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大阪圭吉 作品 |
Since: 2023.05.28 Last Update: 2026.06.28 |
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略年譜
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探偵小説
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随筆
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著書 作品小集(別ページ) | ||
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注)このページのリストは、小林氏の小林文庫「大阪圭吉」をベースにしてその後刊行されたものを追加しています。 創元推理文庫『銀座幽霊』収録の作品リストが増版で更新されていますがこのページのリストは未照合です。 「大阪圭吉研究」手塚隆幸編への再録は不明で記載していません。 注)小林文庫リストからの更新分はその後の刊行分、自筆作品リスト分の追加のほか以下を追加訂正しています。 「大いなる沈黙」→「沈黙のおけさ水兵(明朗色頁)」大坂圭吉 「産旗揚る細倉鉱山」→「増産旗揚る細倉鉱山」1943.07. 「潜水艦と地底戦士」戦線文庫59号銃後読物版1943.09. 著書未収録の戦線文庫の戦地版と銃後読物版は目次などによって載っている版を記していますが未記載の版でも掲載されているかもしれません。不明の作品もあります。 注)題名は生前最終の新字対応題名を原則としていますが独断でより一般的に知られていると思われる初出題名も用いています。 |
1912.03.20(明治45年) 愛知県新城にて生まれる。本名は鈴木福太郎
1931.03. 日本大学商業学校(夜間)卒業
1932.10. 「デパートの絞刑吏」が新青年に掲載
1934.07. 名古屋探偵倶楽部(ぷろふいるにて呼びかけ)が結成され第一回会合に参加
1934.09. 「とむらい機関車」をぷろふいるに掲載
1936.06. 『死の快走船』をぷろふいる社より刊行
1936.07.〜12. 新青年に毎月短篇を6回連続で掲載
1937.05. 「坑鬼」を改造に掲載
1941.12. 『海底諜報局』を熊谷書房より刊行
1942.07. 上京、日本文学報国会勤務
1943.08. 召集令状により入隊
1945.07.22(昭和20年) ルソン島にて戦病死
筆名は、大阪圭吉、大坂圭吉、岬潮太郎、(坂上蘭吉(投稿))
(国DC)は国立国会図書館デジタルコレクションでインターネット公開されています
(国DC※)は国立国会図書館デジタルコレクション個人送信(ログイン必要)で公開されています(今後非公開になる可能性もあります)
(青空)は青空文庫でインターネット公開されています
(小林)は小林文庫 の 大阪圭吉でインターネット公開されています
(藤原)は藤原編集室「本棚の中の骸骨」の「読物と資料のページ」でインターネット公開されています
(夢現)は「大阪圭吉 作品小集」で公開しています
| ( 新青年 1932.10. ) ( 『死の快走船』 ぷろふいる社 1936.06.05 )(国DC※) 幻影城 1976.02. 『13の凶器』渡辺剣次編 講談社 1976.03.08 (国DC※) 『とむらい機関車』 国書刊行会・探偵クラブ 1992.05.25 『凶器の蒐集家』鮎川哲也監修、山前譲編 青樹社文庫(あ-01-03) 1996.03.10 『とむらい機関車』 創元推理文庫(Mお-02-01) 2001.10.26 ( 『日本ミステリー名作集1』フロンティア文庫編 フロンティア文庫085 2005.05. ) 『甲賀三郎・大阪圭吉 ミステリーレガシー』ミステリー文学資料館編 光文社文庫(み-19-51) 2018.05.20 |
| 新聞記者の私と青山喬介は墜死事件現場であるRデパートへ向かった。従兄弟の司法主任の話では、被害者は宿直員野口達一で一昨日盗まれた真珠の首飾りが近くに落ちていたという。絞殺された後に落されていたこと、擦過傷があることもわかった。青山喬介は屋上を調べ……。 |
| 論理的に解決していく作品。十分とはいえないが他の可能性の排除もされている。題名が上手い。秀作。 |
| ( 新青年 1932.12. ) ( 妖奇 1949.06. ) 『とむらい機関車』 創元推理文庫(Mお-02-01) 2001.10.26 |
| 青山喬介と私は行方不明となっていたK造船工場所勤務の原田喜三郎と山田源之助のうち原田の惨殺死体が海上に浮かび上がったという事で工場まで来た。死体を見分し犯行現場を、現場から見つかったものを手懸りに青山喬介は……。 |
