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蟻浪五郎/青池研吉 作品

Since: 2024.09.29
Last Update: 2024.09.29
略年譜 - 探偵小説 - 随筆

      蟻浪五郎/青池研吉(ありなみごろう/あおちけんきち)略年譜

    1914.05.15(大正3年)  新潟県にて生まれる、本名相沢誠
    1948.08.  ロック別冊に「飛行する死人」青池研吉が掲載される
    1949.06.  別冊宝石「雨の挿話」蟻浪五郎が掲載される
    1994.03.  死去

    筆名は、青池研吉、蟻浪五郎、相沢誠、火山至

      (国DC※)は国立国会図書館デジタルコレクション個人送信(ログイン必要)で公開されています(今後非公開になる可能性もあります)



      探偵小説

  1. 「飛行する死人」青池研吉
    ( ロック別冊 1948.08. )
    『下り”はつかり”』 光文社カッパノベルス 1975.06.25
    『下り「はつかり」 鉄道ミステリー傑作選』鮎川哲也編 光文社文庫(あ-02-03) 1986.06.20 (国DC※)
    『「ロック」傑作選 甦る推理雑誌1』ミステリー文学資料館編 光文社文庫(み-19-11) 2002.10.20
     カストリ屋ルミの虹子は夜明け前にさるすべりの根元の雪から二本の足が出ているのを見つけた。青木倉吉を帰し板前の穴沢善松が駐在所へ。死体は深海博士の離れに住む倫子。昨夜の客は他に鶴公、秋っぺ、博士の書生栃倉。蟹江警部は博士に話を聞くと「生きている寶石箱」という脚本があるという。各人のアリバイ、第二のガスによる事件……。
     奇想的なトリックをユーモア味で包んだ作品。なお、新書版から文庫版への変更はアリバイ表と地図の削除、章題の削除、脚本の埋め込みのほか末尾の特異な症状が無くなっている(編集部依頼によって作者が改めたというのは邪推か?)。厳密な比較はしていないので他にもあるかも知れない。
  2. 「雨の挿話」蟻浪五郎
    別冊宝石 1949.06.
     無名の推理小説作家花田大六のいるアパート、階下三号室のドアをノックした女性が二階の花田の部屋に来た。復員船での鶴巻千都、阿也子、首藤との事件。女給ルルが首藤の部屋で死体を発見し……。
     コンクール六篇中三等。心情などの雰囲気は良いが密室は簡単に予想がついてしまうことなどが難点か。
  3. 「花粉霧」蟻浪五郎
    宝石 1949.12.
    『あやつり裁判 幻の探偵小説コレクション』鮎川哲也編 晶文社 1988.03.25
     花村歯科医院院長花村晶子をモデルに椎谷は絵を描いていた。女技工士の私江部は盲目の夫の花村にその様子を問われる。夜、ガラスと電球の割れる音で起きた私、同時に離れにいた花村とは晶子の死体を見つける。和栗の訊問、椎谷のアリバイ……。
     明かされないとわからない点もあるが、思わせぶりな描写も少なからずあり容易に予測できる。花粉霧での描写は良いかも。
  4. 「火山島の初夜」蟻浪五郎
    宝石 1950.10.
     台湾北端の火山島の灯台。ぼく伊東は江見の斡旋で写真で見た真帆子と結婚する。江見は独り占めにはさせないと言う。ぼくと江見との争い。灯台の灯に照らされた真帆子。三光鳥。江見と真帆子と墜落死。江見の手記によると彼は小松の斡旋で寫眞で見た美智子と結婚、小松に初夜を奪われ、子が真帆子だった。石膏で顔を面にとる。戦後内地に戻り……。
     奇談。意外な展開、真相ではある。当時としてあり得る話なのだろうか。ありえななそうに思えてしまう。



      探偵小説関係の随筆など

  1. 「一九五一年度自選代表作を訊く(アンケート)」蟻浪五郎
    ( 探偵作家クラブ会報 1952.01. )
     なし。食うことの容易ならざるを知る。



      参考:本名・俳号名義

  1. 新波日報の川柳欄に火山至名義で掲載多数
  2. その他「作家たちの足跡」黒田明 (新青年趣味24号) を参照願います



      参考文献

  1. 「豪雪と闘う南国育ち・蟻浪五郎」鮎川哲也
    問題小説 1983.11.
    『幻の探偵作家を求めて』鮎川哲也 晶文社 1985.10.10
    『幻の探偵作家を求めて 完全版(上)』鮎川哲也、日下三蔵編 論創社 2019.06.20
  2. 「日本探偵小説総目録」中島河太郎
    『探偵小説傑作選 一九五〇年版探偵小説年鑑』日本探偵作家クラブ編 岩谷書店 1950.11.20
  3. 「作家たちの足跡」黒田明
    新青年趣味24号 2024.07.07
  4. ほか



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