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多々羅四郎 作品

Since: 2004.11.15
Last Update: 2023.02.19
略年譜 - 小説 - 随筆 - 著書
作品小集(別ページ)

      多々羅四郎(たたらしろう)略年譜

    1885.11.03(明治18年)  仙台に生まれる。本名は大内兆
    19xx.xx.  仙台医学専門学校医学科卒業後、県立病院で小児科、日本赤十字社で内科を学ぶ
    1911.〜  北海道私立庄司病院、町立寿都病院、雨龍村医、中富良野にて開業
    19xx.〜  短歌、俳句、川柳、狂歌、都々逸などを各誌へ投稿
    19xx.〜  「ほとゝぎす」に唐淵名義、二木鮒三名義の句作などが掲載
    1922.〜1924.頃  古河鉱業の福島県好間鉱業所付属病院長、足尾鉱業所本山病院勤務
    1922,3年頃  新趣味の探偵小説の懸賞に当選(作品、名義不明)
    1925.08.頃  王子で医院を開業
    1926.11.  大衆文藝に「身替り」二木鮒三名義が推薦作として掲載
    1926.12.  大衆文藝に「朔の散歩」二木鮒三名義を掲載
    1928.06.  新鉄道唱歌の公募で一等入選、翌年鉄道省名義で刊行
    1930.03.  第6回「サンデー毎日」大衆文芸に「口火は燃える」が入選
    1936.03.  春秋社書き下ろし長編募集に『臨海荘事件』で2席入選、刊行
    1943.09.04(昭和18年)  脳出血にて死去

    筆名は、多々羅四郎、二木鮒三、大内兆、(大内生)、唐淵、(唐淵生)、大内唐淵、門前雀羅生、(多々羅義四郎)、ほか

      (夢現)は「多々羅四郎 作品小集」で公開しています
      (国DC※)は国立国会図書館デジタルコレクション個人送信(ログイン必要)で公開されています(今後非公開になる可能性もあります)



      小説

  1. 「(懸賞当選作)」 名義不明
    ( 新趣味 1922.or1923. )
     一作のみの候補は、「第三者は?」松下正昌、(「十二時一分」藤田操※新青年にも作品)、「田舎者の財布」小倉真美、「夜半の銃声」黙山人、「破獄囚の秘密」岡村一雄、「国宝盗難事件」沖田不二麿、「謎の化学方程式」貞岡五郎、「蛙の祟」雨宮二郎、「鼠小僧次郎吉」篠原幹太郎、「少年の行衛」伊藤渓水、「伯爵の苦悶」貞岡二郎、「重罪犯人」小野霊月。
     筆名からは 黙山人 が一番該当しそうだがどうだろうか。
  2. 「身替り」 二木鮒三
    大衆文藝 1926.11. (夢現)
     田口幾太郎さんはこちらでしょうか。老人は田口幾造といい、行方不明の息子を探しているのだという。私、戸籍上では死亡している遠山孝治は既に死亡している幾太郎の名を借りているのだ。炭山で働いていた時から。何か対策を考えなければ。
     炭山のようすなどリアル感がある。対策は平凡だが、結末のひねりは余韻を残して味わい深い。 (2004.11.15)
  3. 「朔の散歩(A刑事の打ち開け話)」 二木鮒三
    大衆文藝 1926.12. (夢現)
     昨年の十二月一日。雑司ヶ谷の墓守が殺された事件で怪しい男の跡をつけていきました。医者でした。月に一度の散歩とのことです。同じ日に文学青年の変死事件がありました。仮説をたてて検証していきます。怪しい男も関係があるようですが。
     見込み捜査は宜しくないのでは。淡々とした、私小説風探偵小説とでもいうべき作品か。開業医という職業がよく出ている。医薬分離問題も関係していたのかもしれない。 (2018.05.)
  4. 「口火は燃える」
    ( サンデー毎日 1930.04.06 )(夢現)
     加瀬は卒業論文原稿を盗まれた。家庭教師先の福田多喜子は戸崎と結婚させられるという。幸福から絶望へ。加瀬は坑夫になっていた。そこでは隠された宝の伝説と暗号があった。
     足尾銅山に勤めていた時の経験からの着想か。探偵味を帯びた新小説との事で解明していく過程はほとんど無い。偶然的要素が気になるものの展開は悪くはない。題名の付け方はうまい。 (2018.05.)
  5. 『臨海荘事件』
    ( 春秋社 1936.05.15 )(国DC※)
    幻影城 1977.07.〜08.
     臨海荘というアパートで殺人事件が起こった。鍵のかかった13号室で本野義高が頭を殴られた上、刺殺されていたのだ。死亡推定時刻あたりに義隆を訪れたのは、甥の義夫、声楽家の大枝登、映画女優の秋川澄江の順。市川警部は彼らを尋問し、容疑者はその3人とアパートの管理人の太田耕作、小使の仲居村二郎の5人に絞られてきた。中村刑事の手柄による検挙。単独調査をしていた長瀬老刑事はまだ嫌疑者にすぎないという。数々の謎が解明されずに残っているからだ。そして、新たな事件が発生して一旦捜査はうち切られる事になった。
     春秋社の書き下ろし長編募集2席になった本格長編。1席は蒼井雄の『船富家の惨劇』、同時2席は北町一郎の『白日夢』。犯人に対する伏線は見事。密室を構成した鍵の問題も一部後出しの感もあるが、なかなかよく出来ている。警察のようすや制度によるもの、トリックは時代を加味しなければならないが、古典として読む分には海外の本格黄金期のように今でも十分に通用する。物語的には淡々としており、面白みに欠けるのが難ではあるが、逆にいえば扇情的でなく、当時としては類を見ない本格のみに徹した作品ともいえる。 (2004.11.15)



