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浜尾四郎 作品

Since: 2021.12.24
Last Update: 2024.10.13
略年譜 - 探偵小説 - 随筆 - 著書
作品小集1 - - - - (別ページ)
注)このページは、過去存在した もる氏の「浜尾四郎研究所」アーカイブをベースとしています。


      浜尾四郎(はまおしろう)略年譜

    1896.04.24(明治29年)  東京市にて医学博士加藤照麿の四男として生まれる
    1917.xx.  一高第二十七回記念祭寮歌を作曲
    1918.12.  枢密院議長浜尾新の養子となる
    1923.03.  東京帝国大学法学部を卒業
    1923.12.  司法官試補を拝命、後に検事
    1925.11.  襲爵
    1928.08.  弁護士を開業
    1929.01.  処女創作「彼が殺したか」を新青年に発表
    1930.11.  短編集『殺人小説集』を刊行
    1931.01.  ラジオ朗読『博士邸の怪事件』をNHK名古屋で放送開始
    1931.04.  『博士邸の怪事件』を日本放送協会東海支部で刊行
    1931.04.  『殺人鬼』を名古屋新聞に連載開始
    1933.03.  『鉄鎖殺人事件』を新潮社より刊行
    1933.06.  貴族院議員に当選
    1934.11.  『平家殺人事件』を連載開始するが雑誌廃刊の為に中絶
    1935.10.29(昭和10年)  脳溢血の為に死去

    筆名は、浜尾四郎、(濱尾四郎)、(浜尾子爵)、金富賛三

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      (国DC※)は国立国会図書館デジタルコレクション個人送信(ログイン必要)で公開されています(今後非公開になる可能性もあります)
      (青空)は青空文庫でインターネット公開されています
      (奈落)は「奈落の井戸」の「奈落雑記(note)」で公開されています
      (名張)は「名張人外境」の「乱歩百物語」で公開されています
      (夢現)は「浜尾四郎 作品小集」で公開しています
      (夢現※)は「浜尾四郎 作品小集」で部分公開しています



      探偵小説

  1. 「彼が殺したか」
    ( 新青年 1929.01.〜02. )
    『浜尾四郎・久山秀子集』 改造社・日本探偵小説全集16 1929.12.03 (国DC※)
    ( 『殺人小説集』 赤炉閣 1930.11.02 )
    ( 『新選探偵小説集』 平凡社・現代大衆文学全集続18 1932.01.05 )
    ( 『日本探偵小説傑作集』江戸川乱歩選 春秋社・傑作探偵叢書 1935.09.22 )
    ( 『殺人小説集』 春陽堂日本小説文庫388 1936.08.xx )
    ( 『日本探偵小説傑作集』江戸川乱歩編 一号館書房 1948.02.30 )
    ( 『日本探偵小説傑作集2』江戸川乱歩編 新府書房 1948.11.25 )(国DC※)
    ( 『博士邸の怪事件 他』 春陽堂長篇探偵小説全集11 1957.03.20 )(国DC※)
    『殺人小説集 浜尾四郎全集1』 桃源社 1971.06.25
    ( 『甲賀三郎・大下宇陀児・夢野久作・浜尾四郎』 講談社・現代推理小説大系2 1973.06.08 )(国DC※)
    ( 『殺人小説集』 桃源社 1976.04.20 )
    『犯人よ、お前の名は? 新青年傑作選集1推理編』中島河太郎編 角川文庫 (緑434-01) 1977.07.15 (国DC※)
    『殺人小説集』 春陽文庫(C10-04) 1980.04.15
    『日本探偵小説全集5 浜尾四郎集』 創元推理文庫(400-06/Mん-06) 1985.03.29 (青空)
    ( 『君らの魂を悪魔に売りつけよ 新青年傑作選』中島河太郎編 角川文庫 (ん-18-02) 2000.11.25 )
    『浜尾四郎探偵小説選』 論創社・論創ミステリ叢書6 2004.04.20
    ( 『殺人小説集 浜尾四郎全集1』 沖積舎 2004.11. )
    『江戸川乱歩と13人の新青年 論理派編』ミステリー文学資料館編 光文社文庫(み-19-29) 2008.01.20
     弁護士から探偵小説家への話。相州K町、小田清三と道子夫婦、友田剛、大寺一郎は麻雀をし、大寺はその夜小田邸に泊る事になった。夜、叫び声を聞いた女中は下僕と共に夫婦の寝室に行くと胸をさされた清三、半裸で縛られた道子、隣室に凶器を持った大寺が立っていた。逮捕された大寺は自白し、弁護士の私は裁判でも弁護できなかった。大寺の手記を入手した私だが、その内容とは……。
     自白と法律の問題提示作ではある。また感情や動機も単一ではないと。「君らの魂を悪魔に売りつけよ」がこの作品からの引用とは気付いてなかった。
  2. 「シクラーメン」 (「シクラメン」)[(藤枝真太郎)]
    ( 文藝春秋 1929.02. )
    新青年趣味19号 2019.05.05
     検事藤枝真太郎は詐欺犯を取り調べていた。妊娠中の廉香水をつけたハンカチで涙を拭う女房は彼の前科も知らない。起訴か不起訴か。真太郎にも妊娠中の女房がいる。悪友伊村にあそびに誘われ芸者が用いていた香水は真太郎の女房が用いて居たのと同じシクラーメン……。
     検事のある一日というような内容。後の名探偵とは同姓同名の別人、又は別世界とみるべきだろう。匂いが移っていた懸念回避というのはうがちすぎか。
  3. 「悪魔の弟子」 [(土田八郎)]
    ( 新青年 1929.04. )
    『浜尾四郎・久山秀子集』 改造社・日本探偵小説全集16 1929.12.03 (国DC※)
    ( 『殺人小説集』 赤炉閣 1930.11.02 )
    ( 『殺人小説集』 春陽堂日本小説文庫388 1936.08.xx )
    ( 『現代推理小説全集』 角川書店・現代国民文学全集27 1958.06.30 )(国DC※)
    『殺人小説集 浜尾四郎全集1』 桃源社 1971.06.25
    ( 『殺人小説集』 桃源社 1976.04.20 )
    『殺人小説集』 春陽文庫(C10-04) 1980.04.15
    『日本探偵小説全集5 浜尾四郎集』 創元推理文庫(400-06/Mん-06) 1985.03.29 (青空)
    『魔の怪』志村有弘編 勉誠出版べんせいライブラリー・ミステリーセレクション 2002.11.15
    ( 『殺人小説集 浜尾四郎全集1』 沖積舎 2004.11. )
     島浦英三から検事土田八郎宛の手紙。真犯人ではない事を信じて下さい。学生時代、眠れない夜などに恐怖や犯罪知識を教育、可愛がってくれたが卒業でそれっきり。すえ子との恋も終り荒れた生活でした。露子と結婚しましたが、すえ子と再会した事もあり厭わしく殺そうと思うようになりました。睡眠薬を用いて……。
     倒叙。計画が皮肉な結果となる作品。未決囚という事なので告白を元に再調査するかどうかは検事次第という事か。
  4. 「黄昏の告白」
    ( 新青年 1929.07. )
    『浜尾四郎・久山秀子集』 改造社・日本探偵小説全集16 1929.12.03 (国DC※)
    ( 『殺人小説集』 赤炉閣 1930.11.02 )
    ( 『殺人小説集』 春陽堂日本小説文庫388 1936.08.xx )
    宝石 1953.05.
    『新青年傑作選 第一巻 推理小説編』中島河太郎編 立風書房 1970.02.25/新装版 1974.12.xx/新々装版 1991.06.10 (青空)(国DC※)
    『殺人小説集 浜尾四郎全集1』 桃源社 1971.06.25
    ( 『殺人小説集』 桃源社 1976.04.20 )
    『殺人小説集』 春陽文庫(C10-04) 1980.04.15
    ( 『くらしっくミステリーワールド4 浜尾四郎集 (大活字本)』中島河太郎監修 リブリオ出版 1997.02.28 )
    『浜尾四郎探偵小説選』 論創社・論創ミステリ叢書6 2004.04.20
    ( 『殺人小説集 浜尾四郎全集1』 沖積舎 2004.11. )
    『『新青年』名作コレクション』新青年研究会編 ちくま文庫(し-53-01) 2021.04.10
     戯曲家大川龍太郎は自殺を企て入院。友人の山本正雄副医院長に告白と質問を投げかける。余命と子供の事を。戯曲家の競争者米倉三造には恋愛闘争で勝ち劇団女優酒井蓉子と結婚したが、その後の芸術家としての評価は負け続けていた。強盗が入った時に妻は殺され、龍太郎は強盗を射殺した。正当防衛となったが……。
     夫として芸術家としての直観に対して実は、という話。しかし最後の数行がよくわからない。山本医師の見立ても間違っていたという事だろうか。
  5. 「死者の権利」 [(土田八郎)]
    ( 週刊朝日 1929.09.20 )
    ( 『殺人小説集』 赤炉閣 1930.11.02 )
    ( 『殺人小説集』 春陽堂日本小説文庫388 1936.08.xx )
    『殺人小説集 浜尾四郎全集1』 桃源社 1971.06.25
    ( 『殺人小説集』 桃源社 1976.04.20 )
    『殺人小説集』 春陽文庫(C10-04) 1980.04.15
    『日本探偵小説全集5 浜尾四郎集』 創元推理文庫(400-06/Mん-06) 1985.03.29 (青空)
    ( 『殺人小説集 浜尾四郎全集1』 沖積舎 2004.11. )
     元東京地検検事で弁護士の土田八郎の話。検事の時、ブルジョアの須山健吉の息子春一の傷害致死事件を担当。春一はカフェーの秋田小夜子と夫婦約束をしていたが、健吉夫妻に従い某博士の令嬢と許婚になってしまった。妊娠している小夜子は繋ぎとめようと次第に激しくなっていく。Nホテルで小夜子は死亡。裁判で小夜子を貶める弁護士。判決が確定して……。
     弁護士として真相を知りながら被告の依頼通りにするのが正義かどうかの問題、反論証言できない死者の名誉の問題、殺意の問題などの提示作品。現れた事柄からだけで人が人を裁くのは難しい。
  6. 「夢の殺人」
    ( 新青年 1929.10. )
    ( 『殺人小説集』 赤炉閣 1930.11.02 )
    ( 『殺人小説集』 春陽堂日本小説文庫388 1936.08.xx )
    『殺人小説集 浜尾四郎全集1』 桃源社 1971.06.25
    ( 『殺人小説集』 桃源社 1976.04.20 )
    『殺人小説集』 春陽文庫(C10-04) 1980.04.15
    『日本探偵小説全集5 浜尾四郎集』 創元推理文庫(400-06/Mん-06) 1985.03.29 (青空)
    ( 『くらしっくミステリーワールド4 浜尾四郎集 (大活字本)』中島河太郎監修 リブリオ出版 1997.02.28 )
    ( 『殺人小説集 浜尾四郎全集1』 沖積舎 2004.11. )
    ( 『日本ミステリー名作集3』フロンティア文庫編 フロンティア文庫(087) 2005.05.xx )
     弁護士志望のコック藤次郎は美代子に恋をしていた。要之助の出現で美代子の気持ちが移ったようだ。要之助は夢遊病者で父親の頭を殴った事もあった。藤次郎は正当防衛としての計画を練るが……。
     倒叙。最後の部分で判事判定が絶対ではないとしているがデータ不足。他者視点での描写であれば変わるかもしれないが。
  7. 「殺された天一坊」
    ( 改造 1929.10. )
    ( 『殺人小説集』 赤炉閣 1930.11.02 )
    ( 『新選探偵小説集』 平凡社・現代大衆文学全集続18 1932.01.05 )
    ( 『殺人小説集』 春陽堂日本小説文庫388 1936.08.xx )
    ( 『江戸川乱歩愛誦探偵小説集(中)』江戸川乱歩編 岩谷書店 1947.08.25 )
    探偵実話増刊 1957.03.
    ( 『博士邸の怪事件 他』 春陽堂長篇探偵小説全集11 1957.03.20 )(国DC※)
    宝石 1963.04.
