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白井竜三 作品

Since: 2023.08.06
Last Update: 2024.03.24
略年譜 - 探偵小説 - 随筆

      白井竜三(しらいりゅうぞう)略年譜

    1927.12.22(昭和2年)  大阪市にて生まれる。本名は岩田平太郎
    1951.xx.  大阪大学医学部卒業
    19xx.xx.  関西探偵作家クラブに参加
    1953.12.  「千秋楽」が別冊宝石に掲載されるが入賞に至らず
    1956.xx.  大阪大学医学博士
    1958年頃  名古屋市立大学医学部助教授
    1958年頃  CBCテレビ「健太君の探偵」の脚本を書き谿渓太郎と知り合う
    1958年頃  名古屋探偵作家クラブに参加
    19xx.xx.  大阪大学薬学部教授
    1960.06.  「渦の記憶」がクラボウミステリ・影で準入選作となり別冊クイーン、マガジンに掲載
    2009.04.19(平成21年)  死去

    筆名は、白井竜三、(白井龍三)、岩田平太郎、後藤映(EQ誌より)



      探偵小説

  1. 「千秋楽」
    ( 別冊宝石 1953.12. )
     大阪A会館で新劇女優天野恵子は千秋楽に昔の男から舞台後楽屋へ訪れるとの手紙を受け取った。第二部には客席にいたがその後いなくなり、電話をかけると島本精一は自宅で殺されていた。女中の薪子が入院し明石の実家にいた妻の京子が戻り発見、弟の悌二は同窓会に出ていた。演出家の長田は法医解剖をした同期の水城平太郎に相談し……。
     犯人当て風味の作品。まとまってはいるが、登場人物も少なく簡単に真相が想像できてしまうので宝石の懸賞としては落選やむなし。
  2. 「阪神国道の女」
    ( デイリースポーツ 1954.09.20 )
     関西財界の独身クラブで深夜の阪神国道甲子園あたりに外人の女が現れると聞いて僕は車を走らせていた。日本人の女だった。素性を訊かない条件で目隠しをされ、家に連れ込まれ……。
     艶話に近い。素性は最後に明かされるが心理は今ひとつわからない。時代故か。
  3. 「トンネルの殺人」
    ( デイリースポーツ 1954.12.20 )
     篠原達雄は山崎化学工業の海外留学生に選ばれ社長の一人娘絹枝との将来もあった。I工場の深夜十二時のサイレンで汽車は通らないと鉄道トンネルを行く。娘の雪子が捨てられた守衛の山村為次、先輩の竹本、ライバルの貴島、雪子を奪われていた田岡。守衛の時計が止まり三人の時計も十二分進んでいて……。
     懸賞推理クイズ。比較的簡単。多分にプロバビリティの犯罪ではあるが。
  4. 「トランクの謎」
    ( デイリースポーツ 1955.05.13 )
  5. 「綱渡りの男」
    ( 新大阪新聞 1958.08.08 )
     サーカスで生まれた俊吉は一度去り麻薬密輸入のP機関にいたが舞い戻っていた。裏切り者を消そうと綱渡りの最中に停電させる計画を知り俊吉は……。
     スリラー。偶然により皮肉な結果となる作品。安易すぎる計画。
  6. 「サック・ドレス殺人事件」
    ( 新大阪新聞 1958.08.29 )
     お妾アパートさくら荘に警察が来た。クローバー・ファッション・モデル・グループ主催者賀屋とみ子がGホテルで殺されメリケン粉袋を着せられていた。容疑者はサック・ドレス反対をとなえる服飾評論家志摩晴雄、クローバー・ファッション・グループのスター仙波亮子とさくら荘にいたRX局プロデューサー久能透、とみ子が捨てて自殺した息子をもつ老婆山岡雅子。敏子、常子らと漏れ聞こえた声を証言した声優長谷川藤子だったが……。
     スリラー。事件そのものは安易だが結末部の動機には意外性がある。
  7. 「隠された紙幣束」
    ( 新大阪新聞 1958.09.26 )
     刑務所帰りの千蔵はかつて右腕とも頼んだ竹内やチンピラだった永井にひとり占めした金のありかを言うよう責められていた。自宅に移され、竹内は千蔵の妻と息子の宏に対して……。
     スリラー。皮肉な隠し場所ではあるがその後どうなることやら。あまり良い対処法とは思えない。
  8. 「甘い死」
    ( 月刊中京増刊 1958.11. )
  9. 「象の墓場」
    ( 新大阪新聞 1959.03.13 )
     道雄と栄子は奈良市A池真砂町に住んでいたが近くに動物園の象の啼き声に悩まされていた。麻薬組織からの最後の追手の渾名が象であり、床下に埋められていた。S高原へスキー旅行に行っているとニュースで……。