      随筆

  1. 「公傷患者の憤怒 殺人奇譚(随筆特集)」 二木鮒三
    ( 大衆文藝 1927.06. )(夢現)
  2. 「赤城山行 旅の思ひ出(随筆特集)」 二木鮒三
    ( 大衆文藝 1927.07. )(夢現)
  3. 「作者の言葉」
    ( サンデー毎日 1930.04.06 )(夢現)



      随筆読物・句・医学関係論文など

  1. 「門前雀羅」 大内唐淵
    ( ホトトギス 1926.02. )(夢現)(国DC※)
  2. 「雀羅庵隨筆」 唐淵
    ( 日本医事新報 1926.05.23〜06.13 )(夢現)
  3. 「新鉄道唱歌 奥羽線」 大内兆(作詞)(野口雨情(閲及修正)?)
    ( 大阪毎日新聞、東京日日新聞 入選者発表 1928.06.23 )
    『新鉄道唱歌 第九輯 奥羽線』鉄道省 大阪毎日新聞社、東京日日新聞社 1929.04.28 (夢現)
    ( 『皇国新地誌 教育資料奥羽編』北垣恭次郎 明治図書 1929.04.30(国) )(国DC※)
    ( 『鉄道と児童』 仙台鉄道局 1929.11.28 )(国DC)
    ( 『歌でつづる鉄道百年』高取武編、鉄道ピクトリアル補 鉄道図書刊行会 1968.04. )
    ( 『新鉄道唱歌』鉄道省 国書刊行会 1987.06. )
    ( 『鉄道唱歌 増訂版』 野ばら社 2000.06. )
    『鉄道唱歌』 野ばら文庫 2010.10.14
    ほか
  4. 「季重りについての考察」 唐淵
    ( 雲母 1932.03. )
  5. 「(?)」 大内唐淵
    ( 彩雲 1932.05.〜1935.08.?随時 )
  6. 「雲母の連作俳句について」 唐淵
    ( 雲母 1933.07. )
  7. 「俳人松村蒼石」 唐淵
    ( 雲母 1934.05.,06. )
  8. 「説苑 身辺噂話」 門前雀羅生
    ( 日本医事新報 1934.07.28 )
  9. 「趣味講座 俳句を語る」 大内兆
    ( 日本医事新報 1934.10.06 )(夢現)
  10. 「説苑 不思議な話」 門前雀羅生
    ( 日本医事新報 1935.03.02 )
  11. 「湯治日記 随筆」 唐淵
    ( 雲母 1935.09. )
  12. 「俳句の新興運動に関聯して表はれたる二三の問題と我らの進むべき道を闡明にす」 唐淵
    ( 雲母 1936.01.〜03. )
  13. 『医者のからくり』 大内兆
    ( 東京パンフレツト社 1936.02.10 )(国DC※)
  14. 「榴紅堂断想」 唐淵
    ( 雲母 1936.05.,06. )
  15. 「(近詠)?」 唐淵大内兆
    ( 日本医事新報 1936.07.21? )
  16. 「初夏の頃」 唐淵大内兆
    ( 日本医事新報 1937.08.xx )
  17. 「新年五句」 唐淵大内兆
    ( 日本医事新報 1938.01.xx )
  18. 「中陰雑記」 唐淵
    ( 雲母 1938.07. )
  19. 「石 随筆」 唐淵
    ( 雲母 1940.09. )
  20. 「随想 無医村談義」 大内兆
    ( 日本医師会雑誌 1941.03. )(夢現)(国DC※)
  21. 「猫 随筆」 唐淵
    ( 雲母 1941.11. )
  22. 「山陵巡拝記」 唐淵
    ( 雲母 1942.01.〜09. )
  23. ほか


