」 [黄木陽平]
    宝石増刊 1949.07.
    『守友恒探偵小説選』 論創社・論創ミステリ叢書51 2012.05.10
     秘密調査事務所の黄木陽平は雑誌「科学の世紀」主管の片桐から原稿の依頼を受け銃痕の話、前島事件の話、喫茶店ニンフの話などをする。と、片桐は有光博士との対談を企画し訪れた。先夫人の従姉妹の家政婦清水リツ子、博士の旧友の息子黒柳達男、逗子へ行っている浪費家のリツ子夫人、そして砒素中毒の様相を見せている博士。逗子の沼田氏から提供された別荘、惨劇が起こる……。
     トリック自体は安易だが、衝動的と知性的の論議、鍵、セルロイドなど推理部分は面白い。意外性は少ないがトリックよりロジック風の作品。
  29. 「人を殺した女」
    宝石 1950.03.
    探偵倶楽部 1952.06.
     歯科医矢野は外科医寺田と飲み、キャバレー白夜の宮口保美に小箱を渡すように頼まれたが置き忘れて渡せなかった。戦災で死んだ弓子に似た保美。博愛診療所に現れない寺田。内科主任丹羽と共にした手術。診療所出資者の島津。保美は受け取りを頼まれたという。保美は人を殺した女だと丹羽は言う。高村歯科医院での義歯のとり外し。春宮三千代、一木一彦、安波啓二の事件……。
     巻き込まれた状況などに謎があり告白によって明かされていく物語。本業に関する部分は興味深い。
  30. 「影ある男」
    宝石 1951.06.
     金融関係会社社長の高倉専造は青年に監視されているようだった。高倉は清原悠紀を社長秘書にして屋敷に住まわせていた。青年は破産させ一家心中した宮口賢治の弟宮口三郎と名乗った。悠紀は一時同棲しひどい目にあったという。高倉は悠紀の筋書き通り三郎を……。
     犯罪物語とでもいうべきか。トリックというほどでもなく少々安易な展開。
  31. 「まぼろし」
    ( 探偵クラブ 1951.07. )
  32. 「灰土夫人 影ある男(第二話)」
    宝石 1951.09.
     瀬古のタクシーに乗り込み往復したのは妖婆のような女性だった。金融業もしていた堀口謙蔵が自宅で銃殺されていた。女が乗ったのは堀口と付き合いのあった青江田家佳行家の近くで、青江田は自動車事故で崖下に落ちて死んでいた。住人は夫人雅美、使用人の里見夫婦とセパードのジュピター。毎日のように訪れる夫人の主治医門原医学博士、人を襲った犬の訓練をしている寺木七郎、森川弁護士。隠されている麻薬、甲状腺のアデノマ状態……。
     犯罪物語から空想怪奇冒険物語になっているような話。最初の刑事達は説明の為だけの登場人物か。影ある男の組織的な部分は次作があればより明らかになったのだろうか、少し興味深い。
  33. 「自殺殺人事件(脚本)」
    宝石 1951.10.(07.08放送)
     黒井は赤鬼と青鬼に死人権として地獄行きに異議を申したてる。心臓が悪い黒井は常用のストリキニイネを多量に服んだのは自殺ではなく、大蛇を見て恐怖しコップに用意されていた薬を飲んだ結果だという。女中は叫びを聞いたが、駈け付けた妻の紅子、専務の赤田、主治医白木は蛇の存在を否定した……。
     NHK第二、犯人は誰だ のクイズ脚本。問題編の最後でほぼ解答といえるヒントがある。但し、微妙な点で解答以外の可能性もある。
  34. 「風」
    宝石 1952.01.
     スリラー小説作家影沼修太は小説集が出て精神科医武村博士と飲んだ後、日比谷公園で出会った立岡隆青年と飲み語り合う。神田書店街で再会し推理小説書いているという立岡の家に行く。好きだがどうしようもない女性というのは唐澤みち子、彼の母だった。隆青年は父を原始人とか蟹だとかいい、殺人を実行するという。唐澤の帰宅……。
     虚実混在の訳が分からない作品。会話になっているような、なっていないようなところは面白い。二つの日付に意味がありそうだが開きすぎでやはりわからない。
  35. 「誰も知らない」 [黄木陽平]
    ( 探偵実話 1952.05. )
    『守友恒探偵小説選』 論創社・論創ミステリ叢書51 2012.05.10
     保利勘蔵巡査が山南家の裏庭の方を自転車を走らせていると立岡秀夫が木戸からでてきた。女中正代の悲鳴、新子夫人の溺死、黄色い服の男。山南家には主人源吉は不在で義理の娘京子、その友人野々宮一枝、使用人らがいた。秀夫は京子にプロポーズしたが夫人が反対していた。武田弁護士の依頼で黄木陽平が出向き……。
     「第三の眼」のリライト。若干目撃時の様子や死体の状態などが明確になっている。個人的には元の方が良いと思う。
  36. 「鬼火」
    探偵倶楽部 1952.08.
     角木貞治は雨の中、資産家で画家との駈け落ちから戻り宿で自殺しようとした兼崎圭子を救った。東京に戻った貞治の古池のそばの家に圭子が現われ結婚生活を始める。貞治には子供の時に似鳥家へ引き取られたが戦災孤児となった太一という癲癇もちの弟がいた。二人は太一を引き取るが……。
     最後は怪奇小説風な余韻がある。鬼火は唐突、象徴としてだろうか。
  37. 「靄の中」
    宝石 1953.08.
     一九四八年三月、資産家唐山家で当主恭太が銃殺されていた。発見者は電話で呼ばれた村上医者と杉沢家のパーティーから戻った夫人初江。折り取られた時計の針、無くなったテーブル掛け。参木主任は以前恭太の弟で嫌人癖のある保二と酒を飲んだ事があった。保二は夫人とパーティーへ行っていた。一卵性双生児で誤認逮捕された早川丈吉を保二は引き取っていたが夫人に手を出し追い出されていた。早川は拳銃を暴射したこともあり、恭太殺害と同じ銃だとわかる。保二と論争していた須永博士の話。参木はなおも調査を続け……。
     推理の推理というのは面白いが、結末はもやの中。戦後の虚無を感じさせ文芸作品を狙おうとしたようにも思える。



