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西嶋亮 作品 |
Since: 2022.04.23 Last Update: 2024.07.21 |
略年譜 - 探偵小説 - 随筆 |
生年不明。本名は斎藤龍
1935.04. 「秋晴れ」を ぷろふいる に掲載
この頃、横浜高工に在学していたらしい
1936.09. 「犯罪可能曲線」を探偵文学に掲載
以後、不明
筆名は、西嶋亮(西島亮)
(国DC※)は国立国会図書館デジタルコレクション個人送信(ログイン必要)で公開されています(今後非公開になる可能性もあります)
( ぷろふいる 1935.04. ) ( 『新作探偵小説選集 昭和11年版』 ぷろふいる 1936.10.04 )(国DC※) 幻影城 1977.10. |
造船製図室にて酒井が殺されているのを朝に係りの原老人が見つけた。溝口警察医、諸岡警部、秋川捜査課長らの現場検証。分割器で刺されていたが毒死だった。入口階段にあった赤外線検知記録の自己円筒、酒井と安田と木内と井上が出た記録と一人の入った記録。各人のアリバイ供述。警部の指摘、溝口に届いた手紙……。 |
本格探偵小説に近いが告白によって解明される。密室というよりアリバイ工作だが、入出時の検出装置は面白い着想。細心の注意を払っているところは脱帽。月光のイメージも良い。 |
( ぷろふいる 1935.11. ) |
向井さんは「実業の日本」の記事を読んで嫁してきたばかりのみづえさんが帯をねだっていたのを思い出した。二越で買い、手洗場は使用中の赤い文字が。電話も繋がらない。間もなく閉店。掃除夫が手洗場で催促すると拳銃を持った男が三人。金と宝石を懐に自動車に乗り込む。運転手、番号、手当と帯、赤字の花売り、百貨店、手当……。 |
ユーモア風であるが展開の伏線はそれなりにある。番号は唐突だが。赤字の複数の意味と共に婉曲描写表現が面白い。 |
( モダン日本 1936.04. )※2 |
雪のにまみれた三等客車。東京を憧れて来る幾人かの中、改札で知り合った男女が上京後の仕事について語り合う。機関車の横転、写真を撮る男、駅の待合室で女は……。 |
シナリオ・コント懸賞当選作の一編。静から動への転換と駆け引きが面白い作品。 |
( ぷろふいる 1936.03. ) 『「ぷろふいる」傑作選 幻の探偵雑誌1』ミステリー文学資料館編 光文社文庫(み-19-01) 2000.03.20 |
敗戦の王は鋭く切り取られた片耳朶を寝台に残し、王妃は蓮池のそばで気を失っていた、胸に血文字で「語るな」と書かれて。泥蓮からの骸、火山灰、蓮の蕾と開花、毒液の気化、寝台の鋸屑。王妃の処刑とアゴニ王からネグア王家へ。石器商の権益。鍛工イノガのイノガ合金。そして革命……。 |
架空の王国を舞台にした、探偵小説味を盛り込んだ、終盤はプロレタリア物語ともいえる作品。流れとして似た史実が印仏伊独ソの混合であるようなないような。 |
( 探偵文学 1936.09. ) |
AとBの会話。犯罪可能曲線というのがあり、最大値では計画された犯罪、最低値では出来心の犯罪となる。単純なサインカーブではなく、父母からの遺伝や生活からの歪などのカーブが重畳される。火事の時に絞殺された女店員、その時盗みで捕まった男の曲線……。(曲線図掲載あり) |
疑似SFミステリーと言いたいような数式で煙に巻くような縦組み横書き作品、バイオリズムを根底にしているようにも思われるが、全ての曲線はsinカーブの合成によって表せられるとして仮定ファクターと係数で犯罪可能時刻を導き出すなどかなり無茶苦茶な説に脱帽。最後のファクターはそれに輪をかけている。ということは。戦前にこのような作品があったとは驚き。 |
( ぷろふいる 1935.04. ) |
自分で書いて見ると使い古しのクロスワアド。稚拙、冗漫、不忠実、恥ずかしさ。もう一作書いて見たい、それまで笑って見逃して下さい。 |
( ぷろふいる 1936.01. ) |
歩廊の果てる室にあるのは。迷路、壁。微分方程式を繰り乍ら辿っていく群衆の流れ。まだ若い。 |
( 月刊探偵 1936.07. ) |
五月十六日、甲賀と横溝の週刊誌掲載作を読む、大正臭いメエカア生産品、型の新しい機械を設計してみたい、送った二百枚。五月十七日、釣ぼり、餌のない針にまで、原稿代。五月十八日、思いつた題、集団殺人、新人を採用しない編集者が殺されるストオリイ。 |
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