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水上幻一郎 作品 |
Since: 2024.09.08 Last Update: 2024.09.15 |
略年譜 - 探偵小説など - 翻訳 - 随筆 - 著書 |
1916.07.29(大正5年) 東京にて生まれる。本名細合(山本)源一
1934.夏頃〜 早稲田大学在学中、東京探偵趣味の会に参加
1937.xx. 都新聞入社
1942.〜 海軍報道班員として南方などへ行く
1947.12. 「Sの悲劇」がぷろふいる に掲載
1950.02. 「火山測候所殺人事件」がロックの懸賞で入選、掲載
1950.07. 「青鬚の密室(改稿版)」を妖奇に掲載
1975.12. 「毒の家族」を幻影城に掲載
2001.04.02(平成13年) 死去
筆名は、水上幻一郎、栗栖二郎、山本源一郎、阿蘭田八郎(?)、阿蘭陀八郎、山本湖太郎、(木々高太郎)、喜多孝良(※推測)
(国DC※)は国立国会図書館デジタルコレクション個人送信(ログイン必要)で公開されています(今後非公開になる可能性もあります)
( 週刊朝日 1933.02.12 ) ( 『男渡世物語』 週刊朝日文庫 1933.11.05(国再版1935.10.30) )(国DC※) 『水上幻一郎探偵小説選』 論創社・論創ミステリ叢書64 2013.06.20 |
明治三十四年、東次一は承認殺人で予審から公判へ付された。殺された青山惇子は女学校時代に駆落ち、その後遍歴を重ね東と同棲。東は職場を解雇され、やがて二人は……。 |
一般小説。当時の一女性の遍歴と最後の様子。 |
( ぷろふいる 1947.12. ) 『水上幻一郎探偵小説選』 論創社・論創ミステリ叢書64 2013.06.20 |
名古屋Q大法医学教授園田郁雄と助手の私は芥川鯉七検事と殺人現場の花隈邸へ行く。女と女形水木胡蝶の射殺死体、当主花隈聡一郎の行方不明。別邸にいた妹の白蘭と子の峰夫。別邸に奇遇していた笙右門、詩田蘭川。詩人の会で来ていた竹村珊瑚郎、江河乱入、銭川魔利夫、氷室鴉片。先代の秘書殿木善四郎の死と遺書……。 |
本格に近い作品。猟奇的ペダントリーが効いている。 |
( 仮面 1948.02. ) 『水上幻一郎探偵小説選』 論創社・論創ミステリ叢書64 2013.06.20 |
芥川検事と園田郁雄教授は一柳隆三郎博士が刺殺された研究室へ向った。博士の娘百合枝、家政婦の曽根冬子、研究助手脇田進、亡後妻澄江の実子栗原悠一。少ない血と血の痕の発見、死後推定時間と目撃の齟齬。注射毒による死……。 |
本格に近い作品。必然性は別にしてそれなりに凝った作品。特に動機の背景が。 |
( 仮面 1948.03. ) 『水上幻一郎探偵小説選』 論創社・論創ミステリ叢書64 2013.06.20 |
I半島突端近くの貝殻島、黒川算次郎の別邸。招かれた四人の女性、召使の老婆と料理人、有田秘書が滞在していた。K署で対談中だった青山主任と園田郁雄教授は黒川が毒殺されたとの知らせで現場へ行く。二人だけの会食の痕。それぞれのアリバイ……。 |
読者への挑戦がある。断定するには根拠薄弱だが面白い着眼点ではある。 |
( 仮面 1948.04. ) 『水上幻一郎探偵小説選』 論創社・論創ミステリ叢書64 2013.06.20 |
伊豆天城蘭園、野呂伯爵家の温室の管理者盤田敦太郎が殺された。奈良弁護士に請われて園田教授は現場へ行く。蘭を握っていた被害者。毟られた蘭の示すもの。野呂英祐と蘭子夫人、栽培助手樫村三郎、滞在客で栽培法で盤田と対立していた隈谷直人博士。そして銃声。握っていたダイヤ……。 |
ダイイングメッセージ。暗号はさすがに牽強付会すぎるような。意外な真相ではあろうがすっきりしない。 |
( 仮面 1948.05. ) |
実話。 |
( 仮面 1948.06. ) 幻影城 『水上幻一郎探偵小説選』 論創社・論創ミステリ叢書64 2013.06.20 |
