Shift_JIS Page 著者別リストへ |
大庭武年 作品 |
Since: 2021.10.10 Last Update: 2023.02.19 |
略年譜 - 探偵小説 - 一般小説 - 随筆 - 著書 - おまけ |
1904.09.07(明治37年) 浜松にて生まれる
1911.頃 大連に移る
19xx.xx. 早稲田大学第二高等学院文科入学、のち早稲田大学文学部英文科
1928.xx. 卒業、大連に戻る
1928.xx.〜 「青春」を大連新聞に連載
1930.10. 「十三号室の殺人」が新青年の懸賞に入選、掲載
(1932.03. 満州国建国宣言)
1932.xx. 満州国建国運動に参加
1933.06. 「小盗児市場の殺人」を新青年に掲載
1934.xx. 満鉄入社、この頃奉天に移る
1945.08.10(昭和20年) 戦死
筆名は、大庭武年
(国DC※)は国立国会図書館デジタルコレクション個人送信(ログイン必要)で公開されています(今後非公開になる可能性もあります)
(青空)は青空文庫でインターネット公開されています
(幻影城)は探偵小説専門誌「幻影城」と日本の探偵作家たち の 幻影城書庫でインターネット公開されています
(夢現)は「おまけ」で公開しています
( 新青年 1930.10. ) 幻影城 1977.05. 『迷宮の旅行者 本格推理展覧会』鮎川哲也監修、山前譲編 青樹社文庫(あ-03-08) 1999.10.20 『大庭武年探偵小説選1』 論創社・論創ミステリ叢書21 2006.12.10 |
D市ムーン・ビーチのクイーン・ホテルにドイツ人フリッツとギリシャ人マリヤが宿泊。三階の隣同士の部屋からマリヤはウイリアムが宿泊していた二階の端の十三号室に移る。半日毎に陽気から陰気になるマリヤ。宿泊十三日目にマリヤがピストルで撃たれて死亡、浴室の窓があいていたが後に非常階段ペンキ塗りたてとわかりほぼ密室である事がわかった。フリッツは捕縛される。郷英夫警部が細かな手懸りから真相をつきとめる。 |
戦前の論理的探偵小説として秀逸。トリックに新味がない事や、ややもすると推測できてしまうが為に長らく日の目をみなかっただけではないかと思われる。 |
( 新青年 1930.12. ) 『殺意のトリック』鮎川哲也編 双葉社 1979.11.10 『外地探偵小説集 満州篇』藤田知浩編 せらび書房 2003.11.10 『大庭武年探偵小説選1』 論創社・論創ミステリ叢書21 2006.12.10 ( 『幻の名探偵』 光文社文庫(み-19-41) 2013.05.20 ) |
D市郊外安田農園の競走馬彗星が騎手戸倉定雄に射殺されたと園主安田善作からの通報があった。私(郷警部)らが到着すると戸倉の屍体も見つかっていた。左手の拳銃、前夜の雨、死の前の行動から馬を射殺してから自殺したとは思えない。善作は前夜、宮部氏らと娘小夜子を混じえた晩餐を、スミノルフとは会談をしていた。戸倉は自殺したようであるが……。 |
競馬ミステリーの先駆け作品。事件、調査、陳述、解決という章題の論理性の強い探偵小説でもある。短すぎて読物としては物足りないがそれを補う構成でまとまっており秀作。 |
( 満洲日日新聞 1931.03.13〜06.13 ) |
( 探偵 1931.11. ) 『「探偵」傑作選 幻の探偵雑誌9』ミステリー文学資料館編 光文社文庫(み-19-09) 2002.01.20 (青空) 『大庭武年探偵小説選1』 論創社・論創ミステリ叢書21 2006.12.10 |
DからH、K飛行場へ向かう定期航空。池内操縦士、三枝機関士に乗客二人。生糸問屋綿井茂一とR銀行頭取秀岡清五郎。飛行中三枝は客室後部の便所に行くが戻った時から様子がおかしい。P民間飛行場の練習機と挨拶しながら順調にH飛行場に着陸すると、秀岡は血まみれで死んでおり綿井はいなくなっていた。地上を克明に見ていた池内はアリバイが成立するが……。 |
閉鎖空間だが当時の民間飛行機の構造がよくわからないのが難。扉はあるが気密性はないのだろう。偶然も多いが設定、構成、意外性は良い。 |