    『殺人小説集 浜尾四郎全集1』 桃源社 1971.06.25
    ( 『甲賀三郎・大下宇陀児・夢野久作・浜尾四郎』 講談社・現代推理小説大系2 1973.06.08 )(国DC※)
    ( 『大衆文学大系30 短篇(下)』 講談社 1973.10.20 )(国DC※)
    ( 『殺人小説集』 桃源社 1976.04.20 )
    ( 『日本探偵小説ベスト集成 戦前篇』中島河太郎編 徳間書店トクマノベルス 1976.07.10 )
    『殺人小説集』 春陽文庫(C10-04) 1980.04.15
    『日本ミステリーベスト集成1 戦前編』中島河太郎編 徳間文庫(144-01) 1984.09.15 (国DC※)
    『日本探偵小説全集5 浜尾四郎集』 創元推理文庫(400-06/Mん-06) 1985.03.29 (青空)
    ( オール讀物増刊 1988.07. )
    ( 小説新潮増刊「昭和名作推理小説」 1989.05. )
    『昭和のエンタテイメント50篇(上)』文藝春秋編 文春文庫(217-15/編-03-04) 1989.06.10
    『昭和ミステリー大全集(上)』新潮社編 新潮文庫(し-22-01) 1991.01.25
    ( 『くらしっくミステリーワールド4 浜尾四郎集 (大活字本)』中島河太郎監修 リブリオ出版 1997.02.28 )
    『大岡越前』縄田一男編 廣済堂文庫(な-08-03) 1998.07.01
    『大江戸犯科帖 時代推理小説名作選』細谷正充編 双葉文庫(ほ-07-01) 2003.10.20
    ( 『殺人小説集 浜尾四郎全集1』 沖積舎 2004.11. )
    ( 『江戸三百年を読む シリーズ江戸学(下)幕末風雲編』縄田一男編 角川ソフィア文庫(I-11-08) 2009.09.25 )
    『変格ミステリ傑作選 戦前篇』竹本健治選 行舟文庫(GSた1-1) 2021.08.28
     大岡裁き。御奉行様は「娘の手を引の件」での後日の遺書、「猫密夫を知る件」での別人の自白以来陰気になってしまいました。悪人だから処刑になるか処刑になるから悪人なのか、を認識しまた明るくなりました。天一坊の件では苦悩しながら……。
     大岡政談が実話としてなら真実通りに裁きが行われるとは限らない、大岡政談が創作としてなら流布されているのは誤りも多いという事になるのだろうか。
  8. 「富士妙子の死」
    ( 朝日 1929.10.,12. )
    新青年趣味9号 2001.12.31
    『浜尾四郎探偵小説選』 論創社・論創ミステリ叢書6 2004.04.20
     富士妙子は坂田種雄の子を身ごもった。厳格な親や教師という職業を考えると堕胎するしかない。そこで坂田は薬を飲ませるが妙子は死亡してしまう。裁判の証言などから……。
     誌上陪審、懸賞推理クイズ。解答は翌々月「作者の言葉」として掲載。陪審員制導入が1928年らしいので面白い試み。
  9. 「正義」
    ( 新青年 1930.04. )
    ( 『殺人小説集』 赤炉閣 1930.11.02 )
    ( 『殺人小説集』 春陽堂日本小説文庫388 1936.08.xx )
    ( 別冊宝石 1956.06. )
    『殺人小説集 浜尾四郎全集1』 桃源社 1971.06.25
    ( 『殺人小説集』 桃源社 1976.04.20 )
    『殺人小説集』 春陽文庫(C10-04) 1980.04.15
    『「新青年」傑作選 幻の探偵雑誌10』ミステリー文学資料館編 光文社文庫(み-19-10) 2002.02.20 (青空)
    『浜尾四郎探偵小説選』 論創社・論創ミステリ叢書6 2004.04.20
    ( 『殺人小説集 浜尾四郎全集1』 沖積舎 2004.11. )
     衣川柳太郎弁護士は旧友清川純の訪問を受けた。衣川はM温泉のホテルボーイ森木国松が松村子爵を殺害したという事件を弁護していた。森木は自白し藤山検事は起訴したが予審廷で翻した。無罪の証拠はないが有罪ともいえない。清川は目撃者がいる事を話すが……。
     無実の証明、正義の遂行に犠牲者が出る場合の選択だが他に方法があったように思う。問題提示上わからなくもないが。子爵側の様子はよくわからないまま。
  10. 「彼は誰を殺したか」
    ( 文藝春秋増刊 1930.07. )
    ( 『殺人小説集』 赤炉閣 1930.11.02 )
    ( 『新選探偵小説集』 平凡社・現代大衆文学全集続18 1932.01.05 )
    ( 『殺人小説集』 春陽堂日本小説文庫388 1936.08.xx )
    『殺人小説集 浜尾四郎全集1』 桃源社 1971.06.25
    ( 『殺人小説集』 桃源社 1976.04.20 )
    『殺人小説集』 春陽文庫(C10-04) 1980.04.15
    『日本探偵小説全集5 浜尾四郎集』 創元推理文庫(400-06/Mん-06) 1985.03.29 (青空)
    『戦慄の十三楽章 音楽ミステリ傑作選』鮎川哲也編 講談社文庫(あ-19-06) 1986.08.15
    ( オール讀物増刊 1990.04. )
    ( 『殺人小説集 浜尾四郎全集1』 沖積舎 2004.11. )
    ( 『日本ミステリー名作集3』フロンティア文庫編 フロンティア文庫(087) 2005.05.xx )
     中条直一は妻綾子と吉田豊の仲を疑い、房州T海岸の崖道で突き落とそうと計画。某省役人という事もあり過失死として処理された。その後、直一は神経衰弱になり日比谷公園脇の道路で法学士伯爵細山宏の車で轢き殺されてしまう。大谷検事の聴取を受ける伯爵、業務上過失致死になるが真相は……。
     故意か事故か、必然か偶然か、未遂か既遂か。本人以外はわからない所に良さがある。
  11. 「島原絵巻」
    ( 犯罪科学 1930.07. )
    ( 『殺人小説集』 赤炉閣 1930.11.02 )
    ( 『新選探偵小説集』 平凡社・現代大衆文学全集続18 1932.01.05 )
    ( 『殺人小説集』 春陽堂日本小説文庫388 1936.08.xx )
    ( トップ増刊 1947.06. )
    妖奇 1948.01.〜02.
    『殺人小説集 浜尾四郎全集1』 桃源社 1971.06.25
    ( 『殺人小説集』 桃源社 1976.04.20 )
    『殺人小説集』 春陽文庫(C10-04) 1980.04.15
    『浜尾四郎探偵小説選』 論創社・論創ミステリ叢書6 2004.04.20
    ( 『殺人小説集 浜尾四郎全集1』 沖積舎 2004.11. )
     簑島老人が見せてくれた大矢月堂の島原殉教者大勢の絵と男女火炙りの絵。大勢の絵は誇張も感じられるが男女の絵はぞっとするほどの出来だった。老人によれば月堂の女房と勇吉という少年がモデルで月堂が殺したという。関東大震災の時に……・。
     災害発生時の心理状態という事でもあるだろうか。芸術家の狂気とは一味異なる。
  12. 「肉親の殺人」
    ( 婦人公論 1930.07.〜09. )
    ( 『新選探偵小説集』 平凡社・現代大衆文学全集続18 1932.01.05 )
    『殺人小説集 浜尾四郎全集1』 桃源社 1971.06.25
    ( 『殺人小説集』 桃源社 1976.04.20 )
    ( 『殺人小説集 浜尾四郎全集1』 沖積舎 2004.11. )
     二十年前、法学博士白井条太郎は女優富士雪野との仲を妻綾子に責められ、雪野には別れを告げる。しかし、綾子は条太郎を殺そうとして毒を飲んで死んだ。父親一人で良一、準吉、信雄を育てた条太郎だが良一は実業家林卓蔵の令嬢瑠璃子の為に学問を捨てるという。準吉は女給久江に金を与えていた。久江の兄長谷川吉太郎は卓蔵の会社を馘首されていた。瑠璃子は準吉と付きあう。そして卓蔵と瑠璃子が惨殺され吉太郎が告白。藤田検事は疑問を抱くが……。
     女性に対するさまざまな態度を示している。錯綜した展開も面白い。しかし書かれている通り、事件解決はするがその後の結末はない。二人の女性、もう一人は誰だろう。
  13. 「探偵小説作家の死」
    ( 週刊朝日 1930.07.01 )
    ( 『殺人小説集』 赤炉閣 1930.11.02 )
    ( 『殺人小説集』 春陽堂日本小説文庫388 1936.08.xx )
    ( 妖奇 1950.05. )
    『殺人小説集 浜尾四郎全集1』 桃源社 1971.06.25
    ( 『殺人小説集』 桃源社 1976.04.20 )
    『殺人小説集』 春陽文庫(C10-04) 1980.04.15
    『浜尾四郎探偵小説選』 論創社・論創ミステリ叢書6 2004.04.20
    ( 『殺人小説集 浜尾四郎全集1』 沖積舎 2004.11. )
     青年探偵小説作家土居湖南(本名露木友也)が遺書を残して自殺したという。雑誌記者である私は発表された「探偵小説作家の犯罪」白根東一郎と未発表で入手した「探偵小説作家の死」土居湖南が共に先輩後輩や動機の違いがあるものの、状況や発表作品に従って殺人を犯すところはほぼ同じという事から推理する……。
     概略であるが作中作を含む作中作二篇を含むため虚実混在で複雑。最後の可能性は時刻により不自然な気もするが。登場作品は、「青と赤」「戦慄」白崎氏、「人獣」戸川半哺、相良三郎、「人鬼」「探偵小説作家の犯罪」白根東一郎、「青白き雨」「父の犯罪」「迷路」「探偵小説作家の死」(未発表)土居湖南。「白き雨」「子の罪」「遍路」山路三郎、「迷える人」「野原の殺人」「熱涙」「探偵小説作家の死」寺井泰夫。「青き空」「父の死」「郷愁」「獣人」「探偵小説作家の犯罪」藤田保、「灰色の犯罪」「活路」児玉宇吉。
  14. 「虚実」 (「有り得る場合」)
    ( 新青年 1930.11. )
    ( 『殺人小説集』 赤炉閣 1930.11.02 )
    ( 『新選探偵小説集』 平凡社・現代大衆文学全集続18 1932.01.05 )
    ( 『殺人小説集』 春陽堂日本小説文庫388 1936.08.xx )
    『殺人小説集 浜尾四郎全集1』 桃源社 1971.06.25
    ( 『殺人小説集』 桃源社 1976.04.20 )
    『殺人小説集』 春陽文庫(C10-04) 1980.04.15
    『浜尾四郎探偵小説選』 論創社・論創ミステリ叢書6 2004.04.20
    ( 『殺人小説集 浜尾四郎全集1』 沖積舎 2004.11. )
     竹内健次郎院長は兄義彦の緊急手術を行う事にした。だが、途中で脳貧血で倒れて兄は死亡した。健次郎は遺産を相続し、未亡人となった春子と結婚、N市に移り病院を経営する事になった。三年後、H山A湖畔で健次郎が死亡する。現職検事の私は想像する……。
     立証できない、有り得る解釈の提示。偶然要素が強いので、他にも妄想はできそう。
  15. 「途上の犯人」
    ( 犯罪科学 1930.11. )
    幻影城 1977.03.