| 勘が当たったというような解決で絞り込む論理性はほぼない。印象的な題名と場所の設定と死体の現れ方にやや面白味がある。 |
| ( 新青年 1933.07. ) 『とむらい機関車』 創元推理文庫(Mお-02-01) 2001.10.26 |
| 青山喬介と私はキャプテン深谷の死体がは自家用ヨットの白鮫号に曳航されているのが発見された事件を調べるため岬の邸にたどり着いた。邸には夫人と女中の君と下男兼書生の早川、友人黒塚伝次と夫人の弟の洋吉がいた。夫人は深谷の怯えたような言葉を聞いていた。白鮫号を調べる青山喬介。長海松、粘土、泡の跡、チョコレートチューブ、マベ貝、石、鳥喰崎、足跡、アセチリンランプ……。 |
| 後「死の快走船」に改稿。論理的に導き出していく作品。前提条件の誤差や動機は良いとしても作為理由は良くわからないまま。 |
| ( 新城文学 1933.07. ) 『沙漠の伏魔殿 大阪圭吉単行本未収録作品集3』 盛林堂ミステリアス文庫 2019.10.25 『隆鼻術 大阪圭吉単行本未収録作品集再編集版』 盛林堂ミステリアス文庫 2025.10.13 |
| 考古学者兜山肇博士は若い妻に死なれて研究に没頭し始めた。重要古物蒐集室のくもり窓越しから見える女人の彫像に美術研究所の生徒が深い愛情を感じていた。彫像は痩せてきた。そして首が……。 |
| 後に「塑像」に改稿されたコント。あとがきを読むまで対比には気付かなかった。 |
| ( 新城文学 1933.08. ) 『沙漠の伏魔殿 大阪圭吉単行本未収録作品集3』 盛林堂ミステリアス文庫 2019.10.25 『隆鼻術 大阪圭吉単行本未収録作品集再編集版』 盛林堂ミステリアス文庫 2025.10.13 |
| 熱い国の高原から砂漠を爆走する急行列車の車内。娘の望みで父は氷をボーイに求めるが摘んでいなかった。青年は氷を差し出す。二度三度、もうこれ以上は分けてあげられません。父は売ってくれと頼むが……。 |
| 冷たくなる話。砂漠でなければ実話であってもおかしくない気がする。 |
| ( 新青年 1934.01. ) ( 『死の快走船』 ぷろふいる社 1936.06.05 )(国DC※) ( 『鉄道推理ベスト集成1』鮎川哲也編 徳間書店トクマノベルス 1976.11.05 ) 『シグナルは消えた トラベル・ミステリー1』鮎川哲也編 徳間文庫(134-03) 1983.02.15 (国DC※) 『とむらい機関車』 国書刊行会・探偵クラブ 1992.05.25 『とむらい機関車』 創元推理文庫(Mお-02-01) 2001.10.26 『甲賀三郎・大阪圭吉 ミステリーレガシー』ミステリー文学資料館編 光文社文庫(み-19-51) 2018.05.20 ( 『狂った機関車 鮎川哲也の選んだベスト鉄道ミステリ』鮎川哲也選、日下三蔵編 中公文庫(あ-94-01) 2021.02.25 ) |
| 青山喬介と私はM警察署の内木司法主任からの急電でW停車場へ向かった。被害者はH機関庫の機関助手で線路と給水所の間で後頭部打撲傷で死んでいた。顕微鏡による調査での凶器推測、血の跡から駅端での第二の刺殺死体の発見。機関手と助手のいない無人の73号タンク機関車は走り続けて行ったらしい。喬介は現場の状況から……。 |
| 現場の様子から犯人の特徴を絞り込んでいくトリック主体の作品。最後の場面と題名は印象的で上手い。個人的にはキートン映画の一場面を思い起こされる。佳作。 |
| ( ぷろふいる 1934.04. ) ( 『死の快走船』 ぷろふいる社 1936.06.05 )(国DC※) 『「ぷろふいる」傑作選 幻の探偵雑誌1』ミステリー文学資料館編 光文社文庫(み-19-01) 2000.03.20 『銀座幽霊』 創元推理文庫(Mお-02-02) 2001.10.26 『甲賀三郎・大阪圭吉 ミステリーレガシー』ミステリー文学資料館編 光文社文庫(み-19-51) 2018.05.20 |
| 瑪瑙座出資者の岸田直介の怪死の報に大月対次弁護士と秘書の秋田は屏風浦付近の別荘へ行き比露子夫人と警官から話を聞く。小型のトランクを持っていた直介と小柄な男が崖の上で争い突き落としたのを夫人と百姓夫婦が遠目で見ていた。訪問客は総務部長兼脚本家上杉逸二、女優中野藤枝と堀江時子。現場を調べる。足跡、林檎の皮、花束の虫と書かれた紙片。帰京した大月はダンスホールを巡り……。 |
| 錯覚を利用した作品。探偵が何を調べているかという謎も面白い。林檎の皮の件は既存だろうか、初めてのような気がする。 |
| ( 新青年 1934.07. ) ( 『死の快走船』 ぷろふいる社 1936.06.05 )(国DC※) 『死の快走船 ミステリ珍本全集04』 戎光祥出版 2014.07.18 『甲賀三郎・大阪圭吉 ミステリーレガシー』ミステリー文学資料館編 光文社文庫(み-19-51) 2018.05.20 『死の快走船』 創元推理文庫(Mお-02-03) 2020.08.12 |