( 新青年 1931.12. ) 『パズルの王国 ミステリーの愉しみ3』鮎川哲也編、島田荘司編 立風書房 1992.04.20 『大庭武年探偵小説選1』 論創社・論創ミステリ叢書21 2006.12.10 |
D市郊外ポプラ荘で独逸人ゲルハルト博士が憤怒の形相で死亡しているのが見つかった、凶器の拳銃などの物理的証拠は見つからない。弾丸はガス管に当ったらしく一時ガスが充満していたという。郷警部らは隣の日光室の窓ガラスが外れるのを発見。女中浜村よね、美智子夫人、娘ベティ、女中石川光、下男下田啓吉、そして声楽家の相原、浜村三吉の訊問で……。 |
拳銃のトリック自体に新味はないが、手懸りの提示やミスディレクションの出し方は上手い。犯人の誘導も含め論理的説得力のある作品。 |
( 犯罪実話 1932.05. ) EQ 1990.09. 『こんな探偵小説が読みたい』鮎川哲也 晶文社 1992.09.15 ( 『七人の警部』山前譲編 広済堂ブルーブックス 1998.04.10 ) 『大庭武年探偵小説選1』 論創社・論創ミステリ叢書21 2006.12.10 |
D市、老男爵松井峻之助のアパートを訪れたC市の牧師村上敬吉。義弟の文書では教会に寄付する事になているので受取りにきたのだ。宝石を手放すくらいなら死んだ方がましと松井は言う。ばあや信が牧師の忘れ物を渡しに玄関まで行った時に銃声、松井は死んでいた。薬莢の指紋や煙草の吸殻などから郷警部は真相にせまる。 |
自ら「杜撰な推理」とあるように少し飛躍している。可能性の一つとしての調査と結果であれば問題はないが。幾つもある決定的でない手懸りは面白いものがある。 |
( 犯罪実話 1933.04. ) 『大庭武年探偵小説選1』 論創社・論創ミステリ叢書21 2006.12.10 |
D市から山一つ越えた、廃港となったが風光明媚な町R。テラスで撃たれて死んだジェームス。ローザ夫人の話ではジェームスの弟ヘンリー、甥ジョージ、養女ドローレスそれぞれ動機があるらしい。テラスからは一階の入口の他、階段下は浮桟橋でヘンリーがボートを修理、二階への階段の先の部屋にはジェームスがいた。現場に残されたLiLの文字、足跡、現場にない拳銃と貫通した弾丸。郷警部は英国領事や顧問弁護士の話などから犯人でない人物を除外していく。 |
戦前には類をみない、まさに埋れていた本格探偵小説の手本のような無駄のない作品。物語的に不足というのなら英国領事や顧問弁護士の話を話ではなく物語として入れればよいだけ。名作。 |
( 新青年 1933.06. ) 小説推理増刊 1974.08. 幻影城 1977.05. (幻影城) 朱夏 1999.10. 『大庭武年探偵小説選2』 論創社・論創ミステリ叢書22 2007.01.20 |
大連の六月、私が貴金属商でブローチを売り現金を得たところを龍崎に見られてしまった。東京で掏摸をしていた男で、私は強請られていたのから逃げていたのだ。私は彼を都市の泥棒市場とでもいうような場所で葬ろうとしたが……。 |
しょうとるいちば。題名が印象に残る作品。日本人が行くのに危険な場所というのも良い設定。結末はコントに近いが、伏線など構成はしっかりしている。 |
( 実話読物 1933.10. ) |
※島崎氏リスト掲載 不詳 |
( 協和 1933.10.15 ) 『大庭武年探偵小説選2』 論創社・論創ミステリ叢書22 2007.01.20 |
医学士相良は山田の自殺が不思議で仕方がない。寄生虫の駆除で体の調子も良くなり、職も恋もうまくいったところなのに。 |
誇張もありそうだが薬学の講義でなされる内容をアレンジしたコントであろうか。今となっては調べないとわからない事だが戦前では珍しくなかったのかもしれない。 |
( 新青年 1934.06. ) 『大庭武年探偵小説選2』 論創社・論創ミステリ叢書22 2007.01.20 |
