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山下利三郎 作品

Since: 2019.06.09
Last Update: 2024.07.21
略年譜 - 小説 - 随筆 - 著書

      山下利三郎(やましたりざぶろう)略年譜

    1892.xx.xx(明治25年)  四国生れ、京都育ち
    1922.12.  「誘拐者」が新趣味の懸賞に入選、掲載
    192x.  この頃、絵を描き画商を営み額縁屋とも言われ自称する
    1923.04.  「頭の悪い男」を新青年に乱歩や泰と同時掲載される
    1927.08.  探偵・映画を京都探偵趣味の会代表として共同編集する
    1952.03.25(昭和27年)  死去

    筆名は、山下利三郎、山下平八郎、(平八郎)、(徳田利郎)

      (国DC)は国立国会図書館デジタルコレクションでインターネット公開されています
      (国DC※)は国立国会図書館デジタルコレクション個人送信(ログイン必要)で公開されています(今後非公開になる可能性もあります)
      (青空)は青空文庫でインターネット公開されています



      探偵小説

  1. 「誘拐者」 [春日]
    ( 新趣味 1922.12. )
    『「新趣味」傑作選 幻の探偵雑誌7』ミステリー文学資料館編 光文社文庫(み-19-07) 2001.11.20 (青空)
    『山下利三郎探偵小説選1』 論創社・論創ミステリ叢書27 2007.06.20
     綿布問屋新田善兵衛の娘ゆき子が誘拐された。娘の机の引き出しから現れた脅迫状。依頼を受けた春日と助手兼秘書の渡辺が調べていくと。
     それなりに推理をしているが推測があたったとしか読めない。短いため、多くの傍証ばかりで決め手に欠ける。 (2018.07.)
  2. 「詩人の愛」 [春日]
    ( 新趣味 1923.02. )
    『山下利三郎探偵小説選1』 論創社・論創ミステリ叢書27 2007.06.20
     天才詩人明石古堂は久代との婚約を破棄した。春日と渡辺はその理由を探る。
     それなりに推理をしているが後出し説明が主になっている。短い中、詰め込み過ぎの感は否めない。 (2018.07.)
  3. 「おめがねちがひ」
    ( ポケット 1923.02. )※3
     ※淑女画報広告よりとのこと
  4. 「頭の悪い男」 [吉塚亮吉]
    ( 新青年 1923.04. )
    『創作探偵小説選集 一九二五年版』探偵趣味の会編 春陽堂書店 1926.03.20/復刻版 1994.04.10 (国DC※)
    『山下利三郎・川田功集』 改造社・日本探偵小説全集15 1930.01.10 (国DC)
    幻影城 1976.07.
    『山下利三郎探偵小説選1』 論創社・論創ミステリ叢書27 2007.06.20
     吉塚亮吉は記憶にない男から呼び止められ、座敷に招待されたあげく帰りには大金を受け取ってしまう。夕刊に載っていた事件の犯人だろうか。
     ユーモア感ある作品。まとまってはいるが、亮吉が頭の悪い男とは思えない。小市民か。 (2018.07.)
  5. 「君子の眼」
    ( 新趣味 1923.05. )
    『山下利三郎探偵小説選1』 論創社・論創ミステリ叢書27 2007.06.20
     鼠である。妾宅に研ぎ屋が来る。間男が来る。旦那が来る。妾が殺される。捜査が始まる。鼠は知っていたのだが。
     鼠の視点で捜査を皮肉った話。鼠視点で捜査するわけではない。 (2018.07.)
  6. 「小野さん」
    ( 新青年 1923.07. )
    ( 『小奈祇の亡魂』 サンデーニュース社探偵趣味叢書3 1926.06.xx )
    『山下利三郎・川田功集』 改造社・日本探偵小説全集15 1930.01.10 (国DC)
    『山下利三郎探偵小説選1』 論創社・論創ミステリ叢書27 2007.06.20
     小野さんは巡査になった。事件は起きず刑事的手腕を発揮する機会もなかった。ある晩、争闘する声を聞き駆けつけるが跡が残っていただけだった。拾った反故紙には不穏な文章が。声の主をみつけつけていくと。
     ユーモア感ある作品。途中は面白味があるがオチは平凡。 (2018.06.)
  7. 「夜の呪」 [春日]
    ( 新趣味 1923.07. )
    『山下利三郎探偵小説選1』 論創社・論創ミステリ叢書27 2007.06.20
     熊谷工学士は夜、家で寝ているところを間一髪助かった。妻玻瑠子は寝室に倒れていた。春日と渡辺が依頼を受けて調査すると。
     アンフェアな代表例。ミスディレクションもアンフェア。 (2018.07.)
  8. 「或る哲学者の死」 (「ある哲学者の死」)
    ( 新青年 1923.11. )
    『新進作家集』 平凡社・現代大衆文学全集35 1928.12.01 (国DC※)
    『山下利三郎・川田功集』 改造社・日本探偵小説全集15 1930.01.10 (国DC)
    『山下利三郎探偵小説選1』 論創社・論創ミステリ叢書27 2007.06.20
     多種多様の人々が集う社交団。哲学者中林は復讐は遺伝するという。医師佐竹は否定する。中林は首つりは詩になるという。美術家杉山は画にならないという。佐竹は苦痛は一瞬だという。春、中林が首つり自殺をしたという。軍人の兄が佐竹に謝罪を求めるが。
