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左頭弦馬 作品

Since: 2022.09.25
Last Update: 2025.08.31
略年譜 - 探偵小説 - 随筆

      左頭弦馬(さとうげんま)略年譜

    19xx.頃(明治xx年頃)  丹波篠山にて生まれたらしい。本名の姓は佐藤ではないかとのこと
    1932.xx.  猟奇に寄稿
    193x.xx.  ぷろふいる の編集を手伝う
    1933.09.  「踊り子殺しの哀愁」を ぷろふいる に掲載
    193x.xx.  上京、日暮里近辺の下宿に住んだらしい
    193x.xx.  小栗虫太郎に寄宿する
    19xx.xx.  京都へ戻る
    19xx.頃(昭和xx年頃)  脚気衝心で死去したらしい

    筆名は、左頭弦馬、(左頭弦之介?)、(左頭弦之介??)

      (国DC※)は国立国会図書館デジタルコレクション個人送信(ログイン必要)で公開されています(今後非公開になる可能性もあります)



      探偵小説、詩歌

  1. 「血(猟奇の歌)」
    ( 猟奇 1932.01. )
  2. 「化粧する花(猟奇歌)」
    ( 猟奇 1932.03. )
  3. 「さんた・まりあ(猟奇歌)(ざっく★ばらん)」
    ( 猟奇 1932.03. )
  4. 「れふきうた」
    ( 猟奇 1932.04. )
  5. 「れふきうた」
    ( 猟奇 1932.05. )
  6. 「(談話室)(猟奇歌)」
    ( ぷろふいる 1933.06. )
  7. 「花を踏んだ男」
    ( ぷろふいる 1933.07. )
     京都の実業家池田金助は妻洋子と運転手石見の不貞を見つけ洋子を殺害して石見を犯人に見せかける計画をたてる。夜、石見の靴をはき、露台から洋子の寝室に侵入、鉢の菊を踏み足跡を残す。鹿門刑事は……。
     倒叙小説。悪くはないのだが単純すぎる。最後も決定打とはいえない。
  8. 「踊り子殺しの哀愁―紳士ヴァン・バードル氏の奇妙な実験―」
    ( ぷろふいる 1933.09. )
    ( 『新人傑作探偵小説選集 昭和十年版』 ぷろふいる社 1935.08.09 )(国DC※)
    ( 『続々・怪奇探偵小説集 幻の傑作ミステリー』鮎川/哲也編 双葉社 1976.10.01 )
    『怪奇探偵小説集(3)』鮎川/哲也編 双葉文庫(あ-02-03) 1984.10.25 (国DC※)
    『怪奇探偵小説集3』鮎川/哲也編 ハルキ文庫(あ-04-03) 1998.07.18
     月夜の珈琲店でヴァン・バードル氏は私に過去の秘密を語ってくれた。バードル氏には双子の兄がいたが、父は秘して学校も一日交代で通っていました。兄弟でパレス座の踊子ユリアを愛し、私は双生児と知らないままのユリアを殺してしまいました。そして百合の花を抱えた兄。芸術的犯罪は罪でしょうか……。
     オチは悪くはないのだが、芸術的犯罪の話とはとても思えないのが難点。舞台や小道具は詩的要素がないことはないが。
  9. 「鏡(猟奇歌)」
    ( ぷろふいる 1933.09. )
  10. 「白林荘の惨劇(戯曲)」
    ( ぷろふいる 1934.03. )
     白林荘の居間、赤根良平、後妻洋子、被後見人紀子。良平が紀子との結婚を反対している秘書志村。私立探偵丸地禎介への依頼。良平は親友石井武生が村松を決闘で殺して逃亡、妻英子と後に結婚。石井からの復讐を記した手紙。洋子と志村の関係の疑い。林、はるみ、夏目、永良、上村、千世子、しづ枝、大木大佐令嬢。良平銃殺事件。青山警部補、警察医、串田医師、巡査、吾助、女中三人。志村の目撃談と消えた犯人。丸地は……。
     誰が、何故、手段を問うクイズ。機会があるのは絞られるが後出しが多い。
  11. 「水晶杯(猟奇歌)」
    ( ぷろふいる 1934.03. )
  12. 「月の街でわかれた男 連作「A1号」第二話」
    ( ぷろふいる 1934.06. )