従軍記者にならない特派員記者、特種を得る為前線へ。身を守る武器もない。Nは敵の戦死者を掘り出して拳銃を手にする。ある時、一人残って警備することに。 |
コントというべきか、当然の結末というべきか。悲劇にならないのが良いところか。 |
( ぷろふいる 1934.08. ) 『大庭武年探偵小説選2』 論創社・論創ミステリ叢書22 2007.01.20 |
場所は外国の壮麗な広間。銃声が一発。青年スミスが拳銃を手に、倒れて絶命している老紳士ジョンソンを見て立っている。舞踏室、賭博室、控え室の扉が開き紳士や婦人らが登場。ジョンソンに娘のメリイへの求婚を斥けられたスミス、口論していた旧友のエドワード。撃った場所が違うと指摘する警部。逃亡したスミスの恋敵ロバート。不可能な事情を淘汰していくと。 |
少し複雑でわかり難くい。また理由の一つは人数が多く紳士A〜Pの発言である為かもしれない。実際の劇では見た目で人物の属性が付加されるので問題ないかもしれないが。 |
( ぷろふいる 1935.11. ) 『大庭武年探偵小説選2』 論創社・論創ミステリ叢書22 2007.01.20 |
M医科大学生理学教室助手の山辺一夫には大学時代に恋人エミ子がいたが津島秀雄に奪われてしまっていた。勉学でも勝てず、二人は結婚。津島は重症となり、医学雑誌の記事を見て山辺は復讐しようとする。 |
今では医学雑誌記事の内容を信じる人はいないだろう。殺害で全く勝てずに終るか、助けて後に勝つのを期すかの葛藤部分は普遍的テーマでもあり良い感じ。 |
( 満洲日日新聞 1936.01.12 )(夢現) |
彼は子供可愛さに保険に入り……。 |
……。 |
( 月刊満洲 1936.09. ) |
( ぷろふいる 1937.03. ) 『大庭武年探偵小説選2』 論創社・論創ミステリ叢書22 2007.01.20 |
A新聞探訪記者の私、津上純夫は迷宮入りになった歌姫失踪事件の真相、友人峰島一衛の活躍を知っている。黒沢恵子は青髭からの脅迫状を受取っていた。N会館の帰朝リサイタルの帰り、鍵のかかった車から消えていた。後続車両には支配人浅川久輔、パトロン北畠男爵、音楽批評家寒河江譲二が乗って見守っていたのだが。運転手も気付かなかったと証言するが殺されてしまう。峰島は自動車から手懸りを得る。 |
自動車内での失踪事件。モーターボート、飛行機、そして本作が自動車と機械系にも強い事をうかがわせる。意外性を重視した為か物語性を重視した為か、伏線提示しての論理性は劣る。 |
( 旅行満洲 1937.07. ) |
( 満洲映画 1938.11. )(国DC※) 『大庭武年探偵小説選2』 論創社・論創ミステリ叢書22 2007.01.20 |
靴の紐を直すときに書類をロードスターに載せた牧山君。姑娘が乗って走り去っていきます。届けにきた姑娘蘭英とひと時を過ごします。塗って下さいません? と渡されたタンヂーの口紅がポケットに。 |
国際都市ならではというエピソードか。ですます調の文と短い文節が軽妙な雰囲気を出している。 |
( 大連新聞 1928.〜1929. ) |
( 協和 1930.04.15 ) 『大庭武年探偵小説選2』 論創社・論創ミステリ叢書22 2007.01.20 |
太平洋上の難破船、数十日後の甲板。乗員は三吉、龍蔵、船長、仙太、由松。死を目前にしたそれぞれの心情。 |
( 満洲日報 1930.05.04〜14 ) 『大庭武年探偵小説選2』 論創社・論創ミステリ叢書22 2007.01.20 |
江戸時代末期、三吉は母の死でかたぎになっていた。昔の仲間の六蔵に出会い賭博で借金、お蘭と出会い若旦那を、ふとした事で次々と罪を重ねていく。 |
( 協和 1930.05.01〜06.01 ) 『大庭武年探偵小説選2』 論創社・論創ミステリ叢書22 2007.01.20 |
斉斉哈爾から西北五十里、馬賊雷煥淇らに捕らえられた日本人が譚宣章に処刑される。哈爾浜で植村大尉の死をニーナ・ミハイロヴナ嬢に知らせる荒城秀夫だった。奉天では植村の妹の晴子は穆洵少佐の操縦する飛行機に乗り求婚されている。荒木と会った晴子だが武装警官に捕らえられる。逃げ出した晴子は穆に助けを求める。逃げ出した荒木は芳蘭に匿われる。というところで中絶。 |