| 洗濯屋の親方多田音平が呼ばれて大手果菜園を訪れると主人大手鴨十郎がてんかんで死んだという。二十二年下の細君スミは身内に知らせに音平を残して行く。と、鴨十郎は起き上がり死んだまねをした理由を話す。五日前、トマト畑が荒らされた。足跡、ハンカチ、食べ残しのトマト。三日前に再び現れた男。鴨十郎は音平に聞くと……。 |
| 犯人を絞り込んでいく過程と手段は面白い。結末はどうしても違和感がある。 |
| ( ぷろふいる 1934.08. )(藤原) 『死の快走船 ミステリ珍本全集04』 戎光祥出版 2014.07.18 『死の快走船』 創元推理文庫(Mお-02-03) 2020.08.12 |
| 考古学者兜山肇博士は若い妻に死なれて研究に没頭し始めた。重要古物蒐集室のくもり窓越しから見える女人の彫像に美術研究所の生徒が深い愛情を感じていた。彫像は痩せてきた。尊敬から疑惑、非難へ。そして首が……。 |
| 設定は上手くオチも効いている。「花嫁の塑像」を原型とするコントで、作者の狙いの部分が強調されている。 |
| ( ぷろふいる 1934.09. ) ( 『死の快走船』 ぷろふいる社 1936.06.05 )(国DC※) ( 別冊宝石 1956.06. ) ( 『下り”はつかり”』 光文社カッパノベルス 1975.06.25 ) 『下り「はつかり」 鉄道ミステリー傑作選』鮎川哲也編 光文社文庫(あ-02-03) 1986.06.20 (国DC※) 『日本探偵小説全集12 名作集2』中島河太郎監修 創元推理文庫(400-12/Mん-01-12) 1989.02.03 『とむらい機関車』 国書刊行会・探偵クラブ 1992.05.25 『とむらい機関車』 創元推理文庫(Mお-02-01) 2001.10.26 『甲賀三郎・大阪圭吉 ミステリーレガシー』ミステリー文学資料館編 光文社文庫(み-19-51) 2018.05.20 |
| 機関庫のあるH市に毎年出かける元鉄道員の話。よく轢殺事故を起こすD50・444号の機関手長田泉三と機関助手杉本福太郎は事故後四十九日の間花輪を操縦室にブラ下げる事にした。毎週豚を轢く事三度、安藤巡査の報告ではB町付近で盗まれた豚だという。機関庫主任岩瀬、七原検車所主任、機関庫助役片山が調査をし、四度目。そして片山助役は……。 |
| どちらかといえば動機の謎が主の物語。設定や構成は細かなところまで良く考えられていて、本格とは言い難いが謎と物語の融和が上手い。秀作。 |
| ( 新青年 1934.12. ) ( 『死の快走船』 ぷろふいる社 1936.06.05 )(国DC※) 『死の快走船 ミステリ珍本全集04』 戎光祥出版 2014.07.18 『甲賀三郎・大阪圭吉 ミステリーレガシー』ミステリー文学資料館編 光文社文庫(み-19-51) 2018.05.20 『死の快走船』 創元推理文庫(Mお-02-03) 2020.08.12 |
| 床屋の金さんは閉店に近い頃に銭湯やなぎ湯に浸っていると、お花ちゃんが女湯の衣服戸棚をみると三人しかいないのに四人分の着物を見つけた。三助の芳公が探すが誰もいない。隣のクスリ屋の後妻お民さんは見た事もない青白い顏の女が湯船にいたという。五日後にもまた同じ事件が起った。主人の甚平に聞く近さんとラジオ屋の時さん。名探偵だったらと残された着物を調べる。しみも窪みもないお花ちゃん……。 |
| 題名は怪奇風だがユーモア探偵小説。勘ではあるが事前描写と手懸りの連想との繋がりの飛躍が面白い。 |
| ( ぷろふいる 1935.03. ) ( 『死の快走船』 ぷろふいる社 1936.06.05 )(国DC※) 『とむらい機関車』 創元推理文庫(Mお-02-01) 2001.10.26 『甲賀三郎・大阪圭吉 ミステリーレガシー』ミステリー文学資料館編 光文社文庫(み-19-51) 2018.05.20 |
| 木戸黄太郎は三年、金鉱脈を探して北海道の片倉砂金池に近い温泉旅館鳳鳴館に来た。片倉紋平と娘キエも滞在していて池の氷が解けるのを待って輸入搬送中の機械を導入し池の砂を浚うという。犬塚八郎理学士が発見し買い取ったという。黄太郎は札幌へ行くという片倉を殺害、死体は……。 |
| オーソドックスな倒叙作品。用語の使用や描写と構成が上手くサスペンスと迫力は感じる。後日譚として博士のその後が気になる。 |
| ( 新青年 1935.07. ) ( 『死の快走船』 ぷろふいる社 1936.06.05 )(国DC※) 『13の密室』渡辺剣次編 講談社 1975.05.12 (国DC※) 『13の密室』渡辺剣次編 講談社文庫(AX149/わ-04-01) 1979.10.15 (国DC※) 『とむらい機関車』 創元推理文庫(Mお-02-01) 2001.10.26 『江戸川乱歩と13人の新青年 論理派編』ミステリー文学資料館編 光文社文庫(み-19-29) 2008.01.20 『甲賀三郎・大阪圭吉 ミステリーレガシー』ミステリー文学資料館編 光文社文庫(み-19-51) 2018.05.20 |