  1. 「(俳句)」 唐淵
    ( 層雲 1913.02.,03.,06.,11.,1914.01.,04.,06.,08.,11.ほか? )(夢現)(国DC※)
  2. 「湯別へ」 唐淵
    ( 層雲 1913.11. )(夢現)(国DC※)
  3. 「(俳句)」 唐淵
    ( 懸葵 1915.03.,04.,08.,12.,1916.01,03..〜05.ほか? )(夢現)(国DC※)
  4. 「歌棄行」 唐淵
    ( 懸葵 1915.05. )(夢現)(国DC※)
  5. 「北海道より(消息集)」 唐淵
    ( 海紅 1915.11. )
    「鰊場から(消息集)」 唐淵
    ( 海紅 1916.04. )
    「寳S録(自己紹介)」 唐淵
    ( 海紅 1916.06. )
    「(俳句)」 唐淵
    ( 海紅 1916.10.(一句),1917.01.(一句) )
    「寿都から(消息集)」 唐淵
    ( 海紅 1916.11. )
    「後志より(消息集)」 唐淵
    ( 海紅 1917.06. )
     ※「「海紅」総目録」栗田靖、林幸子 東海学園国語国文9号、10号 1976.03.,09より(国DC※)
  6. 「(俳句)」 大内唐淵
    ( ホトトギス 1923.05.,1924.10.,11.,1926.04,11.,1930.09.ほか? )(夢現)(国DC※)
    ( 新盆〜『新撰例句簡明歳事記』里見禾水編 大文館書店 1934.03.05 )(国DC※)
    ( 新盆〜『俳諧歳時記』袖岳楼卉洲編 成光館書店 1934.09.11 )(国DC※)
  7. 「(俳句)」 唐淵
    ( 雲母 1929.09.,1931.06.,1936.07.,1940.12.,1941.xx.,1941.12.,1943.10.ほか )
    ( 一部『続現代俳句の批判と鑑賞』飯田蛇笏 角川文庫 1954.11.10 )
    ( 一部「釈 唐淵」松沢昭 雲母 1959.01. )(夢現)(国DC※)
    ( 一部『寒夜句三昧』飯田蛇笏選 雲母文庫刊行会 1962.01.10 )(夢現)(国DC※)
    ( 湖の〜「『雲母』に與ふ」太田鴻村 俳句研究 1934.10. )(夢現)(国DC※)
    ( 兵の妻〜『現代俳句の中心問題』加藤楸邨 交蘭社 1940.03.10 )(夢現)(国DC※)
    ( 河口の月〜『俳句歳時記 秋』平凡社俳句歳時記編集部編 平凡社 1959.09.28 )(国DC※)
    ( 河口の月〜『写真俳句歳時記 秋』横田正知編 現代教養文庫(403) 1963.09.30 )(国DC※)
  8. 「(俳句)」 大内唐淵
    ( 彩雲 1932.05.〜1935.08.?随時 )
    ( 市の空〜『俳句講座8』改造社編 改造社 1934.10.20 )(国DC※)
  9. 「霜柱〜(歳時記掲載)」 唐淵
    初出不明
    ( 『俳句歳時記 冬』山本三生編 改造社 1933.10.22 )(国DC※)
    ( 『新歳時記』高浜虚子編 三省堂出版 1934.xx. )
    ( 『新俳句歳時記4冬の部』山本健吉編 光文社・カッパ・ライブラリー 1961.11.07. )(国DC※)
    ( 『写真俳句歳時記 冬』横田正知編 現代教養文庫(404) 1962.11.30 )(国DC※)
    ( 『新俳句歳時記4増補改訂版』山本健吉編 光文社・カッパ・ブックス 1964.09.20 )(国DC※)
    ( 『生活歳時記』樋口清之監修 三宝出版 1978.01. )(夢現)
    ( ほか )
  10. 「(俳句)」 大内唐淵
    ( 俳句研究 1935.09.,1937.09.,1938.02.,1939.08.,1940.03.,1940.11.,1941.10.,1941.12 )(夢現)(国DC※)
  11. 「(その他の俳句)」 大内唐淵
    ( 『新版現代俳家人名辞典』素人社編 素人社書屋 1932.05.01 )(夢現)(国DC※)
    ( 『現代俳人名彙』俳句月刊社編 素人社書屋 1934.01.01 )(夢現)(国DC※)
    ( 『新版現代俳人名彙』素人社編 素人社書屋 1935.12.25 )(夢現)(国DC※)
    ( 『最新俳句歳事記 冬』素人社書屋編 素人社書屋 1935.12.25 )(夢現)(国DC※)
    ( 『年刊俳句集 昭和9年版』高木蒼梧編 隆章閣 1934.04.21 )(夢現)(国DC※)
    ( 『ホトトギス派俳句年鑑 昭和8年度』稲田都穂編 ホトトギス派俳句年鑑刊行会 1935.05.20 )(夢現)(国DC※)
    ( 『俳句年鑑 昭和19年』日本文学報国会編 桃蹊書房 1944.02.10 )(夢現)(国DC※)
    ( 『俳句歳時記』青柳菁々編 増進堂 1949.04.05 )(夢現)(国DC※)
    ( ほか )
  12. ほか