    ( 『一等車の女 鉄道推理ベスト集成4』鮎川哲也編 徳間書店トクマノベルス 1978.06. )
    『日本探偵小説全集5 浜尾四郎集』 創元推理文庫(400-06/Mん-06) 1985.03.29 (青空)
    『殺意の終着点 トラベル・ミステリー6』鮎川哲也編 徳間文庫(134-08) 1983.07.15 (国DC※)
    ( 『くらしっくミステリーワールド4 浜尾四郎集 (大活字本)』中島河太郎監修 リブリオ出版 1997.02.28 )
    『探偵小説の風景 トラフィック・コレクション(上)』ミステリー文学資料館編 光文社文庫(み-19-33) 2009.05.20
     探偵作家の私は東京からT市へ三等車に乗っていた。無遠慮に見つめる男は前日の市電でも同じだったと気付いた。相川俊夫と名乗る男は、私の作品によって影響を受け、罰せられずに殺人を行ったと告げる。ひろ子は妻俊子と水原の間で出来た子ではないかと、ひろ子を。良心の呵責、そしてT駅に着くと……。
     事件の決着は明確ではない。誰が訴えたかにより、精神異常者の妄想としか思えなくなる。どのようにでもとれそうな話。車中の話からというのは個人的に好きな設定。
  16. 「不幸な人達」
    ( 文学時代 1931.01. )
    ( 『博士邸の怪事件』 新潮社長篇文庫20 1931.09.07 )(国DC)
    『殺人小説集 浜尾四郎全集1』 桃源社 1971.06.25
    ( 『殺人小説集』 桃源社 1976.04.20 )
    『博士邸の怪事件』 春陽文庫探偵CLUB(C88-01) 1996.06.10
    『浜尾四郎探偵小説選』 論創社・論創ミステリ叢書6 2004.04.20
    ( 『殺人小説集 浜尾四郎全集1』 沖積舎 2004.11. )
     作家汐山広次は大道寺伯爵令嬢澄子に不眠症には劇薬だが少量なら睡眠剤になると提示するが澄子は嘲笑して吉川法学士にも同意を求める。広次は目分量で澄子のグラスに入れるのだった。翌日、不安になって大道寺家へ行くと浜島医学士から劇薬を飲んで絶望的だと聞かされる。帰宅した広次はその後……。
     善意がもたらす悲劇ではあるが、途中経過によって最後がより効果的になっている。
  17. 「マダムの殺人」
    ( 朝日 1931.01. )
    ( 『新選探偵小説集』 平凡社・現代大衆文学全集続18 1932.01.05 )
    『殺人小説集 浜尾四郎全集1』 桃源社 1971.06.25
    ( 『殺人小説集』 桃源社 1976.04.20 )
    ( 『殺人小説集 浜尾四郎全集1』 沖積舎 2004.11. )
    ( 『変態性欲小説集 サドマゾ・エログロ・ナンセンス』 十三舎 2013.xx. )
     ホテルボーイの木村正彦はマダム香川に誘われ彼女のヴィラへ行く。鎖、繩、鞭、針。次にいった時は美少年吉川三郎との仲を見せつけられる。マダムの言いなりになった正彦は三郎と少女春子を……。
     M側からみた女王様。〇〇字抹殺による影響か、淡々とした印象で殺人淫楽症とも思えず結末となる。
  18. 「救助の権利」
    ( 文藝倶楽部増刊 1931.04. )
    ( 『博士邸の怪事件』 新潮社長篇文庫20 1931.09.07 )(国DC)
    『殺人小説集 浜尾四郎全集1』 桃源社 1971.06.25
    ( 『殺人小説集』 桃源社 1976.04.20 )
    『浜尾四郎探偵小説選』 論創社・論創ミステリ叢書6 2004.04.20
    ( 『殺人小説集 浜尾四郎全集1』 沖積舎 2004.11. )
     探偵作家の私はN市へ所用で行った帰りにT市の旧友小野検事と会う事になった。彼は自殺幇助の話をする。自殺しようとしている女性に訳を聞くがどうにもならない。自殺幇助となるか。最初から助けようとしなければ良いのか。長谷部丁吉の強盗殺人事件の上申書では、少しの援助をしようとした林庄右衛門を殺し所持金を奪ったという事だった。大金を見せなければ事件は起こらなかったと……。
     結果論なので正当性を欠くと思われる、現代視点では。
  19. 『博士邸の怪事件』 [藤枝真太郎]
    ( 『放送探偵小説 博士邸の怪事件』 日本放送協会東海支部 1931.04.05 )(国DC)
    ( 『博士邸の怪事件』 新潮社長篇文庫20 1931.09.07 )(国DC)
    ( 『博士邸の怪事件』 春陽堂日本小説文庫174 1932.11.15 )
    ( 『博士邸の怪事件 他』 春陽堂長篇探偵小説全集11 1957.03.20 )(国DC※)
    『殺人鬼 浜尾四郎全集2』 桃源社 1971.09.15
    ( 『鉄鎖殺人事件』 桃源社 1975.08.25 )
    『博士邸の怪事件』 春陽文庫(C10-03) 1979.06.15
    『博士邸の怪事件』 春陽文庫探偵CLUB(C88-01) 1996.06.10
    ( 『殺人鬼 浜尾四郎全集2』 沖積舎 2004.12. )
     蓑川文蔵文学博士が東京中央放送局で夜講演放送をする前に夫人から二度電話があり、終わって帰宅すると百合子が首を締められ死んでいた。楢尾警部、相良警部、帯広検事、古水予審判事、そして博士からの連絡で藤枝真太郎が駆けつける。百合子の母倉島はまはその日昼過ぎに亡くなり遺産は姉妹に渡るという。妹の夫仲井長太郎も大阪から駆けつける。百合子の前夫黒沢は博士が放送時に離婚の手切れ金を受け取るのに会っていたという。 藤枝真太郎の書生井上道夫と百合子との関係、数日前やめた家政婦大場さよ子との関係もあり、疑いは井上にもかかる。死後硬直による推定死亡時刻とその後に会っていたという複数の人々。犯行時刻によってアリバイの有無がある。藤枝真太郎は……。
     完全な本格とは言い難いが本格。元がラジオ放送なので戻って確認する事はあまり考慮されていないのかもしれない。被疑者の移り変わりなど起伏ある展開は面白く読める。
  20. 『殺人鬼』 (『犯罪王』)[藤枝真太郎]
    ( 名古屋新聞 1931.04.17〜12.12 )
    ( 『殺人鬼(前篇)』 春陽堂日本小説文庫138 1932.06.28 )
    ( 『殺人鬼(後篇)』 春陽堂日本小説文庫139 1932.06.28 )
    ( 『犯罪王』北陸毎日新聞/樺太日日新聞 1933.12.22〜1934.10.12(199回)/樺太:1934.09.06が第166回 )
    ( 『殺人鬼』 春秋社 1935.12.15 )
    ( 『殺人鬼』 早川ポケットミステリ(0195) 1955.04.30 )(青空)
    ( 『浜尾四郎集 探偵小説名作全集6』 河出書房 1956.10.13 )(国DC※)
    ( 『大下宇陀児・浜尾四郎集』 東都書房・日本推理小説大系4 1961.02.20 )(国DC※)
    『殺人鬼 浜尾四郎全集2』 桃源社 1971.09.15
    『殺人鬼』 春陽文庫(C10-02) 1975.09.30
    ( 『殺人鬼』 桃源社 1975.10.01 )
    『日本探偵小説全集5 浜尾四郎集』 創元推理文庫(400-06/Mん-06) 1985.03.29
    ( 『殺人鬼 浜尾四郎全集2』 沖積舎 2004.12. )
     銀座、五年前まで検事で今は私立探偵の藤枝真太郎と私小川雅夫は秋川駿三の長女秋川ひろ子と会い話を聞く。駿三は赤い三角形マークの印のある手紙を受取ってから神経衰弱が激しくなったと。次女のさだ子の元にも届いているという。話の途中で事務所気付ひろ子宛に同じマークのある手紙が届いて急いで帰ることになった。その夜、駿三夫人徳子が毒殺された。薬局で女中佐田やす子が薬を受け取り、さだ子に渡ってから飲むまでの間に昇汞に変わっていたらしい。奥山検事、高橋警部の事情聴取に加わる藤枝と私だった。 駿三はさだ子と伊達正男の結婚に際し遺産の三分の一を与えるという。また駿三は私立探偵林田英三に徳子殺害事件の解決を依頼するのであった。数日後、庭の森で長男駿太郎と女中のやす子が殺されていた。忍び込んでいたやす子の情夫早川辰吉。そして笹田執事不在時に三女初子が、ジョセフ・スミス事件のように……。
     戦前のフェアプレーであろうとした長篇本格推理小説の傑作。「グリーン家」を下敷きにネタばらしもあり、犯人は容易に推定できるもののどのように実行されたか、どこに手懸りがあったかには優れている。自白の強要や遺書などによらない解決、裁判での証拠を必要としての行動などはさすがといしか言いようがない。
  21. 「殺人迷路 第八回 十日の勝負」
    ( 探偵クラブ 1933.01. )
    ( 『殺人迷路』 探偵公論社 1947.07.20 )
    『殺人迷路・悪霊物語』 春陽文庫(C01-35) 1993.12.20
    『「探偵クラブ」傑作選 幻の探偵雑誌8』ミステリー文学資料館編 光文社文庫(み-19-08) 2001.12.20 (青空)
    『五階の窓/江川蘭子 合作探偵小説コレクション1』日下三蔵編 春陽堂書店 2022.10.12
     森下雨村、大下宇陀児、横溝正史、水谷準、江戸川乱歩、橋本五郎、夢野久作、浜尾四郎、佐左木俊郎、甲賀三郎による連作探偵小説。探偵作家星田代二が二木検事に調べられる場面。
     前科調書にというのは疑問だが、刑事訴訟法〇条により、というのはさすが。(浜尾四郎分のみ)
  22. 『鉄鎖殺人事件』 [藤枝真太郎]
    ( 『鉄鎖殺人事件』 新潮社新作探偵小説全集6 1933.03.11 )(国DC※)
    ( 『鉄鎖殺人事件』 春陽堂日本探偵小説全集 1954.06.15 )
    『鉄鎖殺人事件』 春陽文庫(1174/C10-01) 1956.09.20
    『殺人鬼 浜尾四郎全集2』 桃源社 1971.09.15
    ( 『鉄鎖殺人事件』 桃源社 1975.08.25 )
    ( 『殺人鬼 浜尾四郎全集2』 沖積舎 2004.12. )
    『鉄鎖殺人事件』 河出文庫(は-22-01) 2017.10.20
     「殺人鬼」事件から半年。私の従妹大木玲子は許婚関山鉄三に関しての依頼を藤枝真太郎にしかけていた。深夜、彼女は芝南佐久間町の質屋で人殺しがあったと藤枝真太郎事務所に現れた。真太郎と私が質屋薩摩屋へ行くと西郷隆盛の肖像画などが破り捨てられていた。そして主人日野勘兵衛が刺殺され、鉄の鎖で手を縛られていた。落ちていた手紙は原宿の若宮貞代宛だった。翌日、北隣のアパートの三階に柿崎正雄という怪しい人物がいる事を聞き込む。隣室の斎藤謙と階下の北田友次郎がその頃物音を聞いたという。 若宮貞代から黒井明光弁護士を紹介され会うと、勘兵衛は貞代の前夫だったという。貞代には養女と乳母奥田とめがいたが行方不明となっていた。第二の惨劇、それは貞代の現夫静雄で現場の若宮邸にいた真太郎が犯人と疑われる事にもなった。薩摩屋番頭金沢佐助も真太郎訪問中に殺される。謎の女性峰岸澄江。さらに第四、第五の惨劇が……。
     戦前長篇本格の傑作のひとつ。サスペンスとロマンス味もあり読物としても楽しめる。整合性もしっかりしている。ただ、鉄鎖の意味だけは別の意味で想像外。
  23. 『平家殺人事件』 (中絶)[藤枝真太郎]
    ( オールクイン 1934.11.〜1935.04. )
    『殺人鬼 浜尾四郎全集2』 桃源社 1971.09.15
    ( 『殺人鬼 浜尾四郎全集2』 沖積舎 2004.12. )
     私小川雅夫と藤枝真太郎は高等学校で同級。哲学、後西洋静養音楽、彼は大学で法学科、検事に。私は文科で雑誌社勤務。五尺七八寸、やせた男でエアシップを吸う。共に四十歳越え独身、父亡く母あり。彼は数年前銀座裏に私立探偵藤枝真太郎事務所を開業。宝石盗難事件で取り戻したが女賊を逃がしくさり切っていた。(ここまでプロローグより)
     私は映画会社社員の友人服部に誘われて信州Y温泉桐屋へ行く途中、列車で平圭二郎と知り合った。服部とは女優糸井小夜子の話などしたが、突然電報で帰京する事になった。残された私は散歩中に圭二郎に出会う。彼は超自然現象を語る、Y温泉で知り合った千代子と結婚の約束をしたが父は反対し劇薬を飲んだ、糸井小夜子と同じ顏で、と。その時宿の娘お蝶が電報を持ってくる。「チチシス スグ カエレ」との。
     未だ平家の状況が全くわからず展開予測は不可能。雑誌廃刊による中絶は残念。



      評論、随筆、紹介記事など