( サンデー毎日増刊 1930.05.05 ) 『大庭武年探偵小説選2』 論創社・論創ミステリ叢書22 2007.01.20 |
高等商船学校の練習船、篠島は横浜に帰港する。親友松崎の遺品を許嫁だった縫子に渡す。沖は元気づけようとLホテル女王のまゆみを篠島に紹介するがまゆみは本気になっていく。縫子に貿易商の次男との縁談がきていた。愚連隊にからまれ篠崎と沖は追い払うが……。映画化されたとの事。 |
( 満蒙 1932.04.〜05. ) |
( 満蒙 1932.07. ) |
( 満蒙 1933.01. ) |
( 協和 1933.01.01 ) |
( 満蒙 1933.03. ) |
( 満蒙 1933.06. ) |
( 満蒙 1933.07. ) |
( 新天地 1934.01. )(国DC※) |
秋の夕、中学校の校庭。久保田は飯田に尋ねる、惇公がどうしたって? 恨まれるから。Y・Y・Y……。 |
( 満蒙 1934.03. ) |
( 満蒙 1934.05. )(国DC※) |
人物伝?三幕。蒋介石の学校の場、北伐演説、孫文の墓前 |
( 新天地 1934.06. )(国DC※) |
仁吉がころばそうとしました。仁吉は鞄の中をみせます。仁吉は強いところを見せます。仁吉は扉を閉めただけだと言います。仁吉はRの妹を泣かせます。仁吉は……。 |
( 満蒙 1935.01. )(国DC※) |
啓蒙戯曲?三幕計五場。杜景順と相文兄弟が豚を汽車に殺され置き石をしようとするが劉村長に諭される。母が病気で医者が都市から来て助かる。景順が匪賊に殺され相文が隠れ家を見つけ劉村長に相談し……。 |
( 新天地 1935.04. )(国DC※) |
姪の美生子が高等女学校を卒業でD市から東京に引き上げる事になった。私は美生子と彼女の兄と中学同窓の学生島、恋人同士の二人から美生子が残れるよう働きかけるよう頼まれた。彼女の母高石未亡人は学生の身分で結婚はさせられないと反対する。あと三年……。 |
( 満蒙 1936.11.〜12. )(国DC※) |
プロレタリア? 働いても働いても良くならない。租税に附加税に利子。政府から省縣軍閥地主と加算されていく。それらもまた外国資本へと流れていく。旱魃でも水害でも豊作でも。農民はそれらを知らない。ついに一人になった穆英は売られた妹を買い戻したいと願う。 |
( 月刊満洲 1936.03. ) |
( 月刊満洲 1936.12. ) |
( ? 1938.06. ) |
( 新天地 1938.09. ) |
プロレタリア? 李萬福は旱魃にやられ、家族を置いて単身満洲への出稼ぎに志願する。線路敷設工事、不自由のない生活だった。だが月に一度の賃金支払日には請負人や大工頭などで減り、生活費、共同生活使用人の賃金が引かれてわずかなものだった。ダイナマイト作業の日……。 ※附記――締切日の都合で中途半端で筆を擱く事をお詫びする、他日中篇に纏める心算である。 |
( 満洲日報 1929.07.25、08.01 ) |
( 満洲日報 1929.08.15 ) |
( 満洲日報 1929.11.07. ) |
( 満洲日報 1930.04.21 ) 『大庭武年探偵小説選2』 論創社・論創ミステリ叢書22 2007.01.20 |
W大学の三年間のようす |
( 満洲日報 1930.08.11 ) 『大庭武年探偵小説選2』 論創社・論創ミステリ叢書22 2007.01.20 |
探偵小説を書いたのは、ファンなのと募集というチャンスと空想力への創作欲。非センチメンタルでスピイデイでエクサイテング。興味本位と芸術性は両立し難い。「黄色い部屋」を読んで病みつきに。物語的探偵小説は大衆小説としては興味的だが真の探偵小説は本格物。目標は純文学で変わらず。通俗小説より探偵小説は何百倍もまし。スマートネスとモダニズムの注入を。 |