     巡査の私が海際の貿易商千葉仙造宅隣の踊り子名本ゆり子の家まで巡回で来ると男がいた。緑の電燈、密輸品陸揚げの現場を見る。十日前ゆり子は全裸で刺殺されていた。男優水上史郎が来て帰ったあと発見したと女中よしは言う。劇場への二人の訪問者。男と私は隠された部屋へ入る。暗号文と密輸品の発見。ゆり子の手紙と真相……。
     怪盗の常道的筋の作品。手紙で解っただけではあるが。
  13. 「ソル・グルクハイマー殺人事件 H、輝く十字架」 京都探偵倶楽部(連作:大井正/馬場重次/大畠健三郎/渡部八郎/斗南有吉/波多野狂夢/蒼井雄/左頭弦馬)
    ( ぷろふいる 1934.11.(1934.10.(A〜D),11.(E〜H)) )
    『蒼井雄探偵小説選』 論創社・論創ミステリ叢書54 2012.08.10
     (A、監禁者の脱出:ニューヨーク、アランデル銀行重役連殺人容疑者グルクハイマーが監禁されていた自宅から逃亡し、マックネイル警部と検事が追跡調査を開始する。)(B、谿谷の惨死体:グルクハイマーの死体が渓谷から発見されホプキンス検事とマックネイル警部とグレーブス探偵が駆けつける。)(C、探偵局報告書:毒殺されてから落されたらしく、所持品にはアルゼンスタイン名義の預金證券、ミツナー弁護士宛の手紙と独逸マイケル探偵局の報告書があった。) (D、古小屋に残る謎:鉱夫の訴えと自動車跡から古い山小屋を調査、グルクハイマーともう一人の足跡がり、食事痕とハンカチを発見した。)(E、縺るる端緒:監視警官、執事、自動車工場主スミス、ミツナー弁護士の訊問と検剖報告書。)(F、蜘蛛手十文字:アランデル銀行主の訊問と脅迫者林鳳鳴、証拠品の盗難。)(G、絞られた網:グレーブス探偵、ホプキンス検事のまとめと新たな報告による犯人指摘。)(H、輝く十字架:犯人の告白書。)
     京都探偵倶楽部にて創案し分割執筆したとのこと。何より手懸りがあからさますぎる事が痛い。結果論だが冒頭を死体発見場面からにし、あからさまな部分を後で判明したとするだけでも良くなったと思う。細部の連絡不徹底でいきなり感もあるが。H部分は告白書で犯行動機と行動を主としたもので矛盾はなさそう。しいていえば、でした、あります調が書としては気になる程度。
  14. 「仮装舞踏会の殺人(探偵劇)」
    ( ぷろふいる 1935.02. )
  15. 「花の匂ひから」
    ( 探偵文学 1935.07. )
     病床の女流作家藤友朱美枝は同棲の愛人千田昌介が舞台女優芦間千夜子からだとヘリオトープの花束を出され脅える。二ヶ月前、昌介の温室書斎でヘリオトープの匂いを嗅いで病床につくようになっていた。二年前、作家の鵜飼雄一と同棲していた朱美枝は紀美子への嫉妬で温室書斎で雄一を殺したが自殺という事になっていた。ヘリオトープの匂い、血の匂い……。
     犯罪物語。遡っていく時系列やヘリオトープなど悪くはないのだが、迫力に欠ける。または詩情に欠ける。文体によるのだろうか。
  16. 「幻の詩(詩)―小栗虫太郎氏を讃う―」
    ( 探偵文学 1935.10. )
    『二十世紀鉄仮面 昭和ミステリ秘宝』小栗虫太郎 扶桑社文庫(S04-02) 2001.02.28
     霧の中に描く幻。脳髄を蝕む白蟻。聖アレキセイ寺院の鐘。
     ノーコメント。
  17. 「古典犯罪夜話」
    ( ぷろふいる 1936.01. )
  18. 「白骨揺影(コント)」
    ( ぷろふいる 1936.09. )
     二十の秋、自殺しようと山奥の池へ来ると白骨が映り……。
     夏のコント特集。オチ自体は良いかも。
  19. 「嘘の町」
    ( 探偵文学 1936.09. )
     S町は嘘つき町で欺され惨々な目にあった。秋の昼間、M電鉄S町の車掌の声で降りると一つ手前の駅だった。歩きまわりやっとS駅から友人の家へ行く途中にある喫茶店パロマに着く。さらに歩いていくと通り過ぎたパロマが。中に入ると、そして追われて逃げる。そして再び……。
     不条理ファンタジー風作品。悪くはないのだが、ありがちの話の組み合わせのような感じもする。
  20. ほか「双生児綺譚」左頭弦之介 探偵 1931.09.も同一人物の可能性があるが不明