  1. 「犯罪人としてのマクベス及びマクベス夫人」
    ( 日本法政新誌 1923.06.〜08. )
    ( 『浜尾四郎随筆集』江戸川乱歩編、大下宇陀児編 春秋社 1936.01.10 )(国DC※)
    『殺人小説集 浜尾四郎全集1』 桃源社 1971.06.25
    ( 『殺人小説集 浜尾四郎全集1』 沖積舎 2004.11. )
     法律家ゴルの「シェークスピの描きたる犯罪人」解説紹介。機会犯罪人。教唆。女性の犯罪。
  2. 「復讐劇に就て一考察」金富賛三
    ( 『笑人 巻1』 ※未完:5章まで 1923.07.14 )(国DC)
    ( 『浜尾四郎随筆集』江戸川乱歩編、大下宇陀児編 春秋社 1936.01.10 )(国DC※)
    『殺人小説集 浜尾四郎全集1』 桃源社 1971.06.25
    ( 『殺人小説集 浜尾四郎全集1』 沖積舎 2004.11. )
     復讐劇が与える印象と要因。仇討物。悪人を憎めない場合がある。必然的理由は、当初だけで徹底的に悪行をしていない、センセーショナルを好む。技巧的理由は、善人の持ち上げすぎ、卑劣な手段。
  3. 「犯罪心理学より観たるゲルハルト・ハウプトマンの人々 A「日の出前」に就ての考察」
    ( 日本法政新誌 1924.01. )
    ( 『浜尾四郎随筆集』江戸川乱歩編、大下宇陀児編 春秋社 1936.01.10 )(国DC※)
    『殺人小説集 浜尾四郎全集1』 桃源社 1971.06.25
    ( 『殺人小説集 浜尾四郎全集1』 沖積舎 2004.11. )
     ゲルハルト・ハウプトマン「日の出前」に関する刑法学者エーリヒ・ウルフェンの犯罪心理学並びに病理学的研究の紹介。酒精排斥者の心理。
  4. 「歌舞伎劇に現われたる悪人の研究 島鵆月白浪に就ての考察」金富賛三
    ( 日本法政新誌 1924.05.〜07. )
    ( 『浜尾四郎随筆集』江戸川乱歩編、大下宇陀児編 春秋社 1936.01.10 )(国DC※)
    『殺人小説集 浜尾四郎全集1』 桃源社 1971.06.25
    ( 『殺人小説集 浜尾四郎全集1』 沖積舎 2004.11. )
     黙阿弥「島鵆月白浪」の窃盗犯、明石島蔵と松島千太の人物像と境遇。平賀源内「矢口渡」の悲劇、黄金と異性に対する本能、渡守頓兵衛について。
  5. 「探偵小説の将来 探偵小説は如何に展開すべきかに対しての御答」
    ( 新青年増刊 1927.08. )
    新青年趣味9号 2001.12.31
    『浜尾四郎探偵小説選』 論創社・論創ミステリ叢書6 2004.04.20
     犯罪実録と天才的探偵・犯罪の二つの道に発展する。殺人・傷害以外が出て来ても良いのではないか。
  6. 「落語と犯罪」
    ( 新青年増刊 1927.08. )
    ( 『浜尾四郎随筆集』江戸川乱歩編、大下宇陀児編 春秋社 1936.01.10 )(国DC※)
    『殺人小説集 浜尾四郎全集1』 桃源社 1971.06.25
    ( 『殺人小説集 浜尾四郎全集1』 沖積舎 2004.11. )
     故実父に連れられて寄席に。犯罪を滑稽視し笑殺するところに面目がある。「鰍沢」毒殺、「たが屋」斬殺、「胆つぶし」殺人未遂。「ぬけ裏」「しめこみ」空き巣、「碁どろ」のび、「いのさん事居残り佐平次」「早桶や」無銭遊興。「早桶や」の聴取書。「二八そば」「転宅」詐欺。ほか。「星野屋」の登場人物の刑事上責任は如何。
  7. 「探偵術座談会」甲賀三カ、大下宇陀児、金子準二、浜尾四カ、森下雨村、尾佐竹猛、近藤経一、菊池ェ
    ( 文藝春秋 1927.12. )(夢現※)
     探偵小説と探偵実話―科学的犯罪―探偵小説の変化と範囲―犯罪発覚の端緒―現今の外国探偵小説―殺人犯人の性質―犯行上の職業意識―拘模・詐敷・紙幣贋造―大岡裁判―日本の名探偵 ※金富賛三名義で書いたという発言あり
  8. 「クリッペン事件の一挿話」
    ( 文藝春秋 1928.03. )(夢現)
     クリッペン事件での逃亡後、船への無線連絡から特定し逮捕するの場面の話。
  9. 「犯罪閑話」
    ( 新青年 1928.05. )(夢現)
     検事の印象、被害者と被告人の印象と検事の職責、面会に来る人々など。
  10. 「匿名批判 雑誌に就いて(月刊雑誌)」那須皓、浜尾四カ、歯竹虎、伊藤正徳、御手洗辰雄、杉山幹、小山内薫、高橋亀吉
    ( 文藝春秋 1928.08. )
     特定出来ず。収録は「(無題)」L・H・W、「雑誌批判」K・C・Y、「雑誌界八ツ当りの弁」T・M・C、「「生命」の判らぬ日本雑誌」R・E・M・T、「(無題)」B・L・L、「(無題)」不抜楼主人、「雑誌について」N・N・N、「(無題)」B・C・C
  11. 「検事の手記」 (単行本「犯罪閑話」)
    ( 東京日日新聞 1928.08.10〜21 )※7
    ( 『浜尾四郎随筆集』江戸川乱歩編、大下宇陀児編 春秋社 1936.01.10 )(国DC※)
    『殺人小説集 浜尾四郎全集1』 桃源社 1971.06.25
    ( 『殺人小説集 浜尾四郎全集1』 沖積舎 2004.11. )
     法服を脱いで静かに人生争闘の跡を見る/女性の訴えと嘘、法律は感情に縁なき存在/探偵小説以上、自白を行く風の如き怪/別人実は変装、検事の呼出状を恋の矢文/奪い去られた愛、闇の宿命に育つ盗児の心/悲し運命の罪、住みよき現世出現の願い/判じ物づくし、調書の怪と答弁を包む謎/芸術ニキビ問答、感傷にかくれる若い犯罪者/傍聴席の通人、判決もお手製で無料御案内/感傷と涙は仇、女学生と男学生の相違点/心、心を打つ予審廷に眠れぬ夜の対話/法律家の場合、人間の場合を超越して
  12. 「犯罪落語考」
    ( 新青年 1928.09. )(夢現※)
    ( 『浜尾四郎随筆集』江戸川乱歩編、大下宇陀児編 春秋社 1936.01.10 )(国DC※)
    『殺人小説集 浜尾四郎全集1』 桃源社 1971.06.25
    ( 『殺人小説集 浜尾四郎全集1』 沖積舎 2004.11. )
     続「落語と犯罪」。「首提灯」「後家ころし」殺人。「お七」「後生うなぎ」。「骨ちがい」傷害致死。「夏の医者」過失致死。「恨みの写真」「藁人形」迷信犯罪。「星野屋」「踏台」「身代りの石」「品川心中」自殺補助・心中。「布引の三」妊婦のび。「釡どろ」「夏どろ」窃盗。「転宅」強盗。「突き落し」刑事責任は?。「もう半分」「千両蜜柑」横領。「稲荷の車」「茗荷屋」「らくだ」「不動坊火焔」詐欺・恐喝・脅迫。「紙入」「風呂しき」姦通。「支那の野ざらし」猥褻罪。賭博。営業妨害。「三方一両損」「大工調」「おかふい」奉行判決。
     [単行本未収録] 法律問題「百人坊主」「三軒長屋」「羽織の幇間」「猫の茶碗」など
  13. 「変態性の犯罪に就て」
    ( 新青年 1928.10. )(夢現)
    サディストとマゾヒスト、フェティシスト、少女、指、腰巻、精神鑑定。
  14. 「父を語る」
    ( 経済往来 1929.01.,03. )
    新青年趣味19号 2019.05.05
     僅か五日の間に生みの父と養子となった父とが亡くなった。生父は病気で、養父は事故で。肉身にとての生父の病状発生から悪化までと養父の事故後の経過。(つゞく)
  15. 「女性犯罪(女性犯罪の種々相)」
    新青年 1929.03. (夢現)
     犯罪行為自体に男女差は少ない。典型的女性犯罪は心理状態による違い。
  16. 「犯罪漫談」
    ( 婦人公論 1929.04. )(夢現)
     犯人逮捕は未だ被疑者で犯人と確定はしていない。誤判。実話や探偵小説は捕まるまでで裁判で被告人が否認すればどうなるかわからない。
  17. 「探偵座談会」原胤昭、浜尾四郎、尾佐竹猛、筑波四郎、松本芳次郎、甲賀三郎、酒井周吉、庄田良、平松健一
    ( 講談倶楽部 1929.05. )
     与力、同心、岡ッ引―怪しい手紙の消印―死人に書かした手紙の秘密―土地カン―錦町署の大評定―竹橋騒動と神風連―乃木将軍の第六感―前科者と諜者―虱一匹で怪盗逮捕―一場の探偵哀話―チャンを許してよ―軍事探偵の話―明石大将の逸話―死人と格闘―科学捜査と魚釣―犯人はカンで判る―姐さん大変淋しいねえ―カンが肝心―スリに御挨拶―掏摸の見分け方―やかましい被害―掏摸の三親分―検事の立場―百八十六日の大事件―現場に残った栓の下駄―下駄には下駄癖―半陰半陽の怪老人―成田詣り御難の巻
  18. 「享楽時代行進曲(第十二回食道楽漫談会)」浜尾四郎、新居格、堀口大学、岡本一平、高田保、邦枝完二、松崎天民
    ( 食道楽 1929.06. )
     享楽時代と云うもの―ステッキガール―チャブ屋の女―大阪のカフェ―ダンスホールの消長―エンタクガール―東京のカフェ―麻雀の流行―ギャンブリング―競馬―モナコの話―賭博人の道徳―菊池寛―神様と澤田正二郎―銀座の大衆化―松屋颪―パリのカフェ―新宿気分―浅草論―アメリカの娯楽―職業婦人―船員の妻―芸妓をどう見る―バーの暴利―女給の生活―銀座の食べ物―つまらない芝居―日本音楽の勃興―ラジオと蓄音機―劇場の食べ物―寄席の運命―etc.
  19. 「凄い話(第十三回食道楽漫談会)」長谷川伸、田中貢太郎、浜尾四郎、甲賀三郎、堀口九万一、松崎天民
    ( 食道楽 1929.07. )(夢現)
     友人の発狂、開かずの間、酒乱、殺人死体、骨、震災、大男、そっくりな男、小光の怪談、姦通罪、支倉事件のころ、夢の女、女房の夢、幽霊、憑かれた男、幽霊の写真、海からの手、狸、狐火、鼻先に出る顔
  20. 「探偵小説座談会」江戸川乱歩、甲賀三郎、浜尾四カ、大下宇陀児、森下雨村、加藤武雄、(佐左木俊郎)
    ( 文学時代 1929.07. )(夢現)
    『江戸川乱歩座談』 中公文庫(え24-01) 2024.09.25
     探偵小説の流行と時代的意義―アメリカニズムと探偵小説―探偵の実際と探偵小説―科学の進歩と犯罪の変遷―探偵小説作家の用意―探偵小説とモデル―トリックとテーマ―私の好きな探偵小説と作家―探偵小説の将来
  21. 「法廷に現はれたる貞操問題座談会」尾佐竹猛、新居格、浜尾四郎、吉岡彌生、山田わか、片山哲、大平久、馬島|、宮脇倫、和田富子
    ( 婦人世界 1929.08. )
     性病を負わされ貞操を蹂躙され乍らも男を愛して別れる事の出来ない女の話―夫の不行跡を自ら警察に密告し乍ら後からもみ消し運動に狂奔した女の話―貞操とは何ぞや? 肉体だけのものか法官の態度に人権蹂躙があるか―和姦と強姦の区別をどこに置くべきか姦通の申告期間が六ヶ月は適当か―姦通罪は男女いずれを重く罰すべきか法廷の統計に現われた貞操事件の性と年齢―妾と売笑婦との区別はいずこにあるか子女の教育の為に身売した女の批判―正妻を永遠の売笑婦と解釈すべきか生存権を脅される現代社会の惨めさ
  22. 「映画「アリバイ」漫評」
    ( 映画時代 1929.09. )※文芸年鑑より(夢現)
     初のトーキー、聞き取りにくい。探偵映画とはいえない。
  23. 「「ユーモアと犯罪」漫談」
    ( 新青年 1929.11. )(夢現)
     掏摸、詐欺、賭博、否認、法廷、姦通事件、住居侵入、証拠、捜査活動。
  24. 「運命的な問題 「華やかな罪過」読後感」
    ( 朝日 1929.11. )
    『浜尾四郎探偵小説選』 論創社・論創ミステリ叢書6 2004.04.20
     平林初之輔の「華やかな罪過」の識者としてのアンケート回答。人それぞれで何を重視するか次第。
  25. 「私生児をめぐる犯罪」
    ( 婦人公論 1929.12. )
    新青年趣味9号 2001.12.31
     私生児は、法律に無知の場合(内縁の妻)と望まれず生まれた児がある。出産前に対応すれば罪ではあるがまだ良い。後者は、男が女を、母子自殺、親族による犯罪にもなり得る。また貰い児殺人もある。児が父を知らないのは法律では救えない。罪は父母にある。
  26. 「死に遅れて煩悶か(行李詰事件)(談話)」
    ( 報知新聞 1930.01.14 )(夢現)
     妻と長男を殺し次男を連れて行方不明になっているとされる事件に対する識者の談話。大下宇陀児、江戸川乱歩、浜尾四郎、甲賀三郎、高田義一郎。
  27. 「麻雀の話」
    ( 『嫁入叢書 趣味篇』実業之日本社編 実業之日本社 1930.01.30 )(国DC※)