     このような話はおもしろい。二転三転し、齟齬があっても許される。最初と最後が繋がるのも良い。 (2018.07.)
  9. 「裏口から」
    ( 新青年 1924.06. )
    ( 『小奈祇の亡魂』 サンデーニュース社探偵趣味叢書3 1926.06.xx )
    『新進作家集』 平凡社・現代大衆文学全集35 1928.12.01 (国DC※)
    『山下利三郎・川田功集』 改造社・日本探偵小説全集15 1930.01.10 (国DC)
    『山下利三郎探偵小説選1』 論創社・論創ミステリ叢書27 2007.06.20
     年の瀬。信仰にすがっても次男は亡くなり職も金もない弁吉。酔って通りかかった家の裏木戸が開いていた。注意しようと入ると勝手口も開いていた。誰もいないようだ。手提げ金庫か。
     見方によって神は存在しないとも存在するともいえる。 (2018.07.)
  10. 「温故想題」
    ( 探偵趣味 1925.09. )
    ( 『小奈祇の亡魂』 サンデーニュース社探偵趣味叢書3 1926.06.xx )
    『山下利三郎探偵小説選1』 論創社・論創ミステリ叢書27 2007.06.20
     夫が投げ出した空の蟇口。一隅に小さく畳んだ十円紙幣を見つけた妻は蚊帳を買うが。
     コント。最終的には痛み分けになるのか。 (2018.07.)
  11. 「小奈祇の亡魂」
    ( 『小奈祇の亡魂』 サンデーニュース社探偵趣味叢書3 1926.06.xx )
    『山下利三郎探偵小説選2』 論創社・論創ミステリ叢書28 2007.07.20
     巳の日の蛇酒の招待状に出掛けた私。目隠しをされて連れていかれたのは王宮か宮殿か。そこで開かれた鐘木午吉の裁判。現れた午吉に虐待されたのは妻の小奈祇の亡霊か。
     怪奇小説か猟奇小説か綺譚か。巳の日の蛇酒の意図は不明。大仰な割にいいかげんな裁判、明かされたようで明かされていない背景事情。考えられた文章描写であるが逆にあいまいな描写にしか感じられない。 (2018.10.)
  12. 「第一義」 [吉塚亮吉]
    ( 新青年 1926.08. )
    『新進作家集』 平凡社・現代大衆文学全集35 1928.12.01 (国DC※)
    『山下利三郎・川田功集』 改造社・日本探偵小説全集15 1930.01.10 (国DC)
    『山下利三郎探偵小説選1』 論創社・論創ミステリ叢書27 2007.06.20
     吉塚亮吉は生徒に体罰を加えた事で校長にただされて遂には辞表を提出する。教員生活は報いられることのない縁の下の力持ち。犠牲的精神を第一義に生き、第一義に死ぬ。自動車事故から子供を救った亮吉は夜、学校に戻ると。
     現実と妄想。些細な事でこれまでの事が狂ってくるという事か。今も昔も、近頃の子供は、である。 (2018.07.)
  13. 「藻くづ」
    ( 新青年 1926.11. )
    『創作探偵小説選集 一九二六年版』探偵趣味の会編 春陽堂書店 1927.02.10/復刻版 1994.04.10 (国DC※)
    『山下利三郎・川田功集』 改造社・日本探偵小説全集15 1930.01.10 (国DC)
    『山下利三郎探偵小説選1』 論創社・論創ミステリ叢書27 2007.06.20
     浪漫家は自分の生活を劇化し生活をより楽しいものにさせる。川上茂樹は女性が無節操で無気力な事はないと縁談が契機となって継母から逃れるように自殺した志津子の話をしてきた。
     見方によって推論は異なる。趣旨は良いが結末も一つの可能性でしかないのが残念。 (2018.07.)
  14. 「模人」
    ( 探偵趣味 1926.12. )
    『山下利三郎探偵小説選1』 論創社・論創ミステリ叢書27 2007.06.20
     幾年か将来の闘争。Sは模人操作捍を動かしTに対峙する。
     依頼して当日出来上がる本人そっくりなアンドロイドは100年後でも無理、とは思えなっかったのだろう。代理かどうかは問題視されない。フェアであるより不公平への不満しかないのが面白さをなくしている。 (2018.07.)
  15. 「正体」
    ( 探偵趣味 1927.01. )
    『山下利三郎探偵小説選1』 論創社・論創ミステリ叢書27 2007.06.20
     耳の不自由な男が水枕で寝ていると枕元で微震がする。霊だろうか。
     コント。ゴム製の水枕がこの頃からあったとは知らなかった。 (2018.07.)
  16. 「規則違反」
    ( サンデー毎日 1927.07.24 )
    『山下利三郎・川田功集』 改造社・日本探偵小説全集15 1930.01.10 (国DC)
    『山下利三郎探偵小説選1』 論創社・論創ミステリ叢書27 2007.06.20
     臨検にて無免許のはずの吉川が警官に止められず知らせようとした多田が逆に止められた。運のいい奴。
     昔はそのようにして警察に対抗していたのか、と今だから意外性を感じた作品。 (2018.07.)
  17. 「流転」
    ( 探偵趣味 1927.08. )
    『山下利三郎・川田功集』 改造社・日本探偵小説全集15 1930.01.10 (国DC)
    『「探偵趣味」傑作選 幻の探偵雑誌2』ミステリー文学資料館編 光文社文庫(み-19-02) 2000.04.20 (青空)
    『山下利三郎探偵小説選1』 論創社・論創ミステリ叢書27 2007.06.20