     スリラー。皮肉な、意表を突く結末の作品。さすがに簡単に見つかるとは思えないが。
  10. 「犬が知っている」
    ( 新大阪新聞 1959.07.24 )
     シェパードのエドガーが湖の桟橋で血にまみれて吠えていた。ボートでは咽喉を噛まれた飼主のみどりと手首を噛まれた伊賀山が死んでいた。伊賀山は溺死だった。エドガーにとってみどりと伊賀山は……。
     スリラー。皮肉な事件の結果だが、あり得ないともいえず、妙にユーモア味を感じてしまう。真相は犬が知っているということで。
  11. 「殺意」
    ( 月刊寸鉄 1959.08. )
     達雄は姐嫁清二が飲んでいるアジア丸をよく知っていた。張田薬局は父が死に姉が死んで清二と薬剤師河田でやっていた。清二には女がいるようだ。達雄は薬局を乗っ取られた思いで丸薬に致死量以上の亜砒酸を入れる。問屋の招待でI温泉へ行った清二は……。
     知らなかったのが不思議な気もするし、知っていてもおかしくなかったり、どうも良くわからない。
  12. 「Sヶ岳の女」
    ( 新大阪新聞 1959.12.18 )
     トランジスタ・ラジオが店頭に出始めた頃、私はSヶ岳縦走を試み茂平の小屋にたどり着いた。茂平は留守で女がいた。迷ったという男女、ラジオのジャズ。何も言わず去った男女。大阪へ戻った私は新聞で……。
     普通の男女間にまつわる小説。小道具のラジオの使い方は良いかも。
  13. 「どこかで会った女」
    ( 新大阪新聞 1960.07.01 )
     私、テレビのディレクター三好勇は篠田夫婦に春田優子を紹介された。中学の音楽教師をしているという。どこかで見たようだが思い出せない。やがて思慕の情に変わり、中学の生徒のコーラスを放送する企画を通した。私は彼女に求婚し、彼女は受け入れ……。
     一応スリラーと小さくある。女の意図が今一つわからない。無理だと思うが。
  14. 「渦の記憶」(岩田平太郎)
    ( 別冊クイーンマガジン 1960.07. )
    ( 『ミステリー総合病院』佐野洋編 光文社カッパノベルス 1981.11.15 )
    『ミステリー総合病院』佐野洋編 光文社文庫(さ-01-13) 1992.06.20
    『こんな探偵小説が読みたい』鮎川哲也 晶文社 1992.09.15
     西海大学医学部脳研究所分院外科の当番になっていた辻部助手は視力障害の患者津川ユミに脳腫瘍の疑いをもった。レントゲン科医長森崎講師が診断する時に造影剤で失敗した。症例報告会。手術前の下痢。加茂みや子看護婦の物もらい。麻酔医寺村。星井医長の執刀。頭蓋骨片。麻酔。緊縛。手術後の経過は順調であった。退院後の診察で津川ユミは……。
     クラボウミステリ影第一回入選作でラジオドラマ化もされた作品。ホラー作品。診断から手術まではリアリティが感じられサスペンスにもなっている。結末は荒唐無稽だがそれまでのリアルな描写でありそうに思えてしまうのが上手いといえるかもしれない。
  15. 「真砂町の吉田さん(台本)」
    ( 雪 1964.03. )
    EQ 1991.01.
     岩橋は引退し初の解説者として田守アナウンサーと中継していた甲子園球場で場内アナウンスがあった。真砂町の吉田さん、お帰り下さい。三日後中日球場で同じアナウンスが、五日後後楽園球場でも。気になりミスをしてしまった岩橋は平山記者にも自重を言われる。友人の阪田記者の助けを借りて東京の吉田正昭の失踪、名古屋の吉田富栄母子、大阪の吉田松造一家と調べていくと……。
     NHK名古屋制作、昭和34年1月14日NHK第二ラジオで放送された作品とのこと。着想が面白い作品。いろいろな偶然が巧く取り入れられていて面白味を増している。佳作。
  16. 「刀 ショート・ミステリー」
    ( 小説宝石 1992.12. )
     松井老人は私にいわくつきの刀を見せる。銘にあたるところに「故名曰、頭割」と共に由来と思われる事が記されていた。さらに三年前にやくざが密通していた女房と子分を頭割りに殺した刀で、そのやくざは留置場で壁に頭を打ちつけ自殺していた。松井老人は刀の所有を……。
     妖刀にまつわるホラー。松井老人の状況や言動が巧く描写されていてより効果的に結末へ繋がっている。暗示なのかそうでないのか分からない所も多々あるが。
  17. その他、夕刊新神戸に載せてもらったと「続・幻の探偵作家を求めて」にあるが不明
  18. その他、CBCテレビ双葉十三郎原案「健太君の探偵」51,52回の「百面紳士」の台本が大阪府立中央図書館国際児童文学館にあるようです
  19. その他、CBCテレビ「目で見る科学」の脚色を担当したらしい ※脚本データベースより