  1. 「異常高熱ノ臨床的実験(ヒステリー性熱)」 吉本清太カ、大内兆
    ( 神経学雑誌 1910.07. )(国DC※)
  2. 「説苑 健康保険医療給付に於ける二剤主義を提唱す」 大内兆
    ( 日本医事新報 1927.07.〜08. )
  3. 「食慾催進剤エデラ応用治験例」 大内兆
    ( 治療薬報 1927.09.15 )(国DC※)
  4. 「懸賞診断回答発表に対する意見」 大内生
    ( 日本医事新報 1927.12.17 )
  5. 「テトロドキシンの奇効を奏せる吃逆の一例」 大内兆
    ( 治療薬報 1928.02.01 )(国DC※)
  6. 「誌上臨床新問題及解答」 大内
    ( 日本医事新報 1929.11.02,11.16 )
  7. 「説苑 生命保険診査に於ける囑託医の地位向上に就て」 多々羅義四カ
    ( 日本医事新報 1930.03.01〜03.08 )
  8. 「サンカール礼讃」 大内兆
    ( 治療薬報 1930.09.01 )(国DC※)
  9. 「アクトコールを用ふべし」
    ( 最新治療 1933.06. )
  10. 「二等当選論文」 大内兆
    ( 日本医事新報増刊 1934.06. )
  11. 「懸賞論文執筆感想」 大内兆
    ( 日本医事新報増刊 1934.06. )(夢現)
  12. 「説苑 国民保険関心録」 大内兆
    ( 日本医事新報 1934.11.10〜11.17 )
  13. 「一二の問題」 大内兆
    ( 健康保険医報 1936.01.05 )(国DC※)
  14. 「苑説 健保漫談」 大内兆
    ( 日本医事新報 1936.02.15 )
  15. 「医育調節」 大内兆
    ( 中部日本医事 1936.07. )
  16. 「苑説 国民健康保険の実現性と開業医の覚悟」 大内兆
    ( 日本医事新報 1936.07.11 )
  17. 「先覚者は斯く云ふ」 大内兆
    ( 関西医界時報 1936.07.22 )(国DC※)
  18. 「開業医制度の再吟味と国民健康保険に対する一二の希望」 大内兆
    ( 健康保険医報 1937.01.05 )(国DC※)
  19. 「国民健康保険に於ける事業代行機関の問題」 大内兆
    ( 健康保険医報 1937.01.25 )(国DC※)
  20. 「不正請求根本的矯正法として定額式報酬制と巡視員制度の提唱」 大内兆
    ( 健康保険医報 1937.02.15 )(国DC※)
  21. 「三方への希望」 大内兆
    ( 日本医事新報 1937.12.xx )
  22. 「廩疽とTherapol」 大内兆
    ( 第一時報 1940.01. )
  23. ほか



      著書

  1. 『新鉄道唱歌 第九輯 奥羽線』 鉄道省 大阪毎日新聞社、東京日日新聞社 1929.04.28
     ※応募曲とのみで大内兆(東京府)作詞の記載なし
    「第1番〜第47番」
  2. 『医者のからくり』 大内兆 東京パンフレツト社 1936.02.10 (国DC※)
    『医者のからくり』
  3. 『臨海荘事件』 春秋社 1936.05.15 (国DC※)
    『臨海荘事件』/小冊子「探偵春秋3号」(△「『臨海荘事件』所感」江戸川乱歩)




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