     蕗子が殺されたのは僅かな時間の間でした。別れの手紙を置いて旅立つ私だがその手紙を握って絞殺されていました。恋仇の中谷は捕まらず私が十二年の宣告を受け刑に服しました。放浪者は垂見洋鵝の小説のような話を小村静雄に語った。小村は「霙ふる夜」を創作として発表する。
     好きな趣向の作品。文豪垂見洋鵝とは誰かを模した名前だろうか。(青空文庫の垂水は誤変換) (2018.07.)
  18. 「素晴しや亮吉」 [吉塚亮吉]
    ( 新青年 1927.12. )
    『創作探偵小説選集 一九二七年版』探偵趣味の会編 春陽堂書店 1928.01.01/復刻版 1994.04.10 (国DC※)
    『山下利三郎・川田功集』 改造社・日本探偵小説全集15 1930.01.10 (国DC)
    『山下利三郎探偵小説選1』 論創社・論創ミステリ叢書27 2007.06.20
    ( 『幻の名探偵』ミステリー文学資料館編 光文社文庫(み-19-41) 2013.05.20 )
     亮吉の妻女の以前の奉公先の娘の伊都子夫人の夫齋藤氏を見舞いにきた亮吉は不思議な話をきかされる。齋藤氏はふだん素直な馬の秋草が棹立ちになって落とされたのだ。さらに病院では夜、小刀で危うく殺されそうになったが灯りをつけると誰もいなかった。
     伏線もある本格探偵小説に近いがトリック自体は有名な作品と同じ。探偵小説中毒になったというのも伏線なのかもしれないが。 (2018.07.)
  19. 「愚者の罪」
    ( 探偵趣味 1927.08. )
    『山下利三郎・川田功集』 改造社・日本探偵小説全集15 1930.01.10 (国DC)
    『山下利三郎探偵小説選1』 論創社・論創ミステリ叢書27 2007.06.20
     六造は怪しい男に付きまとわれていた。この箱を調べられたら懲役になる。汽車に乗って網棚の上に載せて置き去りにしようとするが。
     皮肉な結末の話。思いつきは悪くないのだが動機が愚者に思われてならない。西へ向かう汽車だったのかもしれないが。 (2018.07.)
  20. 「仔猫と余六」
    ( 探偵趣味 1928.07. )
    『山下利三郎・川田功集』 改造社・日本探偵小説全集15 1930.01.10 (国DC)
    『山下利三郎探偵小説選1』 論創社・論創ミステリ叢書27 2007.06.20
     老師は私に向山事件のことを語り出した。犯罪者の善悪両性を現わしている。事件は、年配の西澤余六が若い妻の鞆尾と暮していたが鞆尾は同年齢ぐらいの松島と仲が良くなり、ついには二人は情死してしまった。その時間、余六は停車場で会った男に猫を預けて町へでかけていた。
     因縁話としてもありきたり。トリックとしてもありきたり。最後の残し託した目的が不明瞭な点に多少余韻が感じられる。 (2018.07.)
  21. 「虎狼の街」
    『新進作家集』 平凡社・現代大衆文学全集35 1928.12.01 (国DC※)
    『山下利三郎・川田功集』 改造社・日本探偵小説全集15 1930.01.10 (国DC)
    『山下利三郎探偵小説選1』 論創社・論創ミステリ叢書27 2007.06.20
     ドクトル佐山は話好きで人気があり現在は立派な病院も建てています。以前、資産家の豊川さんの娘薫の病気をみた事があります。病名はキネマスター憧憬熱。薫はついに京都に行って女優になることを両親に承諾させます。京都で訪ねた先では。
     病名や薫の容姿の描写が面白い。冒頭の佐山先生の行動描写もありきたりだが悪くない。最後の今後に含みをもたせた終わり方も悪くない。展開が早いのと描写の妙でありきたりの内容を補って余りある作品。 (2018.07.)
  22. 「亮吉何をする!」 [吉塚亮吉]
    ( 猟奇 1929.01. )
    『山下利三郎・川田功集』 改造社・日本探偵小説全集15 1930.01.10 (国DC)
    『山下利三郎探偵小説選1』 論創社・論創ミステリ叢書27 2007.06.20
     亮吉の妻の以前の奉公先主家の娘伊都子の夫斎藤氏が馬から落とされて井村病院に入院しているのを見舞いにきた亮吉。斎藤氏は入院中、夜中に殺されそうになったという。病室は人の出入りはできなかったが小刀が落ちていた。亮吉は看護婦に聞くなど調査する。
     トリックは海外有名作品からの借用か。根拠も推測や後出しの域を出て居ない。ユーモア味のあるのが唯一の救いか。 (2018.07.)
  23. 「越中どの三番勝負」 平八郎
    ( 猟奇 1929.02. )
    『山下利三郎探偵小説選2』 論創社・論創ミステリ叢書28 2007.07.20
     寛政年間。老中筆頭松平越中守定信は中山大納言愛親卿と正親町大納言を問責のため江戸へ呼び寄せた。位の低かった光格帝の父に大上天皇の尊号と禄を授けたことが問題になっていた。一行の中には高山彦九郎がいた。定信は五年前にも負けをとっとが今度も。
     尊号一件と勤王思想家の高山彦九郎を直接結び付けた創作裏話。勝負の相手は高山彦九郎と思われるが一番目と三番目の勝負は不詳。 (2018.09.)
  24. 「朱色の祭壇」
    ( 猟奇 1929.07.〜12. )
    『「猟奇」傑作選 幻の探偵雑誌6』ミステリー文学資料館編 光文社文庫(み-19-06) 2001.03.20
    『山下利三郎探偵小説選1』 論創社・論創ミステリ叢書27 2007.06.20