      探偵小説関係の随筆など

  1. 「毒薬と探偵小説」後藤映
    ( 関西探偵作家クラブ会報 1958.06. )
     探偵小説で未知の毒はアンフェア。投与方法にバラエティを。方法は簡単で思索は深遠。
  2. 「ある一例報告」
    ( 関西探偵作家クラブ会報 1954.02. )
     乱歩の類別トリック集成の交換殺人の先例について。
  3. 「KTSCを顧りみて」
    ( 関西探偵作家クラブ会報 1954.11. )
     昭和23年第15回から参加。書かざる筆名後藤映。MWJ関西支部への夢。
  4. 「KBオブMWJなる名称について」
    ( 日本探偵作家クラブ関西支部会報 1954.12. )
     名称の説明。会報ナンバー通算併記。
  5. 「(KBサロン)」
    ( 日本探偵作家クラブ関西支部会報 1956.09. )
     無免許医、医学部の無斷聴講。
  6. 「探偵雑誌あれこれ」泉紀久雄、今泉義夫、丘美丈二郎、公家高、古海暉之、白井竜三、千賀幸子、谿渓太郎、新美良男、服部元正、田村良宏(司会)
    ( SRマンスリー 1958.09. )
    ( 『SR Archives Vol.1』 2005.xx. )
  7. 「あとがき」
    ( 月刊中京増刊 1958.11. )
    引用:( 「名古屋探偵小説史」福田祥男 裸形 1964.11. )
     ゴブレイシマスという言葉で別れる三人のサムライの仲間になって二ヶ月。CBCで谿さんと会ったのが始まり。DSでは「怪人二十面相」かもしれない。
  8. 「入選の感想」
    ( 別冊クイーンマガジン 1960.07. )
  9. 「マガ・ナギョン・セーブ」
    ( 日本探偵作家クラブ関西支部会報 1963.04. )
     ウイーンからブダペストへの六日間。ハンガリー語。頼まれた写真。
  10. 「弔辞にかえて」
    ( 日本探偵作家クラブ関西支部会報 1963.05. )
     稚気、気どり。シャレた毒舌。
  11. ほか



      その他の随筆など

    専門の医学関係は省略します



      参考文献

  1. 「薬学博士のダンディズム・白井竜三」鮎川哲也
    EQ 1991.01.
    『こんな探偵小説が読みたい』鮎川哲也 晶文社 1992.09.15
    『幻の探偵作家を求めて 完全版(下)』鮎川哲也、日下三蔵編 論創社・論創ミステリ叢書2 2020.05.10
    ※単行本では併録作品変更のため作品記述部分が削除されている
  2. 『国内戦後ミステリ作家 作品目録 極私的・拾遺集』 戸田和光編 2010.09.29
  3. ほか



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