| 真夏の午後、吉田雄太郎君はポストの集配に来た老配達夫に渡したとき、秋森家の石塀に沿った先の表門で白い浴衣を着た二人の男が馳け去るのを見た。門のところには家政婦の戸川そめ子が殺されていて反対側からきた夫の戸川差配人は誰も通らなかったという。枝道は秋森家の勝手口のみ。チンドン屋の知らせで駆けつけた蜂須賀巡査は二組の下駄のあとを見つける。秋森家には辰造、双子の息子宏と実と二人の女中がいた。蜂須賀巡査は疑問を抱き雄太郎に確認、雄太郎は青山喬介に助けを求め……。 |
| 不可思議な謎とその解決の作品。謎は面白く状況設定は良く考えられているが偶然性が強すぎる。老配達夫なら知っていたような気がしないでもない。 |
| ( 新青年 1935.12. ) ( 『死の快走船』 ぷろふいる社 1936.06.05 )(国DC※) ( シュピオ 1937.05. ) ( 妖奇 1948.12. ) 『鮎川哲也の密室探求』鮎川哲也編 講談社 1977.10.28 (国DC※) 『密室探求 第一集』鮎川哲也編 講談社文庫(あ-19-02) 1983.08.15 『とむらい機関車』 国書刊行会・探偵クラブ 1992.05.25 『爬虫館事件 新青年傑作選』 角川ホラー文庫(H800-06) 1998.08.10 『銀座幽霊』 創元推理文庫(Mお-02-02) 2001.10.26 『甲賀三郎・大阪圭吉 ミステリーレガシー』ミステリー文学資料館編 光文社文庫(み-19-51) 2018.05.20 |
| 私と水産試験所所長の東屋は汐巻燈台の異変に駈けつけた。燈台には老看守風間丈六と娘のミドリ、友田看守と妻のあき、三田村無線技手、小使い佐野がいた。燈台の閃光間隔に異常があるとの噂も出ていたがついに消えてしまっていた。老看守はガラスの割れる音と機械が毀れるような音、塔の根元での地響き、三田村技手と出会ったという。呻き声、幽霊の声がしたと二人は言う。塔の上では巨大な石がランプを破壊し友田看守の死体に載っていた。グニャグニャした赤い奴が海に飛び込んだのを見たともいう。塔の根元の波打ち際で見つけた綱と紐……。 |
| 怪奇味を帯びた話。音の順序などの整合性は良く考えられているが論理性は薄い。動機もわからなくはないが異常に思える。 |
| ( ぷろふいる 1936.01. ) ( 『人間燈台』 大東亜出版社 1943.04.15 ) 幻影城 1975.06. 『13の暗号』渡辺剣次編 講談社 1975.11.08 (国DC※) 『とむらい機関車』 国書刊行会・探偵クラブ 1992.05.25 『銀座幽霊』 創元推理文庫(Mお-02-02) 2001.10.26 |
| 富士山北鹿の岳院荘の二階の東室で洋画家川口亜太郎が打撲による脳震盪で死んでいた。亜太郎は友人金剛蜻治、妻不二と到着後に部屋で写生画を描いていたが残された絵には南室からしか見えるはずのない富士山が描かれていた。蜻治は風呂、不二は南室、別荘番戸田安吉は薪割りで裏にいて、安吉の妻とみは買い出しで外出していた。別荘主津田白亭は大月対次を伴い……。 |
| ダイイングメッセージとも思われる設定が面白い。トリック自体は知っていた人もいたと思われるが問題視されなかったのだろうか。 |
| ( 月刊探偵 1936.05. ) 『死の快走船 ミステリ珍本全集04』 戎光祥出版 2014.07.18 |
| 流線型かぼちゃと名付けて売り出そうとした大手鴨十だが畑が夜盗に襲われた。足跡から左足に障害があるらしい。女中のおきみは心あたりがないという。鴨十は禁札を立て、案山子を立てた。また荒らされた。近眼らしい。パン屋の親方、活版屋の職人、うどん屋の出前持ち。鴨十は一計をたてる。夜、棍棒を持った男が……。 |
| 犯人を絞っていくユーモア味ある作品。特に掛け合い部分やオチが落語に合っていそう。 |
| ( 『死の快走船』 ぷろふいる社 1936.06.05 )(国DC※) 『とむらい機関車』 国書刊行会・探偵クラブ 1992.05.25 『死の快走船 ミステリ珍本全集04』 戎光祥出版 2014.07.18 『甲賀三郎・大阪圭吉 ミステリーレガシー』ミステリー文学資料館編 光文社文庫(み-19-51) 2018.05.20 『死の快走船』 創元推理文庫(Mお-02-03) 2020.08.12 |
| 私と水産試験所の東屋三郎は夫人からの電話で深谷邸にたどり着いた。キャプテン深谷は片足を鱶にもぎとられていたが頭部に殴殺されあともあった。邸には夫人と女中のおきみと下男の早川、友人黒塚伝次と夫人の弟の洋吉がいた。夫人は深谷の怯えたような言葉を聞いていた。白鮫号を調べる東屋三郎。長海松、粘土、泡の跡、体重、マベ貝。鳥喰崎、足跡、アセチリンランプ……。 |
| 「白鮫号の殺人事件」の欠点が解消されている。特に事件の関わり始めと警察との関係が自然になっている。誤差の問題は意表をつかれたといても良い。論理的な展開の話ではある。本格とは言い難いが佳作。 |