     塩谷村。殺人狂重吉の脱走。高利貸しの権三が殺された。催促に出かけていた妻のおせき。昼に争った三沢養鶏場の信吉は藤尾刑事に取り調べられる。主人三沢為造、家僕の吾作も警察へ連行される。妻のゆきも病に倒れ娘の茂子も八幡宮神官に頼る。殺される前に会っていた繁田村長は重吉に対して自警団を組織する。広瀬老刑事は藤尾刑事に対抗するように独自調査をしていく。祭礼に用いられる御神体は。
     脱走犯が徘徊する中での殺人は一つのパターンといえるが設定が生きているとはいい難い。刑事同士の確執、伝奇的要素、ロマンス、どれをとっても中途半端。犯人もあまり納得できる者とはいい難い。 (2018.07.)
  25. 「「地球滅亡前」」
    『山下利三郎・川田功集』 改造社・日本探偵小説全集15 1930.01.10 (国DC)
    『山下利三郎探偵小説選1』 論創社・論創ミステリ叢書27 2007.06.20
     彼は不思議な男であった。重大な使命があるので。地球の衰亡は免れることができない。人類を移住させてしまうに限る。どのようにして運ぶか。後世のために伝えなければならない。
     広義のSFといえなくもないが実行されるわけではない。当時の考えの一つとしてあったものなのか、作者独自の考えかはよくわからない。オチは脱力。 (2018.07.)
  26. 「横顔はたしか彼奴」 山下平八郎
    ( ぷろふいる 1933.05.〜09. )
    『山下利三郎探偵小説選2』 論創社・論創ミステリ叢書28 2007.07.20
     電気工学の権威、横地亨博士が密室といえる状態で中毒死した。砒素中毒らしい。事件の前には玻璃子夫人、子の比路志、姪の竟子、嵐、女中のしげが一緒にいた時がある。竟子は早見代議士夫人柳子が持ち込んだ縁談を避け東堂勝のもとへ出かけていた。玻璃子の兄の硝子会社社長の岸島啓策がかけつける。砒素はそこから入手されたらしい。警視庁刑事権藤専介の捜査。東堂の調査。そして第二の事件が。
     本格探偵小説。文章の為か人物関係が複雑に思えてしまう。トリックもあり意外性もありデータもや伏線もあるが既視感をおぼえる。物語としては設定は悪くないが題名、人物の背景がみえない文体で損をしていると思えてならない。 (2018.09.)
  27. 「歳末とりとめな記」 山下平八郎[吉塚亮吉]
    ( ぷろふいる 1933.12. )
    『山下利三郎探偵小説選2』 論創社・論創ミステリ叢書28 2007.07.20
     亮吉は兄夫婦の理髪屋を手伝った帰りに非常線にひっかかって警官に訊問される。
     当初は門松に葉牡丹という発想が無かったため意味不明だった。深夜でもあり、他からくすねたと思われたのだろか。よくわからない。 (2018.10.)
  28. 「運ちゃん行状記」 山下平八郎
    ( ぷろふいる 1934.03. )
    『山下利三郎探偵小説選2』 論創社・論創ミステリ叢書28 2007.07.20
     戯曲。自動車運転手の国井照三の妻けい子はデパートへ行くという。助手の荒木と街で客をひろったりしながらデパートまでくると妻らしき人をみかけて追う。店員に問うと警務室へと案内された。
     ト書きは音が主なので舞台ではなくラヂオドラマ用と思われる。会話や場面で説明なので冗長な場面が多く感じられるがテンポもよくユーモア味で救われている。伏線がないので探偵味は希薄。 (2018.09.)
  29. 「見えぬ紙片」 山下平八郎
    ( ぷろふいる 1934.05. )
    『山下利三郎探偵小説選2』 論創社・論創ミステリ叢書28 2007.07.20
     一年前の鶏鳴社長殺害事件の真相を公表する。いつの間にか現れた紙片によって怯えていた東口要一は秘して自宅にいたところを刺殺されていた。発見者は妻の真都子と女中のお鶴。M署の刑事室にいた新聞記者の私は日暮警部の言動から事件を察し追いかける。見つけた血痕。かるたびやと書かれた紙片。流しっぱなしの水道、故障し修理された電話、別居している養子の医学士貞哉、貞哉から去った中江澪子。そしてM署に現れた風来坊の楠見も調査に加わる。
     最後に事件背景の物語が綴られる。血痕や兇器に関するトリック、暗号、アリバイ、紙片に対する疑似密室など平易とも思われる謎を詰め込み過ぎ。人間関係も複雑にしているが、その分各個の描写が浅い。全体として薄く感じられ印象に残り難い。 (2018.09.)
  30. 「野呂家の秘密」 山下平八郎[吉塚亮吉]
    ( ぷろふいる 1935.01. )
    『山下利三郎探偵小説選2』 論創社・論創ミステリ叢書28 2007.07.20
     火葬人夫で多額な財産を持っていた野呂甚八が妾に殺されたらしい。邸宅には誰も入れず、冬次郎のほかに妾が同居していたあとがあったが誰も知らなかった。亮吉は画家の南渓から話を聞く。そして秘密を知った南渓もまた。
     金歯の話などは面白くもあるが、全体的には淡々とした話で亮吉の調査が異常に感じる。警察からの直接情報が無いことなど説明描写には工夫されているようだが逆に勘による解決としか思えない。 (2018.10.)
  31. 「深夜の悲報」 山下平八郎
    ( 探偵文学 1935.12. )
    『山下利三郎探偵小説選2』 論創社・論創ミステリ叢書28 2007.07.20
     戯曲。長屋で病気のお袖、兄の俵吉、松五郎老人。栃木屋へ盗みに入ろうとしたが。
     哀れな話。それだけ。 (2018.09.)
  32. 「羊羹とワッフル」
    ( 面白倶楽部 不明 )
     ※「探偵作家の著書と創作」による



