Shift_JIS Page 著者別リストへ |
林熊生(金関丈夫)作品 |
Since: 2021.11.27 Last Update: 2022.06.19 |
略年譜 - 作品 - 著書 |
1897.02.18(明治30年) 香川県にて生まれる。本名金関丈夫
1923.xx 京都帝国大学医学部卒業
1936.03. 台北帝国大学医学部解剖学教授
1941.08. 「船中の殺人」掲載
1943.08. 龍山寺の曹老人シリーズ掲載開始
1950.xx. 九州大学医学部教授
1983.02.27(昭和58年) 死去
筆名は、林熊生、金関丈夫、蘇文石、山中源二郎、ほか
(国DC※)は国立国会図書館デジタルコレクション個人送信(ログイン必要)で公開されています(今後非公開になる可能性もあります)
( 台湾警察時報 1941.08.15〜12.15 ) ( 『船中の殺人』 東都書籍 1943.10.24 ) 『船中の殺人/龍山寺の曹老人 日本植民地文学精選集[台湾篇]13』 ゆまに書房 2001.09.25 『船中の殺人』(オンデマンド) 大陸書館 2021.02.10 |
基隆から門司への次高丸に乗り込んだ台北北署の木暮刑事。高砂信託の藤本、木暮、呉、事務長、大沢商事専務の田中、財産家の戴で甲板ゴルフをする。田中は呉をを揶揄する。その夜、木暮が藤本との碁を終えて船室へ戻る途中に悲鳴がした。戴が船室で殺されていたのだ。11時29分から36分の間。木暮刑事は関係者の聴取をする。向かいの浴室にいた藤本、寝ていた呉、浴室にいた田中、浴室ボーイ木田、部屋付ボーイ柳本、呉の妻の李氏紅玉……。 |
船内の構造と緻密な時間構成は良くできている。可能性を除外していくところも。証言の真偽や後出し部分もあるが思わせぶりな記述でまとめている。戦前には珍しい本格風作品。 |
( 『船中の殺人』 東都書籍 1943.10.24 ) 『船中の殺人/龍山寺の曹老人 日本植民地文学精選集[台湾篇]13』 ゆまに書房 2001.09.25 『船中の殺人』(オンデマンド) 大陸書館 2021.02.10 |
劉永泰こと陳天籟は鄭龍根と金庫破りをした時に指紋を残してしまった。北署の今井刑事は過去を知っている。医者の周混源と出会い……。 |
医学博士として指紋の対する懐疑、皮肉な話なのかもしれない。書き下ろしらしいとの事で「船中の殺人」に関係して想を得て収録したのかもしれない。 |
( 台湾藝術 1942.06.〜1943.12. ) ( 『創作集 南の風』 法政大学出版局 1980.06. ) ※第2回と第4回は立石鉄臣(伴三果名義)が執筆で『南の風』未収録 |
( 台湾公論 1943.08. ) ( 『龍山寺の曹老人 入船荘事件(他二篇)』 東寧書局 1945.11.(民国34年) ) ( 『創作集 南の風』 法政大学出版局 1980.06. ) 『船中の殺人/龍山寺の曹老人 日本植民地文学精選集[台湾篇]13』 ゆまに書房 2001.09.25 『龍山寺の曹老人』(オンデマンド) 大陸書館 2021.04.10 |
曹老人はいつでも龍山寺の堂の片隅の椅子に腰かけて眺めている。堂守の范さんとは友達である。大東亜戦争開始前年の夏、曹老人が許婦人から神籤を受け取ると泥棒に入られた事を言い当てる。婦人は陳警官らを連れてきて曹老人が泥棒だと言うが……。 |
あまりにも正確に言い当てるのが清々しい。意図が良い。 |
( 台湾公論 1943.10. ) ( 『龍山寺の曹老人 入船荘事件(他二篇)』 東寧書局 1945.11.(民国34年) ) 『船中の殺人/龍山寺の曹老人 日本植民地文学精選集[台湾篇]13』 ゆまに書房 2001.09.25 『龍山寺の曹老人』(オンデマンド) 大陸書館 2021.04.10 |
雑貨商王錦和泉が曹老人に声をかける。民家の二階の壁に光が明滅している。夕方、曹老人は龍山寺の前の屋台で陳警官を誘う。陳警官は曹老人の言う通りに……。 |
意外な組み合わせ。確認方法が面白い。 |
( 台湾公論 1943.12. ) 『船中の殺人/龍山寺の曹老人 日本植民地文学精選集[台湾篇]13』解説 ゆまに書房 2001.09.25 |
第一話・第二話に感謝と激励を受けた。慰安文学不足で歓迎されたのだろう。期待に努力したい。 |
( 台湾公論 1943.12. ) ( 『龍山寺の曹老人 入船荘事件(他二篇)』 東寧書局 1945.11.(民国34年) ) ( 『創作集 南の風』 法政大学出版局 1980.06. ) 『船中の殺人/龍山寺の曹老人 日本植民地文学精選集[台湾篇]13』 ゆまに書房 2001.09.25 『龍山寺の曹老人』(オンデマンド) 大陸書館 2021.04.10 |
陳警官が怪しく思った男の後をつけていくと男は入船荘で扉を壊して入ろうとした。部屋では田山麗子が小刀で刺されて死んでいた。密室。男、謝金鼎は麗子の許婚だという。四時間前に劉青年が部屋から出て直に死んだらしい。陳警官は曹老人の脳味噌を貰いに……。 |