      随筆など

  1. 「たわごと(1)」
    ( 探偵小説ニュース 1947.10.10 )
    『守友恒探偵小説選』 論創社・論創ミステリ叢書51 2012.05.10
     完全犯罪はない。不完全捜査で迷宮事件はある。犯罪者に優れた知性はない。探偵小説では解決できない犯罪と犯罪の正体が読者に判らない場合がある。作者は解答を持っている。どのように犯罪が現われるのを追及するのも一つの探偵小説。幻想殺人事件は一つの試み。
  2. 「推理作家おのれを推理す(座談会)」江戸川乱歩、木々高太郎、大下宇陀児、角田喜久雄、城昌幸、守友恒
    ( サンデー毎日 1947.10.12 )
  3. 「たわごと(2)」
    ( 探偵作家クラブ会報 1949.01. )
    『守友恒探偵小説選』 論創社・論創ミステリ叢書51 2012.05.10
     歯科医と医師の違い。理想論的には小説は人間に根ざしているが商品でもある。探偵作家クラブの対論は、完全な義歯を作る、予防歯科学に進むと同じに聞えた。胸のすくトリックに魅力は感じるがテーマから発展させトリックはしぜんに浮ぶ。自分が好きなものだけを描いていく。
  4. 「暦、新らたなれど」
    ( 宝石 1950.01. )
    『守友恒探偵小説選』 論創社・論創ミステリ叢書51 2012.05.10
     一二年は活字になるものは書かなかった。探偵小説をあまり読んでなかったが優れた探偵小説を読むと面白い。面白いものを書きたくなった。
  5. 「五○年度の回想と五一年度への展望(アンケート)」
    ( 探偵作家クラブ会報 1950.12. )
     商品として探偵小説が市場を圧倒し大衆雑誌のトップを切ることを切望。売れそうなもの狙いか、夢を抱いて不滅の商品価値を創造するか。才能のある者が売れそうなものだけなのは悲劇。
  6. 「乙女は羞らう山吹の花」
    ( 探偵作家クラブ会報 1951.08. )
    『守友恒探偵小説選』 論創社・論創ミステリ叢書51 2012.05.10
     キャラクター、セット、ケースは三位一体でトリックも人間の所作。カメレオンにも恐竜にも見える、情熱、遠くの目標、非現実的文学作品。論理はいろいろある、弁証理論での人間像の追及。名称自体に深い意味はない、哲学、小説、探偵は極限の世界。
  7. 「アンケート(ラジオ放送探偵劇について/愛読する海外探偵小説)」
    ( 宝石増刊 1951.10. )
    『守友恒探偵小説選』 論創社・論創ミステリ叢書51 2012.05.10
     聴きたいと思うが。特になし。
  8. 「アンケート(今年お仕事上の御計画/生活上実行なさりたいこと)」
    ( 宝石 1952.01. )
    『守友恒探偵小説選』 論創社・論創ミステリ叢書51 2012.05.10
     無為に過ごすことが多くなったが内面的には逆。読んだり、考えたり、書いたり。
  9. 「(お好み年頭所感)」
    ( 探偵作家クラブ会報 1953.01. )
     時には見事な真珠が現れる、とは真珠養殖業者の話。このジャンルも一つの養殖の海。無数の貝は既製作家であり新人であり。これから書かんとする人、僕もその中の小さな一つの貝。
  10. 「(木々会長還暦祝賀)」
    ( 日本探偵作家クラブ会報 1957.12. )
     新しき前進。若さと弾力。
  11. 「 」
    ( 日本推理作家協会会報 1969.xx. )
  12. 「 」
    ( 日本推理作家協会会報 1972.08. )



      著書

  1. 『幻想殺人事件』 自由出版 1947.06.
    『幻想殺人事件』
  2. 『守友恒探偵小説選』 論創社・論創ミステリ叢書51 2012.05.10
    「青い服の男」/「死線の花」/「第三の眼」/「最後の烙印」/「燻製シラノ」/「孤島綺談」/「蜘蛛」/『幻想殺人事件』/「灰色の犯罪」/「誰も知らない」/△「たわごと(1)」/△「たわごと(2)」/△「暦、新らたなれど」/△「乙女は羞らう山吹の花」/△「アンケート(ラジオ放送探偵劇について/愛読する海外探偵小説)」/△「アンケート(今年お仕事上の御計画/生活上実行なさりたいこと)」/△「解題」横井司



      参考文献

  1. 「解題」横井司
    『守友恒探偵小説選』 論創社・論創ミステリ叢書51 2012.05.10
  2. 「13守友恒『幻想殺人事件』」若狭邦男
    『探偵作家追跡』 日本古書通信社 2007.08.15
  3. 「86守友恒」若狭邦男
    『探偵作家発見100』 日本古書通信社 2013.02.20
  4. 「守友恒」山前譲
    『日本ミステリー事典』権田萬治監修、新保博久監修 新潮社 2000.02.20
  5. 「続・書誌の補遺」黒田明
    新青年趣味23号 2023.05.05
  6. ほか



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