赤間産婦人科病院院長赤間幸太郎が射殺された。芥川検事と園田教授が院長室を調べる。発見者は酒寄良江看護婦、院長立ち合い浪貝秋子看護婦が介添で那須文三副院長が執刀した後のことだった。廊下には被験者大鳥常子の母親と山元徹男がいて出入りした者がなかった……。 |
密室自体は偶然といえそう。メッセージは牽強付会。唐突だが正体に意外性がある。 |
( 仮面 1948.06. ) ( 新しき夫婦と生活 1949.11. ) ( 妖奇 1950.07. ) 『水上幻一郎探偵小説選』 論創社・論創ミステリ叢書64 2013.06.20 |
ウェールズのヘイという田舎町、クラッチェット警部らは埋葬された女の裸死体を解剖する為に運んだ。マーチン弁護士毒殺未遂事件、発掘されたアームストロング弁護士夫人。チョコレート事件、砒素……。 |
犯罪実話。一九二一年。 |
妖奇 1948.06. 『水上幻一郎探偵小説選』 論創社・論創ミステリ叢書64 2013.06.20 |
警視庁詰の社会部記者鷲津三平は特ダネを書いた。M物産業務課長柿沼新一宅で妻の須磨子が殺されていたのを同居の妹牧野冴子が帰宅して発見し、直後に夫新一も帰宅したという。鷲津は……。 |
どんでん返しを効かせた作品。伏線的には物足りなく唐突感がある。 |
( ロック 1948.09. ) 『紅鱒館の惨劇』鮎川哲也編 双葉社 1981.12.10 EQ 1994.05. 『「ロック」傑作選 甦る推理雑誌1』ミステリー文学資料館編 光文社文庫(み-19-11) 2002.10.20 『水上幻一郎探偵小説選』 論創社・論創ミステリ叢書64 2013.06.20 |
浅間山火山観測所所長庶木正常博士が銃殺されたとの知らせで長野県警察部志柿刑事課長と園田教授は観測所へ往く。元ピアニスト西条邦子の夫人、博士の甥島津敏夫助手、T大理学部宮脇省吾助教授。ホテルからの電話で一旦外出した博士、遺棄されていた婦人服、死体の移動。Gホテルでの脅迫者藤原咲次郎が銃殺され……。 |
嫌疑者や地震による時刻、偽手懸り、何気ない数字と発見など巧みな所が多い作品。 |
( 講談と小説 1948.10. ) |
天保二年箱根、旅人はお園を仙太郎から救い二人は連れだって江戸へ向う。旅人は鼠小僧次郎吉だった。湯本、小田原、大磯。出会った彌之と一芝居。お園は……。 |
時代小説。次郎吉である必然性は全くない。題名と内容が逆であればまだよかったのにと思う。 |
( 妖奇 1948.11.,12. ) 『水上幻一郎探偵小説選』 論創社・論創ミステリ叢書64 2013.06.20 |
芥川検事と名古屋Q大法医学教授園田郁雄は亜細亜写真工業社長城戸信康が職工長志村直次郎に射殺されたと連絡を受ける。信康は八坂家から城本家の耕輔の娘由起子の婿となり分家していた。亡耕輔の妻祖江子、米国にいて社長になれなかった写真を撮る当主修一郎、信康の兄の弁護士卓造、信康の子信夫、女中青木小夜子、元庭男の志村。死因が青酸加里と判明、点眼器、西洋剃刀、煙草……。 |
本格とはいえないが二転三転する展開は面白い。レアすぎる事など不満もあるが。 |
( 小説の華 1948.11. )※4 |
伊太八は江戸を離れて三年、小諸近くの茶店で仙之助が生きていると聞く。お美根に横恋慕した仙之助を大川へ落して江戸を出た伊太八だったがそれを聞いて江戸へ戻る。母の死、仙之助のその後、そしてお美根は……。 |
時代小説。説明描写不足の為か唐突に話が展開していくだけの話。 |
( 小説世界 1949.02. )※4 |
※コントとのこと |
( 小説世界 1949.03. ) 『水上幻一郎探偵小説選』 論創社・論創ミステリ叢書64 2013.06.20 |
次郎長一家に草鞋を脱いだ兇状持ちの雁金の重五郎。離家で森の石松は鍔音で彼を試す。翌朝、彼は咽喉を刺されて死んでいた。離家にいた半身不随の直助。次郎長は現場を見て……。 |
次郎長の粋な話。探偵小説的には偶然でやや複雑になっただけで単純。 |
