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浜尾四郎 作品小集5 |
Since: 2024.01.14 Last Update: 2024.04.28 |
略年譜・作品・著書など(別ページ) 作品小集1 - 2 - 3 - 4(別ページ) |
【共著】
一、個牌の占ひ方 A、戀愛・願望・戀人・金錢 B、縁談・未來の夫の判る方 二、數の占ひ方 A、D・S法 B、ピラミッド法 三、獨り遊び方 |
神秘の嗜好性は近代人の特色です。神秘とは――それは要するに、人生の疲勞のあとで啜るカフェでしかないのです。本誌が「新麻雀占ひ」を附録とした意圖もそこにあるのであって、われらは封建的な迷信の「眞劍さ」をもって之を見られることを恐れるものです。 探偵小説界の二巨壁甲賀三郎、濱尾四郎兩氏は、麻雀界でも亦二巨壁濱尾四郎、甲賀三郎だと仰言います。麻雀の方はしばらく措くとして、探偵小説界の定評は既に動かすべくもありません。鋭敏刄の如く、尖鋭針の如き神經と、慧として神の如き洞察力。その異常な感覺に咲き散る神秘と想像の世界に至っては、正に兩氏の獨壇上であります。茲に冷徹の判斷と叡智の限りを捧げて想を練ること半歳、靈感到って初めてなる近代科學の密法、必ずや讀者の御嗜好に適ふものであることを信じて疑ひません。 |
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(解説オハリ)
取った牌の種類 | ||
未來の配偶者 | 縁談 | |
(骰子の目と自分の年の數で開く所を極める) | (骰子の目と自分の年と相手の年の數で開く所を極める) | |
東 元氣のある美しい人です。然し金使ひが荒いですよ、きっと。 |
大吉 上々です。お互に短氣さへ慎しめば末永くですよ。疑ひありません。 | |
南 少し憂鬱なのが欠點ですね。でも心は親切な人ですよ。 |
半吉 十年。さうですね。十年續けば心配ありません。それまでがどうも。 | |
西 少し浮氣性ですよ。えゝ、お金は十分ありますが。 |
凶 双方とも我まゝが募って、まあ見込はありませんな。 | |
北 しっかりした人ですな。男なら學者女なら才媛、冷靜なのが特長です。 |
吉 辛抱です。辛抱さへすれば、樂しい春が廻って來ますよ。 | |
白 ぬらりくらりと捕へどころのない人ですな。呑氣な事は好い所ですがネー |
半凶 要領を得ませんな。お互に思ひ合ってゐれば結果は惡くないでせうけれども。 | |
中 さっぱりした氣性の人です。他人に好かれる性質ですから油斷がならない苦勞があります。 |
吉 間違ひありません。ピッタリ氣が合ってゐます。あんまり合ひすぎてゐる所に危險はありますが。 | |
發 うまく行けば大成功。拙いとどうなるか分らない人ですな、御用心御用心。 |
吉 お互に愛し合ってゐるんでせう。どうも仕方がありませんな。氣をつけてさへゐれば間違ひはなからうと云ふ所です。 | |
一筒 肥った活動家ですよ。お金となると少々心細いですがね。 |
凶 どうも餘り話が好すぎますね。もう一度考へ直すのですな。 | |
二筒 むっつりした意地の惡い人です。然し、配偶者にはとても好いんです。 |
大吉 家庭圓滿疑ひなしですよ。然し稀には一人で歩きなさいよ。 | |
三筒 どうも失禮ですが、兎角失敗し勝ちの人ですな。人には好かれますが。 |
大凶 この縁談は遺憾ながら纏りませんな。下駄を取替へたのがいけなかったのです。なに又好い縁がありますよ。 | |
四筒 圓滿無類と云ふ人です。その代り人から少し馬鹿にされます。いや、どうも。 |
吉 纏りませう。アノ手紙が代筆だと云ふ事が分りさへしなければ。 | |
五筒 嚴格な人ですな。少し几帳面過ぎますが、人から尊敬されます。 |
半吉 相性は好い方です。けれどもどことなく破綻しさうな危險性がありますね、御用心。 | |
六筒 我まゝな人です。然し、その我まゝが又何とも云へない所で――お分りですか。 |
凶 女の方は確かですが男の方がうはついてゐますね。どっちかと云ふと成就しない方です。 | |
七筒 とてもひねくれた人ですよ。頭は好いのですが、出世を取逃がすでせう。お氣の毒さま。 |
吉 何となく進まないやうですが、取逃がさない方が好いですよ。 | |
八筒 眞直な氣性の人。然しお世辭が下手で上役年輩にだめです。 |
吉 上々の縁です。釣合ってゐる所が好い所ですよ。 | |
