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渡辺文子 作品 |
Since: 2022.01.08 Last Update: 2024.08.18 |
略年譜 - 探偵小説 - 随筆・実話 - 一般小説 - 随筆・記事 - 著書 |
1906.03.06(明治39年) 横浜市にて病院長の娘として生まれる
192x.xx. 日本女子商業、日進英語、アテネ・フランセなどに通う
1929.02. ブラジルに渡り、リオのコレジオ・バチスタに三年間通う
1931.04. 「第二の復讐」が新青年に掲載される
1932.09. 「地獄に結ぶ恋」が新青年に掲載される
1932.xx. 帰国、海外興業株式会社の雑誌『移民地事情』の編集に携わる。
1932.〜1935.頃 キング、日の出、令女界、若草、婦人サロン、其他の雑誌に随筆、雑文、中南米の文学紹介を書く
1935.10. 再度ブラジルに渡り結婚、北島姓に
1946.〜 ブラジルの日本語雑誌や新聞(南米時事、新世紀、よみもの、パウリスタ新聞、等)に寄稿。時折日本の諸雑誌に寄稿
1964.07. 『北島府未子作品集』刊行
1964.xx.(昭和39年) サンパウロにて死去
注)作品以外は『コロニア小説選集1』の略歴、『北島府未子作品集』の略歴による
筆名は、渡辺文子、(渡邊文子)、北島文子、北島フミ、北島府未子
(国DC※)は国立国会図書館デジタルコレクション個人送信(ログイン必要)で公開されています(今後非公開になる可能性もあります)
(B移民)はブラジル移民文庫でインターネット公開されています
( 新青年 1931.04. ) 『りお・で・じゃねいろ巷夜譚』渡邊文子 東都我刊我書房 2023.04.28 |
私ジョーナスと彼アルフレッドはサンパウロ法科大学で蹴球団ドラゴンクラブのメンバーだった。私は純粋なブラジル人で彼は白人。彼と私は富豪ゴンサルヴェスの舞踏会に招かれ娘のニイナに恋する。ゴンサルヴェス夫人はフランス人で白人びいきだった。ニイナの心はわからない。サンタ・アマロー湖で見た光景、グループでの登山、そして死。アラビアの女、そしてまた……。 |
簡単なトリックと思い込みによる話。列車のところは省略され過ぎているのか、よくわからない。ブラジルを舞台に独特なところがあるのは面白い。 |
( 植民 1932.02. )(国DC※) 『りお・で・じゃねいろ巷夜譚』渡邊文子 東都我刊我書房 2023.04.28 |
サンパウロ、製菓会社社長兼支配人の私小牧貞三。趣味は葉巻。印度にいた時の部下高木が来た。私は高木を送るが気分が悪く風にあたるという事で車を降りた。帰宅するとすぐ、警察が来て毒殺のかどで逮捕されてしまう。面会に来たリオの法医学者志望の青年田邊文吉は私の話を聞いて……。 |
癖と好物を利用したところ、後出しだが論理的であろうところ、名探偵趣味的なところは好感がもてる。 |
( 植民 1932.07.〜08. )(国DC※) 『りお・で・じゃねいろ巷夜譚』渡邊文子 東都我刊我書房 2023.04.28 |
新世界丸船長島田はブエノスアイレスからリオデジャネイロに向う船で女医高村ふみねに心を奪われる。サンパウロ郊外のサンタ・アマーロ湖でのひととき。彼女は研究が発表され学位が取れた時にというが……。 |
復讐譚という事で筋自体は予測ができてしまうが、手法とひねりが効いていて良作。 |
( 新青年 1932.09. ) 『「新青年」傑作選 幻の探偵雑誌10』ミステリー文学資料館編 光文社文庫(み-19-09) 2002.02.20 |
桂田宏より中津川秋子への手紙。税所四郎と尾山美恵子は心中とされているが、あなたにとって一石二鳥の殺人だった。塩酸ストリキニーネによる死と残された遺書。中津川秋子より桂田宏への手紙……。 |
薬の件は面白い。処方箋というのも経歴を考えれば納得できる気もする。題名も含めて予想外の結末。 |
( 探偵クラブ 1932.10. ) |
( ブラジル 1933.01. ) 『りお・で・じゃねいろ巷夜譚』渡邊文子 東都我刊我書房 2023.04.28 |
大晦日のリオ、あと一時間で二十五歳も終ろうとする山下彌二郎君。珈琲店で二人の婦人が癪にさわって飛び出したところ若い女性と出会いがしらにぶつかり……。 |
コント。テンポ良く比喩が面白い。筋自体はありがちな話。確かにOCRからの校正モレで止まるところもあるが、発掘紹介自体ヨシという事で。ミスや不統一は私も多く、人の事は言えない。 |
( 新青年 1933.02. ) 『竹中英太郎(三)エロ・グロ・ナンセンス』末永昭二編 皓星社・挿絵叢書3 2016.11.01 |
森越さん宛の手紙。女学校時代に出会い、次第に愛するように、同時に憎むようになりました。親の仇の娘。同性の恋。恋人の死……。 |
淡々と出来事を積み重ねていくのは良い感じ。逆に感情面は弱くなっている。ラストはリドルストーリーのようでもある。勘ぐれば、下の名でなく結婚前の姓になっているのも意味があるのかもしれない。 |
( 新青年 1934.03. ) |
旅行案内会社仏語係の新参社員金吉君は美声の女性からの電話に応対していた。うい、まむぜる……。代議士の伯父宗団平がフランスへ洋行すると現れる。インテリ女給みね子からはフランス語を習いたいといわれる。あんとあんぬ・ねう゛いゆ嬢とは私信も交すようになる。伯父の送別で……。 |
コント。オチは予想できるもののテンポ良い文体で面白い。 |
( よみもの 1949.02. ) ( 『北島府未子作品集』 日系出版社(パウリスタ印刷) 1964.07.31 )(B移民)(国DC※) |
ブラジル移民船まにら丸に領事として赴任する山北清蔵とみね子夫人と子供が乗っていた。英領ダーバンでは上陸禁止だったが夫人と子供は上陸する。監視管ウイリアムスンが乗り込んできて山北氏に面談、そこに夫人が現れると監視管は態度を変える。夫人は夫人で、北山氏は北山氏で事態の収拾を図ろうとするが……。 |
語り手が誰なのか不明で伝聞実話かもしれない。移民船の様子はさすがにリアルに思われる。事件自体はコント風の味わいがある。 |
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