      読物など ※別人(外務書記生の山下利三郎)らしいとのこと

  1. 「ナポレオンの墓守 サンチーニの話」 山下利三郎
    ( 学生 1949.04. )
    『山下利三郎探偵小説選2』 論創社・論創ミステリ叢書28 2007.07.20
     ナポレオンに忠誠を捧げたサンチーニの話。
  2. 「古都アテネ」 山下利三郎
    ( 学生 1949.05. )
    『山下利三郎探偵小説選2』 論創社・論創ミステリ叢書28 2007.07.20
     アテネの廃墟と滞在中の話。



      随筆など

  1. 「探偵問答(アンケート)」
    ( 探偵趣味 1925.09. )
    『山下利三郎探偵小説選2』 論創社・論創ミステリ叢書28 2007.07.20
     探偵小説は芸術/文芸的方向へ/普及する余地/ビーストンほか
  2. 参考「探偵作家の著書と創作(問い合わせ回答より)」
    ( 探偵趣味 1925.09. )
     簡易創作リスト。10編。 ※「羊羹とワッフル」面白倶楽部(年月未記載)の記載があるが見当たらないとの事
  3. 「探偵趣味問答(アンケート)」
    ( 探偵趣味 1925.12. )
    『山下利三郎探偵小説選2』 論創社・論創ミステリ叢書28 2007.07.20
     探偵小説に新運動を望む/短篇は奇矯な構想を洗練された筆で/長篇は人間苦を背景に凄い罪や呪いを
  4. 「つらつら惟記」
    ( 探偵趣味 1926.01. )
    『山下利三郎探偵小説選2』 論創社・論創ミステリ叢書28 2007.07.20
     探偵小説と女性/長篇創作に関して/本田緒生の職業調べには額縁屋と/原稿生活から画家画商へ
  5. 「探偵趣味問答(アンケート)」
    ( 探偵趣味 1926.01. )
    『山下利三郎探偵小説選2』 論創社・論創ミステリ叢書28 2007.07.20
     探偵小説の劇化、映画化は可能。探偵作家が脚色すれば本当の物に。
  6. 「画房雀」
    ( 探偵趣味 1926.02. )
    『山下利三郎探偵小説選2』 論創社・論創ミステリ叢書28 2007.07.20
     探偵小説は滅亡しない。変格派が進歩する。芸術と先入観での価値判断
  7. 「譫言まじり」
    ( 探偵趣味 1926.04. )
    『山下利三郎探偵小説選2』 論創社・論創ミステリ叢書28 2007.07.20
     民間諜報機関の調査は直聴が多い。妹の縁談で兄に聞きにきたので。
  8. 「処女作とか」
    ( 探偵趣味 1926.05. )
    『山下利三郎探偵小説選2』 論創社・論創ミステリ叢書28 2007.07.20
     認められたのは「頭の悪い男」。病床で書き、大詐欺師という題だったのを変えた。嫁入り後は親の権限ではない。
  9. 「取留もなく三つ」
    ( 探偵趣味 1926.06. )
    『山下利三郎探偵小説選2』 論創社・論創ミステリ叢書28 2007.07.20
     兵員が砲具箱の中で死んでいた/探偵小説のたねを売りつけられるが感謝だけにとどめておく/探偵小説作家らしい臭みはなく消火器の外交員に間違えられたこともある
  10. 「五月創作界瞥見」
    ( 探偵趣味 1926.06. )
    『山下利三郎探偵小説選2』 論創社・論創ミステリ叢書28 2007.07.20
     新青年五月号(平林、小酒井、国枝、川田)、創作十篇(持田、久山、平林たい子、水谷、角田、橋本、大下、荒木、谷、城)、探偵文芸五月号(松本、上野、城、古畑、本田)、探偵趣味四五月号(横溝、川田、大下、城、正木、長谷川、川田、夏冬)
  11. 「間と愚痴」
    ( 探偵趣味 1926.07. )
    『山下利三郎探偵小説選2』 論創社・論創ミステリ叢書28 2007.07.20
     間者、警察探偵、素晴らしい探偵小説を/京大の上島君が想像した私、江戸川氏と会談した時の献立と給仕の言
  12. 「逐蠅閑話」
    ( 探偵趣味 1926.08. )
    『山下利三郎探偵小説選2』 論創社・論創ミステリ叢書28 2007.07.20
     国と人と言語、江戸大阪名古屋京都の欧米見立て、模擬国際探偵趣味会議は
  13. 「世間は狭い」
    ( 探偵趣味 1926.10. )
    『山下利三郎探偵小説選2』 論創社・論創ミステリ叢書28 2007.07.20
     日活溝口組撮影との類似、小酒井「感化と模倣」、6月号の合評会経緯と荒木からの説明要求への返答
  14. 「(喫茶室)」
    ( 探偵趣味 1926.11. )
    『山下利三郎探偵小説選2』 論創社・論創ミステリ叢書28 2007.07.20
     当地概況、夏冬繁生、小流智尼、上島路之助、山下利三郎
  15. 「(無題)」
    ( 新青年 1926.11. )
    『山下利三郎探偵小説選2』 論創社・論創ミステリ叢書28 2007.07.20
     サンデー毎日掲載作に一言。「死の技巧」甲賀、「艶書御用心」横溝、「人でなしの恋」江戸川、「ジャッズ泥棒」水谷
  16. 「大正十五年度探偵小説壇の総決算(アンケート)」
    ( 新青年 1926.12. )
    『山下利三郎探偵小説選2』 論創社・論創ミステリ叢書28 2007.07.20
     「躍る一寸法師」江戸川、「安死術」小酒井、「ニッケルの文鎮」甲賀、「広告人形」横溝、「毒二題」城、ルヴェルほか
  17. 「クローズアップ(アンケート)」
    ( 探偵趣味 1926.12. )
    『山下利三郎探偵小説選2』 論創社・論創ミステリ叢書28 2007.07.20
     自作では「ある哲学者の死」にもう少し筆を加えたら一番満足/探偵小説と映画の融和を書きたい
  18. 「クローズアップ(アンケート)」
    ( 探偵趣味 1927.01. )
    『山下利三郎探偵小説選2』 論創社・論創ミステリ叢書28 2007.07.20
     ルパンだったら世界漫遊/ホームズだったら日本で講習する
  19. 「飛躍の年」
    ( 新青年 1927.02. )
    『山下利三郎探偵小説選2』 論創社・論創ミステリ叢書28 2007.07.20
     画期的大作が飛び出してきそう
  20. 「奥丹後震災地より帰りて」
    ( 探偵趣味 1927.05. )
    『山下利三郎探偵小説選2』 論創社・論創ミステリ叢書28 2007.07.20
     現在では北丹後地震と呼ばれている1927年3月7日に発生した被災地の救援活動報告。
  21. 「クローズアップ(アンケート)」
    ( 探偵趣味 1927.05. )
    『山下利三郎探偵小説選2』 論創社・論創ミステリ叢書28 2007.07.20
     最初に読んだのは明治三十六七大阪新報連載「北海熊」/三十年後の探偵小説は刺激欲を満たす物が歓迎される
  22. 「三千年以前の探偵趣味戯曲」
    ( 探偵・映画 1927.10. )
    『山下利三郎探偵小説選2』 論創社・論創ミステリ叢書28 2007.07.20
     仏説観経から。インドのオウシャ大城、アジャセ王子が父ビンバシャラ大王を幽閉したが衰弱しない。