| ( 新青年 1936.07. ) 『黄金の書』江戸川乱歩編 まひる書房 1947.06.25 ( 『短篇集 探偵小説名作全集11』 河出書房 1956.10.25 )(国DC※) ( 『昭和前期集 日本推理小説大系6』 東都書房 1961.05.20 )(国DC※) ( 高校時代 1961.07. ) 『新青年傑作選 第一巻 推理小説編』中島河太郎編 立風書房 1970.02.25/新装版 1974.12.xx/新々装版 1991.06.10 (国DC※) ( 『現代推理小説大系8 短編名作集』 講談社 1973.07.08 )(国DC※) ( 『大衆文学大系30 短篇(下)』 講談社 1973.10.20 ) 『日本探偵小説全集12 名作集2』中島河太郎監修 創元推理文庫(400-12/Mん-01-12) 1989.02.03 『とむらい機関車』 国書刊行会・探偵クラブ 1992.05.25 『銀座幽霊』 創元推理文庫(Mお-02-02) 2001.10.26 |
| 赤沢脳病院は衰退してきて三代目の今では三人の患者と鳥山宇吉老看護人と薬局生兼女中と赤沢院長夫妻だけになっていた。患者は右足で羽目板を叩くトントン、女の着物を着て歌う歌姫、怪我をしたと称して繃帯を巻いている怪我人。朝、裏木戸が開けられ院長と三人の患者がいなくなっていた。外れの土間で脳味噌をとられていた死体。院長は患者に脳味噌を詰め替えなくては、と患者に言っていた。司法主任吉岡警部補ら捜査する。市立精神病院の松永博士の話。やがて歌姫が、怪我人が、そしてトントンが……。 |
| 連続短篇第1話。設定が面白い本格風作品。犯行自体は考えた上で抜けた行動ともとれ、設定と妙に合うようにも思える。どこまで意図されたものだったのだろうか。佳作といえるかどうか簿妙なところ。 |
| ( 逓信協会雑誌 1936.07. )(国DC※) ( 『人間燈台』 大東亜出版社 1943.04.15 ) 『銀座幽霊』 創元推理文庫(Mお-02-02) 2001.10.26 |
| 老燈台守の話。島の燈台には私と倅政吉と殿村看守夫妻がいたが殿村が対岸の町の病院へ入院し細君は付き添っていた。退院することになり、私は迎えの船を出した。嵐で戻れなくなったが、政吉は一夜を一人で規則正しく燈台の燈を守った。翌日戻ると燈は灯ったまま政吉はどこにもいなかった。五日目、大工道具を入れた袋が二つ無くなっているのがわかった。政吉は……。 |
| 手懸りを得て真相に至る探偵小説的な当時としての美談。あくまでも今の感覚だが、他にも方法がありそうとか念のための確認不足とかを思ってしまう。 |
| ( 新青年 1936.08. ) ( 妖奇 1948.06.,07. ) 幻影城 1976.02. 『とむらい機関車』 国書刊行会・探偵クラブ 1992.05.25 『銀座幽霊』 創元推理文庫(Mお-02-02) 2001.10.26 『探偵小説の風景 トラフィック・コレクション(下)』ミステリー文学資料館編 光文社文庫(み-19-34) 2009.09.20 |
| 熱海から十国峠への途中、轢き逃げされた男を見つけて乗せてクーペを追う。十国峠から箱根峠までは有料道路で枝道もない。出札口で重役堀見氏の車が通過したという。箱根峠側は通していないという。堀見氏の別荘へ電話すると車はなく、客が殺されているという。夏川警部補が向かう。別荘には娘の富子、家庭教師のエヴァンス、客の押山英一、別荘番のキヨと敏や母娘がいたという。残されていた凶器のナイフ、消えた車……。 |
| ナイフの件の伏せ方は舞台設定と共に上手い。車の消失理由は面白くはあるが別の可能性も否定できない。表面上は事件が直に解決した話。 |
| ( 新青年 1936.09. ) ( 『香水夫人』 大東亜出版社 1943.03.15 ) 『あやつり裁判 幻の探偵小説コレクション』鮎川哲也編 晶文社 1988.03.25 『とむらい機関車』 国書刊行会・探偵クラブ 1992.05.25 『とむらい機関車』 創元推理文庫(Mお-02-01) 2001.10.26 |
| 裁判所廷丁の話。坂本の家が空巣に入られた事件で洗濯屋の配達夫が公判にかけられていたとき、待合「つぼ半」の女将福田きぬが別の場所で見たと証言し無罪になった。半年後、放火事件で被告がいたという場所にはいなかったと証言し有罪になった。三月後、殺人事件で被告と現場付近でぶつかったと証言。自ら証言すること三度目と知った菱沼弁護士は女将と事件の関係性などを調べるが全くつかめない。青山に相談すると写真を撮るように言われ……。 |
| 連続短篇第3話。意外な展開と結末といえる作品。少々神がかり的、見込みが当たっただけともとれる。題名は上手く、妙にユーモア味が感じられる。 |
| ( 新青年 1936.10. ) 『密室探求 第二集』鮎川哲也編 講談社文庫(あ-19-03) 1984.01.15 (国DC※) 『とむらい機関車』 国書刊行会・探偵クラブ 1992.05.25 『銀座幽霊』 創元推理文庫(Mお-02-02) 2001.10.26 |