( ロック 1949.05. ) 『水上幻一郎探偵小説選』 論創社・論創ミステリ叢書64 2013.06.20 |
癌腫研究所所長青池正三博士が殺され芥川検事と園田郁雄教授が訪れる。盗まれたラジウム。隆子夫人、夫人の実姉赤井俊子、研究助手宍戸達郎、女中岩井くめ。死因は銃殺と判明したが弾丸は無かった。薬品ブローカー村山幸次、小切手、薬莢、倉庫、そして……。 |
意外な展開の多い作品。やや唐突、急すぎる気もするが。動機、世相は良い感じ。 |
( 犯罪雑誌 1949.07. ) 『水上幻一郎探偵小説選』 論創社・論創ミステリ叢書64 2013.06.20 |
私が佐上裕次郎画伯を訪れると彼は死んでいた。描きかけの裸体画。死因は心臓麻痺。通夜、アトリエに現れたモデルの女性。私は……。 |
怪談風でも艶話風でもある話。探偵小説的には脱力系。 |
( ネオリベラル 1949.09. ) 『水上幻一郎探偵小説選』 論創社・論創ミステリ叢書64 2013.06.20 |
私は上野公園で保護された眠り続けている女を診て欲しいと依頼された。老婆は染井由利子で二十三だという。映画女優になる為にN大研究所院大木梅太郎と離婚して上京、痩せ薬を注射されたという……。 |
皮肉な結末の話というべきか。一時的なのはさらに困難だと思う。 |
( 妖奇 1949.09. ) 『水上幻一郎探偵小説選』 論創社・論創ミステリ叢書64 2013.06.20 |
佐奈田達夫が幽霊婦人と結婚した。彼は僕に因縁話をする。佐奈田は銀座で踊り子の中条艶子と再会し一夜を過す。朝、彼女はナイフで殺されていた。赤井五郎という私立探偵が訪ねてきて死体の始末の始末をすることになった。自殺となったが……。 |
サスペンス。唐突で意外性のみの作品。 |
( 赤と黒(復刊第一号) 1949.12. )※4 |
※探偵小説とのこと |
( 妖奇 1950.07. ) 『幻のテン・カウント 本格推理名作リバイバル』鮎川哲也編 講談社文庫(あ-19-07) 1986.11.15 (国DC※) 『ミステリーの愉しみ(2)密室遊戯』鮎川哲也編、島田荘司編 立風書房 1992.02.20 『水上幻一郎探偵小説選』 論創社・論創ミステリ叢書64 2013.06.20 |
※内容自体は改稿前と同じ。章立てされていることや説明部分などかなり相違がある。 |
改稿前に比べてすっきりした印象。偶然性もやや緩和されているように思える。 |
妖奇 1950.08. |
阿蘭デブリケ伯爵家の娘、キャステラー侯爵夫人リジェ。ジャワで豹の乳を飲んで育った。彼女は夫と共謀して兄のグスタフを殺害しようとする。 |
実話。一九四七年またはそれ以前の事件。 |
( 妖奇 1950.09. ) |
実話。 |
( 妖奇 1950.10. ) |
実話。 |
( 怪奇探偵クラブ 1951.06. )※4 |
実話と思われるが未確認。(『探偵倶楽部傑作選』総目次記載だが作者別は未掲載) |
( 別冊宝石 1954.09. ) |
北八丁堀の同心千鶴左馬之助の子分合点の政五郎親分は男とぶつかった。小間物店主玉屋藤十郎で囲い者sにしようとしている深川芸者を追い回す破落戸に襲われて逃げてきたという。翌日、藤十郎は離れで首を囲炉裏に突っ込んで刺殺されていた……。 |
顔のない死体事件で推理、解決とあり本格風のところもある。可能性の高い見込みという事で。 |
幻影城 1975.12. 『水上幻一郎探偵小説選』 論創社・論創ミステリ叢書64 2013.06.20 |
私伊能理一とQ大犯罪学研究所所長尼子冨士郎博士は妻問婚の風習を残している上州青罌粟谷の赤尾木家を訪問した。暴風雨で陸の孤島と化した谷では貿易商稲本徳太郎が出迎え兄の税理士善次郎が射殺されていた。駐在所の青木巡査、捕えられた元トラック運転手毛利平吉。英子刀自は善次郎に義妹の美佐との再婚を打診していた。娘朱美。義弟の写真家赤尾木忠弘、外人モデルのカタリーナ、看護婦松野鶴代、女中小林麻美、婆や中村ハル。煙草、点眼器、青酸。毒殺未遂、解剖結果、第三の惨劇……。 |