  23. 「編輯後記」
    ( 探偵・映画 1927.10.〜11. )
  24. 「どろどろ漫談」
    ( 探偵・映画 1927.11. )
    『山下利三郎探偵小説選2』 論創社・論創ミステリ叢書28 2007.07.20
     探偵小説が神秘怪異を解こうと努力している。忍者のこと。讃岐京極城下雑賀町の鈴木一門は捕物の名手。
  25. 「クローズアップ(アンケート)」
    ( 探偵趣味 1927.12. )
    『山下利三郎探偵小説選2』 論創社・論創ミステリ叢書28 2007.07.20
     本年の印象に刻まれた作品/ある作家に向かって希望するのは書かなくなった作家の復活と信じんとの対伍
  26. 「おわび」 (京都探偵趣味の会代表)
    ( 探偵趣味 1928.02. )
    『山下利三郎探偵小説選2』 論創社・論創ミステリ叢書28 2007.07.20
     京都探偵趣味の会は雑誌探偵・映画から手を引く。
  27. 「合作長篇を中心とする探偵作家座談会」 江戸川乱歩、国枝史郎、山下利三郎、小酒井不木、長谷川伸、横溝正史
    ( 新青年 1928.02. )
    ( 『叢書新青年 小酒井不木』 博文館新社 1994.04.25 )
    『空中紳士・南方の秘宝 合作探偵小説コレクション3』日下三蔵編 春陽堂書店 2023.03.30
     1927年11月17日名古屋寸楽園に於て。歌舞伎で合作はあるが小説ではない。知恵を出しあい最初に筋を立てる。オーケストラのようなものに。読者が望んでいるのはルパンのようなもの、ナンセンスもの。個人の想像力の限界、実際の事件に因果関係をつけ現実味を。長篇で。同じようなものを書くのは肩身が狭い。批評に関して。褒めること、同情と優越感。作者の陶酔について。翻案と独自性。神秘性。探偵劇。
  28. 「くさぐさ」
    ( 探偵趣味 1928.05. )
    『山下利三郎探偵小説選2』 論創社・論創ミステリ叢書28 2007.07.20
     甲賀三郎と松竹下賀茂に衣笠貞之助監督を訪れた/本田緒生から同人脱会の挨拶があった/雑誌探偵・映画の顛末と投稿に関して。
  29. 「私の好きな一隅(アンケート)」
    ( 猟奇 1928.06. )
    『山下利三郎探偵小説選2』 論創社・論創ミステリ叢書28 2007.07.20
     三条大橋から比叡を眺める時など
  30. 「本田緒生論は断る!」
    ( 猟奇 1928.08. )
    『山下利三郎探偵小説選2』 論創社・論創ミステリ叢書28 2007.07.20
     理由は今後の方向が予測できない。仲間評は仲間褒めになっても致し方ない。京都を用いた時代作品は誤りが多い。でたらめでもおもしろければ良いのか。
  31. 「マイクロフォン 八月増刊「陰獣」を中心として(アンケート)」
    ( 新青年 1928.10. )
    『山下利三郎探偵小説選2』 論創社・論創ミステリ叢書28 2007.07.20
     最初に読んだのは明治三十六七大阪新報連載「北海熊」/三十年後の探偵小説は刺激欲を満たす物が歓迎される
  32. 「私と彦九郎」
    ( 猟奇 1928.11. )
    『山下利三郎探偵小説選2』 論創社・論創ミステリ叢書28 2007.07.20
     自作の映画原作の話。
  33. 「おえらい物語」
    ( 猟奇 1928.12. )
    『山下利三郎探偵小説選2』 論創社・論創ミステリ叢書28 2007.07.20
     探偵小説愛好家の望むものはいろいろあり満足に書けなかった。お偉い雑誌記者が書けというが読まずに紙屑籠へ。猟奇が売れれば助かる。
  34. 「著者自伝」
    『新進作家集』 平凡社・現代大衆文学全集35 1928.12.01 (国DC※)
    『山下利三郎探偵小説選2』 論創社・論創ミステリ叢書28 2007.07.20
     四国の産。京都へ。伯父に嗣がなく山下姓。絵を学び機関弄り、商売。失敗。創作を決心。
  35. 「(れふき・あぱあとめんと!)(一言欄)」
    ( 猟奇 1929.01.,05.,1931.12. )
     日課。(略)。日課。
  36. 「呪ひと怪死」
    ( 猟奇 1929.05. )
    『山下利三郎探偵小説選2』 論創社・論創ミステリ叢書28 2007.07.20
     ツタンカーメンの呪いを種に探偵小説。十年前に国枝史郎が。
  37. 「私の手を握って」
    ( 猟奇 1929.06. )