     初歩の麻雀の勝ち方指南
  28. 「大都市街の恐怖時代」
    ( 文藝春秋 1930.02.〜03. )(夢現)
     「空車」の札をかけた殺人機/轢殺未遂の数/「流し」を取締れ/黴の生えた取締令/事故を誘発する自転車群/歩行者と疾行車/言語道断な競争/乱雑な車の種類/スピードの制限/スピード制限機/厳罰に処せ
  29. 「「堕胎」を裁く」
    ( 婦人公論 1930.04. )(夢現)
     堕胎を罰する理由、都会と田舎、後始末による発覚、母体保護、不義の子や男に逃げられた場合、強姦による場合、増加させる思想と科学的知識、女工の多い地方。
  30. 「ライター漫談」
    ( 漫談 1930.04. )
    新青年趣味9号 2001.12.31
     ライターに関する蘊蓄。一モーション、二モーション、ピストル形、時計付各種の銘柄と説明、手入れ法など。
  31. 「現代はライター時代 まさに尖端を行く銀座人種の携帯品(1)(談話)」
    ( やまと新聞 1930.04.07 )※7(夢現)
     ライターを使用すべきだが知識が必要。ライターの種類。
  32. 「変態殺人考」
    ( 新青年 1930.05. )(夢現)
     ベル・ガネスの話/ジョーヂ・ジョセフ・スミスの話/フレデリック・ディーミングの話
  33. 「正当防衛の範囲」
    ( 週刊朝日 1930.05.18 )(夢現)
     盗犯等ノ防止及処分ニ関スル法律の解説
  34. 「検事の私生活に就て 若干」
    ( サラリーマン 1930.06. )(夢現)
     検事もサラリーマンである。誤った検事観。
  35. 「猟奇世間話 漫談会」甲賀三郎、浜尾四郎、畑耕一、横溝正史、水谷潤(水谷準の誤記)、本位田準一、松崎天民
    ( 食道楽 1930.06. )
     麻雀、冨士郎事件、裁判関係者、髪、変装、媚薬、女性の魅力部分、同性愛、首吊りなど、猫、西洋探偵小説界、賭博、ユーモアな話、宿屋の幽霊、死人
  36. 「世相批判座談会」横田秀雄、長谷川如是閑、上司小剣、草間八十雄、金子準二、浜尾四カ、平塚明子、近藤経一、菊池ェ
    ( 文藝春秋 1930.06. )
     不景気の原因―細民の生活―失業―野宿労働者―深川富川町と犯罪―浅草の浮浪者―不景気と遊廓―遊客と娼妓―芸妓と女給―親子心中―ビルの飛び降り―貰い子殺し―板橋の乞食生活―私生児―産児制限―弟殺し―罪人製造―予審制度―裁判―検事―政党と裁判所―司法権の独立
  37. 「「裁判夜話」を読む」
    ( 時事新報 1930.06.09 )※7(夢現)
     大審院判事大森洪太氏著。ほぼ裁判実話。一般人に読み易く努めた読物。
  38. 「犯罪文学と探偵物 その区別とその方法(上)」
    ( 台湾日日新報 1930.07.07 )
    ※(中)(下)の初出は不詳
    ( 『浜尾四郎随筆集』江戸川乱歩編、大下宇陀児編 春秋社 1936.01.10 )(国DC※)
    『殺人小説集 浜尾四郎全集1』 桃源社 1971.06.25
    『浜尾四郎探偵小説選』 論創社・論創ミステリ叢書6 2004.04.20
    ( 『殺人小説集 浜尾四郎全集1』 沖積舎 2004.11. )
     探偵小説及び犯罪小説、裁判小説、第三者の犯罪実話、犯罪者告白実話、純文学・犯罪心理の五つに分類。探偵小説及び犯罪小説は、狭義、犯罪小説、煽情的小説。狭義は、犯罪中心、探偵、謎がある事。何が起こったか。倒叙も本格。犯罪小説は何が起こるか。探偵小説は狭義、犯罪小説。
  39. 「夏の犯罪」
    ( 大阪毎日新聞 1930.07.28〜08.12 )※文芸年鑑より
    ( 『浜尾四郎随筆集』江戸川乱歩編、大下宇陀児編 春秋社 1936.01.10 )(国DC※)
    『殺人小説集 浜尾四郎全集1』 桃源社 1971.06.25
    ( 『殺人小説集 浜尾四郎全集1』 沖積舎 2004.11. )
     犯人にとって、見られぬ、死体処置、凶器始末が大切。山の中の殺人、海岸の事件。以下夏に関係ない雑記。目撃証言、検事時代の事、賭博、言葉、法廷でのユーモア、陪審官、法律の社会化、百聞は一見にしかず、犯罪実話について。同じ事件で法廷記録から被害者三人と記したが某氏は十人で読者は後者を面白がる。
  40. 「賭博裁判寸景」
    ( 新青年 1930.08. )(夢現)
     検事聴取の時の話あれこれ。
  41. 「奇怪なる脱獄物語」
    犯罪科学 1930.08. (夢現)
     実話紹介。海外の脱獄例。
  42. 「身の毛も棘つ怪談座談会 夏なお肌に粟を生ずる物凄い話ぞろい」浜尾四郎、長谷川伸、田中貢太郎、櫻井忠温、喜多村緑郎、水島爾保布
    ( 婦人世界 1930.08. )(夢現)
     相撲を取りたがる化物―人間にとりつく犬神の怪―寿美蔵丈にまつわる怪談―幽霊が隊列に加っている―夜、馬の蹄に堅えつけられる―昼日中横浜の書店でみた幽霊―化物屋敷に二度住んだ経験―「なむ」といふ金沢の幽霊屋敷―白雪の上に支那人の血がにじむ―軍神橘中佐の幽霊を見た話―深夜弾薬庫の前をすぎた白い怪物―幽霊をは月夜に出るか ―怪死検事の血みどろの姿―聞き分けのよい幽霊の話―神経衰弱になった裁判長―お岩様の幽霊の出る芝居の奈落―死んだ人が歩いていて振りかえる―「生きている小平次」のモデル―お岩様はたたるかたたらぬか―狸がキネマのロケーション―夢で女の死を知って墓参
  43. 「(序文)」
    ( 『麻雀の遊び方』海野十三、浜尾四郎閲 博文館 1930.08.28 )
  44. 「リッチモンドの惨劇」 (「カスリン・ウェブスター事件」)
    ( 犯罪科学 1930.09. )(夢現)
    ( 『強力犯篇 防犯科学全集4』長谷川瀏、中村勇、浜尾四郎 中央公論社 1935.08.01 )(国DC※)
    ( 『浜尾四郎随筆集』江戸川乱歩編、大下宇陀児編 春秋社 1936.01.10 )(国DC※)
    『殺人小説集 浜尾四郎全集1』 桃源社 1971.06.25
    ( 『殺人小説集 浜尾四郎全集1』 沖積舎 2004.11. )
     実話紹介。一人で惨殺した死体と共に数日暮らし、死体を切断し捨てた女性の話。
  45. 「犯罪と探偵座談会」恒岡恒、江口治、浜尾四郎、森下雨村、大下宇陀児、江戸川乱歩、楠本次郎、楠瀬正澄、瀬戸敦
    ( 朝日 1930.09. )
     外国人にひっかかった日本娘―探偵小説と警察―533号の自動車―珍特種を獲て大魚を逸した話―杉憲、富士郎、少年集金殺し―蠣殻町三人殺しと千駄ヶ谷の女学生殺し―千住の醤油屋殺し―殺されたお初の幽霊―月島の自動車強盗―釜山送りの怪しい荷物―関東第一の娘師を捕へた話―犯人の変装、捕手の変装
  46. 「同性愛考」
    ( 婦人サロン 1930.09. )(夢現)
    ( 『戦前期同性愛関連文献集成3』 不二出版 2006.09. )
     同性間の恋情と同性性慾、代用としてと同性愛者、友情的同性愛、孔子、日本の歴史人物では恋情と性慾の区別がなく程度がはっきりしない、現代では恥ずべき事と闇の中、欧州と異なり制度も刑罰もない、陰間、客、参考書。
  47. 「コーナン・ドイル」
    ( コドモのテキスト 1930.09.(10月放送) )(夢現)
     ラジオ公演の趣旨? ドイルの紹介と近作紹介。
  48. 「新しい犯罪座談会」石黒信彦、浜尾四カ、北條清一、金子準二、高田義一カ、塩谷三カ、馬海松、齋藤龍太カ、佐佐木茂索
    ( 文藝春秋 1930.10. )
     最近犯罪の傾向―列車内の犯罪―患者の殺人―殺人の方法―犯罪心理と少年犯罪―不良少年と仁儀―ナンセンスな犯罪―堕胎罪―天晴れな犯罪―新聞と犯罪―鑑識―風変りな犯罪―色仕掛け―女の偽証―智能犯―犯罪実話―毒殺―保険詐欺―親殺し―姦通事件―エロ犯と社会相
  49. 「轢殺御免のスピード時代」
    ( 中央公論 1930.10. )(夢現)
     動かし難き事実/危険のバロメーター/裁判所、検事局と交通事故/自転車の問題/危険に対する策/対策二、三/感想一ツ/終る言葉
  50. 「麻雀戦術雑感」
    ( 週刊朝日 1930.10.01 )(夢現)
     配牌についての観察及び方針の変更/絶対的和了主義/ガメクリに就いて/下家に吃をさせる場合/放銃恥づべきか/門前清を何故に重んずるか/相手の力量を早く察知せよ/理牌の利害
  51. 「ウーマンキラア」
    ( モダン日本 1930.11. )(夢現)
     女殺しということで書く。ランドリュー、スミス、クリッペン。若者ではなく年輩の男。
  52. 「再び同性愛に就いて」
    ( 婦人サロン 1930.11. )(夢現)
     何故余は再び語るか/動かし難き事実/社会問題としての重大性/世の男性に対して/世の女性に対して/世のウールニングに対して/同性愛に就いて/参考書に就いて
  53. 「犯罪月旦」
    ( 新青年 1930.11.〜12.,1931.02.〜03.,07. )(夢現)
     死体の隠匿、或る変態性慾事件、ノンセンスな犯罪、貰い子殺し事件、自動車利用の事件/越中島運転手殺し、幸運の〜/濱口首相狙撃事件、煙突男、ほか/一九三〇年十二月の犯罪(宿直員強盗事件、六万円拐帯事件、ほか)、一九三〇年犯罪の展望(盗犯防止令、一家心中、自動車を廻る犯罪、思想的背景をもつ犯罪)/放火、女児殺害、箱詰死体事件
  54. 「父の愛と父への愛」
    ( 文藝春秋オール読物号 1930.11. )
    新青年趣味19号 2019.05.05
     大正五年の祖父の死に際の父の様子。大正十四年に養父が亡くなり、丁度告別式の時に実父が亡くなった。口やかましい父の愛がはっきりわかってから好きになった。子供もまた。
  55. 「序」
    ( 『殺人小説集』 赤炉閣 1930.11.02 )
    『殺人小説集 浜尾四郎全集1』 桃源社 1971.06.25
    ( 『殺人小説集 浜尾四郎全集1』 沖積舎 2004.11. )
     小説十二篇中十一篇収録。全て殺人事件を主題としている。
  56. 「自動車を繞る犯罪」
    ( 改造 1930.12. )(夢現)
     自動車が犯罪の主体となる場合。自動車が犯罪の客体となる場合(越中島運転手殺し事件など)。重大な役割を演じている場合。
  57. 「筆の犯罪 炉辺物語」
    ( 東京朝日新聞 1930.12.15〜12.19 )
    ( 『浜尾四郎随筆集』江戸川乱歩編、大下宇陀児編 春秋社 1936.01.10 )(国DC※)
    『殺人小説集 浜尾四郎全集1』 桃源社 1971.06.25
    『浜尾四郎探偵小説選』 論創社・論創ミステリ叢書6 2004.04.20
    ( 『殺人小説集 浜尾四郎全集1』 沖積舎 2004.11. )
     探偵小説は結末から書くことになる。題名がうまい人が多い。人名には苦心し、用いられた事も一致させてしまった事もある。リアリズムの文学だが誤りは大目にみて欲しい。殺人テーマは適している。実話は脚色や情報源により真実とは限らない。
  58. 「第七五八〇号事件批判―共犯の心理(越中島運転手殺し)」
    ( 婦人サロン 1931.01. )
    ( 『犯罪都市 モダン都市文学7』川本三郎編 平凡社 1990.09.20 )
    『覆面の佳人/吉祥天女の像 合作探偵小説コレクション5』日下三蔵編 春陽堂書店 2024.01.10
     月島タクシー運転手強盗殺人事件。野原と朝比奈は、主犯と従犯の関係か共同正犯か。
     新聞記事からの共犯関係についての見解を記している。企画は小説形式で他者(大下宇陀児、横溝正史、甲賀三郎)と併せて競作小説として扱う事もある。
  59. 「麻雀漫談」
    ( 文藝春秋 1931.01. )(夢現)
     麻雀は好きだが酔えない。名のある人たちとで満貫の連荘。論理的に打てば遊びではなく労働になってしまう。再度?のできごと。
  60. 「ヒステリー座談会」浅原六朗、石浜金作、大井さち子、小島政二郎、近松秋江、浜尾四郎、福井正憑、三宅やす子、宮脇倫、高田保
    ( 婦人公論 1931.01. )
    ( 『「婦人雑誌」がつくる大正・昭和の女性像7セクシュアリティ・身体2』 ゆまに書房 2015.03.xx )