「青酸加里殺人事件」の大幅改稿版。探偵役や背景など時代に合せて不自然な部分も解消されている。 |
( 奇抜夜話 不明 ) 『水上幻一郎探偵小説選』 論創社・論創ミステリ叢書64 2013.06.20 |
ジャマイカの女豹、女海賊メリイ・リードの話。 |
海外実話。 |
原作者:カーター・ディクスン ( 『ユダの窓』 早川書房HPB126 1954.07.15 )(国DC※) |
原作者:デイクスン・カー ( 『死の時計』 早川書房HPB182 1955.04.15 )(国DC※) |
原作者:カーター・ディクスン ( 『ユダの窓』 早川書房HPB126 1954.07.15 )(国DC※) |
原作者:デイクスン・カー ( 『死の時計』 早川書房HPB182 1955.04.15 )(国DC※) |
原作者:デイクスン・カー ( EQMM 1957.02. )※4 |
原作者:デイクスン・カー 宝石増刊 1959.06. ※4 |
( 探偵文学 1935.03. ) 『水上幻一郎探偵小説選』 論創社・論創ミステリ叢書64 2013.06.20 |
五條の橋の上、本格対変格。変格を含めて探偵小説というのは迷惑。 |
( ぷろふいる 1935.04. ) 『水上幻一郎探偵小説選』 論創社・論創ミステリ叢書64 2013.06.20 |
芸術的要素は雰囲気を描くこと。 |
( ぷろふいる 1935.07. ) 『水上幻一郎探偵小説選』 論創社・論創ミステリ叢書64 2013.06.20 |
猟奇小説で探偵小説をけがさぬように。長篇の確立は最近、高塔を破壊せぬように。 |
( 月刊探偵 1935.12. ) 『水上幻一郎探偵小説選』 論創社・論創ミステリ叢書64 2013.06.20 |
特徴はエロティック。面白い、が無理に探偵小説とする事はない。奇想天外、文章など。 |
( ぷろふいる 1935.12. ) 『水上幻一郎探偵小説選』 論創社・論創ミステリ叢書64 2013.06.20 |
「巴里っ子」試写会。探偵味について。 |
( 新探偵小説 1947.07. ) 『水上幻一郎探偵小説選』 論創社・論創ミステリ叢書64 2013.06.20 |
なつかしさ。創作は余り感心しない。芝山倉平と飛鳥高に期待。 |
( 探偵作家クラブ会報 1949.06. ) 『海野十三メモリアル・ブック』 海野十三の会 2000.05.17 『水上幻一郎探偵小説選』 論創社・論創ミステリ叢書64 2013.06.20 |
海野十三論。初訪問、海軍報道班員後の東北での講演。激励、助言をうける。 |
( 探偵作家クラブ会報 1954.01. ) |
原稿を書いても仕事をしても金にならず。今年こそ。 |
( 探偵作家クラブ会報 1954.01. ) |
本年の仕事はカー長篇翻訳一つ、探偵小説一つ、捕物小説三つ、腹案として長篇一つ。 |
幻影城増刊 1975.07. 『水上幻一郎探偵小説選』 論創社・論創ミステリ叢書64 2013.06.20 |
探偵小説の代表作家としての評価は永久不変。乱歩邸へ訪問した時のことなど。 |
幻影城 1975.09. 『水上幻一郎探偵小説選』 論創社・論創ミステリ叢書64 2013.06.20 |
「探偵趣味の会」のこと、鮫島氏、甲賀氏、鬼怒川、探偵小説論争で瓦解。甲賀三郎との面識、新聞社入社、陸軍報道班員。小栗虫太郎のこと、戦時中携行、しばしば小栗宅訪問。海野十三のこと、訪問、事務所が勤務先と近所、報道班員、東北巡回講演。木々高太郎、戦後校正校訂の手伝い。 |
幻影城増刊 1976.05. 『水上幻一郎探偵小説選』 論創社・論創ミステリ叢書64 2013.06.20 |
昭和二十三年頃岩谷書店での集会で見かける。上京した鬼怒川に誘われた時は所用で行けず。戦後の本格もの。健筆を。 |
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