    『山下利三郎探偵小説選2』 論創社・論創ミステリ叢書28 2007.07.20
     昭和二年十一月、耽綺社創立で名古屋へ。小酒井とは最初で最後だった。
  38. 「作者の言葉(「朱色の祭壇」)」/「読者へのお詫び」/「読者へのお詫び」
    ( 猟奇 1929.06.,xx.,12 )
    『山下利三郎探偵小説選1』 論創社・論創ミステリ叢書27 2007.06.20
     連載は冒険/健康を害し進まぬ筆をお詫び/6回予定が発禁で5回となり筋を縮め概要的になった
  39. 「京都駅を中心とした犯罪研究座談会」 山下平八郎、神谷茂、ほか
    ( ぷろふいる 1933.07. )
  40. 「森下雨村を語る」 山下平八郎
    ( ぷろふいる 1933.09. )
    『山下利三郎探偵小説選2』 論創社・論創ミステリ叢書28 2007.07.20
     京都で、小石川で、会った時の断片。
  41. 「起稿に際して(「運ちゃん行状記」)」 山下平八郎
    ( ぷろふいる 1934.03. )
    『山下利三郎探偵小説選2』 論創社・論創ミステリ叢書28 2007.07.20
     喜劇化に際し諧謔を主とするか探偵味を強調するか、探偵味は希薄で家庭劇に類するかもしれない。
  42. 「グルクハイマー殺し合作と連作 ストーリー工作を見て」 山下平八郎
    ( ぷろふいる 1934.11. )
    『山下利三郎探偵小説選2』 論創社・論創ミステリ叢書28 2007.07.20
     京都探偵倶楽部によるリレー小説の裏話と補足。集まって合作し、その後各人が執筆。
  43. 「このところ省眄無用 私は特に投稿家に語る機会を待った」 山下平八郎
    ( 探偵文学 1935.11. )
    『山下利三郎探偵小説選2』 論創社・論創ミステリ叢書28 2007.07.20
     投稿には傑作もある。雑誌では人気作家を相手にしていて生活できず余技になる。
  44. 「ハガキ回答(推薦の書と三面記事)」 山下平八郎
    ( ぷろふいる 1935.12. )
    『山下利三郎探偵小説選2』 論創社・論創ミステリ叢書28 2007.07.20
     「聊斎志異」や「雨月物語」、ピエール・ブノアの作。天災の惨害と人命救助の美談、売塩事件、公使の兄が弟の自殺説に反駁、愛児の六ヶ月放置、くらい。
  45. 「毒草園 毒には毒を」 山下平八郎
    ( 探偵文学 1936.01. )
    『山下利三郎探偵小説選2』 論創社・論創ミステリ叢書28 2007.07.20
     P誌十二月号「毒草園」秋野菊作の揶揄に対する反論。
  46. 「ハガキ回答(昭和十一年度の探偵文壇に)」 山下平八郎
    ( 探偵文学 1936.01. )
    『山下利三郎探偵小説選2』 論創社・論創ミステリ叢書28 2007.07.20
     希望は作家の飛躍と探偵小説の隆興と専門雑誌の続出、黙って良い物を、S誌は誌面の拡張、P誌は新人の優遇、本誌では新運動を。期待は西尾正、本誌同人二三、石沢、「貉」の作者。
  47. 「書簡」 山下平八郎
    ( 探偵文学 1936.05. )
    『山下利三郎探偵小説選2』 論創社・論創ミステリ叢書28 2007.07.20
     橋本五郎の随筆は言いたかったことを現わしたもの。大作に接しないのは淋しい。
  48. 「病窓放談」 山下平八郎
    ( 月刊探偵 1936.05. )
    『山下利三郎探偵小説選2』 論創社・論創ミステリ叢書28 2007.07.20
     夢野久作や論争に対する一口コメント集。
  49. 「稚拙な努力」 山下平八郎
    ( 探偵文学 1936.10. )
    『山下利三郎探偵小説選2』 論創社・論創ミステリ叢書28 2007.07.20
     処女作の思い出。画商をしながら「誘拐者」、乱歩と同時掲載の「頭の悪い男」。
  50. 「(お問い合わせ)」 山下平八郎
    ( シュピオ 1937.06. )
    『山下利三郎探偵小説選2』 論創社・論創ミステリ叢書28 2007.07.20
     直木賞記念号の各自の代表作収録は記念号にふさわしく計画と英断は賞賛。病後で最近は小説は読んでなく宗教史や化学畑の書籍、バルザックやドイルの読み返して嘆息。
  51. 「閑古鳥の呟き」 山下平八郎
    ( 真珠 1947.11. )
    『山下利三郎探偵小説選2』 論創社・論創ミステリ叢書28 2007.07.20
     書籍の不着時代。戦死者報道から一人の謎の死へ隆興に向かうだろう。