     ヒステリーとはどんな病気か―ヒステリーの性別と年齢―ヒステリーの誘因―経済的誘因―嫉妬から―性的不満から―ヒステリーの模倣―ヒステリーはなくなる?―ヒステリーと人事相談所―ヒステリー犯罪―月経時の万引―ヒステリーの朦朧状態―ヒステリーの予防と治療―ヒステリー賛否―ヒステリーはどうなる?―嫁と姑の問題
  61. 「ギヨチーヌ綺談」
    犯罪科学 1931.02. (夢現)
     ギヨチーヌの起源/ギヨチーヌの用いられる時/執行する人々/執行された人々/生きている首/女性とギヨチーヌ
  62. 「夫探偵術」
    ( モダン日本 1931.02. )(夢現)
     夫の性格を知る。趣味、習慣、嗜好を観察する。放蕩の教科書。やきもち。
  63. 「麻雀占ひ」甲賀三郎共著
    ( 婦人公論附録 1931.03. )(夢現)
     個牌の占い方、数の占い方、独り遊び
  64. 「仏蘭西悪漢団記(中絶)」 (「ボンノー・ギャング大殺戮」)
    犯罪科学 1931.03.〜04. (夢現※)
    ( 『強力犯篇 防犯科学全集4』長谷川瀏、中村勇、浜尾四郎 中央公論社 1935.08.01 )(国DC※)
     各国悪漢団/Tragic Bandits/La Villette Gang.以下次号中絶(一章二章は改稿で単行本収録、三章は中絶で単行本収録)
  65. 「法律嫌いの検事殿 卒業当時(インタビュー)」
    ( 国民新聞 1931.03.16 )※7(夢現)
     一高記念祭寮歌。芝居、角力、麻雀、探偵小説、特に音楽。
  66. 「社会欄に散見する諸材料(探偵作家の眼から観た最近の新聞記事)」
    ( 文学時代 1931.04. )(夢現)
     妻に可愛がられすぎて殺害した事件、カフェーとは何ぞや。
  67. 「私の作について(『殺人鬼』作者、画家の言葉)」
    ( 名古屋新聞夕刊 1931.04.10 )(夢現)
     探偵小説は理智に訴える。
  68. 「探偵趣味の座談会」浜尾四郎、西村卯、稲田競、正木晃、能勢萬、石橋毅、国枝史郎、亀山半眠、長松英一、小宮喬介、齋藤友次郎、渡邊敏、美濃羽喜伝次、與良社長、柴田主管、三田学芸部長
    ( 名古屋新聞夕刊 1931.04.14〜19(6回) )(夢現※)
     「殺人鬼」連載前に名古屋新聞社会議室で催された国枝史郎・検事・判事・弁護士・放送局・医博・警察・記者を交えた座談会。嘘と真、実話との違いなどなど。
  69. 「殺人狂の話(欧米犯罪実話)」 (「殺人鬼伝」の一部)
    ( 探偵 1931.05. )
    ( 『強力犯篇 防犯科学全集4』長谷川瀏、中村勇、浜尾四郎 中央公論社 1935.08.01 )(国DC※)
    『「探偵」傑作選 幻の探偵雑誌9』ミステリー文学資料館編 光文社文庫(み-19-09) 2002.01.20 (青空)
     殺人の為の殺人。「ヴァッヘル事件」「メネルー事件」「ソレイラン事件」「ジャン・ウエーバー事件」
  70. 「法廷の喜劇(面喰った話)」
    ( 朝日 1931.05. )(夢現)
     学生の頃、裁判長、ほかの奇問をきかれてめんくらった話。
  71. 「痛快な勝負(卓上天国)」
    ( 新青年 1931.05. )(夢現)
     勝負事、麻雀は好きだが夢中になることができない。愉快だった上がり。社交の道具。
  72. 「西洋冤罪物語」 (「怪奇なるオスカー・スレーター事件」)
    ( モダン日本 1931.05. )(夢現※)
    ( 『強力犯篇 防犯科学全集4』長谷川瀏、中村勇、浜尾四郎 中央公論社 1935.08.01 )(国DC※)
     オスカー・スレーター事件。老婆を惨殺しブローチを奪い逃走、ブローチが盗まれていた。目撃人相と入質されたブローチから捕えられ裁判にかけられる。ブローチはスレーターの以前からの物で、直接証拠はなかった。
  73. 「赤清殺し事件の裁判実話」
    ( オール讀物 1931.05. )(夢現)
     赤羽根清一郎が絞殺され野口松五郎が逮捕、起訴された。罪状は殺人強盗詐欺だが被告は強盗と殺意を否認。地方裁判所は無期懲役の判決で双方から上告し控訴院へ。そして大審院へ……。
  74. 「裁判官の耳で聞いた落語」
    ( サラリーマン 1931.05. )(夢現)
     「きも潰し」「後生うなぎ」「骨ちがい」「ほしの屋」「しめ込め」「釜どろ」「突落し」「千両蜜柑」「無銭飲食」「はや桶屋」「三方一両損」「おかふい」「百人坊主」「三軒長屋」
  75. 「犯罪実話漫談」
    ( 実話時代 1931.05. )(夢現)
     実話の真実性、読者、出典の違い。
  76. 「罪に立つ女」
    ( 講談倶楽部 1931.05. )(夢現)
     父親殺しで法廷に立った女性。父は酒を飲むと暴れる。母は後妻で女は連れ子だった。 ※本作品は実際の事件を元にし創作を加えた物語の可能性もあります。※横顔肖像写真は非常に珍しい
  77. 「名検事物語 リチャード・ミューア卿のことども(中絶)」
    ( 犯罪科学 1931.05.〜06. )(夢現)
     クリッペン事件の検事としての彼/ヘンリ・セドン事件と検事長アイザックス卿/ミューア卿と殺人事件
  78. 「江戸川乱歩の持ち味 その全集出版に際して」
    ( 東京日々新聞 1931.05.25 )
    ( 『江戸川乱歩全集12』江戸川乱歩 平凡社 1932.02.07. )(名張)
    『浜尾四郎探偵小説選』 論創社・論創ミステリ叢書6 2004.04.20
     喜ばしい。探偵小説の祖。本格、理知的な非本格、鬼気迫る作品。一巻毎に混在させた全集構成の妙。
  79. 「謎・迷宮・怪異座談会」浜尾四カ、尾佐竹猛、田中貢太カ、中山太カ、浦路耕之助、藤澤衞彦、木場武雄、水野葉舟
    ( 雄弁 1931.07. )
     天狗の正体―廻る沓と子を生む石―恐ろしい幽霊画―狐と狸の化けくらべ―三里塚の怪―逆さに歩く幽霊―船幽霊―昼間の幽霊―秘密の暗号文―行方不明の軍艦―布引丸事件―その後日譚―お札が降る―検事の怪死事件―児玉大将首を縊る?―毒殺は困難―田中総理の急死―浮ばれぬ滝壺の死体
  80. 「大衆文学探偵小説楽屋咄」平山蘆江、村松梢風、甲賀三郎、直木三十五、大下宇陀児、白井喬二、近松秋江、土師清二、浜尾四郎、佐々木味津三、中村武羅夫
    ( 新潮 1931.08. )
     林子平の肉筆の地図―「日蓮」―筆禍―名前の附け方―近松門左衛門―馬琴―シェークスピアの前生―西鶴―挿絵と作家―博奕打の言葉と武家の言葉―市川中車―尾上松助―里言葉―九代目団十郎―破門された歌六―独楽試合―蝉取―築城師―太田道灌―加藤清正―大衆文学の恋愛―不忍の出逢茶屋―江島生島―守田勘彌時代―女義太夫―綾之助―大菩薩峠―八犬伝 ―江戸川乱歩―梅幸と澤正―金―小判の比較―百文は二合五勺―藩札―剣劇―女の言葉―太閤記―大衆文学論―探偵小説―トリック―変態殺人小説―実話と探偵小説―コナン・ドイル―シャーロック・ホルムス―ルパン―法医学―毒薬―黒岩涙香―塚原渋柿園―碧瑠璃園―エドガア・ウォーレス
  81. 「犯罪王アル・カポネを読む…」
    ( 新愛知 1931.08.29 )(夢現)
     『犯罪王カポネ』和気律次郎著。アル・カポネについて。
  82. 「(コースの変遷 九月)」
    ( 新文藝日記付録 新潮社 1931.11. )※9より
     ※詳細不明、日記帳の「コースの変遷」という記事の九月部分に貴司山治と共に掲載とのことらしい
  83. 「探偵小説内幕話(講演速記)」
    ( 保健評論 1931.11. )(夢現)(国DC※)
     生命保険協会倶楽部晩餐会での講演速記。探偵小説についての自説や創作裏話など。
  84. 「徹底的合理化」
    ( 演藝画報 1931.12. )(夢現)
     歌舞伎俳優には金銭感覚がない。仲介者の存在。寄生虫退治は最後の手段としても興行主と直接取引を。
  85. 「あたまの話」
    ( 新青年 1932.01. )
    新青年趣味9号 2001.12.31
     実年齢より上に見られる。子による被害があったとのいいがかりもあった。はっきり言う場合と訂正しない場合がある。禿頭は往来で会っても認識され難い。話題にするのは失礼。煩悶するのは逆に増大、達人がいるとなぐさめるべき。
  86. 「奇人物・珍人物を語る座談会」長田幹彦、小野賢一郎、村松梢風、新居格、丸木砂土、浜尾四郎、加藤武雄
    ( 文学時代 1932.01. )
     安部磯雄氏―小野塚喜平次氏―井口工学博土―春木教授―筧博士―理工科の教授某氏―佐藤達次郎氏―石井鶴三氏―吉川霊華氏―泉鏡花氏―千葉亀雄氏―岡松参太郎氏―和田垣謙三氏―大隅為三氏―谷洗馬氏―岡田三郎助氏―長谷川如是閑氏―福良竹亭氏―斎藤弔花氏―兼常清佐氏―和田三造氏―辻潤氏―女流作家二三氏―武林文子氏―夏目漱石氏―鏑木清方氏と和田邦坊氏―判事某氏 ―谷崎潤一郎氏―北原白秋氏―鰭崎英朋氏―久野久子氏―藤井真信氏―水野直氏―三浦医学博士―ラヂオ体操の先生―××××氏―馬風氏―喜多村緑郎氏―阿部徳蔵氏―小川芋銭氏―寺崎広業氏―岩本禎氏―岡田実麿氏
  87. 「浜尾四郎小伝」
    ( 『新選探偵小説集』 平凡社・現代大衆文学全集続18 1932.01.05 )(夢現)
     略歴など
  88. 「高級作品を翹望(談話)」
    ( 名古屋新聞 1932.03.12 )(夢現)
     大衆的ナンセンス趣味ではなく本格的な理智的な作品を。
  89. 「或る女の犯罪」
    ( 文藝春秋 1932.07. )(夢現)
     検事時代に扱った印象に残っている事件。三角関係。のち「嫉妬故に罪を犯した若妻の懺悔」として物語化されている。
  90. 「犯罪閑話」
    (単行本「検事の手記」)
    ( 都新聞 1932.07.12〜18 )※7
    ( 『浜尾四郎随筆集』江戸川乱歩編、大下宇陀児編 春秋社 1936.01.10 )(国DC※)
    『殺人小説集 浜尾四郎全集1』 桃源社 1971.06.25
    ( 『殺人小説集 浜尾四郎全集1』 沖積舎 2004.11. )
     事実の迫力/模倣の心理/事実と探偵小説/虚実の実/虚実の虚 ※『浜尾四郎随筆集』『浜尾四郎全集1』では最後の2回が入れ替わっている。虚実の虚の末尾は一九三二・七・一四
  91. 「探偵小説作家の精力」
    ( 探偵クラブ 1932.08. )
    『浜尾四郎探偵小説選』 論創社・論創ミステリ叢書6 2004.04.20
     探偵作家大家達は書きまくっている。一短篇二長篇で疲れてぼんやりしている。
  92. 「犯罪実話時代相」
    ( オール東京 1932.08. )
  93. 「怪奇小説作家 江戸川乱歩氏(大衆作家寸評3)」
    ( 讀賣新聞 1932.08.18 )(夢現)
     比較的文筆の士に近い。初期の作品。社交性。
  94. 「社会時評」
    ( 犯罪公論 1932.09. )(夢現)
     自動車運転手受難事件と心中事件、事実の迫力と実話の迫力、模倣。
  95. 「江戸川乱歩氏に就いて」
    ( 探偵クラブ 1932.10. )
    『浜尾四郎探偵小説選』 論創社・論創ミステリ叢書6 2004.04.20
     初期の短篇が好き。一見非社交的だが社交的だと思う。江戸時代文献研究家、日本音楽に興味、和服の似合う人。書き下ろし小説に期待。
  96. 「初心の手口(探偵小説家曰く)(談話)」
    ( 時事新報(「事件を解く」東京朝日新聞、「背景あるとせば右翼の仕業(名探偵としての意見を叩く)」讀賣新聞) 1932.10.07 )※7(夢現)
     大森銀行事件(赤色ギャング事件)の発生時の談話、インタビュー。
  97. 「法律的に見た落語(六)」
    ( 落語研究 第卅六号 落語研究会本部 1932.10.10 )(奈落)
     詐欺の起源について。「早桶屋(付き馬)」「稲荷の車(稲荷俥)」「時そば」「狸の釜」「らくだ」「茗荷屋」について。 ※つゞく ※他の回は不詳
  98. 「何故自首して出なかったか(バラバラ事件批判)(談話)」
    ( 報知新聞 1932.10.22 )(夢現)
     寺島のバラバラ事件の犯人が逮捕された。識者はどうみているか。高島米峰、菊池寛、河崎なつ子、金子準二、浜尾四郎。
  99. 「日本ギャング来? 川崎銀行襲撃事件私見」