| カフェ青蘭の向いの恒川煙草店には房枝未亡人と娘の君子、店員の澄子、房枝の情夫達次郎がいた。青蘭の女給たちは二階から房枝が澄子を口説いているのを見る。窓は閉じられ、その後しばらくして人間の倒れる音、電気が消え窓硝子が割れ、血まみれの剃刀を持った女を女給たちは見る。客らが駆けつけると房枝と言って澄子は死んだ。警官が来て調べると房枝は押入れの中で死んでいた。澄子より一時間前に。青蘭の支配人西村は……。 |
| 連続短篇第4話。錯誤を主とした不可能犯罪作品。手掛かりもそれなりにある。トリックと生かす場面設定と最後の余分な一言は面白く佳作といえるがそれのみとも言えて微妙なところ。 |
| ( 新青年 1936.11. ) ( 妖奇 1949.03. ) 宝石 1963.03. 『とむらい機関車』 国書刊行会・探偵クラブ 1992.05.25 『銀座幽霊』 創元推理文庫(Mお-02-02) 2001.10.26 |
| 根室の酒場の女の亭主小森安吉は捕鯨船北海丸の砲手で一年前に浸水で沈没した北海丸に乗っていた。丸辰の親爺は仔鯨を撃つ捕鯨船には祟りがあるという。安吉が突然現れ時坊を連れて逃げようという。女が倉庫横に戻ったときには安吉は手銛で殺されていた。同じ岩倉会社の「釧路丸の」と言い「船長だ」と書き残していた。釧路丸は沖合へと消え去っていた。視察に来ていた東屋が事件に乗り出す。釧路丸は数日前まで鬱陵島にいたという。鯨の群を見つけた東屋は……。 |
| アリバイ物の一種といえそう。題材や舞台や動機は面白く題名も良い。現実的には難しい状態と思えるが。 |
| ( 新青年 1936.12. ) 『紅鱒館の惨劇』鮎川哲也編 双葉社 1981.12.10 『日本探偵小説全集12 名作集2』中島河太郎監修 創元推理文庫(400-12/Mん-01-12) 1989.02.03 『とむらい機関車』 国書刊行会・探偵クラブ 1992.05.25 『銀座幽霊』 創元推理文庫(Mお-02-02) 2001.10.26 |
| 私鳩野は北国H市で女学校の国語教師をしていた時、友人に英語教師浅見三四郎がいた。彼が臨時講師で十二月二十五日まで不在、留守宅には妻比露子と一人息子春夫の他に従弟の及川が来ていた。二十四日の寒の夜晴れの時、女学生の美木が凶事を知らせに来た。スキーをつけて駆けつけると比露子と及川が殴殺されて春夫はいなかった。窓の外にはスキーの跡が片杖の跡と共に残されていた。私は跡を追うと原っぱで舞い上がったように消えていた。知らせで来た物理教師の田部井が現場を見て子供の行方を……。 |
| 連続短篇第6話。一見不思議に見える状況から解明していく話。設定は上手いが少し無理があるような。昔の普段履きのスキーならあるいは、とも思わなくもないが。 |
| ( 新青年 1937.04. ) ( 『香水夫人』 大東亜出版社 1943.03.15 ) 『死の快走船 ミステリ珍本全集04』 戎光祥出版 2014.07.18 |
| 千丸屋デパート玩具売場の宇野球太郎君は四つあるうちの右端のエレベーターの針が103番の黒子嬢の時に地階から屋上へ止まらず動くことに気付いた。15分から30分後に再び無停止がおこる。そしてその間、ところどころの階に止まるが短く扉は開閉していないようだった。宇野球太郎君はそれをメモし……。 |
| エレバーターを利用するのは意外性が感じられる。ただ時間もかかりずっと見てはいられないかと思う。良くも悪くも時代を感じさせる作品。 |
| ( 改造 1937.05. ) ( 『続13の密室』渡辺剣次編 講談社 1976.06.28 )(国DC※) 『とむらい機関車』 国書刊行会・探偵クラブ 1992.05.25 『とむらい機関車』 創元推理文庫(Mお-02-01) 2001.10.26 |
| 中越炭礦滝口坑、お品と峯吉夫婦は二人だけの採炭場をもっていた。炭車から飛び下り抱きつくお品。と、炭車は脱線、安全燈が落下、焔が広まった。峯吉が出てこないうちに監督が防火扉を閉める。技師、工手が来る。扉を粘土で塗込める。鎮火の状態の検定に残った丸山技師が炭塊で撲殺された。係長と請願巡査が峯吉の両親とお品とお品の兄岩太郎を聴取する。瓦斯の発生で残った古井工手が殺されたと浅川監督。水飲み場にあった峯吉の安全燈。立山坑の菊池技師が来る。塗込めに関わった浅川監督を囮に、しかし彼もまた。鎮火後の坑道では……。 |
| 逆密室といえる作品。周到な舞台設定と状況設定。伏線や犯人の除外も悪くない。迫力もあり動機も意外性がある。最後の発覚も必然的といえて面白い。トリックなどのオリジナリティを考慮しなければ傑作。 |
| ( モダン日本 1937.06. )(小林) 『大阪圭吉作品集成』小林眞編、小野純一編 盛林堂ミステリアス文庫 2013.04.12 『死の快走船 ミステリ珍本全集04』 戎光祥出版 2014.07.18 『死の快走船』 創元推理文庫(Mお-02-03) 2020.08.12 |