      著書

  1. 『小奈祇の亡魂』 サンデーニュース社探偵趣味叢書3 1926.06.xx
    「小奈祇の亡魂」/「小野さん」/「裏口から」/「温故想題」
  2. 『新進作家集』 平凡社・現代大衆文学全集35 1928.12.01 (国DC※)
    △「巻頭の言葉」編者/(林不忘集)/山下利三郎集「虎狼の街」/「第一義」/「或る哲学者の死」/「裏口から」/(川田功集/大下宇陀児集/久山秀子集/角田喜久雄集/城昌幸集/山本禾太郎集/水谷準集/橋本五郎集)/△「著者自傳」
  3. 『山下利三郎・川田功集』 改造社・日本探偵小説全集15 1930.01.10 (国DC)
    「頭の悪い男」/「或る哲学者の死」/「小野さん」/「第一義」/「藻くづ」/「裏口から」/「素晴しや亮吉」/「愚者の罪」/「流転」/「亮吉何をする!」/「「地球滅亡前」」/「虎狼の街」/「仔猫と余六」/「規則違反」/(川田功集)
  4. 『山下利三郎探偵小説選1』 論創社・論創ミステリ叢書27 2007.06.20
    「誘拐者」/「詩人の愛」/「頭の悪い男」/「君子の眼」/「小野さん」/「夜の呪」/「ある哲学者の死」/「裏口から」/「温故想題」/「第一義」/「藻くづ」/「模人」/「正体」/「規則違反」/「流転」/「素晴しや亮吉」/「愚者の罪」/「仔猫と余六」/「虎狼の街」/「亮吉何をする!」/(△「作者の言葉」/△「読者へのお詫び」/△「読者へのお詫び」)/「朱色の祭壇」/「「地球滅亡前」」/△「解題」横井司
  5. 『山下利三郎探偵小説選2』 論創社・論創ミステリ叢書28 2007.07.20
    「横顔はたしか彼奴」/「歳末とりとめな記」/(△「起稿に際して」)/「運ちゃん行状記」/「見えぬ紙片」/「野呂家の秘密」/「深夜の悲報」/「小奈祇の亡魂」/「越中どの三番勝負」/△「つらつら惟記」/△「画房雀」/△「譫言まじり」/△「処女作とか」/△「取留もなく三つ」/△「五月創作界瞥見」/△「間と愚痴」/△「逐蠅閑話」/△「世間は狭い」/△「喫茶室」/△「奥丹後震災地より帰りて」/△「三千年以前の探偵趣味戯曲」/△「どろどろ漫談」/△「おわび」/△「くさぐさ」/△「本田緒生論は断る!」/△「私と彦九郎」 /△「私と彦九郎」/△「おえらい物語」/△「著者自伝」/△「呪ひと怪死」/△「私の手を握って」/△「森下雨村を語る」/△「グルクハイマー殺し合作と連作 ストーリー工作を見て」/△「このところ省眄無用」/△「毒草園 毒には毒を」/△「書簡」/△「病窓放談」/△「稚拙な努力」/△「閑古鳥の呟き」/・「ナポレオンの墓守 サンチーニの話」/・「古都アテネ」 /△「アンケートほか」(△「探偵問答」/△「探偵趣味問答」/△「探偵趣味問答」/△「(無題)」/△「大正十五年度探偵小説壇の総決算」/△「クローズアップ」/△「クローズアップ」/△「飛躍の年」/△「クローズアップ」/△「(アンケート)」/△「私の好きな一隅(アンケート)」/△「(無題)」/△「ハガキ回答」/△「(無題)」/△「お問い合わせ」)/△「解題」横井司



      参考文献

  1. 「解題」横井司
    『山下利三郎探偵小説選1』 論創社・論創ミステリ叢書27 2007.06.20
    『山下利三郎探偵小説選2』 論創社・論創ミステリ叢書28 2007.07.20
  2. 「「ぷろふいる」所載主要作品総目録」中島河太郎
    『日本推理小説史(3)』 東京創元社 1996.12.20
  3. 「続・書誌の補遺」黒田明
    新青年趣味23号 2023.05.05
  4. ほか、多数



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