    ( 文藝春秋 1932.11. )(夢現)
     大森銀行事件(赤色ギャング事件)の犯人逮捕後の雑感。
  100. 「「怪物団」を見る」
    ( 時事新報 1932.11.24,25 )※7(夢現)
     グロテスクだが純愛。
  101. 「探偵小説を中心として」
    ( 都新聞 (or時事新報※中島リスト) 1932.11.28〜12.01. )
    ( 『浜尾四郎随筆集』江戸川乱歩編、大下宇陀児編 春秋社 1936.01.10 )(国DC※)
    ( 『殺人芸術』鈴木幸夫編 荒地出版社 1959.07.25 )(国DC※)
    『殺人小説集 浜尾四郎全集1』 桃源社 1971.06.25
    『教養としての殺人 日本推理小説精選評論集』権田萬治編 蝸牛社 1979.11.10 (国DC※)
    『ミステリ・ハンドブック』中島河太郎編著 講談社・現代推理小説大系別巻2 1980.04.24
    『浜尾四郎探偵小説選』 論創社・論創ミステリ叢書6 2004.04.20
    ( 『殺人小説集 浜尾四郎全集1』 沖積舎 2004.11. )
     真の探偵小説は理知に訴える。犯罪読み物はスリラー。ドイル、ヴァン・ダイン。探偵小説と社会問題との関係では、謎がなければ探偵小説ではなく乱用されている。探偵小説の将来は、犯罪の発見→被疑者の拘引→名探偵の登場→論理的推理の開始→真犯人暴露、という公式では傑作は多くない。大家では三十代で書き始めた人が多い。
  102. 「序(『性的犯罪考』海老名靖)」
    ( 『性的犯罪考』海老名靖 六文館 1932.12.20 )(国DC※)
    ( 『性的犯罪考』海老名靖 成光館書店 1934.06. )(国DC※)
  103. 「N将軍と小説家A氏」
    ( 文藝春秋 1933.03. )(夢現)
     N将軍を礼讃。A氏も尊敬する一人。「将軍」の「父と子と」の章には異議がある。
  104. 「探偵小説家たらんとする人へ」
    ( 雄弁 1933.03. )(夢現)
     三十歳に至るまでは決して探偵小説作家となるなかれ。
  105. 「時価三千円の珍時計(わが家の珍宝)」
    ( 新青年 1933.04. )(夢現)
     時計の写真とそのコメント。
  106. 「社会問題と弁護士と婦人問題」
    ( 婦人公論 1933.05. )(夢現)
     女優の代理人で某外国人を準強制わいせつで告訴状を出した。親告罪であり公表されるのが良いか名誉と地位を重んじる方が良いか。
  107. 「法律の裏表座談会」浜尾四郎、稲本錠之助、森山庸躬、清水郁、辰野保、塚崎直義、上田保、吉岡秀四郎
    ( 文藝春秋 1933.08. )(夢現※)
     法律知らずの悲喜劇―十八娘の親殺し―となりの印刷屋―姦夫姦婦―時効の規定―警察の同情した強姦事件―エロを撃退した検事―警官にモーションをかける―模範青年の春の目ざめ―ボクシングと過失傷害―スポーツ上の過失―大腿露出の限界―手紙の無断開封―未成年者の非常識―遺言と贈与―素人はみんな法律にひっかかっている―地上権と賃貸借権―時効の採用―示談で無罪―おやぢの借金 ―姉妹と入婿―商売人に強姦は成立するか―蜷川新左衛門と曽呂利―法廷珍談―珍裁判昔話―芸者の定義―名古屋の殺人事件―女囚が男を見たとき―選挙違反―カフェ嬢チップ請求のこと―貼紙と貼板―三原山の立会い―金山、沈没船の所有―詐欺にかからぬか―無主物先占―射倖心をそそる―〇子と命名のこと―男女判別不可能の親
  108. 「探偵小説論(ラジオ「趣味講演の夕」)(談話)」(同一?「探偵小説断片」「通の語る探偵小説断片」)
    ( 名古屋新聞(時事新報、東京日日新聞、万朝報、新愛知) 1933.08.04 )※7(夢現)
     ラジオ「趣味講演の夕」の「探偵小説断片」に臨んでのコメント。
  109. 「検事廷夜話(気にかかる犯罪)」
    ( 話 1933.11. )(夢現)
     気にかかった犯罪。A検事の後味の悪かった事件。経験談での姦通事件での姦婦の話。検事を辞してから五年、気にかかる犯罪となった。
  110. 「物に動ぜず(直木氏を憶ふ)」
    ( 衆文 1934.04. )(夢現)
    ( 『近代作家追悼文集成23』 ゆまに書房 1992.12.08 )
     私的交際はなかったが、出版記念会の発起人で出席してくれた。
  111. 「文学青年の頃」
    ( 国民新聞 1934.04.21 )※7(夢現)
     文学青年だった。探偵小説は仕事になった。検事時代文学はオアシスだった。
  112. 「座談会「秘密」を研究的に観る」芦田均、小汀利得、加藤与五カ、白柳秀湖、千葉亀雄、鶴見祐輔、浜尾四カ、羽仁吉一、羽仁もと子
    ( 婦人之友 1934.06. )
     歴史に秘密なし―秘密の種々相―秘密の魅力―小原因より起る大秘密―財界の秘密―ジャーナリズムと秘密―秘密外交・公開外交―秘密外交の一断面―政治の秘密―独裁政治と議会政治―政治を繰るからくり―日本人と議会政治―知らざる力―スパイ政治と社会―オープンな中にある秘密―鍵を持つもの―家族主義と秘密―秘密の三原因
  113. 「時代を物語る新しい犯罪」
    ( 雄弁 1934.06. )(夢現)
     科学・化学の発達と犯罪・防衛。クリッペン事件の薬物と無線電信、ボンノー・ギャング事件の自動車など。
  114. 「裁判文学裁判」
    ( 東京日日新聞 1934.06.20 )※7(夢現)
     ラジオ「趣味講座」講演の内容予定。
  115. 「云はでもの記」
    ( 『橄欖樹 第2輯』第一高等学校校友会文芸部編 第一高等学校校友会 1935.02.01 )(夢現)
     一高時代、文芸部委員の時のこと。地方出身でなく生活の苦労はなかった。
  116. 「帝都の風紀を語る夕」新居格、浜尾四郎、高田保、中里保安部長、池田風紀係長、小川警部、和田日出吉、宮崎光男、大宅壮一
    ( 経済往来 1935.03. )
     ダンスと有閑マダム―風紀と犯罪―同性愛の問題―外人と日本婦人―蔭間の問題―最近の風紀問題―待合の取締り―取締りを緩和すべき方面―最近の男女学生気質―取締が多すぎる―公娼廃止と私娼―中間搾取をどうする―上層階級の風紀―警視庁と民間の提携
  117. 「私が私でなかった話(持ち寄り奇談会)」(大下宇陀児、浜尾四郎、甲賀三郎、江戸川乱歩、城昌幸、木々高太郎、海野十三、小栗虫太郎)
    ( 新青年 1935.07. )(夢現※)
     浜尾四郎の偽物が現われた話(浜尾四郎)。「贋紙幣造りの話」大下宇陀児、「私が私でなかった話」浜尾四郎、「奇妙な訪問客の話」甲賀三郎、「珍らしい毒殺の話」江戸川乱歩、「奇縁三人の女の話」城昌幸、「偶然が重なる話」甲賀三郎、「思ひだせない話」木々高太郎、「あの世から便りをする話」海野十三、「野毛の牡蠣の話」小栗虫太郎。他者の話に浜尾四郎の発言もあり。
  118. 「恐るべき話」
    ( 政界往来 1935.07. )(夢現)
     恐るべき手紙の話/恐るべき女の話/恐るべき警戒眼の話/恐るべき通人の話
  119. 「夏の夜の犯罪 随筆風に」
    ( 中央公論 1935.08. )(夢現)
     登山、海辺、投身自殺、芝居、惨虐な発作的犯罪。
  120. 「現場不在証明物語」
    ( 話 1935.08. )(夢現)
    被疑者の立場/法律的見地から/アリバイは古い/「スレーター事件」/嘘もついた被告/恋人の利用法
  121. 「座談会 探偵小説と自然科学」海野十三、大下宇陀児、(木々高太郎)、甲賀三郎、延原謙、浜尾四郎、水谷準、田辺平学、竹内時男、中沢毅一、林髞、三宅驥一
    ( 科学知識 1935.08. )
     先づ物理学から―重水は人を殺すか―蚤と建築―探偵作家の図面は怪しいか―前世紀の動物と科学小説―人喰い植物―シャム兄弟は切りはなせるか―臍をほじくる―ショック―殺人の方法
  122. 「探偵小説問答 原書を読みて(アンケート)」
    ( 新青年増刊 1935.08. )
    『浜尾四郎探偵小説選』 論創社・論創ミステリ叢書6 2004.04.20
     翻訳は涙香。原書はホームズとヴァン・ダイン。既訳か不明だがコール、フリーマン、デュマ。クイーンは好みではない。
  123. 「クリッペン事件の真相」 (「クリッペン事件」)
    ( 新青年 1935.09. )
    ( 『強力犯篇 防犯科学全集4』長谷川瀏、中村勇、浜尾四郎 中央公論社 1935.08.01 )(国DC※)
    ( 『浜尾四郎随筆集』江戸川乱歩編、大下宇陀児編 春秋社 1936.01.10 )(国DC※)
    『殺人小説集 浜尾四郎全集1』 桃源社 1971.06.25
    ( 『殺人小説集 浜尾四郎全集1』 沖積舎 2004.11. )
     実話紹介。クリッペン事件の話。事件、逃走、逮捕、裁判、性格などの概要。
  124. 「世界著名殺人事件の真相」
    ※「色魔王ランドリュー」/「婦人の色情狂ベル・ガンネス」/「フネルーとジョーバン」 ※初出不明分のみ
    ( 『強力犯篇 防犯科学全集4』長谷川瀏、中村勇、浜尾四郎 中央公論社 1935.08.01 )(国DC※)
    ( 『浜尾四郎随筆集』江戸川乱歩編、大下宇陀児編 春秋社 1936.01.10 )(国DC※)
    『殺人小説集 浜尾四郎全集1』 桃源社 1971.06.25
    ( 『殺人小説集 浜尾四郎全集1』 沖積舎 2004.11. )
     実際に起こった事件の紹介
  125. 「殺人鬼伝」
    ※「エドマンド・ギャリー事件」/「ウイリヤム・ホブロン事件」/「マドレーヌ・スミス事件」/「エリザベス・ローズ事件」 ※初出不明分のみ
    ( 『強力犯篇 防犯科学全集4』長谷川瀏、中村勇、浜尾四郎 中央公論社 1935.08.01 )(国DC※)
  126. 「嫉妬故に罪を犯した若妻の懺悔(家庭悲話)」
    ( 婦人倶楽部 1935.11. )(夢現)
     新婚、嫉妬、悲劇。「或る女の犯罪」の物語化作品。
  127. 「ハガキ回答(推薦の書と三面記事)」
    ( ぷろふいる 1935.12. )
    『浜尾四郎探偵小説選』 論創社・論創ミステリ叢書6 2004.04.20
     「世界における有名な犯罪」を読んでほしい。最近の興味ある三面記事事件は十分に答えられない。



      著書

  1. 『浜尾四郎・久山秀子集』 改造社・日本探偵小説全集16 1929.12.03 (国DC※)
    「悪魔の弟子」/「彼が殺したか」/「黄昏の告白」/(久山秀子集(「浮かれてゐる隼」/「浜のお政」/「娘を守る八人の婿」/「チンピラ探偵」/「隼お手傳ひ」/「隼の勝利」/「刑事ふんづかまる」/「隼の解決」/「隼の藪入り」/「隼のお正月」/「隼のプレゼント」/「隼の万引見学」/「隼探偵ゴッコ」/「隼登場」/「代表作家選集?」))
  2. 『麻雀の遊び方』海野十三、浜尾四郎閲 ) 博文館 1930.08.28
    △「(序文)」浜尾四郎/「麻雀の遊び方」/・「麻雀競技虎の巻」
  3. 『放送探偵小説 博士邸の怪事件』 日本放送協会東海支部 1931.04.05 (国DC)
    △「はしがき」(日本放送協会東海支部?)/『放送探偵小説 博士邸の怪事件』
  4. 『博士邸の怪事件』 新潮社長篇文庫20 1931.09.07 (国DC)
    『博士邸の怪事件』/「不幸な人達」/「救助の権利」
  5. 『殺人小説集』 赤炉閣 1930.11.02
    △「序」/「彼が殺したか」/「死者の権利」/「悪魔の弟子」/「殺された天一坊」/「島原絵巻」/「正義」/「探偵小説作家の死」/「黄昏の告白」/「夢の殺人」/「彼は誰を殺したか」/「有り得る場合」
  6. 『新選探偵小説集』 平凡社・現代大衆文学全集続18 1932.01.05
    (保篠龍緒集(「殺人暴力団」/「侠盗竜伯」/「深夜の客」/「断崖の白百合」/△「著者小伝」)/横溝正史集(「殺人暦」/「三本の毛髪」/「腕環」/「円夫人の化粧台」/「髑髏鬼」/「死の部屋」/「カリオストロ夫人」/△「著者小伝」))/浜尾四郎集「肉身の殺人」/「島原絵巻」/「マダムの殺人」/「殺された天一坊」/「彼が殺したか」/「虚実 有り得る場合」/「彼は誰を殺したか」/△「著者小伝」