九筒 子nメですな、人も好さうです。お金はまあ中位ですな。 |
半吉 先方が浮ついてゐますよ。諦めた方が好いかも知れませんな。 | |
一索 賑やかな人です。お金もどっさりあります。けれどもケチン坊です。 |
半凶 どうも旨く行きさうにありませんな。例の借金の件がバレさうですから。 | |
二索 竹を割ったやうな氣性と云ふのはこの人の事ですが、金に縁のないのが欠點です。 |
吉 これは良縁です。然し急ぐといけませんな。勸業債券を當てるやうな氣持でゐらっしゃい。 | |
三索 オッチョコチョイですな。どうも失禮ですけれども餘り出世しさうもありません。 |
中吉 末で苦勞する恐れがあります。相手をよく見定めること。 | |
四索 行儀の好い人です。然し當節は行儀では出世しませんからな。どっちかと云ふと、不遇ですな。 |
大吉 相当大乗氣上々です。好すぎて魔が差さないやう御用心。 | |
五索 喧嘩早いですよ。どうも。女なら美人ですが、ツンと澄してゐるのが欠點ですな。 |
凶 どうも好くありません。あなたがあの時にあゝしたのが惡いのです。 | |
六索 男女とも人に取り入るのが旨い人です。お金も出來ませうよ。尤も大した事はありませんが。 |
吉 相性は惡くありませんが、あの事が鳥渡心配です。 | |
七索 之は亦物事に角を立てる人です。旨く行くとウンと出世が出來ます。拙く行くと失業ですな。 |
半凶 纏らないかも知れません。あなたがあんまり打算的だから。 | |
八索 分らず屋です。お金はドッサリあります。配偶者には冷淡ですな。 |
吉 好いですな。あなたが變な見榮さへ出さなければきっと纏まりますよ。 | |
九索 凝り性の方ですな。ズングリしたあんまり恰好のよい方ではありませんよ。 |
凶 本人同志は好いんですがアノ人がねえ。近頃は人を蹴殺す馬が拂底なので。 | |
一万 甘え坊です。お金には縁のある方でせうが、結局身が持てませんよ。 |
吉 結構です。然し結婚しない前から人になんとか云はれないやうになさいよ。 | |
二万 太っ腹の人です。お金はまあ無い方ですが、人望があるから心配はありませんよ。 |
半吉 駄目らしいです。アノ人があなたのアレを見たんですって。 | |
三万 ヒョロヒョロとしたあんまり見ともよくない人です。でも見かけよリガッチリしてゐますよ。 |
大吉 大丈夫です。然し、今から妬くのはいけませんよ。 | |
四万 頗る社交的な人です。一緒に銀座を散歩してもヒケ目を感じないのは好いですが、お喋りなのはどうも。 |
半凶 餘り喋り過ぎましたね。それが落選する基でしたよ。 | |
五万 何不自由なく暮した悠たりした人です。地位も相當てすが、食意地が張ってゐると二つ好い事はないものですな。 |
吉 好い方です。成功ですが、お酒は謹しまなくてはいけません。 | |
六万 美貌で金持で氣前も好いのですが惜しい事には意地張りでね、家庭はどうも餘り面白くありませんな。 |
半吉 やっぱり駄目らしいです。靴下の穴がいけなかったので。然し、そんなのが好いと云ふ人もありますから心配しないで。 | |
七万 口前が旨いのですが。どうも落着きがなくて、けれども家庭は圓滿です。 |
吉 成功します。然しそゝっかしいのは直さなくてはいけませんな。 | |
八万 信仰家ですな。その變り少し變り者です。品行の點では少しも心配のない代りに、些か融通が利かないと云ふ人です。 |
大吉 大願成就です。巾着の紐をしっかり締めてゐないと覘(ねら)ってゐる人が澤山ありますよ。 | |
九万 圓轉滑脱、シャレの旨い人です。一體が呑氣ですから腹を立てるやうな事もない代りに、餘り金は殘りませんな。 |
吉 旨く行きさうです。然しそれだからと云って、餘り世の中を甘く見てはいけませんよ。 |
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元檢事 辯護士 | 濱尾四郎 |
創作家 | 長谷川伸 |
創作家 | 田中貢太郎 |
陸軍大佐 | 櫻井忠温 |
俳優 | 喜多村緑郎 |
畫家 | 水島爾保布 |
濱尾四郎 | |
辯護士 | 稲本錠之助 |
辯護士 | 森山庸躬 |
辯護士 | 清水郁 |
辯護士 | 辰野保 |
辯護士 | 塚崎直義 |
辯護士 | 上田保 |
辯護士 | 吉岡秀四郎 |
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