      随筆など

  1. 「(ざっくばらん)」
    ( 猟奇 1932.01. )
  2. 「(れふき・あぱあとめんと!)(一言欄)」
    ( 猟奇 1932.01.,02.,04. )
     略。
  3. 「(ざっく★ばらん)」
    ( 猟奇 1932.02. )
  4. 「筆者の言葉(「花を踏んだ男」)」
    ( ぷろふいる 1933.07. )
     好きな探偵作家は古典。ゆとりある芸術味ある探偵小説を書きたい。
  5. 「(談話室)」
    ( ぷろふいる 1933.07. )
  6. 「探偵劇断想」
    ( ぷろふいる 1933.12. )
     目を通した脚本リスト、25作品。「女優奈々子の裁判」(小林宗吉)「淡路の国から来た母」(同)「この殺人を見よ」(同)「名工の死」(島村民蔵)「龍門党異聞」(小酒井不木)「真夏の殺人」(大下宇陀児)「代理殺人」(長谷川伸)「黒手組」(江戸川乱歩)「仮面の男」(平林初之輔)「四本指の男」(甲賀三郎)「鉄槌王」(松本泰訳)「恐ろしき実験」(同)「或る結末」(本田緒生)「アルセーヌ・ルパン」(ルブラン)「暴れ狂うう夜」(二宮行雄)「有罪? 無罪?」(伊藤松雄訳)「叔父殺し事件」
  7. 「編輯後記」K・S(推測)
    ( ぷろふいる 1934.05. )
  8. 「銀閣寺便り(編輯後記)」G・S(推測)
    ( ぷろふいる 1934.06.〜12. )
  9. 「神戸探偵倶楽部寄せ書」
    ( ぷろふいる 1934.10. )
     殺人動機の肯定出来ぬ探偵小説の不快さ!
  10. 「編輯後記」
    ( ぷろふいる 1935.01.,03. )
  11. 「新しき航海図―ある手紙の一節―」
    ( 月刊探偵 1936.02. )
  12. 「煙の中」
    ( 月刊探偵 1936.07. )
  13. 「メリイ・ラインハート追跡」
    ( 新評論 1936.08. )
  14. 「お問合せ(直木賞記念号の読後感と最近読んだ小説の感想)」
    ( シュピオ 1937.06. )
     愉しめる一冊だった。シメノンニ三冊読んだ位でほかは江戸期の雜書類を雑読。
  15. ほか「月評」砂糖をなめる男 ほか 真珠 1947.04.〜1948.08.も同一人物の可能性がありそうだが不明



      参考文献

  1. 「靴の裏――若き日の交友懺悔」光石介太郎
    幻影城 1976.02.
    『光石介太郎探偵小説選』 論創社・論創ミステリ叢書67 2013.09.20
  2. 「名編集長交遊録・九鬼紫郎」
    EQ 1990.11.
    『こんな探偵小説が読みたい』鮎川哲也 晶文社 1992.09.15
    『幻の探偵作家を求めて 完全版(下)』鮎川哲也、日下三蔵編 論創社 2020.05.10
  3. 「子育てに『黒死館』創作の秘密を見た・小栗虫太郎」
    『鮎川哲也と十三の謎'90』 東京創元社 1990.12.20
    『幻の探偵作家を求めて 完全版(下)』鮎川哲也、日下三蔵編 論創社 2020.05.10
  4. 「総目次」「作者別作品リスト」山前譲
    『「ぷろふいる」傑作選 幻の探偵雑誌1』ミステリー文学資料館編 光文社文庫(み-19-01) 2000.03.20
    『「シュピオ」傑作選 幻の探偵雑誌3』ミステリー文学資料館 光文社文庫(み-19-03) 2000.05.20
    『「猟奇」傑作選 幻の探偵雑誌6』ミステリー文学資料館編 光文社文庫(み-19-06) 2001.03.20
  5. ほか



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