| 中学四年の清は何度も水族館に通っていた。パノラマ室での南海美人鮑取りの実況が目当てだった。伊太郎と志摩の後家お鯉が始めた興行で成功して若いお春が加わっていた。伊太郎の小遣い稼ぎ、お春との仲、お鯉が気付き……。 |
| 最後は幻想的な異色作品。さすがに筋を引く程度と思われるが舞台設定は考えられている。 |
| ( 新青年 1938.01. ) ( 『人間燈台』 大東亜出版社 1943.04.15 ) 『悪魔黙示録「新青年」一九三八』ミステリー文学資料館編 光文社文庫(み-19-38) 2011.08.20 『死の快走船 ミステリ珍本全集04』 戎光祥出版 2014.07.18 |
| 私は牧と知り合い五日もたっていないのに訪れようとしている。彼は三流の骨董品が好きで謎や秘密を明かす力を持っていた。私は狂った時刻に唄を歌ったり歌わなくなったりした旧式の目醒時計を彼に送って見てもらっていた。彼は隅田アパートで起った殺人事件に関する発見をしたという。細島あきが小田真次と住むようになり、やがて小田の姿が見えなくなり、ホルマリン臭から部屋で屍体が見つかった。凶器などから姿を消したあきが捕えられ有罪判決を受けていた……。 |
| 解決の手懸りとなったのが意表をつく作品。時局の反映度合いが強くなってきているがそれを上手く利用している。 |
| ( 近代生活 (百貨サーヴィス社) 1938.02. ) |
| ( 新青年増刊 1938.04. ) ( 『人間燈台』 大東亜出版社 1943.04.15 ) 『銀座幽霊』 創元推理文庫(Mお-02-02) 2001.10.26 |
| 東京ゴム会社社長蒔田幸造宅へ主人の留守中に来て夫人が対応したのはピストルの見本を持ってきた水島銃砲火薬店の番頭、棕櫚繩を届けにきた鍬半商店の番頭、弁護士大月対次、銀座マネキン協会のマネキンガール、大島椿ポマードを届けにきた大島椿製油所の店員、割烹薮常の女将、赤革の短靴を届けにきた靴屋の親爺。帰宅した幸造は頼んでいないという。前日から行方不明の神山秘書が田増が借りていた銀座裏平田ビル二階4号室で殺されていて、新製品の書類が自宅金庫からなくなっていた。薮常に七人が集まることになり、大月は……。 |
| ユーモア小説調の作品。冒頭と展開とオチは面白いのだが、さすがに注文の意図と実行は難しいかと。 |
| ( 新青年増刊 1938.07. ) ( 『ほがらか夫人』 大都書房 1943.01.15 )(国DC※) 『死の快走船 ミステリ珍本全集04』 戎光祥出版 2014.07.18 |
| 明治三十七年の南樺太のトンナイ湖畔。石狩で育った富内村の知古美郎(チコビロ)は落帆村の宋代(ソヨ)と出会う。湖と海が合わさるのホロには函館の佐々木三郎の漁場がある。帆船で来た番頭岩五郎は露西亜と戦争になったといい野幌の越年者と共に引き揚げていった。知古美郎ら漁場の見張りを引き受ける。露西亜の巡察隊が来て徴発していく。スレピコ大尉の無理難題、脅迫、そして……。 |
| 日露戦争から三十年以上たっているので歴史秘話という感じか。現代では差別とプロパガンダ味を感じてしまうが当時としては普通の美談だったと思われる。 |
| ( 映画ファン 1938.09. ) 『死の快走船 ミステリ珍本全集04』 戎光祥出版 2014.07.18 |
| 怪談映画撮影中の撮影所で白装束、数珠、幽霊の鬘が順次盗まれていった。P監督は封切りまで間もないこともあり撮影を強行する。と、盗まれた品が……。 |
| コント風作品。明確にはならないがあっても不思議ではない。 |
| ( エス・エス 1938.11. ) 『死の快走船 ミステリ珍本全集04』 戎光祥出版 2014.07.18 |
| 名誉と態面を尊重する紳士冬山冬介氏が惨憺たる姿で歩いていた。友人に待ち呆けされ帰宅途中に追剥に会ったのだ。現場からむしり取った二人の怪漢のネクタイを見つけ……。 |
| 確かに大事な証拠物件となるひねりの効いた話。 |
| ( 新青年 1939.01. ) ( 『香水夫人』 大東亜出版社 1943.03.15 ) 『日本探偵小説全集12 名作集2』中島河太郎監修 創元推理文庫(400-12/Mん-01-12) 1989.02.03 『死の快走船 ミステリ珍本全集04』 戎光祥出版 2014.07.18 『死の快走船』 創元推理文庫(Mお-02-03) 2020.08.12 |
| 東京駅赤帽の伝さんは毎日違った婦人が午後三時着の三等車の三両目から三の字が書かれた荷札の手荷物を迎えの男に持たせて降りてくるのに気付いた。やがて伝さんが男に話しかけ尋ねると三枝という娘を亡くした慈善家が東京旅行を提供している三の字旅行会の案内人だという。或る日、改札係の宇利氏が伝さんのところに来て……。 |
| 上手い話。さすがに休日は欲しいところ。 |