( 犯罪実話 1933.01. ) 『大庭武年探偵小説選2』 論創社・論創ミステリ叢書22 2007.01.20 |
四篇の実話。「北満の義賊コルニコフ」護送中に逃亡、悠然と一般人にまぎれ消息不明だったが。「大倉組馬賊事件」工事現場から攫われ身代金を払う、馬賊組織の話とその後。「L子行方不明事件」小学校に帰りに行方不明、誘拐理由も不明のまま。「劉殺し事件」被害者は支那南方政府要人で強盗、偶然隣室の話をM新聞記者が聞いて。大連、旅順市街は凶悪犯罪はほとんどない。捜査に手抜かりなどがなければ捕縛されるから。この稿は「友人島田一男君の示教によるところ大」との事。 |
( 新天地 1933.06. )(国DC※) |
台本再録 |
( 協和 1933.06.15 ) |
( 新天地 1933.08. )(国DC※) 『大庭武年探偵小説選2』 論創社・論創ミステリ叢書22 2007.01.20 |
昭和八年六月、享年六十四歳。大正十三四年頃、大連から資材人員を出しての樺太の製紙工場建設(富士製紙知取工場)。小学校優等生で卒業、村役場、気多製紙会社(社長大川平三郎)、材木商経営、日露戦争後渡満、山葉洋行支店長、独立し土木建築請負。大連ヤマトホテル、正金銀行、税関長官舎を請け負う。感謝を、そして安らかに。 |
( 満蒙 1933.09. ) |
( 書香(満鉄各図書館報)(満鉄大連図書館報) 1934.02. )(国DC※) |
化粧品と口笛 川端康成氏著 ―僕の好きな傾向の文学として愛読せり。 無神論教程 第一部第二部 永田広志氏訳 ―常識としての宗教観をこれ程迄に分り易く説いてくれし書物他になし。 ※全文 |
( 月刊満洲 1934.06. ) |
( 同軌 1934.11.01 ) |
( ぷろふいる 1936.12. ) 『大庭武年探偵小説選2』 論創社・論創ミステリ叢書22 2007.01.20 |
大連は内地と変わらない。満人街は猟奇そのもの。この頃は明朗化。探偵小説のネタもなくなりつつある。満州を背景に社会情勢のからんだ国際探偵小説が書けたらと考えている。 |
( 満洲映画 1938.04. )(国DC※) |
「限りなき前進」良心的作品だが入場料で憂鬱を買う事に。「どん底」のように明日への希望を。東宝制作課長は合理化で採算の取れる作品製作方針との事、日活のように観客に追従ではなく先導を。満映劇場第一回作品に期待。東和商事の努力。「風の中の子供」「五人の斥候兵」。観客を低級扱いする映画企業家こそ低級。 |
( 新天地 1938.09. )(国DC※) |
( 満鉄奉天図書館収書月報 1939.07. ) |
( 満洲グラフ 1939.09. ) |
( 協和 1939.10.15 )(夢現)(国DC※) |
鉄道愛路運動/愛護団の経緯と活動内容紹介。 |
( 協和 1940.02. )(国DC※) |
東海に生まれ満洲の方が住み良いとはいえない。環境に応じて住みよさ、楽しさ、生きがいを発見している。生活することそのものが楽しい。 |
( 満洲日日新聞 1940.09.01 ) 『大庭武年探偵小説選2』 論創社・論創ミステリ叢書22 2007.01.20 |
一年以上沈黙している。依頼に背水の陣で臨むが敗北。編集者にお詫び。 |
( 満洲日日新聞 1942.09.04 ) 『大庭武年探偵小説選2』 論創社・論創ミステリ叢書22 2007.01.20 |
浜松で十歳ぐらいまで育った。富士が見えていた。家は城の直下、祖父は茶畑で茶を摘んでいた。天竜川、遠州灘、浜名湖畔。心の故郷は生まれ故郷。子供たちの時代は世界的な日本人になるのを期待。 |
( 満洲日日新聞 1943.05.29 ) 『大庭武年探偵小説選2』 論創社・論創ミステリ叢書22 2007.01.20 |
七、八年小説を書いていない。この頃、毎日一大長篇を頭の中で描きちらしている。新興階級の家族が中心。父の時代、息子の時代、子供たちの中に次の萌芽が。書かれざる傑作に相違ない。 |
入口へ ← 著者別リストへ ← 先頭へ |
|