曹老人の超人ぶりが凄い。鍵の部分はなるほどと思わせられる。 |
( ? ) ( 『龍山寺の曹老人 幽霊屋敷(他一篇)』 東寧書局 1945.12.(民国34年) ) ( 『創作集 南の風』 法政大学出版局 1980.06. ) 『船中の殺人/龍山寺の曹老人 日本植民地文学精選集[台湾篇]13』 ゆまに書房 2001.09.25 『龍山寺の曹老人』(オンデマンド) 大陸書館 2021.04.10 |
入船町の貿易商王勤の幽霊が出ると噂の屋敷跡。買ったのは葉風涛で医者鄭其昌の妹翠香と結婚するという。半年前、友人孫依川が写真を撮ると幽霊が。そして陳警官は葉風涛が塔から墜落死したと曹老人に話す。曹老人は屋敷へと行き……。 |
細かな手懸りの積み上げが良い。最後の一言も伏線らしい文が前にあり、単純にひっくり返す為だけの蛇足文ではない、はず。 |
( ? ) ( 『龍山寺の曹老人 幽霊屋敷(他一篇)』 東寧書局 1945.12.(民国34年) ) 『船中の殺人/龍山寺の曹老人 日本植民地文学精選集[台湾篇]13』 ゆまに書房 2001.09.25 『龍山寺の曹老人』(オンデマンド) 大陸書館 2021.04.10 |
曹老人が珍しく陳警官に誘われ百貨店鈴本へアイスクリームを食べに行く。百貨店は展覧会で混雑。食堂で見かけた婦人、曹老人は万引き犯だという。店員勝沼が事務所へ同行させようとする。姪の少女が支払うと言うが店員は納得しない。陳警官がとりなしその場は納まった。曹老人は陳警官に……。 |
曹老人のアイス初体験が面白い。フェイクも味なもの。 |
( ? ) ( 『龍山寺の曹老人 謎の男(他一篇)』 大同書局 1947.01.26?刊行不詳 ) ( 『創作集 南の風』 法政大学出版局 1980.06. ) 『龍山寺の曹老人』(オンデマンド) 大陸書館 2021.04.10 |
陳警官が役者簡子龍をみて話していると曹老人は事件になるかもしれないと言う。昔、簡子龍の父徳泉に世話になった寥永春は松山に警察署を建て寄贈し議員になっている。陳警官は簡を監視する。曹老人は十五日に気を付けるようにと。簡は部屋でトーキーの映写をしている。十五日、簡はボヤを起こし評議会では農務局長が爆弾発言をする……。 |
松山は台北市内の地名。空港で有名。 |
( ? ) ( 『龍山寺の曹老人 謎の男(他一篇)』 大同書局 1947.01.26?刊行不詳 ) ( 『創作集 南の風』 法政大学出版局 1980.06. ) 『龍山寺の曹老人』(オンデマンド) 大陸書館 2021.04.10 |
李氏銀は息子の死亡と借金で嫁にと育てていた玉児を売ろうとしていた。首つりの痕跡と謎句を残して玉児は消えていた。風水師林の解読で銀は龍山寺の曹老人を尋ねると……。 |
シンプア(新婦仔)という風習らしい。 |
( 文藝台湾 1940.03. ) |
( 新新 1946.05. ) |
( 九州文学 1954.11. )(国DC※) |
※執筆(原型)は一冊のみの回覧誌1号『花果』1946.07.と思われる 西宮の戎三郎と信貴山の毘沙門天の神無月の豪勢な会議の帰り。いつもは竹生島の弁財天と三人だが大山祇と残り遅れて合流。戎三郎は毘沙門天の付き合いで西宮の廓に入る。相手の普賢女郎のもとに死神が現れ戎三郎も冥府へ。冥王の前によばれた戎三郎は……。 |
日本の神々のウラ話。若干の世相を反映したユーモア、風刺小説。 |
( 九州文学 1955.01. )(国DC※) |
※執筆(原型)は一冊のみの回覧誌6号『紅玉』1947.02.と思われる 大坂夏の陣、佐川田昌俊、通称喜六は愛馬を失った。竹の幹に茶杓の原型を見て削っていると敵方の佐郷新助が現れた。茶杓で相手をし、首に炭で輪をひいた。茶杓「くびの輪」の由来を知りたいと伏見奉行小堀遠州守政一の申入れがあった。城下に新助のなれの果てと思われる男がいるという。確かめると娘にも同じものがあった。喜六は遁世し……。 |
人物と経歴、墓碑銘以外は創作と思われるが不明。父娘に思わぬ結果を招いたことへの心情と墓碑銘は心をうつ。 |
( 九州文学 1959.01. )(国DC※) ( 『創作集 南の風』 法政大学出版局 1980.06. ) |
福岡市の機械修理業田畑正雄宅に布団包みの顏や指が削られた女の屍体が届いた。秋華か。田畑は北鮮からDU8敦賀、DU14福岡に移っていた。荷物PQは敦賀から三宮宛でDU12神戸が三宮で受け取り荷札をつけかえて神戸から博多へ発送されることになっていた。同じ列車に同じような荷物が富山から広島宛に発送されていることがわかった。だが死亡推定時刻より前に預けられていた……。 |
荷物の移動トリックを扱った作品。組織設定などで発端から解決まで話に説得力がある。 |
( 九州文学 1972.10. )(国DC※) |
( 九州文学 1973.05. )(国DC※) |
入口へ ← 著者別リストへ ← 先頭へ |
|