| ( 週刊朝日 1939.01.02 ) ( 『ほがらか夫人』 大都書房 1943.01.15 )(国DC※) 『大阪圭吉作品集成』小林眞編、小野純一編 盛林堂ミステリアス文庫 2013.04.12 『死の快走船 ミステリ珍本全集04』 戎光祥出版 2014.07.18 『死の快走船』 創元推理文庫(Mお-02-03) 2020.08.12 |
| 独身の石巻消ゴム商会の石巻謹太郎は結婚しようとし新聞産業広告の求婚広告に目を通すようになった。履歴書を送ると水田静子から写真と手紙が届いた。一度自宅に来てほしいという。当時訪れると広告も手紙も出していないという。二人は丸山丸次郎弁護士に相談に行き……。 |
| ユーモア探偵小説。状況設定や手懸りの得かたなどよく考えられている。 |
| ( 奇譚 1939.04. ) 『沙漠の伏魔殿 大阪圭吉単行本未収録作品集3』 盛林堂ミステリアス文庫 2019.10.25 『隆鼻術 大阪圭吉単行本未収録作品集再編集版』 盛林堂ミステリアス文庫 2025.10.13 |
| 蒙古、オボ祭から徳王府への帰途に邦子と二人の支那人を乗せた馬車の輪が壊れ、三人は通りすがりの喇嘛僧の馬車に乗せてもらう。誘拐だと知った娘たちは持ち物や身に付けているものを投げ捨てていく。蒙古軍騎馬兵嗄爾丹が集落へ来ると落とし物が拾われていた。追う騎馬兵だがゴビ砂漠へ入り込む。喇嘛廟に幽閉された三人、拾った服を着ていた侍女、廟主桑達、武装した喇嘛僧と蒙古軍……。 |
| 冒険小説。伏魔殿発見の経緯は探偵小説的。その後の経緯はさすがに無理すぎる。 |
| ( 週刊朝日 1939.05.07〜28 ) ( 『香水夫人』 大東亜出版社 1943.03.15 ) 『死の快走船 ミステリ珍本全集04』 戎光祥出版 2014.07.18 『死の快走船』 創元推理文庫(Mお-02-03) 2020.08.12 |
| 宇津君は偶然中学時代の親友の帝都新聞モリ健(森健次)に出会い、酔って芙蓉荘に帰るが三階のところを香水夫人(丹羽あおい)の二階四号室へ入ってしまった。戻ってきた香水夫人は直に出て管理人事務所の小母さんを連れてきて大事な物が入ったケースが盗まれたという。隠れていた宇津君は逃げ出せたが帽子を忘れてしまった。翌日、香水夫人は小母さんに勘違いだったと言い、モリ健と合っていた。女にとって大事なものは愛情と言う叔母さんの娘瑞枝さん。モリ健は盗人になりすまし、宇津君は一階四号室のことを聞いて……。 |
| ユーモア味ある探偵小説。謎と解決は比較的単純だが、何が盗まれたかというのが興味深い。 |
| ( 新青年 1939.06. ) ( 『香水夫人』 大東亜出版社 1943.03.15 ) 『死の快走船 ミステリ珍本全集04』 戎光祥出版 2014.07.18 『死の快走船』 創元推理文庫(Mお-02-03) 2020.08.12 |
| デパート丸菱の家具売り場、母娘は立派な箪笥を買い求める。五十円を出すが百四十円の品、正札が取り替えられていた。304番嬢と売場主任は呆然とする。新婚夫婦が応接セットを求める。正札が取り替えられていた。天神髭氏が応接机を求める。正札が取り替えられていた。304番嬢は警備員牧氏に打ち明けると……。 |
| いたずらのような事件から思わぬ事が判明する話。ありふれた真相ではあるが、異なる客と店員の反応など構成は面白い。 |
| ( 奇譚 1939.07. ) |
| ( 新青年 1939.08. ) ( 『人間燈台』 大東亜出版社 1943.04.15 ) 『死の快走船 ミステリ珍本全集04』 戎光祥出版 2014.07.18 |
| 松野君とシナ子さんの新婚生活は円満だったが、松野君はふとシナ子さんの妙な癖に気付いた。月に一度、夫のものをこっそり盗み、見つけられれば黙って白状せず、翌日にはケロリとする。松野君は親友の平田医学士に相談する。松野君がアドバイス通りにすると……。 |
| コント。戦時らしい結末だが時代によらず効果はありそう。 |
| ( 名作 1939.09. ) 『高井貞二 挿絵叢書5』末永昭二編 皓星社 2018.03.01 『マレーの虎 大阪圭吉単行本未収録作品集2』 盛林堂ミステリアス文庫 2019.03.28 『隆鼻術 大阪圭吉単行本未収録作品集再編集版』 盛林堂ミステリアス文庫 2025.10.13 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
| 丹下瞭太郎夫人高子は結婚前にパラフィン注入で鼻を高くしていたが夫には秘密にしていた。或る日、鼻をぶつけて曲ってしまった。八年前に施術したドクトル牧氏を訪れると三日間の入院と大金が必要だという。翌朝、高子夫人が失踪し誘拐と目されているという新聞記事がでていた。高子夫人は速達を出し……。 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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