  7. 『殺人鬼(前篇)』 春陽堂日本小説文庫138 1932.06.28
    『殺人鬼』
    『殺人鬼(後篇)』 春陽堂日本小説文庫139 1932.06.28
    『殺人鬼』
  8. 『博士邸の怪事件』 春陽堂日本小説文庫174 1932.11.15
    『博士邸の怪事件』
  9. 『鉄鎖殺人事件』 新潮社新作探偵小説全集6 1933.03.11 (国DC※)
    『鉄鎖殺人事件』
  10. 『殺人鬼』 春秋社 1935.12.15
    『殺人鬼』
  11. 『強力犯篇 防犯科学全集4』長谷川瀏、中村勇、浜尾四郎 中央公論社 1935.08.01 (国DC※)
    (△「公判廷より見たる強力犯罪者」長谷川瀏(△「防犯の意義」/△「犯罪予防の必要性」/△「犯罪予防と犯罪原因の除去」/△「被害者の側より見たる犯罪予防方法」(「被害前の予防」/「被害時の予防」/「被害後の予防」)/「大学宿直員殺し」/「ポンコツ(月島沖の運転手殺し)」/ 「襲はれた独身老婆」/「アパートの殺人事件」/「公園の少女殺し」/「ダンスゴロ事件のヘ訓」/「狙はれた胴巻の金」/「鬼畜の二人組強盜」/「不良少年から強盜へ」/「沈着な若夫人」/「女記者殺し」/「帰りそびれた強盜」/「喫茶店のマダムを狙ふ」/「小心がさせる大罪」/「釣銭詐欺から強盜傷人」/「ユーモア強盜」))/(「実際捜査上より見たる強力犯事件」中村勇(「色情狂の老婆」殺し」/「御殿山血の惨劇」/「ピストル強盜事件」/「小間切事件の真相」/「妻を探して大盜に」/「説教強盗始末記」))/ 「世界著名殺人事件の真相」(「クリッペン事件」/「色魔王ランドリュー」/「婦人の色情狂ベル・ガンネス」/「カスリン・ウェブスター事件」/「ギャブリエル・フネルーの事件」/「マダム・ジョーバンの事件」)/「殺人鬼伝」((「ヴァッヘル事件」/「メネルー事伴」/「ソレイラン事件」/「ジャン・ウェーバー事件」)/「ボンノー・ギャング大殺戮」/「怪奇なるオスカー・スレーター事件」/「エドマンド・ギャリー事件」/「ウイリヤム・ホブロン事件」/「マドレーヌ・スミス事件」/「エリザベス・ローズ事件」)
  12. 『浜尾四郎随筆集』江戸川乱歩編、大下宇陀児編 春秋社 1936.01.10 (国DC※)
    △「浜尾氏のことども」江戸川乱歩/△「徹底的な浜尾君」甲賀三郎/△「思ひ出の浜尾四カ氏」大下宇陀児/△「落語と犯罪」/△「犯罪落語考」/△「歌舞伎劇に現われたる悪人の研究」/△「復讐劇に就ての一考察」/△「犯罪人としてのマクベス及びマクベス夫人」/△「犯罪心理学より観たるゲルハルト・ハウプトマンの人々」/△「犯罪閑話」/△「夏の犯罪」/△「検事の手記」/△「筆の犯罪」/△「探偵小説を中心として」/△「犯罪文学と探偵物」/ △「世界著名殺人事件の真相(「クリッペン事件」/「色魔王ランドリュー」/「婦人の色情狂ベル・ガンネス」/「カスリン・ウェブスター事件」/「フネルーとジョーバン」)」/☆「浜尾四郎略歴」/☆「浜尾四郎著作表」
    ※誤植が多いとの事だが、収録作内での順序入れ替わりもあるようです。
  13. 『殺人小説集』 春陽堂日本小説文庫388 1936.08.xx
    「彼が殺したか」/「死者の権利」/「悪魔の弟子」/「殺された天一坊」/「島原絵巻」/「正義」/「探偵小説作家の死」/「黄昏の告白」/「夢の殺人」/「彼は誰を殺したか」/「有り得る場合」
  14. 『鉄鎖殺人事件』 春陽堂日本探偵小説全集 1954.06.15
    『鉄鎖殺人事件』/△「解説」中島河太郎/探偵通信11(△「浜尾四郎とその小説」木々高太郎/△「日本探偵小説史(十一)」中島河太郎)
  15. 『殺人鬼』 早川ポケットミステリ(0195) 1955.04.30
    『殺人鬼』/△「解説」中島河太郎
  16. 『浜尾四郎集』 河出書房・探偵小説名作全集6 1956.10.13 (国DC※)
    『殺人鬼』/△「解説」中島河太郎/月報9(△「庶民の素人探偵さんを」椎名麟三/△「凡庸な探偵」三浦朱門/△「本格長篇もの」日夏耿之介/☆「浜尾主要文献目録」中島河太郎)
  17. 『博士邸の怪事件 他』 春陽堂長篇探偵小説全集11 1957.03.20 (国DC※)
    『博士邸の怪事件』/「彼が殺したか」/「殺された天一坊」/△「解説 浜尾四郎氏の理智」中島河太郎/探偵通信(未調査)
  18. 『鉄鎖殺人事件』 春陽文庫(1174/C10-01) 1956.09.20
    『鉄鎖殺人事件』(※春陽堂/春陽堂文庫出版の2種あり。中島河太郎の解説が初版のみ再録で有るらしい)
  19. 『大下宇陀児・浜尾四郎集』 東都書房・日本推理小説大系4 1961.02.20 (国DC※)
    (大下宇陀児集『虚像』/「悪女」)/浜尾四郎集『殺人鬼』/△「解説」中島河太郎/月報(△「私の道」大下宇陀児/△「浜尾さんの思い出」横溝正史)
  20. 『殺人鬼』 春陽文庫(C10-02) 1975.09.30
    『殺人鬼』
  21. 『博士邸の怪事件』 春陽文庫(C10-03) 1979.06.15
    『博士邸の怪事件』
  22. 『殺人小説集』 春陽文庫(C10-04) 1980.04.15
    「彼が殺したか」/「死者の権利」/「悪魔の弟子」/「殺された天一坊」/「島原絵巻」/「正義」/「探偵小説作家の死」/「黄昏の告白」/「夢の殺人」/「彼は誰を殺したか」/「有り得る場合」
  23. 『殺人小説集 浜尾四郎全集1』 桃源社 1971.06.25
    △「序」/「彼が殺したか」/「死者の権利」/「悪魔の弟子」/「殺された天一坊」/「島原絵巻」/「正義」/「探偵小説作家の死」/「黄昏の告白」/「夢の殺人」/「彼は誰を殺したか」/「有り得る場合」/「肉親の殺人」/「マダムの殺人」/「不幸な人達」/「救助の権利」/ △「落語と犯罪」/△「犯罪落語考」/△「歌舞伎劇に現われたる悪人の研究」/△「復讐劇に就ての一考察」/△「犯罪人としてのマクベス及びマクベス夫人」/△「犯罪心理学より観たるゲルハルト・ハウプトマンの人々」/△「犯罪閑話」/△「夏の犯罪」/△「検事の手記」/△「筆の犯罪」/△「探偵小説を中心として」/△「犯罪文学と探偵物」/ △「世界著名殺人事件の真相(「クリッペン事件」/「色魔王ランドリュー」/「婦人の色情狂ベル・ガンネス」/「カスリン・ウェブスター事件」/「フネルーとジョーバン」)」/△「解説 浜尾四郎の人と作品(上)」大内茂男
  24. 『殺人鬼 浜尾四郎全集2』 桃源社 1971.09.15
    『殺人鬼』/『博士邸の怪事件』/『鉄鎖殺人事件』/『平家殺人事件』/△「解説 浜尾四郎の人と作品(下)」大内茂男
  25. 『甲賀三郎・大下宇陀児・夢野久作・浜尾四郎』 講談社・現代推理小説大系2 1973.06.08 (国DC※)
    (「琥珀のパイプ」甲賀三郎/「体温計殺人事件」甲賀三郎/『石の下の記録』大下宇陀児/「氷の涯」夢野久作/「瓶詰の地獄」夢野久作/「死後の恋」夢野久作)/「彼が殺したか」浜尾四郎/「殺された天一坊」浜尾四郎/△「ミステリ愛憎」多岐川恭/△「解題」中島河太郎/☆「年譜」/月報(「犯人当て小説 第六太平丸の殺人」西村京太郎/「犯人当て小説解答編 最後の章」千代有三 ほか未調査)
  26. 『鉄鎖殺人事件』 桃源社 1975.08.25
    『鉄鎖殺人事件』/『博士邸の怪事件』/△「解説」都筑道夫
  27. 『殺人鬼』 桃源社 1975.10.01
    『殺人鬼』/△「解説」都筑道夫
  28. 『殺人小説集』 桃源社 1976.04.20
    「彼が殺したか」/「死者の権利」/「悪魔の弟子」/「殺された天一坊」/「島原絵巻」/「正義」/「探偵小説作家の死」/「黄昏の告白」/「夢の殺人」/「彼は誰を殺したか」/「有り得る場合」/「肉親の殺人」/「マダムの殺人」/「不幸な人達」/「救助の権利」/△「解説」中田耕治
  29. 『日本探偵小説全集5 浜尾四郎集』 創元推理文庫(400-06/Mん-06) 1985.03.29
    「彼が殺したか」/「悪魔の弟子」/「死者の権利」/「夢の殺人」/「殺された天一坊」/「彼は誰を殺したか」/「途上の犯人」/『殺人鬼』/△「解説―”法律的探偵小説”の先駆者」権田萬治/☆「浜尾四郎年譜」中島河太郎編/△「編集後記」戸川安宣/△「父浜尾四郎のことども」浜尾実/△「浜尾四郎のことども」江戸川乱歩/△「徹底的な浜尾君」甲賀三郎/△「思出の浜尾四郎氏」大下宇陀児
  30. 『博士邸の怪事件』 春陽文庫探偵CLUB(C88-01) 1996.06.10
    △「戦前には希有な本格派・浜尾四郎」山前譲/『博士邸の怪事件』/「不幸な人達」/△「講説」山前譲
  31. 『くらしっくミステリーワールド4 浜尾四郎集 (大活字本)』中島河太郎監修 リブリオ出版 1997.02.28
    「黄昏の告白」/「殺された天一坊」/「夢の殺人」/「途上の犯人」/△「解説」中島河太郎
  32. 『浜尾四郎探偵小説選』 論創社・論創ミステリ叢書6 2004.04.20
    「彼が殺したか」/「黄昏の告白」/「富士妙子の死」/「正義」/「島原絵巻」/「探偵小説作家の死」/「虚実(有り得る場合)」/「不幸な人達」/「救助の権利」/△「探偵小説の将来 探偵小説は如何に展開すべきかに対しての御答」/△「運命的な問題 「華やかな罪過」読後感」/△「筆の犯罪」/△「江戸川乱歩の持ち味」/△「探偵小説作家の精力」/△「江戸川乱歩氏に就いて」/△「探偵小説を中心として」/△「探偵小説問答 原書を読みて(アンケート)」/△「ハガキ回答」/△「解説」横井司
  33. 『殺人小説集 浜尾四郎全集1』 沖積舎 2004.11.
    △「序」/「彼が殺したか」/「死者の権利」/「悪魔の弟子」/「殺された天一坊」/「島原絵巻」/「正義」/「探偵小説作家の死」/「黄昏の告白」/「夢の殺人」/「彼は誰を殺したか」/「有り得る場合」/「肉親の殺人」/「マダムの殺人」/「不幸な人達」/「救助の権利」/ △「落語と犯罪」/△「犯罪落語考」/△「歌舞伎劇に現われたる悪人の研究」/△「復讐劇に就ての一考察」/△「犯罪人としてのマクベス及びマクベス夫人」/△「犯罪心理学より観たるゲルハルト・ハウプトマンの人々」/△「犯罪閑話」/△「夏の犯罪」/△「検事の手記」/△「筆の犯罪」/△「探偵小説を中心として」/△「犯罪文学と探偵物」/ △「世界著名殺人事件の真相(「クリュペン事件」/「色魔王ランドリュー」/「婦人の色情狂ベル・ガンネス」/「カスリン・ウェブスター事件」/「フネルーとジョーバン」)」/△「解説 浜尾四郎の人と作品(上)」大内茂男
  34. 『殺人鬼 浜尾四郎全集2』 沖積舎 2004.12.
    『殺人鬼』/『博士邸の怪事件』/『鉄鎖殺人事件』/『平家殺人事件』/△「解説 浜尾四郎の人と作品(下)」大内茂男
  35. 『鉄鎖殺人事件』 河出文庫(は-22-01) 2017.10.20
    『鉄鎖殺人事件』/△「解説 名探偵の謎解きと惨劇のスリル、絶妙のコンビネーション」山前譲



      参考文献

  1. 「浜尾四郎研究所」
    Web Site 「奈落の井戸」※アーカイブ 2007.頃まで
  2. 「解説 浜尾四郎の人と作品」大内茂男
    『浜尾四郎全集1』『浜尾四郎全集2』 桃源社 1971.06.25/1971.09.15
  3. 「浜尾四郎単行本未収録作品集・解題」阿部崇
    新青年趣味9号 2001.12.31
  4. 「解題」横井司
    『浜尾四郎探偵小説選』 論創社・論創ミステリ叢書6 2004.04.20
  5. 「『浜尾四郎随筆集』解題原稿」阿部崇 など
    新青年趣味19号 2019.05.05
  6. 「一九三〇年前後の犯罪報道における探偵小説ジャンルの位相―― 犯罪ジャーナリズムにおける「江戸川乱歩」と「浜尾四郎」の表象をめぐって ――」井川理
    日本文学 2016.03. ※J-STAGE
  7. 「各種新聞掲載文芸関連記事目録抄」加藤仁
  8. 「拮抗する法・新聞メディア・探偵小説 浜尾四郎『殺人鬼』における「本格」のゆらぎ」井川理
    言語態 2015.03. ※東京大学学術リポジトリ
  9. 「編者解説」日下三蔵
    『覆面の佳人/吉祥天女の像 合作探偵小説コレクション5』日下三蔵編 春陽堂 2024.01.10
  10. ほか、文庫解説、著者紹介など多数




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